SEBASTIAN X 永原真夏の「つれづれなるままに...サファイア！」【第15回】

COLUMN

SEBASTIAN X 永原真夏の「つれづれなるままに...サファイア！」【第15回】

2015年02月号掲載

SEBASTIAN X

「ブレイキング・バッド」という海外ドラマにハマっている。
アメリカで2008年から放送されて、大大大人気！！賞総ナメ！！その凄さギネス級！！らしいのだけど......わたしはアメリカ人じゃないのでそれがどれほどの人気なのかはわからないの......。けど、すっごおおおい人気らしい。
それもわかる。だっておもしろいんだもん......。

物語は、高校で化学の教師をしている主人公ウォルターが、ある日肺ガン宣告されて、残された僅かな命と知恵を絞って、覚醒剤を作って愛する家族にお金をとにかく残そうとするところからはじまる。
気の弱い、世の流れにも妻にも言いなりになってきたウォルターが、病気をキッカケに自分の人生を変え始めるのである。
それだけでもなかなかおもしろそうなのだけど、これはいちおう最初だけ、最初だけである。
途中からウォルターのサイコな部分が爆発してきて、序盤はあんなに感情移入していたウォルターのことがどんどん嫌いになってくる。
（連続ドラマの主人公をこんなに嫌いになったのは初めてだ！）
平々凡々なニューメキシコ州アルバカーキの家族から、すぐにギャングに繋がって、気づけば縄張り争いまで仕切りはじめるウォルター。
全シーズン5中シーズン3くらいまで進むと、シーズン1のジャケットのウォルターが誰かわからなくなる。風貌も雰囲気もがらーっと変わるのだ。

ここまで主人公ウォルターの悪口しかほぼ言ってないけれど、見る側に表裏、つまり善悪どちらの感情も湧き上がらせるというのは、つまりウォルターの演技が凄まじいということだ。
それに加えてスタッフも素晴らしい。撮影現場のオフショット集を見ると、いかにキャストとスタッフが一致団結して作っているか、というのが、写真からありありと伝わる。
映像素人の私ですら、毎話毎話の編集の斬新さや細やかなアイデア、色調補正の丁寧さに毎度脱帽している。
あんな嫌なやつなのに......現場オフショットで満点の笑みを浮かべるウォルターを見ると......グッときちゃう......！！

つまりこうだ。
主人公が見た目も性格もどんどん変化する
＋
編集もアイデアも毎話凝って新しくなる
＝飽きない、楽しい
↓
ハマる

今年じゅうに必ず、ブレイキング・バッドのTシャツを着てニューメキシコへ行きたい。
2015年、ウォルターと同じく、わたしも人生を新しく始めるのだ！

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