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DISC REVIEW

nostalgic lovers

Bye-Bye-Handの方程式

nostalgic lovers

結成から約10年、メンバー・チェンジも経て進化し続けてきたバイハンが、現体制で再録/初音源化した全5曲。重厚感を増したイントロから高まる「熱帯夜と遊覧船」でまずは磨き上げたロック・サウンドを提示。高校時代の代表曲と語る「君と星座の距離」や"小論文"をモチーフにした「自論文」でも王道J-ROCKを鳴らす一方で、アレンジにSUNNYを迎えた2曲、洗練された失恋バラード「湿恋」とキラキラなポップ・ソングへと生まれ変わった「Flower Dance」は上質なJ-POPに。そのハイブリッドなスタイルで、大切な楽曲たちを今の手腕で昇華し閉じ込めた。愛しい過去が詰まったタイムカプセルのようでありながら、確かな成長を実感させる新しさで未来へと繋いでいく。(中尾 佳奈)

団地テーゼ

神聖かまってちゃん

団地テーゼ

生と死は常に隣り合わせであり、何気ない日常もまた、死と地続きのものだ。ラテン語の成句にメメント・モリという言葉があるが、神聖かまってちゃんは一貫してそれを叫んできたバンドだと思う。幼少期から30年以上、千葉ニュータウンの団地に住み続けるの子(Vo/Gt)が、日常の中で積み重ねてきたアンチテーゼを1つの作品としてまとめ上げた、5年ぶり11枚目のフル・アルバム。「オルゴールの魔法」を彷彿とさせるTrack.6、四つ打ちサウンドが高揚感を生むTrack.8、メロディ・メーカーとしての手腕が光るTrack.11、さながらヴェイパーウェイヴのような後奏のTrack.12等、渦巻く希死念慮の中で垣間見える遊び心がいちいちぶっ刺さる。キャリア史上、最も発売スパンが長く、そして最も死生観が色濃く滲み出た新体制初アルバム。これぞ最高傑作。(山田 いつき)

MOLTING AND DANCING

indigo la End

MOLTING AND DANCING

前作収録の「名前は片想い」のロングヒットとときめきも記憶に新しいindigo la Endから早くもニュー・アルバムが到着。美的計画でも川谷絵音と抜群の相性の良さを見せたにしなを客演に迎えた「夜凪」では、2人のアンニュイな歌声と、大仰ではないが存在感のある絶妙な弦楽オーケストラで深く物語に惹き込み、タイトル通り高湿度のサウンドを貫いた豊潤な音で躍らせる、ラストの展開も素晴らしい「雨が踊るから」、美しくも本質を突いたドキッとさせる言葉選びで曲世界に没入させる「心変わり」等全11曲を収めた。結成15周年、いくつ作品を重ねてもどんな時代でも、常に新鮮で繊細で一筋縄ではいかない藍色を描き続ける彼等の音楽に唸らせられっぱなし。(稲垣 遥)

親愛なるあなたへ

THE BACK HORN

親愛なるあなたへ

キャリアを重ねる程音楽的な自由度と貪欲さを増すバンドは稀有だ。結成25周年イヤーの先に"光と影"をテーマにした配信シングルを立て続けに出した彼等は、アルバムでもそのテーマのもとでさらに最新のTHE BACK HORNを放つ。ファンへの感謝を込めたバクホン節をブラッシュアップしたタイトル曲に始まり、身近な社会に存在するダーク・サイドを描いた曲が続くが、ロック・バンドがライフステージの変化を(物語だとしても)描く誠実さを感じる。そしてギリギリのところで救いと楽しさが同居する多ジャンル混交ナンバー「Mayday」を差し込み、脱力気味のスカ、R&Bテイストのミディアム・スロー等で光の面を表現。成熟に向かわないオリジナリティが圧巻だ。(石角 友香)

ライフ イズ ビューティフル

ASIAN KUNG-FU GENERATION

ライフ イズ ビューティフル

目を背けたくなるような悲惨でやるせないニュースや、うんざりするような社会の状況、他人の言動等が溢れる現実の中で、"それでも"という想いを歌にした表題曲「ライフ イズ ビューティフル」。盤石なサウンドと落ち着いた歌唱、澄んだコーラスからは、このメッセージに迷いが一切ないこと、彼等がまっすぐ見つめる先に光が存在することが窺えて奮い立たせられる。カップリングには、のんに提供したパワー・ポップ「Beautiful Stars」のセルフカバーを収録(本家音源/MVもアジカンがバックバンドを務めており要チェック)。2曲共、シンプルだからこそ日々の生活のお供に携えられる、自分なりの"美しい人生"を諦めない私たちへの応援歌だ。(稲垣 遥)

