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DISC REVIEW

B

3650

Bentham

3650

バンド結成10周年を記念した、2年ぶりのアルバム『3650』。今作はオゼキタツヤ(Vo/Gt)書き下ろしの新曲6曲に加え、「TONIGHT」のアザー・アレンジ再録と、4月に行った配信ライヴの音源3曲を収めた全10曲入りとなっている。新曲はBenthamの10年の軌跡、感謝や愛、ここから続いていく未来への想いなど、様々な感情が溢れている気がする。一歩一歩を確かに踏みしめながら駆けていくサウンドにバンドの意志を感じる「マーガレット」、どこか懐かしく温かい、誠実なバラードであるリード曲「アルルの夜」、また他の収録曲とは毛色の異なる、ネオンの光を思わせる音色が都会的な「NUDE」。Benthamの10年=3650日を辿りつつ、現在のバンドの音楽に対する意欲も感じられる作品だ。(三木 あゆみ)

Re: Public <2014-2019>

Bentham

Re: Public <2014-2019>

CDデビュー5周年を記念したベスト・アルバム。インディーズからメジャー進出、そして現在に至るまで、たくさんのキッズを踊らせてきた楽曲の中からメンバー自身がセレクトした。曲順までこだわり抜いた全21曲(たっぷり!!)からは、歌声や演奏の変遷を味わうことができる。注目すべきはオープナーである「パブリック (2019 ver.)」。彼らのデビュー曲であり代表曲である「パブリック」を再録しており、その軌跡が凝縮されて聴こえてくる。ラストはユウ(チリヌルヲワカ/ex-GO!GO!7188)をゲスト・ヴォーカルに迎えた新曲「FUN」。軽やかなビートとコーラスに身を委ねていると、終盤にストーリーを広げるような素敵な歌声の交わりが待っている。(高橋 美穂)

MYNE

Bentham

MYNE

2010年結成ということで、フェス時代のもと育ってきたBentham。その自覚がいい意味の責任感となってアッパーな楽曲を生み続け、フェスを盛り上げ続けてきたと思うのだが、満を持してその先へと突き抜けたのが今作である。もともとダイナミックな歌唱力を持つ小関竜矢(Vo/Gt)を筆頭に、高い演奏テクニックを持つメンバーが集結していることに加えて、音楽的なバックグラウンドも幅広い彼ら。今作は、"MYNE"=鉱山というタイトルが物語るとおり、Benthamに秘められていた宝石のようなアイディアやスキルがきらめく1枚だ。J-POPへアプローチできるまっすぐさから、キッズを笑い踊らせるユーモア、音色まで突き詰めたこだわりまで、彼らの広さと深さが同時に証明されている。(高橋 美穂)

Bulbous Bow

Bentham

Bulbous Bow

インディーズ時代からメジャー1stフル・アルバムまで深く関わってきたFRONTIER BACKYARDのTGMXに代わり、野間康介をプロデューサーに迎えてのメジャー1st EP。その制作環境の変化は如実に表れており、フル・アルバムでのいい意味で隙間のあるサウンドとはまったく違い、音の壁を厚めに塗った印象だ。かといってヘヴィでラウドな音楽になっているかというとそうではなく、「Reset」、「FATEMOTION」など、軽やか且つスケール感を持ってポップに聴かせているのは、バンドと野間との相性の良さからくる結果なのかも。バンドマンとして生きていく覚悟を感じさせる「Bandwagon」の冒頭で歌われる"ポケットの中に 押し込んだモノ"をまだまだこれから見せてくれそうな、野心に満ちた挑戦的な1枚。 (岡本 貴之)

Re: Wonder

Bentham

Re: Wonder

今年4月にメジャーにフィールドを移し、2枚のシングルをリリースしたBenthamが完成させたキャリア初のフル・アルバム。彼らの持ち味でもあるメロディとギター・リフの圧倒的なキャッチーさはそのままに、四つ打ちだけでなく8ビートやサンバ、3拍子など、様々なリズム・セクションを用いたギター・ロック・サウンドが揃う。鮮やかな鍵盤の音色が印象的な楽曲やパンク・ナンバー、ロックンロール然としたギターが炸裂するもの、先人のロック・バンドたちのオマージュ的な音作りなど、これまでで最もメンバーの音楽志向が素直に反映されたものになったのでは。等身大の心情が綴られている歌詞との親和性も高い。1stフル・アルバムに対するメンバーの気合や抱いていたロマンが十二分に感じられる。(沖 さやこ)

激しい雨/ファンファーレ

Bentham

激しい雨/ファンファーレ

インディーズで4枚のEPをリリースした4人組が4曲入りの両A面シングルでメジャー・デビュー。明るくキャッチーなイメージが強い彼らだが、今回収録されている楽曲たちはどの曲も人懐っこさの中にどこかしら陰の要素がある。Track.1は随所に使われるマイナー・キーが歌詞にもある"涙"を際立たせ、Track.2は切なさがもたらす疾走感と柔らかいコーラスに、新しいスタートを切る春らしい軽やかさと焦燥性が通う。8分の6拍子のリズムを取り入れた繊細且つパワフルなTrack.3も新境地。特に大胆にピアノを取り入れたTrack.4はソングライター 小関竜矢(Vo/Gt)の内面性が最も強く出たものになったのでは。歌詞、サウンドともにアート性も強く、バンドに新しい可能性が生まれている。(沖 さやこ)

