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INTERVIEW

Japanese

MyGO!!!!!

2025年04月号掲載

MyGO!!!!!

Member:青木 陽菜(要 楽奈/Gt) 小日向 美香(長崎 そよ/Ba)

Interviewer:米沢 彰

2022年のMyGO!!!!!始動&初ライヴ"MyGO!!!!! 1st LIVE「僕たちはここで叫ぶ」"から約3年。"BanG Dream! It's MyGO!!!!!"(2023年)、"BanG Dream! Ave Mujica"(2025年)と2期にわたるアニメを通して描かれた、2バンドの複雑に絡み合った壮大な物語が4月26日、27日開催の"MyGO!!!!!×Ave Mujica 合同ライブ「わかれ道の、その先へ」"で結実する。大きな節目となる公演を前にリリースするMyGO!!!!!の6thシングル『聿日箋秋』を含め、バンドとしての活動のこれまでとこれからを青木陽菜、小日向美香の2人に訊いた。

-前回インタビューをさせていただいたのが1stアルバム(2023年11月リリースの『迷跡波』)のとき(※2023年11月号掲載)なので、約1年半前になります。それ以降、初のツアー("MyGO!!!!! ZEPP TOUR 2024「彷徨する渇望」")やポピパ(Poppin'Party)との合同ライヴ("Poppin'Party×MyGO!!!!! 合同ライブ「Divide/Unite」")、中国でのライヴ("MyGO!!!!! 6th LIVE「見つけた景色、たずさえて」上海追加公演")に、2ndアルバム『跡暖空』のリリース(2024年12月)等、かなり目まぐるしい毎日だったと思いますが、特に印象深かったことがあったら教えていただけますか?

小日向:私はポピパさんとの合同ライヴがすごく印象深かったですね。私が"バンドリ!(BanG Dream!)"を好きになってベースを始めるきっかけがPoppin'Partyさんだったので、大先輩方との初めての合同ライヴがPoppin'Partyさんとっていうのは、すごく嬉しかったですし、本当にそんな機会をいただけて幸せでした。

-憧れている人と一緒にやるって、どんな感覚なんですか?

小日向:私は、めちゃめちゃ緊張していました。オープニング・アクトとしてそれまでに同じステージに立たせていただいたことはあったのですが、合同ライヴではお互いの曲を一緒に演奏するパートがあったので、リハのときからもう緊張しちゃって先輩方の顔を見られなくて......。でも本番は先輩方が私のほうに遊びに来てくださったり、MCのときも優しく笑顔で見守ってくださったりして、Poppin'Partyの皆さんの温かさを改めて感じて、ライヴ中は緊張というよりは一緒のステージに立てて嬉しい気持ちのほうが強かったです。ただリハは本当にめちゃめちゃ緊張してました。

青木:私は初のツアーですね。Zeppツアーがすごく印象的で、短いスパンでライヴをできるっていうのが、バンドとしての成長に繋がったなと実感しました。あと、"JAPAN JAM"と"ロッキン(ROCK IN JAPAN FESTIVAL)"というロック・フェスに出演させていただいて、アウェイななか自分たちで新規のお客さんを掴もうという気持ちで一丸となって、すごい素敵なライヴになったなというのがすごく印象的でしたね。

-MyGO!!!!!はその音楽性的にも、すごくライヴが合うライヴ・バンドだと思うのですが、ここまでライヴを重ねてきて、ライヴに対する手応えやそういった意識の芽生え等を感じることはありますか?

青木:アニメが一段落してから、Zeppツアーをしたりフェスに呼ばれたりと戦うフィールドを移していくなかで、アニメとリンクしたコンテンツの強さだけで戦っていくのではなくて、バンドの演奏力とか、どうやったらお客さんが盛り上がるライヴ作りができるかなっていうのを結構話し合って。バンドとして強くなっていかなきゃいけないなっていう意識は強くなりましたね。

小日向:陽菜ちゃんが言ったようにパフォーマンスを重視しているのもあって、ライヴで強みを活かしていけるように、みんなの息の合わせ方とか、すごく強化された部分が多くて。目が合ったり、みんなで動きを合わせたり、それでだんだんみんなの演奏の力が強まっていく、絆が強まっていくっていうのはライヴ中にも感じることが多かったです。誰かがつまずいているところを誰かが自然とカバーするとか、そういうことができるようになってきたのを感じたり。特に私は余裕がないと周りが見えなくなっちゃうこともあるんですけど、最近みんなと目が合ってるな、心が通じ合ってるなっていうのがすごく強く感じられて、そういうところで心に余裕が生まれているなと、私自身成長を感じながらライヴをすることが多くなりました。

-ツアーは短いスパンでやるだけじゃなくて、各地を回るというのも大きな違いですよね。全国を回ってみての感想や特に印象深かったことがあったら伺えますか?

小日向:会場ごとの雰囲気が全然違った気がしました。関西のほうでライヴをさせていただく機会ってそんなに多くはなくて、3rdライヴ("MyGO!!!!! 3rd LIVE「声を抱えて生きる」")ぶりに大阪に行ったときと、初の福岡で、関西の皆さんのノリはまた少し違うんだなと感じた気がしました。

青木:関西はパワフルだなって印象がありましたね。

小日向:そう、パワフルだなと思って、こうやって全国の皆さんに会いに行けるのって嬉しいなと感じましたし、短いスパンでやるのは体力的に心配していたんですけど、それでも5人で乗り越えられたのが、また1つバンドとしての自信にも繋がったなって思いました。

青木:1週間に2回ライヴをやったときもあったんですけど、前の公演でもうちょっとここ良くできたなってところを、次の公演ですぐに活かすことができて、すごくバンド力が高められたのと、あとやっぱり遠征ってなるとメンバーといる時間が増えて、移動だったり一緒にご飯食べたりして、ツアーを通してまた1つ深く仲良くなれたな、バンドしてたなっていうのがありましたね。

-秋には中国での公演もありましたね。海外でパフォーマンスをするってなかなかない経験だと思いますが、実際やってみていかがでしたか?

