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DISC REVIEW

B

orbit

Brian the Sun

orbit

昨年11月にシングル・リリースされた「パラダイムシフト」を含む5曲入りミニ・アルバム。引き続きプロデューサーに江口 亮を迎え、元来バンドが持ち合わせているポップ・センスとオルタナの成分をより効果的に響かせるサウンドメイクが実現した。フラットなバンド・アンサンブル、甘みのあるラヴ・ソング、軽快なロック・ナンバーなど5曲それぞれで異なるアプローチを見せつつ、それぞれが昨年リリースした『MEME』の文脈にあることが窺える。中でも「スローダンサー」はバンドやソングライター 森 良太(Vo/Gt)の根源を落とし込んだ楽曲。歪んだギターと重厚なリズム隊が作り出すダウナーで浮遊感のある音像、儚げなヴォーカル、感傷性の高いメロディが三位一体となって滑らかに内省へと落ちていく様が美しい。(沖 さやこ)

パラダイムシフト

Brian the Sun

パラダイムシフト

5thシングルとなる本作はTVアニメ"真・中華一番!"ED主題歌。チャイニーズ感のあるイントロのギター・リフ、Aメロのファンク感を保ちつつ、シンコペーションのリズムで進む、サビで開放的になる展開はキャッチーだ。それでいて、バンド・サウンドの真骨頂を表現したアルバム『MEME』の延長線上にある、存在感の大きな音像が2019年の彼ららしい。c/wの「still fish」は、より自由に暴れている印象で、森 良太(Vo/Gt)と小川真司(Gt/Cho)の異なる個性のギターが堪能できる。なお、DVD付初回生産限定盤にはアメリカダラスでのライヴのドキュメント映像も付帯。ライヴの模様はもちろん積極的に海外のリスナーとコミュニケーションをとるシーンなど、短くも濃い内容だ。(石角 友香)

MEME

Brian the Sun

MEME

2018年下半期に制作された楽曲で構成されたメジャー3rdフル・アルバムは、インタビューで白山治輝(Ba/Cho)が"今4人がやってかっこいいと思った曲だけ入れた"と言っていたとおり、バンドの核心や美学が一音一音に反映された迷いのない作品となった。とはいえシンプルな原点回帰や初期衝動というものではなく、あるのは12年のキャリアを持ったバンドが真剣に自分たちの音楽を見つめ直すという意地と決意と覚悟。グランジ、オルタナ、インディー・ロックやポップ・ロック、ヒップホップ・テイストのロック・ナンバーなど、今の彼らでないと成し得ない多彩なバンド・サウンドに、楽器ひとつひとつの艶や力強さが躍動している。彼らの鋭利な情熱は本能的でありながら冷静で、息をのむほど美しい。(沖 さやこ)

Lonely Go!

Brian the Sun

Lonely Go!

1年ぶりのリリースは"BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS"のオープニング・テーマを表題にしたシングル。la la larksのメンバーでありプロデューサーとしても活躍する江口 亮と初タッグを組み制作されたTrack.1は、華やか且つエッジの効いたギターと迫力のあるドラミングが高らかに鳴り響くロック・ナンバー。少年漫画らしいヒーロー感のあるサウンドと、森 良太(Vo/Gt)の声に宿る寂寥感とそこはかとない色気の相性もいい。江口と制作したことでバンドが元来持ち合わせていた本質の威力を増幅させている。結成11年を迎えた彼らが新しい手法を手にしただけでなく、新たなスタンダードになることを予感させる楽曲。Brian the Sun、新章突入だ。(沖 さやこ)

the Sun

Brian the Sun

the Sun

『SUNNY SIDE UP』収録のタイアップ曲2曲と、シングル『カフネ』表題曲を含む、"ポップでオーバーグラウンドなもの"をテーマにお茶の間層を意識して制作されたメジャー2ndフル・アルバム。プレイヤー個々のカラーを出す音作りというよりは、ポップな楽曲を際立たせるアレンジやフレーズ作りに注力されている。これまではアート性の高かった歌詞も今作ではわかりやすく受け取りやすいものが多く、"夜"や"星"、"朝"といった単語が、"the Sun"という言葉を際立たせる。自分たちの音楽の世界に引きずり込む刺激性の強い音楽というよりは、聴き手の日常空間の背景として佇むようなサウンドスケープ。バリエーション豊かなものが多いなか、ここまでカラーが統一された作品も珍しい。(沖 さやこ)

カフネ

Brian the Sun

カフネ

表題曲はTVアニメ"3月のライオン"エンディング・テーマの書き下ろし。ナチュラル且つソフトなヴォーカルは胸の内に潜む心の声を体現するようでもあり、大切な人と静かに語り合うときのトーンのようでもある。伸びやかな音色に優雅でセンチメンタルなダブル・カルテットが加わることで、ひとりひとりの人間の身近な存在や空気感、素朴さが丁寧に描かれた楽曲になった。Track.2は表題曲と並行する歌詞世界を綴りながらも、サウンド的にはハイ・テンポで音の隙間もほぼないという真逆のアプローチ。勢いのあるドラムと全体の音をコントロールする手堅いベースの作るコントラストにより、透明感のあるギターが映える。強がりと切なさがない交ぜになったサウンドスケープは、このバンドの真骨頂だ。(沖 さやこ)

SUNNY SIDE UP

Brian the Sun

SUNNY SIDE UP

メジャー1stフル・アルバム『パトスとエートス』から半年弱でリリースされる5曲入りミニ・アルバム。リリースが夏というのもあり、内省的な前作とは逆ベクトルの、開放的な空気感や幸福感が似合うポップ・ソングが揃う。アート性が高かった歌詞も、今作では明快で間口も広い。前作や『シュレディンガーの猫』(2015年)で核を固めたからこそ、新しいスタートへと歩み出せたのだろう。従来どおり楽器そのものが持つ音を生かした録音方法はもちろん、シンプルでダイナミックなアプローチのTrack.3や、シミュレーターを使いギターでストリングスの音を鳴らすTrack.4など、プレイ面や音作りでのトライも多い。今後彼らの表現が広がりを見せることを予感させる、Brian the Sun第2章処女作。(沖 さやこ)