ExP

Bentham

ExP

前作『OMG』リリース以降、東名阪でのツーマン・ライヴや代官山UNITで初のワンマン・ライヴを行うなど全国各地で精力的な活動を続けているBenthamの4th EP。前作から取り入れられたメンバー全員作曲の方法を引き続き導入し、より効率のいい制作ができたようだ。バンドとしても"より多くの人に聴いてもらえるであろうタイミング"ということで、聴き手に対して伝わりやすい楽曲を心掛けたとのこと。とはいえバンドの勢いは損なわれていない。ライヴで培った筋力を存分に使い、メンバーのテクニックが味わえるTrack.2、エモーショナルに突っ走るTrack.3、ガレージ・パンク・テイストのTrack.4など、全曲にバンド・サウンドだからこそ出せる躍動感が溢れている。(沖 さやこ)

OMG

Bentham

OMG

1st EPを進化させた音像でがっちりと固めた2nd EPから約半年、4人は3rd EPにて過去2作で作り上げた基盤を使って攻めの姿勢を仕掛けてきた。過去作は聴き手に寄り添うアプローチも多かったが、今作は音楽的にも彼らのエゴが明確に出ており、これまでにない力強さが生まれているのが特徴的だ。自分たちの音にわくわくが止められないような、衝動的な純粋さも感じる。今作はEPと謳いながらも8曲というボリュームなので、楽曲もバラエティ豊か。勢いのある太いロック・ナンバーから、ハイになって踊れる曲、沁み入るミディアム・テンポや、心地よく軽やかな楽曲まで、これまでには見られない情景が多々詰め込まれている。リスナーに寄り添ってきたバンドが、リスナーを引っ張るバンドへと進化した。頼もしい。(沖 さやこ)

NEW LIFE

Bentham

NEW LIFE

2014年10月に『Public EP』で全国デビューを果たしたBenthamが7ヶ月振りに放つ新作。前作同様FRONTIER BACKYARDのTGMXがプロデュースを手掛けている。今作は『Public EP』で提示した5曲でのBenthamを、より凝縮させ、明確にした、より濃度の高いものになった。まず、小関竜矢(Vo/Gt)のハイトーン・ヴォイスが強度を増し、伸びも良い。ヴォーカルが音の上に乗るのではなく、音を引っ張るようだ。アンサンブルもよりグルーヴが生まれており、TGMXとの意思疎通を含め、前作で踏まえた経験を活かした作品になった。BenthamはこのEPでバンドの土台を固めた。だからこそ、だいぶ気が早いが、次回作はどんなアプローチを仕掛けてくるのかが気になる。(沖 さやこ)

Public EP

Bentham

Public EP

2010年結成、今年はKEYTALKのツアーのゲスト・アクト4公演に抜擢され若いリスナーを中心に注目を集める4ピースの初の全国流通盤。プロデューサーにFRONTIER BACKYARDのTGMXを迎えている。Track.1、2はブルージーなギター・リフに四つ打ちが絡み、一抹の切なさが漂うメロディとハイトーンでありつつも屈強なヴォーカルが冴え渡る、KEYTALK×a flood of circleな楽曲。そういう意味でも彼らは最近の四つ打ち系バンドの中でも、ベースやギターに太さを感じさせる。Track.3には変拍子を、Track.5ではボサノヴァ風のサウンドを盛り込むなど、短尺でありながらもカラフルなアプローチを投入。全曲に躍動感が漲り、前のめりな音像がこちらを突き動かす。(沖 さやこ)

Fever Dream

Ben Watt

Fever Dream

1983年ネオアコの大名盤『North Marine Drive』から前作『Hendra』まで31年もの間隔があったことを思うと調子の良さがうかがえる2年ぶりのソロ3作目。前作に引き続き元SUEDEのBernard Butlerを右腕に据えている。良質なフォーク・ロック作品だがそこに留まるのはもったいない。Track.1の重苦しさから、共演にアシッド・フォーク・シンガーMarissa Nadlerを迎えたラストのTrack.10にかけて、雲の裂け目が広がるような、えも言えぬグラデーションがじんわり染み入る。EVERYTHING BUT THE GIRLでの成功、一時は死の淵までいった長い闘病生活、レーベル"Buzzin' Fly"の運営やDJ活動も経て、彼の年輪が刻み込まれた老成円熟の説得力だ。(峯 大貴)

白昼夢、結んだ言葉は花束に

berry meet

白昼夢、結んだ言葉は花束に

berry meetが、結成日である7月8日にメジャー・デビューを果たし、1stフル・アルバムをリリース。ミュージック・ビデオでミリオン再生を超え、すでに多くの人から共感を得ている「月が綺麗だって」、「図星」をはじめ、ほろ酔いのなかで"あなた"のことを思い浮かべながら夜道を1人で帰る「あなたを酔て」や、別れる寸前の繊細で苦い思いを綴った「疲れちゃった」等、リアルな歌詞と男女混声コーラスが優しく重なり、柔らかく温かいが切なさも宿る空気感が鮮明に映し出される、等身大のラヴ・ソングが集結した。またCD限定で、たなかり(Ba)、いこたん(Dr)がそれぞれ作詞作曲/ヴォーカルを務めたボーナス・トラックを1曲ずつ収録。まさにberry meetの結んだ言葉が色鮮やかな花束として届けられる。(中島 希実)

