SEBASTIAN X 永原真夏の「つれづれなるままに...サファイア！」【第7回】

COLUMN

SEBASTIAN X 永原真夏の「つれづれなるままに...サファイア！」【第7回】

2013年10月号掲載

SEBASTIAN X

秋ですねぇ。おなかすきますねえ。
季節の変わり目、みなさまいかがお過ごしでしょうか？
SEBASTIAN Xは、セカンドフルアルバム「POWER OF NOISE」を引っさげて、ただいま全国ツアー中です。イェイッ！うりゃホイ！うりゃホイ！
ノイズを食べて、パワーに変えて。
旅をしているところです。

さて、旅生活をしていると不思議なもんで、ふっと、昔の友達を思い出したりします。
見知らぬ土地の街角で、なんとなく地元の風景を思い出したりします。
わたしの地元は東京の世田谷、新宿から小田急線急行で15分くらいの場所にある、成城学園前というところ。
「成城マダム」と呼ばれる奥様方がいること以外は、まあふつうの住宅地です。
最近は開発されて小綺麗な駅ビルができたりしてるけど、駅から離れたら静かで、畑なんかも少し残っている、スタンダードな東京都の住宅地。
住んでいた家や通っていた学校の真横には、祖師谷公園というとても大きな公園があって、16歳まで毎日そこでゴロゴロして遊んでいました（まじで転がってた）。
近くには児童館があって、高校に上がるまでは、放課後そこの児童館の学童保育の子供達の面倒を見たりして。んで夕暮れになったらヤンキーの友達たちが活動を始めるからそこに合流して、お母さんに怒られるまで遊んで。
16歳になる頃にはもう音楽に夢中になっていたので、わたしの記憶は、バンドをやる以前の世田谷の風景と、17歳から世田谷を飛び出して音楽をやっている、その2つしかないのです。

遥か彼方、遠くの土地で、昔の面影を拾ってしまうのはどうしてだろうなあ。
たまにステージから、祖師谷公園の白詰草を感じる。
2年前に作った「光のたてがみ」という曲はまさに、学童保育の子供たちと別れて、紺と白のブレザー姿で祖師谷公園を自転車でぶっ飛ばしていたときの、あの時の気持ちを歌にしたもの。

こうしていろんな経験と年齢を重ねても、わたしのどこかは未だに、14歳のままなのかもしれません。
六本木のクラブで朝まで遊びほうけようと、表参道の洋食屋でディナーを食べていようと、高円寺の地下2階でプッシャーに絡まれようと、吉祥寺で男の子と朝までデートしようと。
美化するつもりはないけど、大人になって、すこーし、納得。

振り向かず抱きしめて歌うDNA。
１回１回のステージで刻まれていくあたらしい記憶。
フロアの一人一人がわたしの身体に入ってくる。出会ってきた全てを歌にして。応えるように身体ぜんぶを楽器にして。
わたしの歌はあなたが作る。

SEBASTIAN X

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