Japanese
シナリオアート
Skream! マガジン 2017年06月号掲載
2017.05.07 @EX THEATER ROPPONGI
Writer 蜂須賀 ちなみ
ハットリクミコ(Dr/Vo)――"シナリオアートっていいバンドだなって我ながら思ったんですよ。10本一緒に旅してくれてありがとう"。ハヤシコウスケ(Gt/Vo/Prog)――"こちらこそ。デビュー以来、肩肘張りすぎてたというか、今まではしっかりやらなアカンってピンと気をつけして活動してきたわけですよ。だから問題があったらまっすぐぶち当たって挫けてしまう。けどやっと、もう少し自分たちを肯定してその喜びを伝えていこうって、そういうライヴができたよね"。ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho)――"うん。だから今までで一番みんな(オーディエンス)と近づけたかなと思ってます"。
今年3月にリリースした2ndフル・アルバム『Faction World』を引っ提げたシナリオアートの全国ツアー、ファイナルのEX THATER ROPPONGI公演。冒頭に引用したのはアンコールでの3人のやりとりだが、最後の1日を迎えた世界を巡る旅="World Journey"と名づけられた今回のツアーは、このバンドの音楽が生み出してきたひとつひとつの世界を巡り、それらを肯定していくことを通じて、シナリオアートというバンド自身のことを肯定するためのツアーだったように思える。全21曲(アンコール含む)、どれもベクトルの振り切れた表現に進化していたのもきっとそのためだ。
この日のセットリストは一部を除き、基本的に『Faction World』の曲は音源収録順どおりの並び方で、各曲の間にこれまでリリースされてきた曲が挟まれているような構成。そして本編は起承転結の4つのブロックに分けることができた。まず"起"のブロックは、冒頭から7曲目「ビューティフルパーティー」まで。"踊る"というキーワードを軸にしたこのブロックでは、当日誕生日だったオーディエンスのために歌をプレゼントした「ビューティフルパーティー」など演出面の工夫もあり、ハットリの言う"シナリオアートの内側から出る優しい楽しさ/明るさ"が滲み出ていた。
続く"承"のブロックは、MC明けの8曲目「コールドプラネット」から12曲目「ナナヒツジ」まで。このブロックでは、歌詞の内容に沿ってサウンドが変化を重ねていくオペラ的構成の「コールドプラネット」、予測不能な展開をする「シニカルデトックス」、7拍子の「ナナヒツジ」など一筋縄ではいかない曲が多く、道なき道を突き進んできたこのバンドの肉体性が浮き彫りになっていた。そして"人間は100パーセント分かり合うことのできない生き物で。それゆえに奪い合ったり傷つけ合ったり、だからせめて音楽の前でだけはひとつになりたいと思っているのです"というハヤシの語り以降は"転"のブロックへ。
ハットリが和太鼓、ハヤシがタムを打ち鳴らし、力強くビートを響かせた「イージーオーマツリ」では"ひとつになろうよ"のシンガロングが起こり、「フランキーファンキー」ではそれぞれのプレイヤビリティで魅せるセッションのあと、オーディエンスとコール&レスポンスを楽しんだ。ライヴ定番曲の連打で場内のテンションをさらに引き上げたあとは、いよいよ"結"のブロックへ。
爆発音のあとの静寂、という「ラブマゲドン」の世界の終わりさながらの演出は、ステージを見つめるオーディエンスの集中力の高さを、もっと言うと自分たちの音楽を真摯に受け止めてくれていることを信じていないとできなかったことだろうし、だからこそ"いつも幸せってやつとか希望みたいなものを探し回って、気づいたらこんな感じで世界が終わっちゃってて。だけど旅の終わりでやっと気づいて。探してたものはすごく近くにあって。ただただここで歌えることが、誰ひとり欠けないで歌えていることがとても幸せです。ここにいるみんなのおかげです"と曲紹介のようでいて、いつの間にかバンドの話になっている「エポックパレード」直前のハヤシのMCもグッときた。自分たちの音楽を信じ、楽しむこと。それは自分たちの音楽を慕い、今日ライヴに来ることを選択した目の前にいるオーディエンスへの信頼と直接繋がるものなのだ。