昼下がりの星、続く旅路

berry meet

昼下がりの星、続く旅路

2022年結成のスリーピース・バンド berry meetが2ndミニ・アルバムをリリース。鮮やかなメロディが颯爽と駆けるサマー・チューン「青の魔法」、ソリッドなベースの歪みが鼓膜を揺らす「紬」と勢いある2曲で幕を開けるが、以降のボルテージは一変、等身大のソングライティングで紡がれるバラードを中心に構成される。恋の断片的な記憶を手繰り寄せるように、切なくも温かいコーラスが聴き手をうっとりさせるだろう。中でもポエティックな詞に思わず耳を傾けてしまうチルアウトな「星になりたい」は、詩集盤のリリースにも箔を付けるよう。終盤に収録される、100万回再生超えのMVが話題の「溺愛」も必聴だ。サビの合いの手にはギュッと胸を掴まれる。(山本 剛久之)

Crazy For You

BEST COAST

Crazy For You

BEST COAST!そう、西海岸最高なのである。ANIMAL COLLECTIVEのブレイク以降続々と個性的なアーティストが登場しているNYブルックリン・シーン同様、こちらはNO AGE以降だろうか、青い海と真っ赤な太陽を浴び自由に育ったアーティストで活況を呈しているL.A.シーン。なかでも今年のサマー・チューンとして刺激的な季節を彩ったのはこの1枚だったのでは?SONIC YOUTHのThurston MooreやBill Murrayまでもファンを公言している要注目デュオ、待望の日本デビューです。BEACH BOYSを夢見た女の子がひとり自室にこもり安い機材で作ってしまった、みたいなローファイ感覚が印象的だが、気だるいエコーを纏った甘いメロディから滴るノスタルジーが心を惹きつける。ジャケもご覧の通り、猫萌えユルユルさでファニー。でもこの飾らなさはバンドの魅力を象徴しているかもね。(伊藤 洋輔)

告白

betcover!!

告白

ヤナセジロウのソロ・プロジェクト、betcover!!による2ndアルバム。"2020年の今に望まれたロック・アルバム"と謳われる今作は、"愛"と"悲しみ"の表裏を淡々と歌い上げ、ノスタルジックで情緒溢れるサウンドスケープを描き、独自の感性を叙情詩のように表現した全10曲が収録されている。今作の鍵となるであろう「Love and Destroy」は、新たな試みとしてプロデューサーに小袋成彬を迎えて制作された楽曲。繊細で、しっとりと心に触れるものがあると同時に、"僕の体が道路に落ちても/心はそれを見ているだけ"などの言葉にハッとさせられ、聴き終えてからしばらく考えさせられるような感覚になる。純度の高い彼の音楽は、まさしく彼にしか作れないものだと思う。(三木 あゆみ)

high school !! ep.

betcover!!

high school !! ep.

"RO69JACK"優勝の18歳、ヤナセジロウのプロジェクト"betcover!!"。リード曲「COSMO」は、リバーブの効いた懐かしく温かな、心地よい横揺れのギター・ロック。だが、楽曲を聴き進めるうちに彼の音楽の旨みは他にもあるのではと気づく。ギター、キーボードなどの主張が、互いを"引き立てる"という考えは皆無なのではと思うほど、激しく、そこに気だるげな歌声と日本語の響きが乗るという不思議なバランス。そして独特の展開が持ち味だ。またアルバムを通して香るディスコチックな黒い匂いも、彼自身幼いころからEARTH, WIND & FIREを聴いて育ったというのだから納得。奇妙で絶妙な兼ね合いで音のスパイスを調合して作り上げたクセになる1枚。この生意気な曲者感、かなりいい。(稲垣 遥)

Yours Truly, Cellophane Nose

BETH JEANS HOUGHTON AND THE HOOVES OF DESTINY

Yours Truly, Cellophane Nose

派手なヘア・スタイルに奇抜なメイク。ヴィジュアルから個人的に真っ先に連想したのはGwen Stefaniである。だが、聴こえてきた1曲目の「Sweet Tooth Bird」のイントロはTHE BEATLESを思い出すような正統派サウンド。更に聴き進めていけば、まぎれもないブリティッシュ・フォーク・ソングでヴィジュアルのイメージから想像したR&B等の要素は全くないのである。このギャップは流石に度肝を抜いた。更に21歳とは思えないほど甘さとセクシーさを兼ね備えた声は蠱惑的である。しかも、BLURやDEPECHE MODEを手掛けたBen Hillierがプロデュースを担当したというのだから、デビュー・アルバムから大物感の漂う1枚である。(石井 理紗子)

Straight Line Was A Lie

THE BETHS

Straight Line Was A Lie

2022年の前作『Expert In A Dying Field』が、様々な音楽メディアの年間ベスト・リストに選出され、高い評価を受けた、ニュージーランド出身の4人組 THE BETHS。レーベルをANTI- Recordsに移しての4thアルバムは、前作発表後に起きたElizabeth Stokes(Vo/Gt)の健康問題や、母国での大洪水、家族との関係といった出来事にインスパイアされた、内省的なムードが漂う作品となった。持ち前のキャッチーなパワー・ポップを下地にしつつ、ピアノやオルガン等の楽器も織り交ぜた繊細なサウンドは、円を描くように日々が繰り返す無力感と、そこから立ち上がり前へと歩み出すしなやかさや美しさが感じられる。迷いながらも生きる人々に寄り添い、支えとなる一枚だ。(菅谷 透)

