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INTERVIEW

Japanese

シナリオアート

2014年09月号掲載

シナリオアート

シナリオアート

Official Site

メンバー:ハヤシ コウスケ (Gt/Vo/Prog) ハットリ クミコ (Dr/Vo) ヤマシタ タカヒサ (Ba/Cho)

インタビュアー:天野 史彬

いつだって、孤独な魂は孤独な魂に向かって語りかける。シナリオアートが前作『night walking』以来8ヶ月ぶりとなる2ndミニ・アルバム『Tokyomelancholy -トウキョウメランコリー-』をリリースする。現実を生き抜くための幻想を描いてきた彼らが、メジャー・デビュー、上京......この8ヶ月間の中で経験した様々な苦悩や葛藤すら音楽へと昇華した全6曲。今の彼らのリアルな心象を音に込めることで、より露になった"世界を救いたい"という切なる思い。この音楽を聴く独りぼっちの君が、いつの日か世界を変える日が来るように――そんな願いに満ちた覚醒作だ。

-2ndミニ・アルバム『Tokyomelancholy -トウキョウメランコリー-』聴かせてもらいましたが......驚くぐらい進化し、そして深化しましたね。まず、サウンドの広がりがすごい。様々な音色が重なり合ったサウンドスケープは色鮮やかだし、リズムも多彩になったし。今回、プロデュースにはSEKAI NO OWARIを手掛ける制作チーム"CHRYSANTHEMUM BRIDGE"を迎えたんですよね。レコーディングはどうでした?

ヤマシタ:最初にある程度自分たちで曲の基盤を作って、その上でプロデュースしてもらったらよさそうやなっていうものを渡して、アレンジに関してアドバイスをもらったりしたんです。で、それに対して自分たちで思ったことをまた返したりして。だから一方的な感じじゃなくて、ほんとに一緒に作っていけたし、思考が自分たちと似ている人たちだったので、やりやすかったですね。

-サウンド面で、自分たちの中で具体的に目指したものはあったんですか?

コウスケ:もともと、僕はDTMソフトでギター、ベース、ドラム以外の上物を打ち込んでいく作りかたをしてて。それによって情景を見えやすくするというか、その曲の詞の雰囲気に合った音を付けていってたんですけど、今回はそれを生楽器で表現するようになったんです。もうちょっとアナログ寄りというか、その瞬間でしか出せない音を閉じ込めたいなって思ったんですよね。そこを深く突き詰めていくことで、音楽的に広げていこうとはしてましたね。ティンパニとか、大太鼓とか、ピアノとか、コンガとか......あとなんやろう?

クミコ:クラリネットとか、あと笛、鉄琴も。
コウスケ:とにかく、たくさんの楽器を今回は生で、自分たちで演奏して収録しようとしましたね。

-どうして、今回は生楽器にこだわろうと思ったんですか?

コウスケ:デジタル・ソフトで入れてくのもいいんですけど、自分たちで鳴らしてるものをちゃんと収録したかったというか。デジタルでやるっていうことは、誰かが既に作った音を入れるっていうことじゃないですか。でも、もっと自分たちを入れていきたいなって思ったんですよね。

-なるほど。今語ってくれた音楽的な変化は、自分たちの表現に対する根本的な変化にも繋がっていることだと思いますか?

コウスケ:そうですね......自分たちの生きてる生活をもう少し反映したいなっていう欲が出てきたんですよね。もともとは、誰でもないところから出てきた物語を誰でもないところに届けようとしてたんですよ。ずっとフィクションの中に社会を描いたりしてきたんですけど、そこに今回は自分のパーソナリティっていう違う視点を入れ込んだ部分があって。なので、前とはかなりテイストが変わり始めてると思いますね。例えば「トウキョウメランコリー」は――僕らは今年に入って上京したんですけど――ほんまに東京に来てから思ったことを歌ってるんですよ。今までは私情を極力挟まない手法で書いてたんですけど。その辺はすごく変わりましたね。もう少し自分たちのことを伝えていきたくなったというか。

-実際、タイトル・トラックであるTrack.2「トウキョウメランコリー」は、今のシナリオアートの抱える苦悩や孤独がすごくリアルに描かれている曲ですよね。

コウスケ:東京に出てくる人はみんな勝負するために出てくるんだっていう人もいるじゃないですか。勝ってかなあかんし、人を押しのけてでも前に行かなあかんし、人の上をよじ登ってでも、人の上に立たなあかんっていう......つまり勝つか負けるか、みたいな。それって、自分の人生理念的なところと矛盾するんですよね。優しさを歌いたいのに人を倒していかなあかん......そういう葛藤の中から生まれた曲ですね、「トウキョウメランコリー」は。歌詞書いてるときに、全然上手くいかなくて、スタッフと喧嘩したりして。電話でキレ合う、みたいな(笑)。そういういろんな場面を経てレコーディングに臨んだ曲なので、いろいろ切迫したものが詰まってて、すごい思い入れがあるんですよね。そのせめぎ合いも伝わればいいなって思いますね。いろんな意味でリアルな曲ですね。

-この曲の"ステージの上から 世界は素晴らしいとか 愛を叫び歌うとか/熾烈なイス取りゲームで 人を凌いで倒して座るとか/そのくせ優しい歌が歌いたいとか 矛盾におぼれ自己嫌悪にまみれるとか"っていう歌詞が聴こえてきたときはドキっとしましたね。やっぱり、すごく葛藤があると思うんですよね。この世界は数字で見られる世界でもあるし。

コウスケ:そう、数字なんすよねぇ(苦笑)。わかりやすさって、やっぱり数字じゃないですか。その葛藤はありますよね。どうやって、やりたいことと折り合いをつけていこうかとか......広いところまで考え過ぎちゃって。もう少しアーティスト業1本に視点を向けれる人やったらよかったんですけど、余計なことまで考え過ぎちゃうんですよね。

-余計なことって?

コウスケ:例えば、この表現はポップ・シーンには恐らく伝わらなくて、一握りの人にしか理解されへんやろうなって考えたときに、それを削ぐのか、残すかっていうこととか。普通にアーティストっていうことだけで考えるなら、入れたいものは全部入れるべきだと思うんですけど、僕はもっと広いところで考えちゃって。