Japanese
Poppin'Party × SILENT SIREN
Skream! マガジン 2021年06月号掲載
Writer 三木 あゆみ Photo by ハタサトシ、斎藤チホ ©BanG Dream! Project ©PLATINUM PIXEL
2019年5月にメットライフドームにて初の対バン・ライヴを行ったPoppin'PartyとSILENT SIRENが、2度目の対バン・ライヴ"NO GIRL NO CRY -Round 2-"をオンライン配信にて開催した。今回の公演は、3月27日に事前公開収録として有観客ライヴを実施。配信では収録ライヴならではの演出が多数盛り込まれていた。2年前の対バン・ライヴから、コロナ禍となり大きく変わってしまった世の中。そんななかでも、彼女たちはエンタメの灯を絶やさないように、そして支えてくれるファンのために前へ進み続けてきた。苦難を乗り越え、さらなる成長を遂げ再会したポピパ(Poppin'Party)とサイサイ(SILENT SIREN)のライヴは、どんな状況であっても絶対にお客さんを楽しませようという気概と、自身も全力で楽しんでいることがわかる、笑顔とエネルギーに満ちた公演だった。
配信が開始すると、2019年のメットライフドーム公演を振り返る映像とともにポピパの愛美(Gt/Vo)とサイサイのすぅ(Vo/Gt)によるインタビューの模様が映し出された。"(両バンド共に)この時代を戦って生き抜いている、とってもパワフルなガールズ・バンドだと思っているので、ポジティヴなエネルギーを配信でお届けできたらと思います"(愛美)、"音楽は絶対に世界を救うんだ、観ている人の人生を変えるんだということをここで証明できたらいいなと思います"(すぅ)と、意気込みを届け、いよいよライヴがスタートする。
先攻はSILENT SIREN。ゆかるん(Key)が"みんなで一緒に踊っていきますよー!"と振付をレクチャーし、弾けるアッパー・チューン「チェリボム」で1曲目から会場の熱を急速に上げていく。次いで、あいにゃん(Ba)、ひなんちゅ(Dr)の精魂こもった演奏が目を引いた「女子校戦争」、すぅ、ゆかるんの切ない表情が印象的だった「八月の夜」を続け、冒頭3曲ですでに多彩な魅力を感じさせた。また、"自身がファンにとってのヒーローでありたいし、自分たちにとってはみんながヒーローなんだ"という想いが込められた「HERO」も披露。まっすぐな歌の頼もしさに自然と背中を押される。そこからエモーショナルなかっこ良さが際立つ「ALC.Monster」でフロアをさらに熱くさせ、「DanceMusiQ」では会場をダンス・ホール化。観客が一体となって踊る姿も映し出され、歓声などの制限があるなかでも全力で楽しんでいる姿に、自然とこちらも笑顔になった。「恋のエスパー」では、"STOP!"の声ですぅが会場に超能力をかけ、時間を止めるというシーンで思わぬサプライズが。なんとサイサイ初の試みとなるパート・チェンジを実施! 普段は観ることができない姿でファンをさらに喜ばせた。ラストは「フジヤマディスコ」。結成10周年を経てよりパワーアップしたサイサイは、どっしりと構えた芯の強さを見せつつ、メンバーそれぞれの個性を光らせ、唯一無二のエンターテイメントで人々を魅了した。
後攻、Poppin'Partyは「Yes! BanG_Dream!」からライヴをスタート。ポップでキラキラとしたエネルギーを放つ5人の笑顔が眩しく、初っ端から観客のテンションも最高潮だ。ポピパも、今回様々な仕掛けを用意していたようで、愛美の手のひらから小型ドローンが飛び立ち、ファンへの想いが飛んでいくようなアングルの映像が映し出されるという配信ならではの演出や、「夏空 SUN! SUN! SEVEN!」のサビで愛美以外のメンバーが演奏をやめて、踊り出してしまうという場面からコントも披露。ここでは、SILENT SIRENの「チェリボム」をサイサイお馴染みの光るサングラスをかけて、ノリノリで演奏し、この日ならではのサプライズをファンに届けた(このとき、西本りみ(Ba)が"曲がちゃうやろがい"と怒る"キレ芸"も飛び出し、普段のふわふわした雰囲気とのギャップのすごさに思わず笑ってしまった)。"先が見えない世の中ですけど、少しでも希望になったりしたらいいなと思って私たちは演奏しています"と愛美が話し、「Light Delight」、「キズナミュージック♪」を続けて演奏。刹那的でありながら、煌めきや温もりも感じられるバンド・サウンドに、彼女たちの気持ちの強さも窺えた。近年は数々のフェスにも出演し、バンドとしての存在感をより大きくしているPoppin'Party。最後は「ティアドロップス」で熱く駆け抜け、ライヴを締めくくった。
アンコールの前には、ポピパとサイサイメンバー全員でのインタビューの様子が映し出される。そこでは、2年ぶりの再会についてや、ライヴを振り返ってみての感想などをお互いに語り合う時間となった。そして、アンコールではコラボ・ステージを披露。まずはサイサイのバンド結成10周年記念アルバム『mix10th』に収録された「Up To You feat. 愛美 from Poppin'Party」をサイサイ+愛美で届ける。愛美という人物そのものにフィーチャーしてすぅが歌詞を書いたというこの曲では、キャラクターではなく、愛美自身の核となる部分が垣間見える歌唱も新鮮だった。そして、「ときめきエクスペリエンス!」をポピパとサイサイの9人で披露し、イベントのテーマ曲と言える両組のコラボ・ソング「NO GIRL NO CRY」で大団円を迎え、"NO GIRL NO CRY -Round 2-"は幕を閉じた。
互いにリスペクトし合いながら、それぞれの色で充実のライヴを魅せたポピパとサイサイは、今回の対バンでさらに絆を深めただろう。同じ時代を強く生き抜いている彼女たちが懸命に音楽を届ける姿は、たくましく、キラキラと輝いて見えた。この両組が今後さらなる飛躍を経て、また再会することを心待ちにしたい。
[Setlist]
■SILENT SIREN
1. チェリボム
2. 女子校戦争
3. 八月の夜
4. 聞かせてwow wowを
5. HERO
6. ALC.Monster
7. DanceMusiQ
8. 天下一品のテーマ
9. 恋のエスパー
10. フジヤマディスコ
■Poppin'Party
1. Yes! BanG_Dream!
2. B.O.F
3. STAR BEAT!~ホシノコドウ~
4. Happy Happy Party!
5. 夏空 SUN! SUN! SEVEN!
6. Hello! Wink!
7. Light Delight
8. キズナミュージック♪
9. イニシャル
10. ティアドロップス
■ENCORE
En1. Up To You feat. 愛美 from Poppin'Party/SILENT SIREN×愛美
En2. ときめきエクスペリエンス!/Poppin'Party×SILENT SIREN
En3. NO GIRL NO CRY/Poppin'Party×SILENT SIREN
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