Jump Rope Gazers

THE BETHS

Jump Rope Gazers

女性ヴォーカル擁するニュージーランドはオークランド出身のバンド、THE BETHSの2ndアルバム。2018年のデビュー・アルバム『Future Me Hates Me』で得た成功への葛藤から生まれたという本作は、前作で見せた躍動感溢れるキュートで軽快なポップ・ロックだけでなく、少しセンチメンタルでアンニュイなムードも併せ持っている。インディー・ロック調のメロウなアレンジが冴える表題曲や、90年代オルタナのような重さとキャッチーさを感じさせる「Acrid」、「Don't Go Away」、しっとりとしたフォーク・サウンドの「Do You Want Me Now」など、ヒネりのきいたコーラスやメロディも含めてバンドとしての着実な成長が詰め込まれている1枚だ。(菅谷 透)

ブリティッシュ・ロック解釈

Bettye LaVette

ブリティッシュ・ロック解釈

グラミー賞ノミネート・アーティストBettye LaVetteが13曲の名曲を歌いあげる。これって、いわゆるヴォーカル力に定評のあるアーティストが人気ナンバーをカヴァーするっていう、日本にもよくあるヤツでしょ?と思ったあなた。そういった解釈はお門違いです。これは単に名曲を聴き、その余韻に浸るためのアイテムではない。タイトルの通り、各々の中にあるブリティッシュ・ロックの解釈を見直し、再考させるものである。60年代アメリカのリズム&ブルース、ソウル、ブルースのサウンドに影響を受け、それをイギリスで自らのスタイルへと作り変えていったミュージシャン達。Bettyeというソウル・ディーヴァにより、新たに息を吹き込まれた楽曲には、当時彼らが魅了されたブルースやソウルがある。それが“ルーツ・ミュージックへの再考”を喚起させるのだ。(島根 希実)

Armageddon

BETWEEN YOU & ME

Armageddon

ポップ・パンクの明るく爽やかなサウンドが前面に押し出されたBETWEEN YOU & MEの2ndアルバム。甘酸っぱい恋心や、SNS時代特有の虚栄心などをテーマに、自分、他人、世界と向き合う現代の若者らしい青さが楽曲の勢いを加速させるが、ラストを飾る「Armageddon」で、本アルバム、そして本楽曲のタイトルが"最終戦争"であることを思い出すことになる。ここまでの9曲とは対照的にゆったりとしたリズム、聴かせるギター・ソロが、現代社会の分断が導く"最終戦争"からの"終末"を見つめるこの曲の儚さ、切なさを引き立たせる。もしいつか"終末"が訪れるなら、この1枚を聴いて、人間関係や見栄に悩んでいたあのころを思い出すのも悪くないだろう。(内堀 文佳)

A Mineral Love

BIBIO

A Mineral Love

"Warp Records"所属のプロデューサーによる、3年ぶり7作目となるアルバム。サンプリングを一切排した今作は、オーガニックとエレクトロを自在に行き来する、言わば"人力フォークトロニカ"。制作においては"多様性"が重要なカギとなっただけあり、チルウェイヴからAOR、もしくはラウンジ・ミュージックといった様々なスタイルの音楽を喚起させるも、雑多な印象はなく、抜群の聴き心地で聴く者をあたたかく包みこむ。SSW然としたポップ・ソングのTrack.4、GOTYEをフィーチャーした幽玄なバラードのTrack.6、シンプル&ミニマルなエレクトロ・チューンのTrack.7など佳曲が揃い、日々のサウンドトラックとしても楽しめる。ディスコやブギーの再興という近年のトレンドに目を配らせつつも、時の洗礼にも耐えうる普遍性を帯びた秀作。(山元 翔一)

Ellipsis

BIFFY CLYRO

Ellipsis

2013年以来の"FUJI ROCK FESTIVAL"出演も決まっているBIFFY CLYROから最高のタイミングで7枚目のアルバムが到着。先行シングル「Wolves Of Winter」で聴けたマイナー~メジャーを行き来するドラマチックなエモ感や音圧はあるが、どこまでも無駄を削ぎ落としたシェイプを聴かせる音像がストイックだ。今年の"Reading and Leeds Festivals"のヘッドライナーを務めるスタジアム・ロック・バンドでありつつ、日本では過小評価されている印象は拭えないが、いい意味でUSのエモやラウドロックのコードをメインで押す力技や突き抜けた明るさとは違う魅力がある。ピアノやアコギが効果的に配された繊細なバラード、スリリングなギター・リフとドラムの抜き差しの曲など、豪快に展開する曲が形成する起伏がカタルシスを生む。(石角 友香)

Opposites

BIFFY CLYRO

Opposites

UKを代表するモンスター・バンドは世界のモダン・ロックを代表するバンドになった。約3年ぶりの新作は、タイトルから察するに"対"になる世界観を持ったキャリア初のダブル・アルバム。作品全体を貫く物語の詳細は不明だが、深遠なムードのイントロダクションにタフなビートや力強いオーケストレーションが重なり、怒涛のスケール感へと昇華するカタルシスはさすがBIFFY節。加えて単にラテン的と括りがたい独特の変拍子や、バイオリンと聴き間違えそうなユニークな音色のギター、コードで塗りつぶすことなくスリリングに展開するアンサンブルなど、シンプルだが聴くほどに発見が。the HIATUSや9mm好きにもお勧めする。(石角 友香)

