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INTERVIEW

Japanese

POLYSICS

2015年04月号掲載

POLYSICS

Member:ハヤシ(Gt/Vo/Syn/Prog)

Interviewer:吉羽 さおり

-まさにインダストリアルという言葉でしか表現しようがなかったんだろうなという。

EINSTÜRZENDE NEUBAUTENくらいまでいっちゃうと怖いのもあるけどね、呪いみたいな感じで(笑)。MINISTRYのいいところは、もともとあの人たちはテクノ・ポップ上がりだから、そこらへんの愛嬌がちょっと残ってる感じが好きなんだよね。そういう音楽的な刺激はなぜか、2007年くらいにあって。その流れは、未だにあるけどね。あと途中でアシッドぽくなるけど、それもさっきの話と一緒で、シンセ・ベースがビヨビヨ鳴る音楽も大好きなんだけど、ポリとしてはあれを7分間ずっとやる気はないっていうかね。それよりも2分半とか3分くらいで、1曲の中にアイディアが詰め込まれたニュー・ウェイヴ・パンクみたいな、XTCやP-MODELみたいなものが好きだから(笑)。そういうので歌いたいんだなっていうのは、最近改めて気づいた。ちょうどそういう取材が昨年末くらいにかけてあったんだよね、自分のルーツを45曲選ぶやつだったり、DJ番組で自分で選曲したのを繋いでオンエアしたりとか、ルーツを探ることが多かった。それでいろいろ引っ張り出して聴いて、すげえいいなって改めて思って。家のオーディオを良くした時期でもあったから、PLASTICSの1stとか、ハルメンズを聴いたら、"やっぱ最高じゃん!"って思っちゃって。

-自分の音楽について振り返る時期でもあったんですね。

ルーツのものを探るとかルーツのものをやるっていうよりは、いろいろ気づかされた。俺の年代だと、ダンス・ミュージックにおいては90年代のテクノが主流だし、そっちに行く人が多いけど、なぜ俺はこっちだったんだみたいな話で。7、8分間つまみをいじる快楽、音を変調させる快楽よりも、ドンっとジャンプして汗かいて、ギター持って歌うっていうのが、好きなんだなと思った。でもKRAFTWERKが好きなのは、あの人たちがパンクだからで。それまでない音楽を作った人たちだから、大好きなんだろうなと思って。昨日も夜、聴いちゃったんだけど(笑)。

-今作の前に新曲も作ってレコーディングもしていたということですが、そこから今作へとはすぐに切り替えはできたんですか?

できましたね。自分も"POLYSICSの新曲はこうです、聴いてね"っていう方が、アピールしやすいのもあるし、楽しくもある。あと、POLYSICSの存在感というか、自分が偏ってるバンドのリーダーだから。POLYSICSの存在感がアピールしやすい方が、いいしね。まだわかってない人には、どうわかりやすく伝えようかなみたいのは常に考えてるから。そこで、こういう面白さをアピールできるのは、いいなと思って。

-なるほど、でもさっきも言っていたように18年やっていて、ある程度みなさんPOLYSICSのイメージはあると思うんですよね。それをもっと明解にしようと?

うん、どこまでわかってるのかなっていうのが正直なところだけどね。フェスでは盛り上がるみたいな。ライヴを観たことない人もまだまだいっぱいいるわけでしょ。3人になったことも知らない人もいるわけだし、解散したんじゃないかっていう人もいるしね。落ち着いちゃったねって思われるのも嫌だし。"全然落ち着いてないよ"と(笑)。落ち着くことが大っ嫌いだからさ。

-他のバンドだったら、ここまでのノリをやっちゃったらいろいろ言われちゃうそうな気がするんですよね。でもPOLYSICSだとこれもありになっちゃう。"おバカな方向にいきました"じゃなくて、ちゃんと音楽的になってるし。これができるバンドって少ないんじゃないですかね。

面白いことを考えるのは大変だけど、やりがいがあるんだよな。去年の9月に下北沢CLUB Queで2デイズをやったんだけど。ワンマン2デイズ被り曲なしとか、古い曲やりますっていうのもできるけど、ただやるのもねって話していて。それで、"奇跡の3マン"っていうのをやったのね。前座 POLYSICS、スペシャル・ゲスト POLYSICS、メイン・アクト POLYSICSで、3つとも出しものを変えてやったのね。最初は初期ポリで、インディー時代の曲だけで衣装も当時のもので。2つ目がカバーだけ。3つ目が全22曲ノンストップ・メガミックスっていうのを生でやるっていう(笑)。準備はとにかく大変だったんだけど、でもやっぱり、ファンは喜んでくれていたしね。

-自分たちが飽きないためにもやっていきたいっていう思いはあるんですか。

それもね、結構バイオリズムがあって(笑)。そう思いたいときもあるし、そう思いたいんだけどまったくアイディアが出ねえなってときもあるんだけどね。普通にやる面白さよりは、頑張ってアイディアをひねり出して楽しんでもらえる方が、好きなんだな自分は。企画をばーんと打ち出したときに、ざわっとなる。そういうのは大事だなと思いますね。

-それが自分の本質的なところでもあるんですね。

うん、楽しみたいし楽しませたいのもあるかもしれない。今は、バンドでもハッピーハッピーみたいなところが多いから、そこでの葛藤もあるんだけど。でも、POLYSICSはやっぱり楽しいバンドだよなっていうのはあるし。他のバンドじゃできない武器は、常に考えていかなきゃいけないと思いますけどね。そのやり方が昔はわかんなくて、ライヴ中、人の手を食ってみたりしてたけど(笑)。

-ものを投げたりもしてましたね(笑)。今は楽しませる方法もわかってきたという感じですかね。

まあ、たまに食べるのもいいかなと思うけどね(笑)。