" NANIMONO 2nd ANNIVERSARY ONEMAN 『インキャが世界を救う★~なにものといっしょ ~ 』"at TOKYO DOME CITY HALL

NANIMONO

" NANIMONO 2nd ANNIVERSARY ONEMAN 『インキャが世界を救う★~なにものといっしょ ~ 』"at TOKYO DOME CITY HALL

NANIMONOのライヴは、人生に生きづらさを感じている"どこかの誰か"に寄り添い、一緒に歩んでくれるようなパワーを持っている。結成2周年ライヴを映像化した本作は、インキャのリスナーにとって活力剤のような役割を果たしてくれるだろう。見どころは盛りだくさんだが、中でもネガティヴな気持ちの集合体"つらたん"の襲撃から、アニメ"なにモンになっちゃった?!"、テーマ・ソング「死ぬまで眠りたい」、そして、メンバーが魔法少女に変身を遂げる(早着替え!)までの一連の流れは必見。かわいいだけじゃない、メッセージ性もエンタメ性も高い本作は、"NANIMONO"って"何者"?――そんな疑問に答える、入門書的な作品だ。(宮﨑 大樹)

TREASURE!

DIALOGUE+

TREASURE!

音楽ユニットとして1つの完成を目指して制作された3rdアルバムから4ヶ月で、早くも12枚目のシングルが到着。タイトル曲は、TVアニメ"いずれ最強の錬金術師?"OPテーマで、作詞は大胡田なつき(パスピエ/Vo)、作編曲はAkkiというこれまでDIALOGUE+で秀作を生み出してきたタッグが担当している。瑞々しく跳ね上がるピアノやストリングスと骨太なバンド・サウンドが、高揚感を引きずり上げていくアップチューンだが、特筆すべきはやはり8人の歌声。美麗且つ緻密なコーラス・ワークを交えつつ、伸びやかに届けられる主旋律に綴られた、"何だってできそうだって僕ら 自由だ!"という一節が、とにかく眩しいまでの輝きを放っている。(山口 哲生)

あばら

鈴木実貴子ズ

あばら

苛立ち、苦悩、違和感......。社会や生活に対するあらゆる感情を強烈なパンチラインに乗せて歌う、アコギとドラムの2ピース・バンド 鈴木実貴子ズ。結成14年目となる年にリリースされたメジャー1stアルバムは、これまでの活動を振り返りつつ、今もなお自身を奮い立たせるエネルギッシュな詞で溢れ返る。シノダ(Gt/ヒトリエ)、五味岳久(Ba/LOSTAGE)を招いた、強固なバンド・アンサンブルが繰り出す「かかってこいよバッドエンド」、田渕ひさ子(ex-NUMBER GIRL etc.)のソリッドなギター・リフが冴える「暁」等、鈴木実貴子が曝け出す心情を鼓舞するように花を添えるアプローチも印象的。「ベイベー」や「私、天使だっけな」では、わずかな希望を見いだし前進する軽快さも感じられる。(山本 剛久之)

HAS

FINLANDS

HAS

前作『FLASH』から約4年ぶりのフル・アルバム。結婚や出産といったライフステージの変化を迎え、さらに昨年3月にはメジャー・デビューも果たす等、この4年間で塩入冬湖(Vo/Gt)を取り巻く環境は大きく変わった。それでも、彼女のまっすぐな歌声と人間性、バンドの姿勢はこれまでと変わらず、芯の強さを感じさせる。サウンドの奥行きとレンジの広さを見せる「ララバイ」、気だるげなヴォーカルとキャッチーなメロディが絶妙にマッチした「割れないハート」、今作の中でも一際エッジィなロック・チューン「VS」、親密な空気感を纏った丁寧なサウンドメイクの「シルエット」、アルバムを象徴するタイトル・トラック「HAS」等、新曲7曲を含む全12曲。(山田 いつき)