Revolutions // Live At Wembley

BIFFY CLYRO

Revolutions // Live At Wembley

本国イギリスでは、NMEアワードで最優秀ライヴ・バンドを受賞、モンスター・バンドとして破竹の勢いを続ける彼らだけあって、今回のライヴ盤のリリースはまさに待望と言えよう。昨年末、ロンドンのウェンブリ―・アリーナで行われたライヴを収録した今作はバンドの代表曲を網羅したベスト盤的内容。彼らの持ち味とも言えるエネルギッシュなバンド・サウンドはハード・ロックを根底としながらも光るメロディ・センスを携え、観衆を大合唱に導く。こうしたテンションの盛り上げ方ひとつとっても、彼らの魅力はスタジオ音源よりもライヴ盤を聴く方がよく分かるし、UKロックの不振が叫ばれる昨今、彼らの様にひたむきにファンと向き合う姿勢が、絶大な支持を集めるというのは、容易に納得できることなのだ。(中里 友)

Only Revolutions

BIFFY CLYRO

Only Revolutions

前作『Puzzle』で全英2位を獲得し、スターダムにのし上がったスコットランドのBIFFY CLYRO通算5枚目のアルバムとなる本作。力強いメロディとアグレッシヴなオルタナティヴ・サウンドには、ダイナミックなロマンが感じられる。細分化の流れが加速する現代のシーンは、面白い音が次から次へと登場する反面、小粒な印象は否めない。それはそれで僕は楽しいし、皆も楽しんでいるだろう。だが、ロックという言葉自体が、もっと普遍的でドラマチックな輝きを失っていくようにも映る。僕が彼等の音にその輝きを感じるのは、90年代オルタナへの懐古趣味なのかもしれないが、このアルバムが持つ輝きはそんなものではないはずだ。ここには、男のロマンが鳴っている。特にM-3「Bubbles」には目頭が熱くなる。(佐々木 健治)

Strawberry Feels

BIGMAMA

Strawberry Feels

待望のメジャー1stシングル。3曲すべてのタイトルに食べ物の名前を使ったBIGMAMAらしいコンセプチュアルというか、遊び心が感じられる1枚だが、楽曲はライヴ・シーンを沸かせてきた彼ららしいアッパーなロック・ナンバーの3連打。2ビートで突き進む......と思わせ、ハード・ロッキン且つプログレ的な展開に意表を突かれる表題曲。あっという間に駆け抜けるメロディック・パンクのTrack.2「POPCORN STAR」。そしてグラッジなリフと言葉を投げ掛けるようなヴォーカルが印象的なTrack.3「Donuts killed Bradford」。緊張感に満ちたヴァイオリンのフレーズをはじめ、BIGMAMAらしさの中に巧みに新境地も溶け込ませ、単純にライヴ映えするというひと言では収まりきらないものに仕上げている。(山口 智男)

Fabula Fibula

BIGMAMA

Fabula Fibula

2月10日の恵比寿LIQUIDROOM公演で初披露した「ファビュラ・フィビュラ」で幕を開ける7thアルバム。ライヴ・アンセムとしてすっかり定着しているTrack.2「MUTOPIA」など、お馴染みの曲も含む全14曲を収録。それぞれの曲に(架空の)街の物語とテーマが込められ、アルバム1枚でひとつの地図ができあがるというコンセプトのもと、多彩な曲が散りばめられているが、ハード・ロッキンな「ファビュラ・フィビュラ」を始め、大人っぽい曲がグッと増えてきたという印象だ。ファンキーな演奏と哀愁のメロディが絶妙に入り混じるTrack.5「BLINKSTONEの真実を」、しっとりと聴かせるバラードのTrack.10「レインコートになれたなら」に今年、10周年イヤーを迎えるBIGMAMAの成熟を聴き取りたい。(山口 智男)

SPECIALS

BIGMAMA

SPECIALS

昨年のツアーに密着したドキュメンタリーとツアー・ファイナルとなったZepp東京公演を収録した映像作品と同時リリースするニュー・シングル。すでにライヴで披露され、新たなライヴ・アンセムの誕生を印象づけている表題曲は、EDMにアプローチした「MUTOPIA」から一転、メンバー5人だけで演奏したエモーショナルなロック・ナンバー。昔からのファンは彼らがYELLOWCARDに憧れてスタートしたバンドであることを思い出すに違いない。カップリングの「A Chocolate Ghost」は1ヶ月遅れのバレンタイン・ソング(?)。歌詞、アレンジともに彼ららしい遊び心が感じられるダンサンブルなポップ・ナンバー。前述のツアーの追加公演から「最後の一口」と「MUTOPIA」のライヴ音源が加えられている。(山口 智男)

MUTOPIA

BIGMAMA

MUTOPIA

今回のシングル『MUTOPIA』は、地域ごとに歌詞が違うご当地限定曲を収録という試みのある盤。タイトル曲とTrack.2の「SKYFALL」は共通で、Track.3に全国を7地区に分けてそれぞれの土地の光景や空気が盛り込まれた「MUTOPIA」のご当地版を収録。"MUSIC=音楽"、"UTOPIA=楽園"とを掛け合わせ、音楽の力でどんな場所も楽園にという思いが形となった。アルバム『The VanishingBride』でサウンド・スケープや曲が持つ昂揚感やエネルギーを最大限まで高め、バンドとしての創造性や、フィジカルなバンド力においても豊穣の時を更新している現在。BIGMAMAならではのスウィートなサウンドに、エレクトロの煌びやかさと躁的なエネルギーを注入した「MUTOPIA」の晴れやかなパンチは、これからの活動の新たなカンフル剤となりそうだ。(吉羽 さおり)

