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INTERVIEW

Japanese

愛はズボーン

2017年11月号掲載

愛はズボーン

Member:カネシロマサヒデ(Vo/Gt) シライタツヤ(Ba)

Interviewer:岡本 貴之

-以前は作曲のクレジットがバンド名義になってましたけど、最近は作曲がカネシロさんとギマ(ケンタ/Vo/Gt)さんでそれぞれクレジットされてますよね。カネシロさんはトラックから作っている感じでギマさんはメロディから作っている感じを受けますけど、実際はどうなんですか。

カネシロ:まさにそうやと思います。時間がかかるのはギマ君の曲やもんね。

シライ:時間かかる。展開が難しいもんね。

カネシロ:ギマ君がアレンジとかトラックまでのことをまとめて持ってくるというよりは、そこの音作りはそれぞれの楽器に任せている感じでメロディを持ってくるので、僕が作る曲よりもバンドとしては制作行程が1個多い感じですね。僕の場合は、最後までメロが決まってないときがあります。

-表題曲の「どれじんてえぜ」を聴いてまさにそんなふうに思いました。

カネシロ:展開が無茶苦茶ですよね? すごないっすか。あれを3分台にまとめたんですよ。これはもともと、PAUL MCCARTNEY & WINGSの『Band On The Run』のめちゃくちゃ長い曲とか、THE BEATLES『Abbey Road』の「Golden Slumbers」から「The End」までの感じをやろうとしていて。

-メドレーにしたかったということ?

カネシロ:そうです。1曲の中でメドレー曲を作ろうと思って、11分くらいにしようと思ってたんですよ。「どれじんてえぜ」っていうタイトルの中に3分とか4分の曲がそれぞれ入って全部合わせたら11分くらいということをやろうとしていたんです。でも、脳内の会議で"それは時代に喧嘩を売り過ぎてる"って思ったので、折衷案としてこれを意地でも3分にするっていう結論に僕の中でなりました。

-この曲やシングル『ゆ~らめりか』のときも思ったんですけど、売れ線の曲をやろう、とかがないですよね。

カネシロ:市場調査はするようになったんですけど、僕らはそれをやっても無駄やなって思ったんですよね。世の中の移り変わりが激しいじゃないですか? 流行りの音とかもあるし。出てくるバンド出てくるバンド、誰かの若い版みたいな感じもするし、それもここ5年周期くらいのバンドをリバイバルしている感じで、それは意味がないんじゃないかなって。そういうことは思って作っています。だからそこに捉われるのは美しくないなと思うし、業界全体が美しくなく見えてます、僕には。

-そっちに寄せていこうと思っていた時期もあったんですか?

カネシロ:ありました、ありました。でもできないんですよね、つまるところ(笑)。

-ただ、11分にするよりは3分にした方がいいな、と。

カネシロ:そうですね。でも、じゃあ簡単に売れる曲を作ろうって言ってもできないんですよね。

シライ:「どれじんてえぜ」も「ゆ~らめりか」も、シングルっぽいとは思ってるんですけど。愛はズの中では一番売れ線の曲だとは思ってますね。

カネシロ:正直な話、音の良し悪しで売れるんですかね? それもちょっと腹立ってるんですけど(笑)。でも、作ってる間に世の中変わると思ってますから。流行ってる"A"っていうものがあったとして、そこから作り出して出すころには"B"が流行ってる可能性もあるわけじゃないですか? それやったら、僕らが"B"になろうっていうくらいの感覚ですね。

シライ:でも「どれじんてえぜ」は、下手したらボツになりそうだったんです。曲の1番は できてて、そこから先がこねくりまわしても何もできなくて。

カネシロ:僕は11分の曲にしようとしていたので、その1番は二度と出てこないようにしようと思ってましたから(笑)。

シライ:でも、その1番が僕はあまりにも好きだったので、"これいけると思うけどなぁ"っていう感じやったんですけど。タイトルも「どれじんてえぜ」になるまで3回変わってて。