小日向:中国のファンの皆さんもめちゃめちゃ盛り上がってくださって。MyGO!!!!!や"バンドリ!"のことを愛してくださっているのは普段から伝わっているのですが、ライヴ中の表情1つや掛け声1つから、楽しみに待っていてくれたんだという思いをすごく強く感じて......。中国で、海外でライヴをやるってどんな雰囲気になるんだろうとか想像ができなくて、緊張していたのですが、最初に私たちが登場したときの第一声でもう吹き飛ばされた感じがして、私はすごく楽しんで最初から最後まで終えられましたね。

青木:海外公演ってなると、やっぱり言語が違うので伝わるかなぁみたいな心配があったんですけど、本当に音楽は言語の壁をなくすんだなというのをすごく実感した公演で。言語が違えど音楽で1つになることができるんだなっていう、お客さんとの一体感も感じた、そんなライヴでした。

-そして直近では"THE FIRST TAKE"でのパフォーマンスも個人的には印象が深くて。観てるこっちも緊張するぐらい空気が張り詰めているように見えるんですけど、実際やってみていかがでしたか?

青木:横浜アリーナとかさいたまスーパーアリーナとか、大きい会場でやる緊張感とはまた違った緊張感というか。出演してからいろんな方に聞かれるんですけど、本当に一発撮りで何があっても止まりませんって言われて。本当に緊張しましたね。

小日向:普段のライヴの緊張は、そわそわーって感じなんですけど、芯から冷えてくるような緊張感がありましたね。("THE FIRST TAKE"で披露した)「潜在表明」(2022年リリース)はギターもかっこいいフレーズが多いんですけど、ベースがすごく目立つ曲でもあったので。間奏はベースのフレーズが印象的で、間違えると目立ってしまうんです。1番と2番の間奏と、あと2番のAメロのところにすごく難しいフレーズがあるんですけど、そこが終わった後からちょっと表情が柔らかくなっています(笑)。

青木:やっぱり収録は緊張したっていうのが一番なんですけど、出演のお話をいただいたのがすごく嬉しくて。"THE FIRST TAKE"は本当に有名なアーティストの方ばかり出ていらっしゃるので、その中にMyGO!!!!!の名前も載ることで、バンドとしての誇りがまた1つ増えたなととても嬉しかったです。

-たしかに、名前を刻むと言ってもいい一歩ですよね。小日向さんはCRYCHICとしても出演されましたが、いかがだったでしょうか?

小日向:CRYCHICの楽曲は楽器の編成がMyGO!!!!!とは違っていて。MyGO!!!!!はギターが2本ある分バンド感、ロック感が強いんですけど、(豊川)祥子ちゃん=高尾奏音ちゃんのキーボードがある分CRYCHICは音が優しくてすっきりしてるんですね。なのでベースの音はすごく目立ちますし、普段のMyGO!!!!!のちょっと強気に奏でるベースというより、CRYCHICはちょっと柔らかい音色で、本当にしっかり丁寧に奏でてあげるのをすごく意識していたので、普段のMyGO!!!!!で演奏してるときとは違う脳みそを働かせながら演奏やコーラスもやっていました。みんながより気持ちを1つにして、音楽を届けようという気持ちが、当日撮っているときにも伝わってきて、良い「春日影」をお届けできたんじゃないかなと思っています。

-実際に上がった動画を観たときはいかがでしたか? 先程は表情が変わっているって話もありましたけど。

小日向:CRYCHICのほうが先に公開されたんですけど、1人ずつ最初に映されていくときに、あまりにも私の顔が死にすぎてて、マネージャーさんと2人で爆笑しながら、"死んでる(笑)。顔が(笑)"って言ってました。でもそれから、再生回数もなんですけど、コメントに嬉しい感想が多くて、演奏がすごいとかヴォーカルがすごいとか、そういう反響をいただけているのがとても嬉しかったので、かなり励みになりました。ただ表情は気を付けようって思いました(笑)。自分の反省点になりましたね。



青木:MyGO!!!!!の「潜在表明」は結構ライヴでは披露する楽曲なんですけど、アニメでは披露してない曲だったんです。ポエトリー・リーディングのパートもあって、MyGO!!!!!の中でも感情がすごくあらわになる曲なので、視聴者の方がどんなふうに受け取ってくださるのかなととても気になっていました。公開されてからはすごく感動したとか、心に刺さったって感想がたくさんあって、頑張って良かったなと思いました。嬉しい感想を見ると"THE FIRST TAKE"に出たんだなって実感しましたし、アニメのファンじゃない方にも観てもらえる機会が増えたのがすごく嬉しかったので、もっとたくさん観てほしいですね。

-"THE FIRST TAKE"は衣擦れの音とかも入ってて、まるで観ている自分もスタジオの中にいるように感じられて、すごく緊張感が伝わってくるんですよね。ライヴだと絶対マイクでは拾わない音ですし、真っ白な背景で奥行きも分かりづらい分、よりいっそうそこにいる感じがしてきます。

青木:あのヴォーカルの横顔。"THE FIRST TAKE"だって思いましたもんね。"THE FIRST TAKE"の画質だって。それも嬉しかったです。