君想う、故に我在り

BIGMAMA

君想う、故に我在り

BIGMAMAの通算5作目となるアルバム。コンセプトは"最低で最高な愛"。リリースを重ねる度にこのバンドの音は確実に洗練され、限りなく繊細な音の束は今作でとうとう空気を創り出す。昨年リリースされた各シングル曲に共通して感じた気配が形になった。プレイヤーの再生ボタンを押した途端、どこまでも広い青空と爽やかな風の中に浮かんでいるような錯覚に陥る。どのあたりが"最低"なのだろうと首をかしげてしまうのは私の未熟さゆえだろうか。まるでステップを踏むように軽やかに"愛"が奏でられる。清々しく、幸せに溢れた空気が"最高"に気持ち良くて、思わず深呼吸がしたくなる。春の穏やかな日差しと暖かいそよ風を感じたら、今作をプレイヤーに入れて出かけよう。(石井 理紗子)

Jeffrey Campbellのスケートシューズで

BIGMAMA

Jeffrey Campbellのスケートシューズで

大切な人の誕生日って自分の誕生日より大切で特別なもの。いつもより少し背伸びしたお洒落な渾身のバースデイ・プレゼントを用意して、それを受け取って喜んでくれる大切な人の笑顔を想像して、さあ今から会いに行こう。そんなワクワクした足取りを思わず連想させるようなBIGMAMA流バースデイ・ソング。BIGMAMAならではのヴァイオリンの華やかな音色がバースデイに相応しい彩りを添える。ファンにとってはBIGMAMAからのクリスマス・プレゼントだ。Track.2の「負け犬と勝ち猫」はギターのワウが"負け犬"、撫でたヴァイオリンの旋律が"勝ち猫"というコミカルな1曲。そして、負け犬にならないように必死に猫を被る姿の描写はなんともシニカル。さて、貴方は"負け犬"と"勝ち猫"、どちらだろうか。(石井 理紗子)

風船夫婦の俯瞰show

BIGMAMA

風船夫婦の俯瞰show

BIGMAMAの今年2枚目のシングルはダブルA面。Track.1はドイツ産天然炭酸水"GEROLSTEINER(ゲロルシュタイナー)"の音楽プロジェクト"GEROCK(ゲロック) "タイアップ曲だ。炭酸水の気泡を風船に例えた爽快感溢れるこの曲はまさに夏フェス向き。爽快な曲が多いBIGMAMAの曲の中でもまさに"キング・オブ・爽快感"。きっと今年の夏も各地で盛り上がったに違いない。そしてTrack.2は"俯瞰"をテーマにした異色のナンバー。コンプレックスを歌っているのだから当然ネガティヴな言葉が連なるのだが、それでも尚ポジティヴに仕上がっている秀逸な歌詞に舌を巻く。そして、"不感"と掛けた言葉遊びと軽快なリズムが、歌詞の内容とは裏腹に妙にお洒落なロックである。(石井 理紗子)

君がまたブラウスのボタンを留めるまで

BIGMAMA

君がまたブラウスのボタンを留めるまで

“僕にとっては音楽というのは1対1のコミュニケーション・ツールだということ。直接言えないことや照れくさいことも、音楽にすると一歩踏み込んで話せる”これは紙資料に書いてある金井政人(Vo&Gt)の言葉だ。世間に絶望しようと喪失感に苛まれようと、愛に溢れた、等身大の人間の姿がありのままに描かれた歌詞。スピード感溢れるエネルギッシュなバンドとヴァイオリンの情緒的な音。気になるアルバム・タイトルもさることながら、音と言葉が相まって、彼らでしか鳴らせない世界を生み出し、心を躍動させ涙腺を刺激していく。「秘密」や「#DIV/0!」といったシングル曲やライヴでおなじみのナンバーも収録。聴いた各々が様々な感情を抱く、音楽ってやっぱりコミュニケーションだ。(花塚 寿美)

秘密とルーシー

BIGMAMA

秘密とルーシー

昨年はロックとクラシックを融合させたコンセプト・アルバム『Roclassick』などで話題を集めたBIGMAMA。2011年初リリース作品となる今作は「秘密」と「Lucy」の両A面シングルだ。滲むように広がるギターと流線形を描くように繊細なバイオリンのイントロが印象的な「秘密」は、天国へと旅立ってしまった恩人との約束について歌われている。切なさと物悲しさを含みながらも、そんな涙を吹き飛ばすような爽やかさと力強さ。5人のどこまでも真摯でポジティヴなエネルギーを真っ向から受け、忘れかけていた純粋な感情と熱い思いが込み上げてきた。「Lucy」は、炸裂するドラムが軽快な、疾走感溢れる全英語詞のポップ・ナンバー。BIGMAMAの無邪気さが凝縮された非常に瑞々しい1曲だ。(沖 さやこ)

and yet,it moves~正しい地球の廻し方~

BIGMAMA

and yet,it moves~正しい地球の廻し方~

2001年に東京で結成された、女性ヴァイオリンを含む5人組ロックバンド。一度彼らのライヴを観たことがあるのだが、メンバーの確かな演奏力と、モッシュやダイヴで応戦するキッズの熱狂が強く印象に残っている。昨年12月にセカンド・アルバム『Dowsing For The Future』をリリースし、一年を待たずにこのサード・アルバムが発表されるわけだが、今作もBIGMAMAらしいパワフルでエモーショナルな曲が満載で、時に全体のメロディーを牽引するヴァイオリンの音色と、透き通った歌声とのコントラストが大きな魅力となっている。"全曲を通して、一つのストーリーで繋がるコンセプシャルな小説的アルバム"ということで、特に曲と曲との繋がりや歌詞に注目して、自分なりの解釈を楽しもう。(杉浦 薫)

