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INTERVIEW

Japanese

POLYSICS

2017年03月号掲載

POLYSICS

メンバー:ハヤシ(Gt/Vo/Syn/Prog)

インタビュアー:吉羽 さおり

今年で結成20周年を迎えるPOLYSICSが、ベスト・アルバム『Replay!』をリリースする。単なるベストではなく、現在進行形のPOLYSICSでライヴの定番曲を中心に、これぞポリたる曲たちを再録音したリテイク・アルバム。脂が乗りまくった、それでいて初期の曲の持つ爆裂なエネルギーも、1ミリも削ぐことのない鮮烈さでパッケージした内容だ。新曲「Tune Up!」は、これからへの期待もたっぷり感じさせる新機軸のビートを用いて、チャレンジを続ける(あるいは、あまのじゃくさに磨きをかけた)バンドを提示するものとなっている。独自の道を突っ走りPOLYSICSスタンダードを作り上げた、この20年を訊く。

-2017年、POLYSICSは結成20周年を迎えます。

まさかこんな日がくるとは(笑)。

-今回、20周年記念アルバムとして再録ベスト『Replay!』がリリースとなるので、活動を振り返るお話もうかがっていこうと思っているんですが。まず今回の再録ベスト・アルバムは、どういうところから進んでいったものだったんですか。

話としては、前作『What's This???』(2016年リリースの15thアルバム)の制作の最終段階くらいのときに、20周年に向けてどういうものを出していこうかということで、リテイク・ベスト的なものがあるといいよねっていう話が出て。ポリ(POLYSICS)は結構コンスタントにアルバムを出してるから、ビギナーの子がフェスでPOLYSICSを観て、どの作品を聴けばいいのかとなると思うんです。"どれを聴けばいいんだろう......ちょっとわからないし、やめちゃえ"ってことがあると思うので(笑)。まずはこのアルバムを聴けばバッチリ盛り上がれるよっていうのと、あとは今の3人編成になってアレンジも新しくなっていたので、定番曲が新しく生まれ変わっているのを1枚にまとめたいなというのもあって、いいタイミングじゃないかなっていう。でもそこには、新曲も入れたいよねという話はしてました。ただリテイクで終わるんじゃなくて、先のPOLYSICSのことも匂わせたいなっていうのはあって。

-そして1曲目に新曲「Tune Up!」が収録されました。この曲はいつごろ作ったものだったんですか。

昨年の『What's This???』のツアーが終わってすぐに、6、7、8月と、このベストに入れる新曲をずっと作っていました。そこで最後の最後にようやくできたのが「Tune Up!」で、結構いろんなタイプの曲を作っていたんですよ。改めてここでルーツを出すのもいいかなと。それこそDEVO的な曲だったり、それよりもっと初期のポリのガレージっぽい曲だったり、あとは最近ワンマン・ライヴの途中で打ち込みコーナーみたいなのをやるから、そこでできるような新曲もどうかとか、いろんなタイプの曲を作っていて。まぁ悪くないんだけど、もうひとつパンチが欲しいなというのがあって。何がいいかなと思っていたときに――自分的には70年代後半に活動していたニュー・ウェーヴ・バンドがルーツで、例えばTALKING HEADSの影響を受けた曲はポリでも何曲かあるんだけど。そのTALKING HEADSが影響を受けたブラック・ミュージックやアフリカン・ビートって、そういえばちゃんと聴いていないなと思って。それを曲に取り入れたらどうなるんだろうなと、いろいろ聴きましたね。ナイジェリアの音楽とか、そういうのに詳しい人にも聞いたりして。

-そうだったんですね。

あとはTHE ROLLING STONESの「Sympathy For The Devil」(1968年リリースのアルバム『Beggars Banquet』収録曲)とか、アフロ・ビートを取り入れたロックンロールみたいなものも聴いて、これちょっといいかもなと思って。今は踊れるロックは、ロックのスタイルとしてもストレートな表現だし、四つ打ちも8ビートくらいスタンダードなリズムだから。それを取り入れてポリが踊るロックをやるよりも、今一度踊れるロックみたいなものを意識したとき、アフリカン・ビートを取り入れるのはアリかもしれないなと思って。速い2ビートじゃないもので、でも身体が動く、血が騒ぐものがいいなと思っていたから、バッチリとハマッたんですよね。

-自身の音楽のルーツのルーツとなっている、アフリカン・ビートやブラック・ミュージックは、当時はあまり追いかけてなかったんですね。

それよりもやっぱり、電子音楽の方のルーツに行っちゃってたね。KRAFTWERKとか。

-そのアフリカン・ビートの感じをポリがやると、「Tune Up!」になるんですね。新鮮だけど、ちゃんと"らしさ"が出た曲となって面白いですね。

そうですね(笑)。このアプローチになってからも、何曲か作ったんですよ。難しかったですね、最初のころは。何も考えずポリっぽくしようとすると、テンポを上げたくなるんですよね。そうするとアフリカン・ビートというよりは、ラテンっぽい、Jリーグの応援歌みたいになっちゃって(笑)。そこでまた試行錯誤して。

-この新しいグルーヴ感は、ライヴでも変化を起こしそうですしね。

このテンポで、こういうタイプの曲はあまりないからね、ポリは。実際にライヴでやってみて、あぁ、ありだなと思った。