パトスとエートス

Brian the Sun

パトスとエートス

メジャー1stアルバムはバンドの核となるフロントマン 森 良太(Vo/Gt)の思考と感情を、ソングライティング面でもサウンド面でも丁寧に汲み出した作品だ。エッジーでひりついた楽曲、疾走するギター・ロック、ジャズ・テイストのピアノが小気味いい楽曲、スケール感のあるミディアム・テンポのロック・ナンバーなど、多彩な楽曲すべてにナチュラルな色気が滲み、すべてが感傷的に響く。それらを単なる内省的な音楽にさせないのは元来持つポップ・センスゆえだろうか。だがアルバムを締めくくる、ピアノを主体にした美しいバラードは、森の精神の奥深くまで沈んでいくようでもある。彼がここまでバンドと音楽を通し、自分自身と向き合ったのは初めてでは。気迫に満ちた音像には、音楽に魂を捧げる覚悟も感じる。(沖 さやこ)

Maybe

Brian the Sun

Maybe

今年6月にメジャー・デビューしたばかりのBrian the Sunが早くもメジャー2ndシングルをリリース。「Maybe」はTVアニメ"甘々と稲妻"のエンディング主題歌で、フロントマンでありソングライターの森良太の世界が全開の楽曲。アコギを基調にした穏やかで一抹の切なさを醸し出す曲調に、彼の五感が捕まえた感性をそのまま落とし込んだアートとも言うべき歌詞が重なる。彼が切り取った日常の一瞬は永遠を感じさせる半面、有限であることも受け入れているようだ。その美しい矛盾が実現できるのは音楽だからこそ。理屈を超えた感性の"海=彼らの音楽"に潜ってみてはいかがだろうか。"甘々と稲妻"のキーワードを用いた遊び心のある痛快なロック・ナンバーの「しゅがーでいず」とのコントラストもインパクト大。(沖 さやこ)

HEROES

Brian the Sun

HEROES

Brian the Sun待望のメジャー・デビュー作品は、TVアニメ"僕のヒーローアカデミア"のエンディング・テーマを表題にしたシングル。「HEROES」は彼らがこれまでに作ってきた楽曲と比べても非常にシンプル且つストレートで、軽やかな爽快感が瑞々しい。その音像は、生まれつきの無個性でありながらもヒーローを夢見る主人公・デクの姿とシンクロする。バンド自身も新たなフィールドへの第一歩。自分たちがこれからどんな気持ちを抱き、どんな道を進み、どんな花を咲かせるのか ――未来に向かってひた走る4人の誠実な決意が表れている。開花する寸前のつぼみを見ているような、これから何かが始まることを予感させる期待感の高いシングル。彼らはこの先もっと強力な必殺技を生み出すはずだ。(沖 さやこ)

シュレディンガーの猫

Brian the Sun

シュレディンガーの猫

今年の"スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR"出演をきっかけに、これまで以上に人気を上げているBrian the Sun、約1年ぶりのリリース作。初期曲と最新曲で構成された5曲入りミニ・アルバムだ。各プレイヤーの演奏と歌唱をほぼ補整せずに音源化させるという驚愕の録音方法ゆえに、それぞれの手癖や人間が鳴らすこそのうねりや歪み、残響や余韻がある。これが実現できたのも前作で楽曲の振れ幅を作り、各自が楽曲のためにスキル・アップを重ねたからだろう。UKテイストの燥的なマイナーなコード感から滲む、濃密な気魄と年齢を重ねたからこその色気。次のステップに向けて、元来ど真ん中に貫かれていた芯を、さらに強く太くした印象だ。心地いい緊張感と集中力から、全員の音楽への高揚と自信が感じられる。(沖 さやこ)

Brian the Sun

Brian the Sun

Brian the Sun

各楽器の情感溢れるアプローチやアンサンブルも、歌詞の描写の広がりも、ヴォーカルのふくよかさも、すべてが新しいステップへと格上げされている。フロントマンでありメイン・ソングライターである森 良太の歌をバンド一丸となり最上の状態で届けるために、4人は自身のプレイヤヴィリティを磨いた結果、Brian the Sun史上最も心地よいビートが生まれた。細部まで突き詰められた透明感のある音像は時にやわらかく、時に鋭く突き抜け、ダンス・ビートでなくとも踊れる軽やかなリズムもまた、音楽というものをシンプルに楽しむ心のピュアな部分へとはたらきかける。自分たちから生まれる歌に素直に向き合い、それを極上の状態で届けようとする、非常に風通しのいいアルバム。聴けば聴くほど味わい深い。(沖 さやこ)

彼女はゼロフィリア

Brian the Sun

彼女はゼロフィリア

閃光ライオット2008の準グランプリとしても知られるBrian the Sun。その後メンバー・チェンジを繰り返すも、折れることなく健やかに成長しているのは、オリジナル・メンバーの森 良太と白山治輝がひたむきに自分たちの音楽と向かい合い続けた証だろう。結果彼らは強い信頼を置いた現在の仲間を見つけ、着実に、より力強く邁進している。『彼女はゼロフィリア』はライヴハウスから派生した、愛にまつわる5つの物語によるコンセプト・アルバム。メジャー・キーとマイナー・キーの間を貫く、キャッチーで遊び心がありつつもほのかにひりついた空気と色気を感じさせるギター・ロックには、人生経験や感情がダイレクトに表れる。素直さとスパイスの絶妙な味わい。このバンド、間違いなくまだまだ大きくなる。(沖 さやこ)

Let The Dancers Inherit The Party

BRITISH SEA POWER

Let The Dancers Inherit The Party

UKインディー・シーンで絶大な人気を誇り、"FUJI ROCK FESTIVAL"や"Hostess Club Weekender"への出演で日本でもお馴染みの6人組男女混合ロック・バンド、BRITISH SEA POWERの4年ぶりとなるフル・アルバム。今回はこれまで作品を発表してきたレーベル Rough Tradeを離れて自主レーベル Golden Chariotからのリリースとなり、レコーディング費用をクラウドファンディングで募って制作された12曲を収録している。情緒溢れる静かな歌い出しから徐々に盛り上がる「What You're Doing」に続くキラキラな楽曲「The Voice Of Ivy Lee」への流れが素晴らしく、思わずグッと身を乗り出してしまうほど気分を高揚させるあたりは、百戦錬磨のライヴ・バンドならでは。アルバムを携えての再来日に期待したくなる作品。(岡本 貴之)

