Japanese
"MyGO!!!!!×Ave Mujica 合同ライブ「わかれ道の、その先へ」DAY2 : Geosmin"
Skream! マガジン 2025年07月号掲載
2025.04.27 @Kアリーナ横浜
Writer : 米沢 彰 Photographer:ハタサトシ、関口佳代 ©BanG Dream! Project
2022年のMyGO!!!!!の初ライヴから始まった物語が、翌年のTVアニメ"BanG Dream! It's MyGO!!!!!"、そして今年1月から3月まで放映されたTVアニメ"BanG Dream! Ave Mujica"と約3年にわたって大きく展開し、今回の"MyGO!!!!!×Ave Mujica 合同ライブ「わかれ道の、その先へ」"で大きな一つの節目を迎えた。
"MyGO!!!!!×Ave Mujica 合同ライブ"と銘打たれているものの、2バンドの純粋な対バンだけではない本公演。アニメにも登場するアイドル・ユニット、sumimiのパフォーマンスでイベントの幕が上がる。"DAY2楽しんでる~!?"という純田まな(反田葉月)の呼び掛けにフロアは大声で応え、初っ端から異様な盛り上がりを見せた。sumimiがステージを後にすると、紗幕が下りてきて高松 燈(MyGO!!!!!/Vo)の朗読とアニメーションが流れ出す。複数アーティストが出演するライヴでは流れを切ることになる転換の時間までも、余すことなく演出に充て、流れるように一つのショーが繋がっていくこの感覚は"BanG Dream!(バンドリ!)"ならでは。
アニメの映像と共に"楽しみましょう、Ave Mujica"と宣言してから、アコースティック・ナンバー「Imprisoned XII」でAve Mujicaのライヴが幕を開ける。サイリウムの赤い光が会場を埋め尽くすなか、ドロリス(佐々木李子/Gt/Vo)が悲哀に満ちたバラードをしっとりと歌い上げた。続く楽曲「Ave Mujica」ではイントロの決め台詞"...ようこそ。Ave Mujicaの世界へ"でフロアの盛り上がりは爆発する。ポジティヴな明日へと向かうメッセージ性を孕んだ「天球(そら)のMúsica」で、モーティス(渡瀬結月/Gt)がオブリビオニス(高尾奏音/Key)に近付き一緒に演奏する様子に湧き上がるオーディエンス。メンバー間の物語が作られた上にこのライヴがあるから盛り上がるし、一つ一つの所作に意味合いが生まれる。メディア・ミックス・プロジェクトならではのライヴと言えるだろう(というか普通のバンドなら解散危機は決定的になるまで隠すものであり、メンバー内の様々なストーリーが、バンドの音楽の意味を内側から肉付けする手法を確立した"BanG Dream!"は、まさにコペルニクス的転回だったと改めて気付かされる)。ここまでスクリーンに映し出されるカメラ・ワークが完璧に計算し尽くされていて、まるで映像作品を観ているかのような感覚になった。壮大なシンガロング・パートで余韻を残しながら紗幕が下り、暴風雨の映像が流れ始め、燈の朗読が重なる。
幕が上がると同時に、"もしこの雨が上がっても/忘れずに歩いてくよ"(「壱雫空」)と燈(羊宮妃那)の歌い出しでMyGO!!!!!のステージが始まり、フロアは一転して青一色に染まって5人を迎える。続くは「迷路日々」。4拍子と3拍子が交錯する、今時のネット音楽とも共通するような楽典的に高度な楽曲をさらっとやってのけると、メンバー紹介と短いMCを挟み、「迷星叫」、「碧天伴走」と重ねた。MyGO!!!!!のカメラ・ワークもまた細かく計算されてはいるが、自然体で等身大のプレイヤーを映し出すことを意図されていて、同じ公演ながら全く違うライヴのようにすら感じられる対照的な印象を与える。燈のヴォーカルは常に届けたい相手がいるように感じられた。恐らくそれは楽曲によって自分のようにも、あるいは自分の大切な相手にも聴こえるのだろう。楽曲それぞれのテーマ自体が普遍的で、誰しもが思い当たることのある内容でもあることも手伝って、こうしてライヴに集うファンだけでなく、音源やアニメを通してのみ楽しむファンまでも、当事者として巻き込んでいく"力"を感じる。