GENIUS FOOL

Re:name

GENIUS FOOL

洋楽とJ-POP双方の音楽要素をオリジナルに昇華する令和スタンダードな3人組 Re:nameが、さらにその先を示唆する本領発揮のフル・アルバム『GENIUS FOOL』を完成させた。ロングヒット中のポップ・ファンク「24/7」、AIヴォーカルを取り入れた「Vague (feat. 可不)」、K-POPのエフェクティヴなダンス・チューンの影響を感じる「TOY」、UKインディーの憂いのあるサウンドも取り入れた「Donut Song」等多彩な既発/先行配信曲に加え、アルバム像を象徴する思いが詰め込まれたDTMチューン「gen!us」、オープナーに相応しい複数のジャンル感とビートが混在する「BABY BOY」等のアルバム曲で構成される、強力な全12曲(CDは全13曲)。(石角 友香)

FLYASDUST

TOKYOてふてふ

FLYASDUST

リリースとしては昨年夏のソロ・ワークスEP『IIIIly』以来であり、楪おうひ、めありらすと、ちむら詩文、神狩こはく世會の4人体制となったグループの今、5年目を迎えた決意表明を歌ったニュー・シングル「FLYASDUST」。エレクトロや歪みの効いたバンド・サウンドと、儚さ、脆さを湛えたヴォーカルとで、孤独にたゆたう寂しさや痛み、または恍惚感をも表現していたその歌は今回、その孤独からすっと手を伸ばすように誰かを求め、誰かと繋がる意志を持った。激しさも温かさも宿した4人の歌が心強い。2025年末にZepp Shinjuku (TOKYO)ワンマンが決定し、大きなステージに向かって駆け上がっていく、その躍動がストレートに響く1曲だ。(吉羽 さおり)

Alliance of Quintetto

BLUE ENCOUNT

Alliance of Quintetto

「囮囚」(ドラマ"ボイスⅡ 110緊急指令室"主題歌)から「Bloody Liar」(アニメ"ババンババンバンバンパイア"OP主題歌)まで、タイアップ楽曲だけでも6曲を収録。ハードでフック満載なブルエン節を存分に堪能できるそれらの楽曲に加え、アルバム・タイトルが示唆するリスナーを5人目のメンバーに見立て、共に進んでいく彼等のスタンスを表明するTrack.1から、Track.3までのギター・ロック・バンドとして肩肘張らない自然体の強み、現代のR&Bシーンにも通じるモダンなビート感やメロディが新鮮なTrack.5等、らしさとチャレンジが同じ濃度で詰まったアルバムだ。オール英語詞曲も増えたことでラヴ・ソング等テーマも拡張。ツアーを支える精鋭曲揃い。(石角 友香)

(i)かずき山盛り

かずき山盛り

(i)かずき山盛り

大阪発ボタニカル・パンク・バンド かずき山盛りの新体制初リリースとなる3rdミニ・アルバム。"今までで1番バラエティに富んだ間違いなく過去最高の作品"と公言するように、どこか演歌っぽいタイトルの渋さとは裏腹にシンセサイザーの音が混ざり合う「おとこのなみだ酒」をはじめ、ホーン・セクションを加えチキンの美味しさを歌う「チキンisうまい!」や、パチンコ/パチスロの効果音が随所に散りばめられ脳汁が溢れ出す「倖 Time」(読み:ハッピータイム)等、ふざけるところは全力でふざけつつも楽曲アレンジの振り幅を感じさせてくれる1枚となった。本作でパワーアップした彼等は、自分らしさを貫きながらも着実に新ステージに上り詰めていくだろう。(中島 希実)

AlterGeist0000

THE ORAL CIGARETTES

AlterGeist0000

メジャーとアンダーグラウンドを繋ぐオーラルが、次々に新たな姿を見せつける攻めの1枚。シンフォニック・メタルのような荘重なオープニング「Bitch!!」から、ラウド・シーンを牽引するMasato(coldrain/Vo)を迎えた「DUNK」、ラッパー Kamuiがかますゴリゴリのヒップホップと融合した「ENEMY」と、ディープなミクスチャー・ロックの深層に引きずり込んでいく。かと思えば、今っぽいアンニュイな歌唱とスケール感のある清涼なサウンドを合わせた「SODA」や、洋楽フレーバーのポップ・ロック・アンセム「See You Again」等、大衆性を押し広げる意外な楽曲も。そんな極彩色の中で淀みなく響くメッセージ・ソング「愁」では、彼等の強い想いを噛みしめてほしい。(中尾 佳奈)