アンコールでは、ハヤシが"間違えまくって辿り着いたから、こうして出会えたんやと思います。ここにいる全員を引き連れて、もう1回夢に向かって挑戦したいと思います。だからこれからもついてきてください!"と頼もしい言葉を聞かせてくれたが、そのとき言っていたように、9月にはアコースティック・ツアーを控えているほか、新曲も制作中だという。バンド自身のことを肯定できた今ならきっと大丈夫。シナリオアートの旅は、まだまだこれからだ。
[Setlist]
1. ジャーニー
2. サンライトハーモニー
3. モウモクカクメイ
4. シュッシュポップ
5. パペットダンス
6. ジンギスカンフー
7. ビューティフルパーティー
8. コールドプラネット
9. シニカルデトックス
10. レムファクション
11. ホワイトレインコートマン
12. ナナヒツジ
13. イージーオーマツリ
14. フランキーファンキー
15. トウキョウメランコリー
16. アオイコドク
17 スペイシー
18. ラブマゲドン
19. エポックパレード
en1. ハロウシンパシー
en2. ワンダーボックスⅡ
- 1
LIVE INFO
- 2025.12.04
-
TENDRE
LEGO BIG MORL
私立恵比寿中学
神聖かまってちゃん
SHERBETS
Homecomings
Nikoん
アーバンギャルド
キュウソネコカミ
吉井和哉
Hakubi
- 2025.12.05
-
桃色ドロシー
私立恵比寿中学
moon drop
ポルカドットスティングレイ
ザ・クロマニヨンズ
神聖かまってちゃん
NANIMONO
eill
Laughing Hick
Nikoん
崎山蒼志
Mercy Woodpecker / Navy HERETIC / Gum-9 ほか
さかいゆう / 望月敬史 / L'OSMOSE(O.A.)
flumpool
とまとくらぶ
Another Diary
岡崎体育
Rei
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
ズーカラデル
打首獄門同好会
- 2025.12.06
-
キュウソネコカミ
AIRFLIP
ザ・クロマニヨンズ
凛として時雨
OKAMOTO'S
BLUE ENCOUNT
indigo la End / a flood of circle / Galileo Galilei / go!go!vanillas ほか
Cody・Lee(李)
brainchild's
LEGO BIG MORL
NANIMONO
怒髪天
ねぐせ。
Nikoん
水曜日のカンパネラ / yama / CENT(セントチヒロ・チッチ) / D.W.ニコルズ ほか
CVLTE
UVERworld
eastern youth
キタニタツヤ
優里
Kroi / Jeremy Quartus(Nulbarich) / BREIMEN / luv
flumpool
チリヌルヲワカ
Aooo
Mirror,Mirror
心愛 -KOKONA-
THEラブ人間 / ビレッジマンズストア / 忘れらんねえよ / KALMA ほか
フラワーカンパニーズ
Ryu Matsuyama
MyGO!!!!!
- 2025.12.07
-
ぜんぶ君のせいだ。
崎山蒼志
キュウソネコカミ
MOSHIMO
moon drop
ポルカドットスティングレイ
凛として時雨
BLUE ENCOUNT
AIRFLIP
OKAMOTO'S
sumika / マカロニえんぴつ / Kroi / ズーカラデル ほか
NANIMONO
Nikoん
怒髪天
Devil ANTHEM.
