Japanese
シナリオアート
Skream! マガジン 2016年08月号掲載
2016.07.14 @EX THEATER ROPPONGI
Writer 石角 友香
"人々の「HAPPY」な感情を奪って深海に潜る巨大クラゲを放置しないために、勇敢な3人が潜水艇に乗り込み冒険の旅に出る"――今回のツアーには、アルバム『dumping swimmer』からニュー・シングル『エポックパレード』に至るバンドの変化/成長をステージの演出を含めて見せる必要があったのだろう。加えて、"シナリオアート"という物語の世界観に引き込むバンドの特性も今回、十二分に体感させてくれた。
深海を思わせるブルー・グリーンの照明の中、メンバーが現れ深々とお辞儀をしたあと、ハヤシコウスケ(Gt/Vo/Prog)が"失われた心を取り戻す深海の旅へ、はじまりはじまり"とプロローグを語り、ソリッドなリフが空間を切り裂く「シニカルデトックス」でスタート。リズム・チェンジや構成の変化などエクストリームに展開する大曲でいきなり今のシナリオアートのバンドとしてのダイナミズムを突きつけられる。そのままアルバムの曲順どおり続けて2曲、そして「ナナヒツジ」まで一気に駆け抜けていく。ハットリクミコ(Dr/Vo)の振りかぶるような全身で叩くドラムは、高いスキルをいい意味で忘れさせ、新しいパフォーマンスと言っていいぐらい誰にも似ていない。
次のブロックでは「ナイトフライング」に始まり、ごく自然にフロアからハンドクラップが起こり、デビュー以来のシナリオアートらしいキラキラしたポップが躍動する。ハヤシの笑顔が2階席の一番奥でもわかるぐらい、メンバーの楽しそうな様子が伝わってくる。ハットリの"もっといけるやろ、東京!"と威勢のいいMCで煽りつつ優しい「ハロウシンパシー」に突入していく、もはやいい意味で演出だけでは統御できないステージ上の熱がすごい。カラフルな「シュッシュポップ」の終盤、雷鳴が響き明るい方向に浮上しようとする潜水艇は暗闇に落ち、場内は暗転。いい緊張感のある演出だ。
再び深海に沈められそうな中、あえて戦うような選曲ではなく自分と向き合うように深遠なエレクトロニックR&Bと呼べそうな「ジェリーフィッシュ」をハヤシのエモーショナルなヴォーカル、ハットリのシンセドラム、ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho)のシンセ・ベースで聴かせる。続く静と轟音が行き交う「フユウ」の、切実なまでの自分の弱さや逃避願望と消えない悲しみがオーディエンスを浸していく。そこから『dumping swimmer』からの「ナイトスイマー」、「カオティックダウナー」の自力で水面へと泳いでいくような力強さを感じさせる繋がりは、今回の設定を決めたライヴの中でも核心になっていたように思う。しかも"世界の 終わる前/東京に やってきた"と歌う「カオティックダウナー」から次のブロックの「トウキョウメランコリー」に物語が繋がっていたのが素晴らしい。発表された時間軸で言えば逆なのだが、シナリオアートがバンドとして悩み、成長してきたことが皮肉にも、音楽ならではの励ましやそっと寄り添ってくれる優しさの説得力を何倍にも強いものにしていた。なんてよく練られた曲順なんだろうか。「アオイコドク」、「ホワイトレインコートマン」を演奏するころにはすっかりライヴハウスの熱量でフロアも各々自由にエネルギーを放出。潜水艇が浮上し、輝きに満ちたシーケンスや鳥の声などに包まれる中、"みんなのおかげで旅ができたよ。ありがとう"とハヤシが礼を述べると、ラストは祝祭のムードが湧き起こる新曲「エポックパレード」。セカンド・ラインのリズムに合わせて起こるハンドクラップ、サビで揺れる手。ニュー・アルバムのみならず、シナリオアートというバンドの価値観を体現するためにどうしても必要だった今回の演出と曲順。ストイックなまでに演奏に徹した17曲そのものがメッセージだったのだ。
アンコールに応えてまず登場したハットリは演出上、MCができなかったぶん、"やっと喋れるー!"と、饒舌に感謝を述べつつファンとのコミュニケーションを図る。ハヤシも登場して、対照的なキャラでファンを笑わせる。そこに謎のベーシスト、"陳さん"なる人物が登場。抜群のファンクネスで「ジンギスカンフー」をプレイしてさっさと去っていった。そして何の説明もなく遅れて再登場したヤマシタとともに新曲「エンドレスプレイヤー」を演奏。最後にハヤシが"弱っちいヒーローかもしれませんが、みんなの笑顔を見ていたらまだまだこんなところで止まっていられない、強くなってみんなを助けたいと思いました"と、ツアーで獲得した思いを述べてこの日最後に披露したのは「ワンダーボックスII」。勇ましいメッセージより音楽が起こすミラクルを信じている――シナリオアートの本質に射抜かれた夜になった。
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