Machineries Of Joy

BRITISH SEA POWER

Machineries Of Joy

ポップ・ミュージックという大海原を優雅に航海する、BRITISH SEA POWER。一貫した"文明と自然の調和"な文学性、英国伝統的なギター・サウンド、さらに敬意あるマーキュリー・プライズにノミネートされるなど、UKインディー・ロックの良心となる存在感を帯びた彼らから、約2年振り通算5枚目となる新作が届けられた。前作で大胆に取り入れたエレクトロ・サウンドは影を潜め、原点回帰のようなトラディショナル・ミュージック色が出されているが、モチーフとなるは昨年リリースされた6枚のEPシリーズ。トータル33曲もの音源から発展させたものが本作となったが、純粋にやりたいことをクリエイトする姿勢が垣間見える。聴き込めば、波間にたゆたうような心地良さが......。 (伊藤 洋輔)

Vivid

THE BRIXTON ACADEMY

Vivid

前号の巻頭で特集された「KINGS」のバンド達の中でも自主レーベルを設立するなど、異彩を放つTHE BRIXTON ACADEMYがいよいよ1st アルバムをリリース。2007年のメンバー・チェンジを経たことが今作に影響しているかは定かではないが、バンド・サウンドからニューウェーヴなエレクトリック・サウンドにシフトしている。東京の今のインディ・シーンを映し出す作品と言えるかも知れない。また楽曲一曲一曲のクオリティの高さには驚かされるばかりである。邦楽、洋楽の壁を飛び越える、彼らの志の高さと努力が実を結んだ現在進行形のダンス・ビート。(遠藤 孝行)

Broken my toybox

Broken my toybox

Broken my toybox

4人組ギター・ロック・バンド Broken my toybox初のフル・アルバムにして初の全国流通作品が到着した。セルフ・タイトルでありながら"退廃した街、そしてその街の中で生きる人々の物語"で構成されているというコンセプチュアルな本作。その音楽的な幅は広めだが、高田健太郎の手数多めのギターと、藤井 樹(Gt/Vo)のハイトーン・ヴォイスがバンドのアイデンティティを確立させている。この"アイデンティティ"という言葉は、アルバム自体のキーワードにもなっているようで、作品を通して"自分が自分でいるということ"の存在価値を見いだす物語が綴られた。収録順通りに物語を追いながら聴くことで解像度が高まる、アルバムらしいアルバムだ。中でも「バンシーの叫び」の尖った世界観と味付けは秀逸。(宮﨑 大樹)

B.R.T~ Chapter One ~

B.R.T(Blue Rock Thrush)

B.R.T~ Chapter One ~

2019年に韓国から来日し、メンバー全員が日本で暮らしながら日々バンド活動に打ち込んでいる5人組ロック・バンド、B.R.Tによる初のパッケージ作品。"Chapter One"とタイトルに付いている通り、2021年の本格始動以降に発表したバリエーション豊かな楽曲群はもちろんのこと、10年以上ミュージカル俳優として活躍しているキャリアを持つヴォーカル、G1の美しいファルセットを押し出したスロー・バラードの「この曲の終わりに」と、瑞々しさのある力強いバンド・サウンドを軽やかに弾ませながら疾走させていく「少年は泣かない」といった新曲2曲を収録している。それぞれまったく異なる方向性の楽曲ではあるものの、その根底には、ここからさらに前に進んでいきたいという意思に溢れた言葉たちが綴られている。(山口 哲生)

CHOU SUUPAA GUDDO MOONINGU MASUTAA

BUDDY TANDEN

CHOU SUUPAA GUDDO MOONINGU MASUTAA

2016年末に結成、正式にライヴ活動を初めてからまだ1年という新しいバンドながら、その愛されっぷりがよくわかる、今回の2ndアルバム。クラウドファンディングで資金集めして制作された今作は、"夢を観た時から その夢は/僕を待ってんだ"というTrack.5「青空」の歌詞のとおり、彼らの夢と彼らを応援する人たちの夢が重なり合った、ポジティヴなパワーに満ちた作品となった。どこか懐かしく、それでいて普遍的な暑苦しいメロディック・パンク。程よいパーティー感覚と、親近感のある日本語ロック。誰が聴いても心を許してしまうような、オープンなスタイルの彼らの音楽は、まだまだこれから多くのリスナーと共有されていくはず。"バディたん"、チェックしといて損はありません!(山本 真由)

The Weapons Of Math Destruction

Buffalo Daughter

The Weapons Of Math Destruction

イラクに大量破壊兵器はなかったが、まさか日本が大量破壊兵器を持つことになるとは。それはこれまでの殺人兵器とは異色で、“世界の普遍かつ未知の原理=物理”をテーマに作られた、数学破壊兵器なるもの。4年ぶり通算6枚目のフル・アルバムで達した世界観は、まさに現代と未来の交差を示す方程式を確立した、オリジナリティ溢れる最高の兵器だ!エッジーなロックのダイナミズムに変幻自在なエレクトロ、ヒップホップ・アプローチなどで導いた音響構築は、パンキッシュなまでの衝動性に富み、桁外れの覚醒感を促す。雑誌ニューズウィークの“世界が尊敬する日本人100人”に選出されながら、Buffalo Daughterはよく国内より海外の評価が著しく高いアーティストとして見られるが、本作を機にそんな偏見を打破しましょう!(伊藤 洋輔)

Angels & Devils

THE BUG

Angels & Devils

Justin Broadrick(NAPALM DEATH、GODFLESH、JESU他)と組んだGOD、TECHNO ANIMALやThom York、PRIMAL SCREAMのリミックスを手がけたことでも知られるエレクトロ・ミュージック・シーンのアウトサイダー、Kevin Martin。その彼によるメイン・プロジェクト、THE BUGの3作目のアルバム。3部作の完結編ながら、DEATH GRIPSらを迎え、極悪ハードコア・ダンスホールを炸裂させるその一方で、暗黒ニュー・ウェイヴ/ポスト・パンクを現代のエレクトロ・サウンドで再現したような新境地をアピールした前半からは更なる可能性が窺える。テーマは光と闇。もちろん、光=明るい、なんて単純な世界はここにはない。張り詰めた緊張の中、背筋がゾクゾクするようなスリルが全編で味わえる。(山口 智男)