Here Is Everything

THE BIG MOON

Here Is Everything

UKロンドンの4人組女性ロック・バンド、THE BIG MOONが3rdアルバムを発表。ヴォーカルのJuliette Jacksonの出産を経てリリースされる本作は、パンデミックやロックダウンによる重圧や、母親となり感じた興奮や不安といった様々な感情が反映されたものに。美しいハーモニーで奏でられるインディー・ロック・サウンドを軸に、叙情的な調べが胸を打つ「Wide Eyes」、ドリーミーな世界へと誘う「Daydreaming」、軽快なビートを鳴らす「Trouble」など、今だからこそのピュアな優しさを湛えた楽曲群で聴く者を包み込んでくれる。エモーショナルなコーラスが映える「High & Low」、素朴なラスト・トラック「Satellites」も秀逸で、物思いにふける秋にぴったりな作品だ。(菅谷 透)

Walking Like We Do

THE BIG MOON

Walking Like We Do

各地で絶賛された前作から約3年。ロンドンを拠点に活動する、4人組ガールズ・インディー・ロック・バンド THE BIG MOONが、2作目となるニュー・アルバムをリリースした。今作はKAISER CHIEFSやDEERHUNTER、M.I.A.など幅広いアーティストを手掛けるBen H. Allenをプロデューサーに迎え、より丸みのあるポップなサウンドへと進化。独特の気だるい雰囲気とノスタルジックな印象はそのままにサウンドの厚みが増して、さらに全方位的に楽しめる作品となった。目の前に情景が広がるような物語性のある楽曲の数々は、まるで青春映画のサウンドトラックのようだ。ワールド・ツアーを経て彼女たちが歩んできた濃密な音楽体験が凝縮されている。(山本 真由)

Love In The 4th Dimension

THE BIG MOON

Love In The 4th Dimension

ロンドンを拠点に活動する4人組ガールズ・ロック・バンド、THE BIG MOON。彼女たちが、CRYSTAL CASTLESやKAISER CHIEFSも所属するUK老舗レーベル"Fiction"と契約し、デビュー・アルバムをリリース。PIXIESを彷彿とさせる穏やかさとノイジーさのコントラスト、そしてJuliette(Vo)の美しく哀愁漂うハーモニーと軋むギター・サウンドのミックスが、なんともクセになる。そして、とにかく曲の展開が読めない。Track.3「Cupid」のようにノスタルジックで穏やかな曲かと思えば、サビにかけて静寂を破るダイナミックな展開にいい意味で何度も裏切られる。飾り立てないサウンドに彼女たちの底知れぬポテンシャルを感じる1枚だ。(渡辺 瞳)

Future This

THE BIG PINK

Future This

悲しみに満ちた痛々しくも美しい愛の物語を散りばめた『A Brief History Of Love』で、UKシーンに大きな衝撃を与えたTHE BIG PINK。そんな鮮烈デビューから早2年……第2章となる本作は、前作同様Phil Spectorの“ウォール・オブ・サウンド”を彷彿とさせる完成度の高いポップ・アルバムに仕上がった。前作は彼らの失恋直後に作られた作品ということもあり、ポップでありながらも大きく影を落とした悲哀の色を滲ませていた。だが今作は違う。前に突き進もうとするポジティヴなエネルギーが詰まっているのだ。「Stay Gold」や「Hit The Ground」で聴けるアンセム級のフックが何よりもそれを強く感じさせる。2012年、輝かしい未来の幕開けにふさわしい、多幸感に満ちたアルバムだ。(中里 友)

This Is Our Time

THE BIG PINK

This Is Our Time

近年のUKインディ・ロックにおいて重要な役割を担ったレーベルMerokを主宰するMilo Cordellと、Robbie FurzeによるユニットTHE BIG PINK。エレクトロ・ビートと乱反射するノイズ、引き込まれるようなメロディがかけ合わさって生まれる耽美的な音像の中で、憂いを帯びた声で彼らは絶対的な美や愛とそれ以外について歌う。当然ながら、世の中はそれ以外のことばかり。どうせ心は唯一絶対の愛しか求めていないから、誰と寝ても同じだと。唯一絶対のことだけを信じようとすることの憂鬱や空虚感。彼らは、そうした人間の感情に仄かにスポットライトを当てる。このメランコリックな世界観をライヴではどのように再現するのか。初来日となるSUMMER SONICを楽しみに待ちたい。(佐々木 健治)