再び紗幕が下りて流れたのはTVアニメ"BanG Dream! Ave Mujica"の映像。千早愛音(MyGO!!!!!/Gt)の"もうその曲やんなよ。(中略)ステージ使えば?"の台詞で会場が大いに沸き上がるなか、CRYCHICのライヴがスタートした。MyGO!!!!!に引き続きステージのセンターで存在感を放つ燈の姿からは、悩みながら光を求める燈の存在がこのプロジェクトの中心であり、その光が生み出した闇がAve Mujicaであり、その間を繋ぐ存在としてのCRYCHICという関係性がいっそう強く見えてくる。
"わたくしを誰だと思ってますの?"で始まる豊川祥子(オブリビオニス)の台詞とアニメ映像で会場が熱狂するなかで、Ave Mujicaの演奏が再び始まる。アニメ・オープニング編集の「KiLLKiSS」をOP映像と共にリアルタイムの演奏で見せつけられると、会場は完全に一体になって盛り上がった。宗教音楽的な重厚さも感じられる「Crucifix X」ではキーボードの表現力、ヴォーカルの表現力、バンドとしてのグルーヴ感全てのピースを完璧に積み上げてみせ、「八芒星ダンス」、「Georgette Me, Georgette You」と畳み掛けるようにそのステージを締めくくった。
"わたくしも、わたくしなりに自分のバンドを護っていきます。ありがとう。これからの人生に、幸多からんことを"という祥子から燈への決意と感謝を表す動画が流れた後、MyGO!!!!!の本日2度目のステージが幕を開ける。「詩超絆」のポエトリー・リーディングの入りはMyGO!!!!!にしか、もとい、燈にしかできない唯一無二の武器だろう。まだこのステージの1曲目だというのに、もうイベント全体のアンコールかのような大団円的な壮大さと力強さを見せながら、パフォーマンスを進めていく。続く新曲「聿日箋秋」では中央で愛音(立石 凛/Gt)、要 楽奈(青木陽菜/Gt)のギタリストが2人揃ってのツイン・ギター・ソロを披露。天才ギター少女として描かれた楽奈と、諦め癖を描かれるところから物語が始まった初心者スタートの愛音の2人が、こうして息ぴったりにソロでハーモニーを奏でる姿には、確かに進んでいる現在進行形のライヴ・バンド、MyGO!!!!!の成長の物語を感じさせる。そして、約3年間にわたる物語を締めくくる最後の楽曲は「焚音打」。シンガロングが集大成に相応しい壮大さを作り上げ、自身の決意を自分自身に言い聞かせるような、それでいて聴き手を勇気付けるような、燈のポエトリー・リーディングが全身に突き刺さってくる。それはまるでこのステージが始まる際に流れた祥子の決意を、改めて受け止めた燈からのアンサーかのように響く。"大丈夫 僕たちは進もう/迷うことに もう迷わない"。このイベントはそう、締めくくりでもあり新しい始まりとなるはずだ。
[Setlist]
■sumimi
1. Here, the world!
2. Sweet Escape
■Ave Mujica
1. Imprisoned XII
2. Ave Mujica
3. 顔
4. 天球(そら)のMúsica
■MyGO!!!!!
1. 壱雫空
2. 迷路日々
3. 迷星叫
4. 碧天伴走
■CRYCHIC
1. 人間になりたいうたⅡ
2. 春日影
■Ave Mujica
1. KiLLKiSS
2. Crucifix X
3. 八芒星ダンス
4. Georgette Me, Georgette You
■MyGO!!!!!
1. 詩超絆
2. 聿日箋秋
3. 焚音打
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