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TOY BOX

BüG-TRIPPER

TOY BOX

元バンドハラスメントのKota Ibuka(井深康太/Vo)が始動させた4人組バンドによる初のミニ・アルバム。スタイリッシュな打ち込みと骨太で荒々しいサウンドが融合した、ダンサブルな先行配信曲「Y」をはじめ、バンドのやりたいことを全方位で詰め込んだ全6曲は、"TOY BOX"(=おもちゃ箱)というタイトルが示す通りの1枚になった。ストリングスが切なさを増幅させる王道のロック・バラード「アキカゼ」、仄暗いエレクトロ・ポップが"痛み"を伴いながらダイナミックに起伏を描く「余滴」、ライヴで大合唱する光景が目に浮かぶ「バグトリッパー」。まったく違う世界観を描きながら、作品全体で統一感が貫かれるのは"孤独"を内包するフロントマン、Kota Ibukaの強く儚いヴォーカルの存在が大きい。(秦 理絵)

Joyful Joyful

BUGY CRAXONE

Joyful Joyful

BUGY CRAXONEは1997年に札幌で結成され、今年結成15周年を迎える3人組のオルタナティヴ・ロック・バンド。チバユウスケや audio active とのコラボレーションなど活動の幅は広く、今作は約4年振りのリリースとなる。手拍子から始まるオープニング・ナンバー「ハレルヤ」をはじめ、ポップに振り切れたライヴ感溢れる楽曲が多いフレッシュなアルバムだ。ストレートなギターで描かれるドラマティックなサウンド展開も勿論だが、沢山の経験そして日々の生活の中から出て来た言葉で綴られた歌詞がとてもいい。それをひとつひとつ丁寧に歌い上げる鈴木由紀子 (Vo&Gt)のヴォーカルが胸を打つ。楽曲もバラエティに富んでいて、聴き応え十分。たくさんの元気を貰えるアルバムだ。(遠藤 孝行)

Komba

BURAKA SOM SISTEMA

Komba

M.I.A.が参加したデビュー作で強烈な印象を残したポルトガル出身のダンス・ユニットBURAKA SOM SISTEMAの新作が登場。09年センセーションを起こしたアフリカのアンゴラから発生した新ジャンル “クドゥル”の代表格として注目を集めた彼らは、最新のベース・ミュージックやエレクトロをも取り込み、新たなダンス・ミュージックを展開させた。今作もその方向性は変わっておらず、エネルギッシュなヴォーカルに刺激的でファンキーなビートで溢れている。先行シングルである「Hangover(BaBaBa)」は彼らの破天荒な魅力が爆発したパーティー・チューン。ダブステップなどを吸収した新機軸もあり、ただただ踊れて最高に楽しいBURAKA流の最新ビートを楽しんで欲しい。(遠藤 孝行)

Act 2 或いは Act 3

BURGER NUDS

Act 2 或いは Act 3

2014年に10年ぶりのリユニオンを果たし、14年ぶりのニュー・アルバムをリリースする3人。一昨年開催された門田匡陽(Vo/Gt)による"festival M.O.N"でも最も緊張感に満ちた、抜き差しならないムードを相変わらず醸し出していたが、あのライヴで初披露した「絶滅危惧種のペンギンたちが可哀想」や、復活ライヴで披露された「Lesson」、「NERD」も収録。世の中のニーズ先行の作品と称した商品に対して冷徹且つユーモアを含んだ視点の揺るぎなさは、ライヴやフェスが活況を呈し(それ自体は悪いことじゃない)、SNSが生活のデフォルトになった今、なおのこと鮮明に感じられる。もちろんそれはシニシズムなんかではなく、同調圧力や承認欲求以前に"自分の本当の好みや宝物"を見つけ、持っていることの豊かさへの賛辞なのだ。(石角 友香)

ORIGAMI

BURNOUT SYNDROMES

ORIGAMI

2022年から毎年ワールド・ツアーを開催し、今年は初のアメリカ単独ツアーを成功させる等、近年ワールドワイドに活躍の幅を広げているBURNOUT SYNDROMES。約3年半ぶりのオリジナル・アルバムはそんな背景もあり、ぐっとスケール感がアップした印象だ。また彼等同様アニメ・シーンでも人気のFLOW、ASCA、東山奈央、CHiCO、halcaといったアーティストもゲスト参加し、各楽曲が全く異なる物語の主題歌のような、カラフルでコンセプチュアルなコラボ・ソングの数々。英詞が増えただけでなくアルバム名の"ORIGAMI"をはじめ"KUNOICHI"、"SAMURAI"、"武士道"といった言葉もちりばめられており、海外でも耳を惹くことだろう。(稲垣 遥)

魔王 / Amateras

BURNOUT SYNDROMES

魔王 / Amateras

TVアニメ"魔王学院の不適合者 Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~"2ndクールOPタイアップ曲「魔王」はストリングスがヒリヒリとした世界観を演出するナンバー。同アニメ出演の声優、東山奈央が参加ということだが、その美声が熊谷和海(Gt/Vo)の歌声とハーモニーを奏でるだけでなく、2番で怒濤の英語ラップで攻めまくる展開には驚き。表題のもう1曲「Amateras」はNHK"「アニ×パラ」パラアーチェリー編"テーマ曲で、「魔王」とはまたまったく違った、パラリンピックをテーマに逆境や立ちはだかる壁にも負けじと戦う強い想いを後押しするような応援歌で、これまでも様々にアニメ・タイアップを描き抜いてきたバーンアウトならではの振り幅のあるWタイアップ・シングルになった。(稲垣 遥)

TOKYO

BURNOUT SYNDROMES

TOKYO

様々な音色を楽曲の舞台装置のように配色し多彩な音楽を鳴らすBURNOUT SYNDROMESの感性と遊び心が全開放されたアルバム。前作から2年半の間に手掛けた"Dr.STONE"、"ハイキュー‼"、"ましろのおと"といった各アニメ主題歌を収録するなど、デビュー5周年らしいトピックスが満載な1枚だが、同時にアルバム作品としてひもといたときに放つメッセージは痛烈だ。自分を信じる生き方の大切さを暴く「ロザリオをはずして」やお金に支配される人間の欲望を描いた「邪教・拝金教」といったダーティな曲で愛しくも愚かな人間の姿を描きながら、「模範囚」の美しいサウンドスケープの中では生きる意味を切々と歌う。果たして世界はクソまみれなのか、私たちが生きるに値するものなのか。愛は勝つのか。彼らが全14曲で問いかける。(秦 理絵)

