SEBASTIAN X 永原真夏の「つれづれなるままに…サファイア!」【第2回】
2012年12月号掲載
そのバンドを語る際に、避けて通れない話が幾つかあるでしょう。
音楽のルーツについてだったり、メンバーの関係性だったり、生い立ちだったり、それぞれに色々あるでしょう。
中でも私が今日ここに書きたいのは、『スタッフ』という存在についてだ。
スタッフ。バンドの活動を裏で支え、広げ、共に歩んでいく、頼もしい存在だ。
所属事務所・レコード会社のスタッフもいれば、学生時代の友人がスタッフになる場合もあるし、はたまた熱心なファンの方が気がつけばそのバンドのスタッフになっている…なんていう場合もある。
例に洩れず、我々SEBASTIAN Xにも、長く付き合っているスタッフがいる。
そのスタッフを仮に「スタッフA」と呼ぶとしよう。
今日はその彼のとんでもエピソードを披露したいと思う。
「衝撃!アルフォート事件!」
皆さん、『アルフォート』というお菓子をご存知だろうか。
ブルボンの、クッキーの上にチョコレートがコーティングされた、あのアルフォートである。
チョコレートには細かい船の模様が施され、目にも美しいあのアルフォートである。
そのアルフォートを、みんなで仲良くレコーディング中に食べていたその時、スタッフAの口から耳を疑うとんでもない発言が飛び出したのだ。
「アルフォートのチョコレートの船の模様…すごいよなァ…これ、一つ一つ職人さんが掘ってるんだもんなァ…」
…そんなわけないだろう。
仮にも日本は類稀なる不景気だ。
あれだけの数のチョコレートに一つ一つ職人さんが施しをするほどのお金が一体どこの企業にあるんだ。
型があるんだよ、型が。
一気にチョコレートをババーッて流し込んだら大量生産できるんだよ。低コスト高クオリティなんだよ。
しかもその残念そうな顔は何だ。
夢を壊された少年のような無垢な瞳でこっちを見るな。
そうして「アルフォートのチョコレートの船の模様は、職人さんが一つ一つ掘ってるんじゃなくて、型があって全部機械がやっているのだ。」という事実を学んだスタッフA。
しかし後日、また事件は起こったのである。
2、「恐怖!メロンパン事件」
事件当時、我々はツアー先の高知県に居た。
高知県には、地元で有名なメロンパンがあるということで、みんなで仲良くそれを堪能していた。
ほんのり甘くて美味しいなぁ…なんて、ツアーのオフ日を満喫していた矢先、またもやスタッフAの口から耳を疑う仰天発言が飛び出したのである。
「このメロンパンも型があって大量生産してるんだもんなァ…型に生地を流して焼くんだもんなァ…」
おい。もはやどこをどう突っ込めばいいのかすらわからんぞ。
おそらくスタッフAが勘違いしてしまったポイントを察するに、メロンパンの表面の網目模様だろう。
あれは手作業だろうと機械作業だろうと、焼く前に直接パン生地に付けているんだぞ。
決して、網目模様の、生地を流し込むための型が存在しているわけじゃないんだぞ。
スタッフAよ。アルフォートの製造方法が何にでも活用されているわけじゃあない。
どちらも甘くて美味しい。私もどちらも好きだ。
しかし、メロンパンとアルフォートの製造過程には大きな差がある。
そして夢を壊された少年のような無垢な瞳でこっちを見ないでくれ。頼む。なんなら謝りますから。
しかしスタッフAは面白い人間である。
どこでそうなったのか皆目検討もつかないが、完璧な大人など存在しない。
多かれ少なかれ、天然という意味では誰しもがそれぞれにスタッフAを抱えているのであろう。
バンドを支えるスーパーウルトラスタッフたちは皆、今日、いまこの瞬間も世界中を駆け巡っている。
そしてまた、アルフォートとめぐり合うのだ。
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