Lemondale

Bill Wells

Lemondale

奇跡を操るとまで形容されるスコットランドの奇才Bill Wellsがかねてから親交のあったテニスコーツ、二階堂和美、Jim O'Rourke、青柳拓次ら日本人のミュージシャンと作り上げた今作。彼の音楽は圧倒的に美しい。勿論今作のベースになっているのもジャズなのだが、わずか1日という限られた時間で、彼の描く華美な装飾の施されていない美しい世界を、日本を代表するミュージシャンたちが自由に紡ぎあげていった様子が窺い知れる。そしてアルバムの半分を占める二階堂和美とテニスコーツのさやがヴォーカルを務める楽曲では、彼女たちの新たな側面を引き出し、アルバムに色を添えている。Jim O'Rourkeが参加しているから持ち出すわけではないが、まるでGASTR DEL SOLのような、甘美な完成されたポップ・ミュージックだ。(伊藤 啓太)

Drama Junkie Queen

BILLY BOY ON POISON

Drama Junkie Queen

LA出身、平均年齢18歳のBILLY BOY ON POISON。・・・こいつら、本当に18歳か?年齢詐称してないだろうな。まあ、そんなことしてもしょうがないけど。DAVID BOWIEやT- REXのようにグラマラスで、NY DOLLSのようにゴージャス。煌びやかなロック・スター達が持っていた雰囲気のおいしいところが詰まっている。NY DOLLSがハード・ロックにもNYパンクにも影響を与えたように、彼等の音楽もどこにでもいける要素が詰まっている。「On My Way」や「Drive Me Insane」などは、JET「Are You Gonna Be My Girl」のようにキャッチーだ。最近、こういう派手で分かりやすいロックはあまり出てこないから、逆に新鮮。それにしても、18歳か。(佐々木 健治)

PILI PILI

BimBamBoom

PILI PILI

16ビートのグルーヴィなファンク・ナンバーが軸にありつつタイトなリズム、ガレージ系やポスト・パンクの匂いも感じるギターがオルタナティヴな、BimBamBoomならではのインストが詰まった4作目のアルバム。今回は2021年からスタートしたコラボ楽曲のバンドでのリミックス6曲と新曲4曲から構成されているが、xiangyuとコラボした「そぼろ弁当」での、新世代ハウス・ミュージックであるGqom(ゴム)へのチャレンジは、インストでさらに際立つ印象だ。アルバム・リード曲の「THE WOMAN」は、幕開けに相応しいテーマ曲的なムードを、ハードなギターをはじめとするアンサンブルで表現している。シンプルなワードが乗ることでジャズ・ファンクに軽妙な痛快さが加味される「AKKAN BEE」、ダビーな音像の「RollerCoaster」など、一気に聴ける全10曲。(石角 友香)

Tokyo Aventure

BimBamBoom

Tokyo Aventure

中国ツアーも大成功となったBimBamBoomが、"東京"の看板を背負い世界に向けて放つ3rdアルバム。表題曲では"雷門"、"スカイツリー"と東京の名所が登場、ラスト・トラックのタイトルには日本の象徴"富士山"も。TVCMタイアップ曲も収録され、インストながら親しみやすいキャッチーさを持ち合わせつつ、そのファンキーなサウンドは攻めに攻めまくっている。ドラムの張りきったスネアが甲高くパリッとしたビートを刻み、いきいきと躍動する小気味よいベース。新メンバー 矢元美沙樹(T.Sax)がもたらす新たな色はもちろん、より音色の幅を広げたキーボードやギター、キュートさにクールさも加わったコーラスなど、厚みを増したバンドの進化が随所に。ジャンルの壁も国境も痛快に越えていく彼女たちに注目。(中尾 佳奈)

Shinzo BakuBaku

BimBamBoom

Shinzo BakuBaku

ユニークなオルタナ・ファンクを鳴らすインスト・バンドの2ndアルバムは、ご機嫌な雰囲気はそのままに、前作に比べより骨太な印象に仕上がった。どっしりと地面を揺らすようなベースとドラムの上で、ハードなギターと歌い叫ぶようなサックスが暴れ回り、さらにその上を軽やかに浮遊するシンセサイザー。初っ端からガツンと鳴らす「Shinzo BakuBaku Ochokochoi」では、エッジィなサウンドと人懐っこいコーラスのコントラストがメリハリを効かせている。ゴリゴリなサウンドを響かせたかと思えば、「Keeping It Hustle」ではグルーヴィ且つトリッキーなドラムとメロディアスなサックスが小洒落たムードを醸す。カバー曲も収録され、遊び心満載のバラエティ豊かな9曲に心躍る。(中尾 佳奈)

TIGER ROLL

BimBamBoom

TIGER ROLL

山口美代子(Dr)を中心に結成され、"フジロック"への出演も話題となった女性5人組インスト・バンドのデビュー・アルバムは、いい意味で肩の力が抜けた独自のオルタナ・ファンクを軽やかに鳴らしている。洒落が効いたタイトルのオープニング曲「O.E.C. Tiger roll」で鍵盤、ギター、ドラム、ベース、サックスと軽妙なソロ回しを披露しさらっと自己紹介を済ませると、「ChinPunKanPunBimBamBoom」の一緒に口ずさみたくなる語感のいいコーラスが生む親しみやすさでリスナーを虜に。そしてアメリカのファンク・バンド PEOPLE'S CHOICEやTHE METERSのカバーをメドレーで収録するなど、やりたいことを詰め込んだ奔放さと自由さ。純粋な"音楽の楽しさ"にワクワクが止まらない。(中尾 佳奈)