BURNOUT SYNDROMEZ

BURNOUT SYNDROMES

BURNOUT SYNDROMEZ

メジャー・デビュー曲となった「FLY HIGH!!」から、最新の「PHOENIX」まで人気アニメのテーマ曲に起用された5曲や、アニメやゲームなどをオマージュし制作した7曲を収録した、バンド初のベスト・アルバム。ソングライターの熊谷和海(Gt/Vo)は自ら、生き方が漫画の主人公のようだと語り、困難や難題を乗り越えるように曲を形にし、あるいは錬金術師のように音楽ではあまり使わないような音をも楽しげに盛り込みながら、キャッチーなロック・サウンドを生み出す。静かに闘志を燃やして"なぜ"や"どうして"を探求し、実験精神たっぷりにその答えを探っていく。そんなワクワクするアプローチは、アニメにも親和性が高く、またキャッチーに聴き手の心を捉える歌やサウンドとなっていくんだろう。(吉羽 さおり)

PHOENIX

BURNOUT SYNDROMES

PHOENIX

2020年第1弾シングルにして、バンドにとって3期目のTVアニメ"ハイキュー!!"OP曲「PHOENIX」。これまでの「FLY HIGH!!」や「ヒカリアレ」は、アニメの登場人物やリスナーの背中を押すような疾走感のある曲だが、今回は闘いに臨む、その瞬間の心地よい緊張感や血が身体中を駆け巡っていくような躍動感を、ビートに写したダンサブルな曲だ。跳ねたリズムとメロディ、コーラスによる高揚感で"さあ/暴れな"と馬力を最大限に上げる。c/w「BREAK DANCER」は熊谷和海(Gt/Vo)がすべてを手掛ける、歌謡性の高いメロとオリエンタルな雰囲気も、エッジのあるギター・ロックもぶち込んで、シャッフルしたエレクトロ。王道と実験とで振り切って遊ぶバンドの姿が見える。(吉羽 さおり)

Good Morning World!

BURNOUT SYNDROMES

Good Morning World!

創造/想像性に溢れた壮大な音楽の旅をパッケージしたアルバム『明星』に続くシングルは、これもまた才気煥発と言うに相応しいロック・チューンとなった。TVアニメ"Dr.STONE"のOP曲として書き下ろした表題曲は、原作の奇想天外でスケールの大きな世界観やテーマ性、人間の計り知れない可能性をサウンドや歌詞に織り込み、且つ迸るエネルギーをアンセムに変え、キャッチーな曲に仕立てている。c/w「Ms.Thunderbolt」も独自性に飛んでいて、恋に落ちた瞬間を神の啓示の如く荘厳なドラマとして書き上げた。ある種大げさで神話的な内容と、エレクトロと生の楽器(特にギター)が盛大にぶつかり合って渦と化しているパワーに気圧される。このシアトリカルな2曲は、彼らにしかできないもの。(吉羽 さおり)

明星

BURNOUT SYNDROMES

明星

メジャー3rdアルバムである本作は、プロローグおよびエピローグ的な役割のTrack.1とTrack.10が伝えるとおり、とある惑星の孤独なソングライターが、宇宙のどこかのまだ見ぬ誰かに宛てた作品という設定。様々なジャンルを行き来し、ギター、ベース、ドラム以外の楽器をも堂々と従えるバンド・サウンドが教えてくれるのは、光と影の共存するこの世界を今よりちょっぴり楽しく捉えるための方法だ。紙の上から遥かなる冒険へ飛び立つことのできる文学と同様、想像力を翼に、3ピースで壮大な景色を描いてみせるのがBURNOUT SYNDROMESなのだと、フル・アルバムが発表されるたびに思わせられる。絵空事を描くでも理想論を語るでもないやり方で、彼らは夢を見せてくれるのだ。(蜂須賀 ちなみ)

孔雀

BURNOUT SYNDROMES

孔雀

メジャー1stフル・アルバム『檸檬』を踏襲し、今回も1曲目「ヨロコビノウタ」でクラシックのモチーフを使うなど、ファンへのプレゼント的な要素も大事にしながらさらに間口を広げ、多彩なサウンドスケープでバンドの進化を響かせる1枚。ソングライター 熊谷和海(Gt/Vo)の脳内迷路に分け入っていく前作での面白さとはまた違い、今回は曲ごとの物語や景色が鮮やか。クラシック・ギターを爪弾くフォーキーな曲、パワフルなブラスとサーフ・サウンドとラップのトゥーマッチ感に心踊る曲、8ビット感のあるパンキッシュな曲から、BURNOUT SYNDROMESならではの和の叙情性で飲み込んでいく曲など、大きくシーンが移り変わるように展開する。サウンド面にこだわり抜いたゆえの、勢いよく耳を駆け抜ける爽快感がある作品だ。(吉羽 さおり)

檸檬

BURNOUT SYNDROMES

檸檬

3ピースのロック・バンドとして、どんなことができるか。それを馬力のあるサウンドで勢いよく爆発させるだけでなく、想像力を膨らませて、頭の中で鳴っている音をなんとか実現しようと手を尽くす。BURNOUT SYNDROMESの音楽はそんなロマンに満ちている。デビュー・シングル『FLY HIGH!!』を聴いた人は、青春期の葛藤を走り抜けて振り切っていく青春ギター・ロックを感じたかもしれないし、続く『ヒカリアレ』でアンセムとしての力を感じたかもしれない。待望のアルバムは、その王道感を踏まえ、ビッグバンを起こしている。脳内を覗きたくなる才気煥発ぶりで、何の変哲もない資材を使っても、とてつもない家や城が建っていくような多彩な曲が並び、スケールの大きさとディテールの細かさに圧倒される。(吉羽 さおり)

ヒカリアレ

BURNOUT SYNDROMES

ヒカリアレ

デビュー・シングル表題曲「FLY HIGH!!」に続いて、今回の「ヒカリアレ」が人気アニメ"ハイキュー!!"のオープニング曲に2クール連続で抜擢された。3ピース編成で、歌を真ん中に据えたバンド・サウンドながら、壮大なクラシックを思わせるドラマを生み出していくBURNOUT SYNDROMES。この「ヒカリアレ」は、その彼らの最大の武器をふるった曲となった。アンセム感のあるコーラス、上昇していく力強いメロディ、疾走感のあるビートとメロディを支え並走するベース、華やかなフレーズを操り歌を引っ張るギター。すべてが主張しあって、絡み合う、その高揚感にグッとくる。ギターを主体としたロック・バンドとしての意地やプライドをも感じるだけに、来るアルバムが楽しみだ。(吉羽 さおり)

FLY HIGH!!