ACIDMAN
eastern youth
小林私
UVERworld
優里
秋野 温(鶴)
LACCO TOWER
OAU
the telephones
BIGMAMA
フラワーカンパニーズ
9mm Parabellum Bullet
PENGUIN RESEARCH
トゲナシトゲアリ × RAISE A SUILEN
- 2025.12.08
-
ザ・クロマニヨンズ
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
RAY × きのホ。
ドラマチックアラスカ
PACIFICA
シベリアンハスキー
雨のパレード
never young beach
- 2025.12.09
-
キュウソネコカミ
天女神樂
ザ・クロマニヨンズ
FRANZ FERDINAND
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
ドラマチックアラスカ
TENDRE
PACIFICA
Galileo Galilei
Dios
ザ・シスターズハイ
ストレイテナー
PEDRO
モーモールルギャバン
- 2025.12.10
-
PACIFICA
Galileo Galilei
山本彩
東京スカパラダイスオーケストラ × HEY-SMITH
くるり
森 翼
Wez Atlas
すなお
ストレイテナー
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
- 2025.12.11
-
MONOEYES
あいみょん
東京スカパラダイスオーケストラ × HEY-SMITH
山本彩
オレンジスパイニクラブ
BIGMAMA
ポルカドットスティングレイ
そこに鳴る
The Ravens
FRANZ FERDINAND
- 2025.12.12
-
Hump Back
VII DAYS REASON
Chimothy→
崎山蒼志
LiSA
Another Diary
凛として時雨
TOMOO
Nikoん
BIGMAMA
PENGUIN RESEARCH
moon drop
ねぐせ。
私立恵比寿中学
くるり
PEDRO
サカナクション / Creepy Nuts / 羊文学 / ちゃんみな ほか
flumpool
the shes gone
VOI SQUARE CAT
SAKANAMON / Broken my toybox / SPRINGMAN / KEPURA
BRADIO
ザ・クロマニヨンズ
僕には通じない
LONGMAN
- 2025.12.13
-
MONOEYES
"DUKE×GREENS presents わちゃごなどぅ -whatcha gonna do-"
ぜんぶ君のせいだ。
VII DAYS REASON
Vaundy / THE ORAL CIGARETTES / sumika / マカロニえんぴつ ほか
UVERworld
eill
フラワーカンパニーズ
LITE
SHERBETS
清 竜人
ポルカドットスティングレイ
moon drop
Nikoん
吉井和哉
9mm Parabellum Bullet
Cody・Lee(李)
flumpool
東京スカパラダイスオーケストラ × HEY-SMITH
[Alexandros]
Appare!
秋山黄色
藤沢アユミ
キタニタツヤ
THE SPELLBOUND
- 2025.12.14
-
downy / toe / unripe / aieum
(sic)boy
VII DAYS REASON
LiSA
ねぐせ。
10-FEET / クリープハイプ / go!go!vanillas / Saucy Dog ほか
UVERworld
ぜんぶ君のせいだ。
Devil ANTHEM.
フラワーカンパニーズ
TOMOO
NEE
"DUKE×GREENS presents わちゃごなどぅ -whatcha gonna do-"
OAU
PEDRO
Nikoん
kobore / Suspended 4th / ザ・シスターズハイ / ザ・シスターズハイ ほか
鶴
SHERBETS
RADWIMPS
9mm Parabellum Bullet
PENGUIN RESEARCH
MOSHIMO
スカート
PHALUX
Bimi
ASP
22/7
古墳シスターズ
クジラ夜の街
[Alexandros]
キタニタツヤ
- 2025.12.15
-
MONOEYES
GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
anewhite
山田将司(THE BACK HORN)/ 大木伸夫(ACIDMAN)/ 内澤崇仁(androp)/ 村松 拓(Nothing's Carved In Stone) ほか
TOOBOE
Mrs. GREEN APPLE
Hump Back
- 2025.12.16
-
くるり
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
優里
YOURNESS
GANG PARADE
ザ・クロマニヨンズ
GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
Mrs. GREEN APPLE
RELEASE INFO
- 2025.12.05
- 2025.12.06
- 2025.12.07
- 2025.12.09
- 2025.12.10
- 2025.12.12
- 2025.12.17
- 2025.12.19
- 2025.12.20
- 2025.12.21
- 2025.12.24
- 2026.01.01
- 2026.01.07
- 2026.01.09
- 2026.01.11
- 2026.01.14
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
ザ・クロマニヨンズ
Skream! 2025年11月号

