Bloody Liar

BLUE ENCOUNT

Bloody Liar

TVアニメ"ババンババンバンバンパイア"OP主題歌を表題に据えた、3作連続リリースのラスト・シングル。今回ブルエンが描くのは、切なく儚い叶わない恋。銭湯で働く吸血鬼と銭湯の一人息子を中心に繰り広げられる"BL(ブラッディ・ラブコメ)"のぶっ飛んだ世界観を温かく深い愛で包み込むミドル・ロック・バラードに仕上がった。結ばれなくてもただそばにいたいと願う、あまりにまっすぐな想いに胸がぎゅっと苦しくなる。カップリングは「new dawn」。漠然と焦燥感を抱えくすぶる日常から飛び出し、希望に満ちた"新たな夜明け"に向かっていくリリック。それをカラッと清々しいサウンドが後押しし、"きっと大丈夫さ"と軽やかに鼓舞してくれる。(中尾 佳奈)

4EVER

OKAMOTO'S

4EVER

タイトルからまっすぐすぎて意表を突かれたOPチューン「ありがとう」。サウンドも素直で、詞も懐かしく甘酸っぱく音楽と出会ったティーンの頃を描き、まさに"柄じゃないから照れる"素敵な始まりだ。そう、10代でデビューした彼等も今年で15周年。ギミックの詰まった先行配信曲「Song 4 You」をはじめ、ここまで"4"人で進んで来られた今、彼等からファンへ、そして音楽への感謝を込めた温かな1枚に。これぞ! と快哉を叫びたくなるロックンロールもOKAMOTO'Sの魅力だが、ダークで尖った一面が好きな方ももちろん楽しませてくれるのでご安心を。相変わらず音の緩急が絶妙でライヴで味わいたくなること間違いないので、開催中の47都道府県ツアーもマストチェック。(稲垣 遥)

正しい哺乳類

フラワーカンパニーズ

正しい哺乳類

2024年4月に結成35周年を迎えたフラカン、通算20枚目のアルバム。まずタイトルを"正しい人間"にしないところが鈴木圭介(Vo)の知性と愛嬌だ。すでにライヴで披露している「ラッコ!ラッコ!ラッコ!」の人力ブレイクビーツ×ガレージみたいな新鮮なアレンジ、FOO FIGHTERSを彷彿するデカいパースのオルタナ・サウンドの「少年卓球」等、バンドとして現役感溢れる音像に感動する。子供の問い掛けの常套句に対して異様に腑に落ちる回答が連発される「疑問符の歌」や自由と出自について平易に綴る「アイデンティティ」等、どの曲も借り物じゃなく生きてきたなかで見つけた平易な言葉とサウンドで、この時代の閉塞に着実に穴を開けていく頼もしいアルバム。(石角 友香)

雨ニウタレ命ナガレ

THE SPELLBOUND

雨ニウタレ命ナガレ

全9話のエンディング・テーマを屈指のアーティストたちが都度担当する"連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―"、その第8話分が表題曲。弾力のある打ち込みのビートにプリミティヴな強さ忍ばせ、人間の生命力のみならず業や宿命も感じさせ、風や雨を思わせるウワモノも体験的。自我を超える愛を探して歩き続けるような体感は歌詞と歌唱に投影され、これまで以上に力強い。カップリングは『Voyager』ツアーのアンコールで披露されたUNDERWORLD「Cowgirl」のダイナミックな生バンド・カバー。BOOM BOOM SATELLITESが同時代を駆け抜けたダンス・アクトへの共感と敬愛を今、スペルバで表現するかのような熱量とクールさに鼓舞される。(石角 友香)

sonet

ACIDMAN

sonet

"バタフライ・エフェクト"をテーマにしたタイトル曲「sonet」は、WOWOW"連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―"の最終話エンディング・テーマ。同シリーズとのタッグは、昨年大きな話題を集めた「輝けるもの」に引き続き2度目となるが、本作でも抜群の親和性を誇っている。柔らかく、力強く高鳴らされるバンド・サウンドを、四家卯大ストリングスによるストリングスと、別所和洋が奏でるピアノが華やかに、流麗に盛り立てていき、間奏では激情的なアンサンブルを繰り広げ、ドラマチックなエンディングへと辿り着くスロウ・バラードは、ライヴでもぜひ体感したいところ。"ゴールデンカムイ"にちなみ、"金"をテーマに行われたツアーのライヴ音源も収録。(山口 哲生)

Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー

GANG PARADE

Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー

新体制で完成させた両A面シングル『Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー』。ボカロP 不眠症が手掛けた「Sparkling Moon」は、ドラマ"ワカコ酒 Season8"のオープニング主題歌として書き下ろされた1曲だ。ビッグ・バンド調のサウンドのダンス・ナンバーと大人っぽい歌唱で、ついついお酒が進んでしまいそうな楽曲に仕上がった。「グッドラック・マイフューチャー」はLiSAの「紅蓮華」を手掛けたことでも知られる草野華余子からの提供曲。力強いロック・サウンドとエモーショナルな歌唱で聴き手を鼓舞する応援ソングであり、近年のギャンパレらしい楽曲だと言える。まだ観たことのない景色を観るために、11人体制になった彼女たちは本作からまた泥臭くも美しく走り出す。(宮﨑 大樹)

跡暖空

MyGO!!!!!

跡暖空

"BanG Dream!(バンドリ!)"発のMyGO!!!!!による2ndアルバム『跡暖空』は、ロック×青春の相性の良さを改めて感じさせる1枚だ。羊宮妃那(高松 燈/Vo)が本作を通して歌に乗せる感情は、"迷いながらも進んでいくしかない"――そんな葛藤と決意。人として生きていく上で、ゴールを見失ったり選択に迷ったりすることはあるだろう。そういう意味では誰もが迷子。だからこそ、MyGO!!!!!の歌は、誰にとっても支えになると言えるだろう。王道ギター・ロックを主軸にした楽曲が並ぶなかでも、疾走感を持って駆け抜けるTrack.4「霧周途」から、視界が開けていくような情景が浮かぶTrack.5「端程山」へ繋がる流れで得られるカタルシスは秀逸だ。(宮﨑 大樹)

pink Ⅱ

東京初期衝動

pink Ⅱ

岡崎京子の漫画に登場するワンシーンが使われたジャケットに加え、前作『pink』の続編を思わせるタイトルだが、バンド・サウンドは別物と言っていいだろう。北澤ゆうほ(Q.I.S./the peggies)をプロデューサーに迎え、前作よりキャッチーさが冴え渡る本作。爽快なパワー・コードが炸裂する「LSD」や、陽気なギターと痛快なヴォーカルが絡み合う「猫」、前作収録の「メンチカツ」を彷彿とさせる荒々しさに怒り爆発の詞を乗せた「おたくの犬が騒がしい」等、東京初期衝動らしさそのままに、メロディやリズムの変化、ポップスとして昇華する遊び心が要所で取り入れられた。生々しいけどからっとしているような、岡崎京子の漫画に通ずる空気感も癖になるラヴ・ソングたち。(山本 剛久之)

ERROR40

Charisma.com

ERROR40

昨年活動を再開したCharisma.comから約7年ぶりのアルバム『ERROR40』(読み:エラー)が届いた。本作には、弓木英梨乃、shimimins、屋良朝幸、ポチョムキン(餓鬼レンジャー)等、多くのゲスト・アーティストが参加。1曲ごとにサウンドと表情が変わる、色彩豊かな作品となっている。中でも2015年発表「アラサードリーミン」の続編という「アラフォーマジック」の振り切り具合とキレッキレのラップが最高で、30代付近のナイーヴな心境に寄り添った前作に励まされていた世代は、きっと今作の煌びやかなエレクトロ・サウンドとリリックに背中を押されるはず。これぞCharisma.com印な全12曲が揃った。(山田 いつき)

Sleeping Dirty

ぜんぶ君のせいだ。

Sleeping Dirty

無期限活動休止から1年を経た2024年3月に新メンバーを加えた新体制でリスタートし、再び怒濤のツアー・ライフへと乗り出した"ぜんぶ君のせいだ。"。ツアーの合間を縫って発表してきたシングル「蓮華粧」、「こゆび」、「眩盲暈詩」に続くのが今作。7thアルバム『メイダイシンギ』でもプロデュースを手掛けたDAIKI(AWSM.)による作曲/編曲のロック・チューンで、特に前作「眩盲暈詩」での躁的なパワーとは一転して、落ち着いたシックな印象。それぞれがエモーショナルに畳み掛ける歌には大人っぽさが漂う。新章に突入して、がむしゃらに相手を掴んでいくだけでないライヴの広がり、表現の広がりにおいてもポイントになる1曲だ。(吉羽 さおり)