BURNOUT SYNDROMES

FLY HIGH!!

昨年、いしわたり淳治プロデュースによる2ndアルバム『文學少女』をリリースした、大阪出身のBURNOUT SYNDROMESが、シングル『FLY HIGH!!』でメジャー・デビューする。表題曲は、TVアニメ"ハイキュー!! セカンドシーズン"のオープニング・テーマとしてオンエア中だが、和の情緒やフォークの香りも漂わせたメロディは、さらに熱くなり、キャッチーさが強化された。親しみやすさは抜群だ。メロディを磨きつつも、ひと癖ある濃いアレンジやプログレ風に多彩に展開するサウンドの面白さも譲らずにあり、3人の心意気を感じる曲になった。カップリングには、ライヴ映えのするエネルギッシュな「エアギターガール」と、アコースティック・ギターを爪弾き、弦をスライドする生々しい音も封じ込めた美しい「サクラカノン」を収録。(吉羽 さおり)

文學少女

BURNOUT SYNDROMES

文學少女

タイトル曲「文學少女」は、ソングライター熊谷のルーツが表れた曲。さまざまな小説をモチーフにしながら、君と僕との物語を紡ぐ1曲だ。かと思うと、母となった心の機微を綴った「こどものじかん」や、祖母が孫へと伝える切なる思いを描いた「ザ・ワールド・イズ・マイン」、高揚感のあるアンセム曲となったラヴ・ソング「100万回のアイ・ラヴ・ユー」など、8曲それぞれの物語がある、短編集のようなアルバムだ。3ピースながら、細やかな色彩感を伝えるギターがあり、メロディアスなベースがあり、シーンの移り変わりとともにリズムが変わる構築的なサウンドは、ここにあるストーリーをいかに伝えるか考えられたものになっている。主人公の背景や、複雑怪奇な心情をすっと汲み取ることができるのは、音楽ならではだなと改めて感じる1作だ。(吉羽 さおり)

世界一美しい世界一美しい世界

BURNOUT SYNDROMES

世界一美しい世界一美しい世界

大阪出身3ピース・バンドの初の全国流通盤となる1stアルバム。13歳からバンドを始め来年で早くも10周年を迎えるという彼らだが、決して早熟なわけではなく中学から仲間と1番楽しいことをしていたらこうなった、というバンドマンとして最も幸福な道程を歩んできているような気がする。全曲の作詞・作曲を手掛ける熊谷和海(Gt/Vo)が歌う内容はひたすら心の襞を描くような個人的なものだが、それを完全に理解・共有している石川大裕(Ba/Cho)廣瀬拓哉(Dr/Cho)と一体になることで観客が涙を流すほどの共鳴を生んでいるのだろう。Track.8「東名高速道路清水JCTを時速二〇〇キロメートル超で駆け抜けるのさ」は、まるでこのアルバムですべて終わってもいいというくらいに魂を削るような歌が胸に迫る。(岡本 貴之)

The Kingdom

BUSH

The Kingdom

90年代のポスト・グランジ・シーンで人気を博し、2010年の再結成以降もコンスタントに活動を続ける、Gavin Rossdale(Vo/Gt)率いるBUSHの8作目。ザラついたギターに物憂げな歌声を乗せた基本スタイルは変わらずだが、プロデューサーに映画音楽を多く手掛けるTyler Batesや、ラウドロック界隈で活躍するErik Ronを迎えたことで、作品全体がソリッドでヒリついた空気感に。重々しいビートを叩きつけるTrack.2、緊迫感のあるギター・リフが刺さるTrack.6から、ピュアなバラードのTrack.8まで、円熟の境地に達したサウンドを堪能できる。グランジからヘヴィ・ロック、オルタナ・メタルまで、重めなサウンドが好きという人にハマるであろう1枚。(菅谷 透)

Black And White Rainbows

BUSH

Black And White Rainbows

1990年代から活躍、累計1,000万枚以上のセールスを誇るUKの大御所ロック・バンド、BUSHの3年ぶり7枚目のアルバム。2010年のバンド再結成以降、『The Sea Of Memories』(2011年)、『Man On The Run』(2014年)とコンスタントに作品をリリースしてきたバンドの充実度が伝わってくる15曲を収録。「Mad Love」の陰鬱なギター・リフから始まり、ミディアム・テンポでじっくり聴かせる楽曲が並んでおり、グランジ/オルタナティヴ・ムーヴメントを経てよりポップさを手に入れたベテラン・バンドの歌モノ作品といった印象。「Sky Turns Day Glo」、「All The Worlds Within You」などで聴かせるGavin Rossdale(Vo/Gt)の歌声は渋みと透明感の両方を感じさせるもの。「The Edge Of Love」、「People At War」と続く幻想的なサウンドで締めくくられる心地よいアルバム。(岡本 貴之)

Night Driver

BUSTED

Night Driver

人気絶頂のさなかの解散からこの10年、再結成が望まれながら絶対ありえないと言われてきたイギリスの国民的人気ポップ・バンド、BUSTEDが奇跡の再結成。10万枚のチケットが1時間で売り切れてしまった(んだから解散後も衰えなかった人気が窺える)というイギリス国内ツアーに続いて、13年ぶりとなるニュー・アルバムがリリースされる。彼らの曲をカバーしてきたONE DIRECTION、THE VAMPS、5 SECONDS OF SUMMERらを魅了したポップ・メロディは変わらないものの、当時流行っていたポップ・パンク寄りのギター・ロックから一転、80s調のエレポップ・サウンドに挑戦。ダンス・ナンバーからバラードまで、煌びやかなシンセの音色とともに13年分の成熟をアピールしている。(山口 智男)

