Japanese
シナリオアート
Skream! マガジン 2014年04月号掲載
2014.03.14 @TSUTAYA O-Crest
Writer 沖 さやこ
"今ここにいる人たちは始まりを目撃してくれてる人だと思ってます。もっともっと大きい会場でライヴができる魅力たっぷりのバンドに成長していきます。良かったら、ここから一緒についてきてください"――アンコールのラスト「ワンダーボックス」を演奏する前、ハヤシコウスケ(Vo/Gt)は言った。その言葉の通り、この日のライヴはたまごから孵ったばかりの3人の第一声という気がした。彼らの表現すべてが清く、そして未完成で、果てしない未来と野心が見えたのだ。今年の1月にミニ・アルバム『night walking』でメジャー・デビューを果たした、関西出身の3ピース・バンド、シナリオアート。彼らの歴史はここからだ。
O-Crestの壁には星や月、惑星などの形に切り取られた色紙が。暗闇の地上5階のライヴハウス。"night walking"にぴったりのシチュエーションだ。ゲストのエソラとDIRTY OLD MENはシナリオアートとの思い出をMCで語り、プレイで戦友の門出を祝福した。場内が暗転すると、秒針とオルゴールに似た音色が鳴り響く。眠りに落ちてゆく不安定な感覚に浸っていると、ハットリクミコ(Dr/Vo)、ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho)、ハヤシコウスケが順番にステージに登場。ナイトウォーキングの準備は整った。1曲目は『night walking』の1曲目でもある「ブレーメンドリームオーケストラ」。映像がステージ全面を包み込み、その中でひたむきに音を鳴らす3人。囁くようなハヤシとハットリのツイン・ヴォーカルが、耳元で歌われる子守唄のように優しい。場内はたちまち彼らの作り出す夢の中のような空間で染まった。軽快な8ビートに芯のあるベースが力強く突き進む「ハロウシンパシー」、滲むようなイントロのギターが煌びやかな「サヨナラコウコツ」、夜空を軽やかに飛び回るイメージを与える「ウォーキングムーン」と、パーソナルでありながらも広さを感じさせるサウンドスケープで魅了する。
場面転換に打ち込みの美しいサウンド・エフェクトが流れ、ハットリがイントロのキーボードを奏でる「ポートレイトボヤケル」へ。セッションのように自由に、気持ちよさそうに音を重ねていく3人の姿は、この3人で音を作り上げることへの感謝と喜びを噛み締めているようでもあった。歌詞の内容に合わせて"はいチーズ"で写真撮影。すると"みんなも撮ってもいいよ"とハットリが言い、フロアもステージに向けて"はいチーズ"でシャッターを切る。その瞬間、フロアとステージの"夜"の隔たりが、完全になくなった。
この日のライヴの入場時、受付で観客に茶色い封筒に入ったシナリオアートからの手紙が渡された。"手紙は失敗したら修正ペンとか使わなあかんし、すごい気合い入れて書くわけやん(笑)? だからすごく気持ちがこもってるものやと思うから、みんなに手紙を書きました"と語るハットリ。3人がステージでやりたいことも、きっとこういうことなのだろう。シナリオアートはフロアをわかりやすくアゲて踊らせる着火性の高いロックを鳴らすバンドではない。自分たちが居心地の良さを感じる世界を大事にひとつひとつ開拓し、それを多くの人と共有したい――そんなポリシーのもとに音を鳴らすバンドだ。「ホワイトレインコートマン」での感情的でハードなギターが耳に心地よく、終盤、桜の花びらを彷彿させる映像がステージを包んだ瞬間、闇を切り裂くような光が目と耳に飛び込んできた。彼らの表現は幅が広がれば、もっと美しく広大に花開くだろう。緑の照明から小鳥のさえずりが響き「アサノシズク」。冒頭のポエトリー・リーディング風のMCに、ノイズにも近い歪んだギター、後光のように射す光、全てが新たな始まりと宣誓のようで美しかった。アンコールではギターが先導していく疾走感のある「蒼い孤独」を披露。言葉数も多く、また新たなシナリオアートの側面を見ることができる曲だった。器用で完成された若いバンドが多い今日、ここまで無垢で不器用で、未完成なバンドに出会えることはとても嬉しい。この先彼らが作り出す物語の続きはどうなるのだろうか――。予想もつかない未来に、強い思いを馳せる。
- 1
LIVE INFO
- 2025.12.15
-
MONOEYES
Kroi
GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
anewhite
山田将司(THE BACK HORN)/ 大木伸夫(ACIDMAN)/ 内澤崇仁(androp)/ 村松 拓(Nothing's Carved In Stone) ほか
TOOBOE
Mrs. GREEN APPLE
Hump Back
- 2025.12.16
-
くるり
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
優里
YOURNESS
GANG PARADE
ザ・クロマニヨンズ
GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
Mrs. GREEN APPLE
- 2025.12.18
-
桃色ドロシー
あいみょん
くるり
Nikoん
東京初期衝動
The Ravens
リーガルリリー
ザ・クロマニヨンズ
点染テンセイ少女。
渡會将士
高岩 遼
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
Homecomings
PompadollS
- 2025.12.19
-
(sic)boy
Helsinki Lambda Club
桃色ドロシー
ガラスの靴は落とさない
Nikoん
flumpool
吉井和哉
東京初期衝動
LiSA
BIGMAMA / THE BOYS&GIRLS / KALMA / オレンジスパイニクラブ / ハク。
SHERBETS
VII DAYS REASON
キノコホテル
羊文学
僕には通じない
Mrs. GREEN APPLE
BLUE ENCOUNT
- 2025.12.20
-
NANIMONO
PENGUIN RESEARCH
LACCO TOWER
RADWIMPS
ポルカドットスティングレイ
ぜんぶ君のせいだ。
The Cheserasera
flumpool
ハシリコミーズ
ZOCX
クジラ夜の街
ExWHYZ
浪漫革命
mudy on the 昨晩
"MERRY ROCK PARADE 2025"
ザ・クロマニヨンズ
Awesome City Club
SPECIAL OTHERS
LUCY
アイナ・ジ・エンド
め組
ACIDMAN
UVERworld
パピプペポは難しい
eastern youth
Mrs. GREEN APPLE
優里
- 2025.12.21
-
NANIMONO
The Biscats
桃色ドロシー
クジラ夜の街
RADWIMPS
LACCO TOWER
NEE
東京スカパラダイスオーケストラ
GLIM SPANKY
フラワーカンパニーズ
MOSHIMO
DURAN
(sic)boy
"MERRY ROCK PARADE 2025"
VII DAYS REASON
ザ・クロマニヨンズ
LiSA
Appare!
Newspeak
齋藤知輝(Academic BANANA)
Keishi Tanaka
鶴
清 竜人25
MONOEYES
暴動クラブ
UVERworld
OKAMOTO'S
優里
- 2025.12.22
-
DOES
東京スカパラダイスオーケストラ
フラワーカンパニーズ
Kroi
FINLANDS
アーバンギャルド × 氣志團
あいみょん
- 2025.12.26
-
(sic)boy
"FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025"
水曜日のカンパネラ
TOMOO
ポップしなないで
ビレッジマンズストア / 忘れらんねえよ / 3markets[ ] / Cloudy ほか
坂本慎太郎
インナージャーニー
LACCO TOWER
UVERworld
RADWIMPS
RAY
- 2025.12.27
-
優里
東京スカパラダイスオーケストラ
MOS
"FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025"
ハシリコミーズ
Mirror,Mirror
ザ・クロマニヨンズ
LEGO BIG MORL
神聖かまってちゃん
the band apart × FRONTIER BACKYARD × ASPARAGUS
"COUNTDOWN JAPAN 25/26"
ExWHYZ
Appare!
RADWIMPS
凛として時雨
- 2025.12.28
-
優里
水曜日のカンパネラ
MONO NO AWARE
LEGO BIG MORL
柄須賀 皇司(the paddles)
"FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025"
KenKen
SPRISE
Nikoん
ザ・クロマニヨンズ
"COUNTDOWN JAPAN 25/26"
(sic)boy
YONA YONA WEEKENDERS
DJ後藤まりこ × クリトリック・リス
吉井和哉
Plastic Tree
RELEASE INFO
- 2025.12.17
- 2025.12.19
- 2025.12.20
- 2025.12.21
- 2025.12.22
- 2025.12.24
- 2025.12.26
- 2025.12.29
- 2026.01.01
- 2026.01.04
- 2026.01.06
- 2026.01.07
- 2026.01.09
- 2026.01.11
- 2026.01.14
- 2026.01.16
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
ZOCX
Skream! 2025年12月号



