どこにでもあること

butter butter

どこにでもあること

5作目のミニ・アルバムとなる今作は"教室"をテーマに、憂鬱な日々を過ごす1人の男子高校生が少しずつ成長していく姿を、アルバムの収録曲順を授業の時間割に見立てて収録したバンド初のコンセプト・アルバム。中高生のいじめ・自殺問題等のニュースを見かねたVo/Gtの鈴木貴之が子供の頃のいじめ体験を元に、子供たちの孤独な心に呼びかけるような内容となっており、Track.1の「1時限目:数学」から目の前で語りかけているかのように近い声にハッとさせられる。テーマからしてかなり重いアルバムではあるが、歌詞の内容のみならず、卓越した演奏力と細部にこだわったアレンジ、アンサンブルも聴きどころ。特にギターのセンシティヴなプレイはキッズに耳コピ意欲を沸かせそう。こうしたコンセプトでアルバム1枚を貫く意思と勇気は尊敬に値するだけに、1人でも多くこの音楽を必要としている子供たちの耳に届くことを願いたい。(岡本 貴之)

じたばたストーリー

butterfly inthe stomach

じたばたストーリー

ザ・チャレンジではチャレンジオノマックとして活躍する小野雄一郎(Vo/Gt)と、中江太郎(Dr)によるバンド、通称"バタスト"の初の全国流通音源。ポップな2ピース・サウンドに乗って歌われるのは、最初から最後まで"君"へのアツい好意。全曲通して、ただひたすらに。音読なんてされた日には聞いてるこっちが恥ずかしさで全身がむず痒くなるくらいのどストレートな想いの数々が音楽に乗ると平然と成立してしまう―― そんな音楽のマジカルな力を、ワイワイ楽しみながら活用しまくるポップ確信犯というべきだろうか。ちなみにバンド名の由来と思われる"butterflies in one's stomach"とは"そわそわする"の意。バンドが今後どう転がっていくのかも気になるところ。(蜂須賀 ちなみ)

MAJESTIC

the butterfly nine cord

MAJESTIC

3ピース・バンド、the butterfly nine cordの初流通音源となる2ndフル・アルバム。ZEPPET STOREのギタリスト、五味誠のプロデュースによる今作は"Art Of Waste-クズの芸術-"を謳った通り、雑然とし退廃的な世界観の中に独特の美意識を感じさせる楽曲が並んでいる。ストレートで硬質なリズム・セクションに乗ったギターは毛羽立ったノイズが中心だが「In the sun」で聴けるディレイを利かせたイントロから徐々に重厚な音が楽曲にふくらみを与えて行く様はお見事。続く「jellyfish」でも感じさせる繊細な音使いと、後半で畳み掛けるガレージ・サウンドがこのバンドの魅力だ。荒くれていても何故かスタイリッシュにすら感じるほど泥臭さのない研ぎ澄まされた作品。(岡本 貴之)

twenty

Buzz72+

twenty

Buzz72+のメジャー・デビュー20周年の記念作と銘打たれていることもあり、音と言葉に刻み込まれた軌跡をなぞると胸が熱くなる。その一方で、伸び伸びとした佇まいが嬉しい。新曲3曲はメイン・コンポーザーである松隈ケンタ(Gt)以外のメンバーがそれぞれ作詞作曲。名曲「フライングヒューマノイド」を井上マサハル(Vo)が未来から見つめ直した「GHOST」、北島ノリヒロ(Ba)がヴォーカルを務めるレアな「STAY」、轟 タカシ(Dr)作の遊び心溢れるダンス・ロック「夏の魔物」。4人がお互いとだけ目を合わせながら鳴らして歌う。13年間の空白と5年間の氷解が彼等をアマチュアリズムへと導いたことを、高らかに祝福する一枚だ。(サイトウ マサヒロ)

THE GREAT ORDINARY TIMES

BUZZ THE BEARS

THE GREAT ORDINARY TIMES

フル・アルバムとしては約5年ぶり。10年の活動をまとめたベスト盤を経た、新しいページをスタートさせる作品だが、その音楽とバンドへの姿勢や、歌に託した想いは不変だ。平坦ではない道を、人知れず涙や汗を流し、また立ち止まったりしながらも、すべてひっくるめて音にして抱きしめる。聴いていると、自然と背中にその手の温かさを感じる音楽がここに詰まっている。メロディックをルーツとした爽快な疾走感と、英語詞と日本語詞とが交じっていつつも、言葉がまっすぐに胸に響くキャッチーなメロディで、陽性のファスト・チューンからドライヴ感のあるロック、じっくり歌い上げるドラマチックな曲まで、幅広いサウンドを揃えた。このままセットリストでも最高な、ライヴ・バンドとしての自負も映る作品。(吉羽 さおり)

Q

BUZZ THE BEARS

Q

BUZZ THE BEARS、7作目のミニ・アルバム。タイトルの"Q"には、制作中にバンドにとってよい曲とは何かという "問い=Question"があったこと、そして今年結成9年を迎えることもかけあわせている。BUZZ THE BEARSの歌の中心にある、聴く者の背中をガンガン押す熱いメッセージを肝にしつつ、「絵日記」では大事な人がいる日常のほっこりするようなシーンが綴られたり、「B・A・N・D」ではフェスでのあるあるな光景を毒も交えたアッパーな歌詞で歌い上げられる。この歌詞の緩急のバランスがいい塩梅で、彼らのフレンドリーな魅力が伝わるものになっている。だからこそ、檄を飛ばす曲はよりストレートに、スピードを上げて突き進んでいく。冒頭のパンク・チューン「Hurry Up!!」から最高の瞬間をパッケージした、高い熱量のアルバムだ。(吉羽 さおり)

L

BUZZ THE BEARS

L

自身のメッセージが聴き手の生活(Life)に根差し、ライヴハウスに気軽に(Light)足を運んでもらいたいという願いと、新作のテーマでもあるライヴ(Live)、それぞれの頭文字を取ったタイトルを掲げたミニ・アルバム。聴いてまず驚いたのが"Wow wow~"や"Yeah Yeah~"、明快な言葉などが並び、観客がシンガロングできる箇所がたくさん盛り込まれていること。歌を大事にしたメロコアやロックを奏で続けている彼らだが、意外にもこれまでにそういう曲は少ない。そんな新機軸に交わる、差し引きの効いた無駄な力みのないフランクなサウンドも心地よく、聴いてるこちらも自然体で楽しめる。タイトルに込めたテーマを実現させた頼もしい作品だ。より聴き手との距離が縮まるライヴの場景が目に浮かぶ。(沖 さやこ)

GOLDCAGE

BUZZ THE BEARS

GOLDCAGE

全13曲が閃光のようにあっという間に駆け抜ける、BUZZ THE BEARSのフル・アルバムとしては3年半振りの作品となる『GOLDCAGE』。まさにどの曲も黄金色に輝く強靭なパワーを放つ。“泣きのメロディック・パンク”と形容されることも多い彼らだが、その涙と切っても切れないのは“笑顔”だ。マイナー・コードを多く含んだコードとメロディも、ひたすら果敢に突き抜けながらもふとした瞬間に優しいアルペジオを鳴らすギターも、スピード感のあるリズム隊も、しっかりと人の目を鳴らされていることがわかる非常に真摯な音。彼らの心意気がそのまま楽器を伝って届けられている。メロディックだとか、ロックだとか、バラードだとか、そういう概念をすっ飛ばすほどの強い意思と熱いハートを存分に感じてほしい。(沖 さやこ)

声

BUZZ THE BEARS

今年3月にキャリア初のシングル『ダーリン』をリリースしたBUZZ THE BEARSから2ndシングルがリリース。表題曲「声」は越智健太の歌声とギターが鮮やかに響き渡るロック・ナンバー。どこまでも突き抜ける青空と爽やかな風を彷彿させるキャッチーなサウンドはメロディック・パンクの枠を飛び越え、ロック・リスナーのみならずJ-POPリスナーの心も打つに違いない。信号機視点で歌われる「シグナル」のダイナミックなドラミングは、楽曲のスピード感をより生々しく印象付ける。ライヴを取り巻く日常をテーマにした「シンデレラキッズ」は否が応でも笑顔にならざるを得ないほどのアゲ曲。BUZZ THE BEARSのサウンドは、熱いハートがそのまま音に封じ込まれている。嘘や綺麗事などは一切存在しない、純な美しさに胸が焦がれる。(沖 さやこ)

ダーリン

BUZZ THE BEARS

ダーリン

大阪出身、メロディック・パンクをベースにしたキャッチーかつ疾走感のあるサウンドと誰もが共感し、心を揺さぶる歌詞を武器にファンを増やしてきたBUZZ THE BEARS。彼らがシングルとしては初となる作品をリリース。表題曲である「ダーリン」はマイナー調のメロディと自分の弱さを認めながら"曲げることはできない"という強い気持ちを歌った非常にエモい仕上がり。Track.2「サウンド」はライヴでダイブとシンガロング必至の全英詞の爽快なパンク・チューン。そしてTrack.3の「ふたり」はミディアム・テンポのBUZZ流"卒業ソング"。この3曲はBUZZを今まで好きだったファンには彼ららしさをそのままに進化を感じることができるし、今作で彼らを知る方には名刺代わりの1枚になるはず。(伊藤 啓太)

nostalgic lovers

Bye-Bye-Handの方程式

nostalgic lovers

結成から約10年、メンバー・チェンジも経て進化し続けてきたバイハンが、現体制で再録/初音源化した全5曲。重厚感を増したイントロから高まる「熱帯夜と遊覧船」でまずは磨き上げたロック・サウンドを提示。高校時代の代表曲と語る「君と星座の距離」や"小論文"をモチーフにした「自論文」でも王道J-ROCKを鳴らす一方で、アレンジにSUNNYを迎えた2曲、洗練された失恋バラード「湿恋」とキラキラなポップ・ソングへと生まれ変わった「Flower Dance」は上質なJ-POPに。そのハイブリッドなスタイルで、大切な楽曲たちを今の手腕で昇華し閉じ込めた。愛しい過去が詰まったタイムカプセルのようでありながら、確かな成長を実感させる新しさで未来へと繋いでいく。(中尾 佳奈)

すくーぷ

Bye-Bye-Handの方程式

すくーぷ

初の全国流通ミニ・アルバムとなった前作から、約10ヶ月ぶりに到着したニュー・ミニ・アルバム『すくーぷ』。疾走感溢れる「midnight parade」がアルバムの1曲目を華やかに飾り、「ぷらねたりゅーむ」では少年が大人になる過程で抱く葛藤を歌う。同曲をはじめ、切なさの中に大切なものをそっと包み込むような温度を持って展開されていくのが、彼らの音楽の特徴ではないかと感じる。そんな彼らの多面性が表れた、ミドル・テンポの「ふたりのはなし」、洒落ていてジャジーな「雨恋」、イントロのギター・ソロが冴え渡る「ジュウブンノサン」などカラフルな1枚が完成。そしてラストには「FRIDAY」が据えられ、刺激的な恋に憧れる心情を歌うのだが、"あぁ、この曲のためのアルバム・タイトルだったのか"と深く頷ける。(是永 鈴菜)

ろまんす快速特急

Bye-Bye-Handの方程式

ろまんす快速特急

フォーリミ、reGretGirlらを擁するロック・レーベル、No Big Deal Recordsに所属する4人組バンド、初の全国流通ミニ・アルバム。あの子が好きという気持ちが暴走するロックンロール「最終トレインあの子の街へ」を皮切りに、70年代ポップスへのオマージュを込めた「甘い記憶」、ギターバンジョーをメイン楽器に使った素朴な味わいの小曲「夢送り競走曲」、桜の季節と共に訪れる別れを切なく綴ったバラード「春散る日々さ」など、その楽曲たちはノスタルジーと衝動が絶妙なバランスで溶け合う。全曲のソングライティングを手掛けるのはヴォーカル、汐田泰輝。銀河鉄道が駆ける星空に憧れ、二度と戻れないあの日へと想いを馳せるギター・ロックが、目を閉じて見える世界のロマンを教えてくれる。(秦 理絵)

Flowers

Bye-Bye-Handの方程式

Flowers

"ハイブリッド・ロック・バンド"を謳う大阪発の4人組、Bye-Bye-Handの方程式の3rdミニ・アルバムは、オーディションで所属を勝ち取ったNo Big Deal Recordsからの初リリースとなる意欲作 であり、5月に脱退したベーシストへのはなむけ的な意味 も込めた作品。これまで独特 の質感で 失恋を 吐露 する楽曲が印象 的だった彼らだが、今作は書き溜めていた曲の中から、 前向 きな楽曲だけを集めたというだけあって、言葉の取り合わせが懐かしい 思春期 の感覚を想起させる「あの子と宇宙 に夢中 な僕ら」をはじめ、"グッバイラブ ユー"のコーラスが切なくも温かい「ラブユー・シーユー」など、どの曲も自然と爽やかな背景が浮かぶ、フレッシュでエネルギッシュな1枚に仕上がった。(岡部 瑞希)