Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

SILENT SIREN

2019年03月号掲載

SILENT SIREN

Member:すぅ(Vo/Gt) ひなんちゅ(Dr) あいにゃん(Ba) ゆかるん(Key)

Interviewer:宮﨑 大樹

SILENT SIRENが、2020年のバンド10周年へ向けて加速する6thアルバムを完成させた。平成最後の"サイサイの日"である平成31年3月13日にリリースされることにちなんで付けられたタイトルは、その名も"31313"(読み:サイサイサン)だ。Skream!では、サイサイらしさと、新しさの詰まったニュー・アルバムに迫るインタビューを敢行。メンバー全員に話を訊いてみると、意外にも本作が生まれるまでには"いい曲とは?"、"ポップとは?"、"キャッチーとは?"と迷走する、生みの苦しみがあったようだ。

-バンド結成10年目に入っていくとのことで、節目の年に向かっていくにあたっての心境の変化や特別な想いはありますか?

ひなんちゅ:ちょっと先走って10年目に入るという言い方をしてしまったので、10周年だと勘違いされる方もすごく多くて。今回は、サイサイ(SILENT SIREN)って意外と10年もバンドやっているんだっていうのを伝えたかったっていうのがあったんですが、実質は2020年が10周年になるんです。バンドを結成した日が特になくて、2019年の夏から10年イヤーに入るよっていう雰囲気で。でもあっという間でしたね。メジャー・デビューして7年目、これまでいろんなことがありました。

あいにゃん:もう10年目なんだっていうか、すごくあっという間に感じます。振り返ってみたら、ひとりじゃできないことをメンバーやスタッフさんにたくさん叶えてもらったなっていうのはあって。本当に感謝しないといけませんね。

-実際ここまで活動が続くって当初から予感がありました?

すぅ:結成したころは、漠然と"バンドをやろうぜ!"っていうノリで、みんなと学校帰りとかバイト後に集まって、朝練したり深夜から朝までスタジオに入ったりして、先々のことをいろいろ考えていたわけではないんです。だけど、楽しいからやっているし、自分たちの曲も好きだし、"なんでもできるっしょ!"くらいのノリでやってました(笑)。

-その気持ちとかスタンスは今も変わらないですか?

すぅ:どこまでも行かないといけないっていう気持ちにはなりましたね。すごくいい意味でラフな気持ちでずっとやっていたんですけど、それは若干薄れたのかなっていうのはあって。逆に"そのときの気持ちを思い出したいな"っていうのはあります。良くも悪くもなんですけど、"あれしなきゃ"、"これしなきゃ"みたいに、いろいろ考えてしまうことが多くなったので。前は本当に漠然と"楽しいよね?"、"最高じゃん!"みたいな、楽しいから練習するし、みんなに会いたいから練習場所に行くみたいな感じで、自分たちの曲ができていくのが楽しいから曲作りするみたいなものを、もう1回思い出したいなって。

-今回のアルバムを制作していくなかで、そういう気持ちにはなれました?

すぅ:なったと思います。制作を通して、そういうことをより思うようになっていったし、みんなで"ここはこうした方がいいんじゃない?"とか話したり、各々がやりたいことをやれたりしたので、今回のアルバムを作ることが最初のころの気持ちを思い出すための一歩になったなと思いますね。

あいにゃん:結成したときの初期衝動とか、その気持ちっていうのは、何かつらいときとか壁にぶつかったときに思い出しますね。あのころはこうだったし、こういう音楽が楽しくて好きで始めたメンバーだし、"そういう気持ちは忘れちゃだめだ"っていうのはよく思います。

-そのあたりは、みなさん同じ気持ちを持っているんですね。

ゆかるん:そうですね。私はメジャー・デビューのタイミングから入ったので7年目なんですけど、ほんとにあっという間で、"もうそんなに経ったのか"っていう感じなんです。始めた当初は、もう目の前のことで精一杯でした。ここからの10年目っていう区切りについては......9年と10年って全然違うじゃないですか? ここからまた新たに頑張らないといけないなと思うし、目の前のことに精一杯なだけじゃなく、ちゃんと脳みそで考えて動いていかなきゃいけないなぁとすごく感じました。

-活動が長続きする秘訣ってなんだと思いますか?

すぅ:秘訣!? うーん......楽しいと思える瞬間があるし、曲が好きだからっていうのもあります。でもやっぱり、やりたいことがたくさんあるからですね。そのやりたいことっていうのは自分たちだけじゃなくて、支えてくれてるスタッフさんとかファンがいるからできるものなので、自分たちが"やめたい!"って言ってすぐやめられるものではないですから。背負うものがあるので、まだ頑張りたい気持ちがあります。

-そんなSILENT SIRENの6thアルバム『31313』は、幅広い世代に愛されそうなアルバムに仕上がったなという印象を受けました。アルバム全体としてのテーマみたいなものはあるんですか?

すぅ:タイトルっていつ決まったっけ......?

あいにゃん:制作の中間を過ぎたぐらいかな。

すぅ:サイサイってタイトルが決まるのがだいたい遅いんです。ひとつのテーマとしてタイトルを決めてからそれに沿うように作っていくんじゃなくて、自分たちがやりたい曲をまず挙げて、その中でバランスを見て入れられるものを入れるとか、よりいいものを収録していくっていうスタイルなんです。今回もそうやって作っている途中に、リリース日が3月13日に決まって、"「サイサイサン」じゃん!"、みたいになりました。平成31年3月13日で、しかもひな(ひなんちゅ)の誕生日でってなって、すべての歯車が合う感じになったので、これはこのタイトルしかないだろうと。それで、"そのタイトルならこの曲を入れるしかないだろ!"みたいになって(笑)。そういう偶然が奇跡的に重なったことによってひとつの『31313』ってアルバムに導いてくれた感じでした。

-制作は順調でした?

ひなんちゅ:最初は余裕があったんですけど、最後はスケジュールがきつくなっていくような感じで......。いい曲ができても、"もっといい曲ができるんじゃないか?"となり、そこから"いい曲とは?"って話になって1回みんなで揉んで、さらに"ポップとは?"、"キャッチーとは?"というふうに......そういう謎の迷走期間が結構長かったですね。

-その答えは出たんですか?

ひなんちゅ:「無重力ダンス」ができたときに、"いい曲だけどもっといける気がする"ってなって。それでできたのが「恋のエスパー」なんです。「無重力ダンス」って掛け声がないんですよ。いい曲だし、キャッチーだけど、"ここでこう言いたくなっちゃうよね?"みたいなのがサイサイらしさだと思って。ライヴに行ったらなんか発散したいじゃないですか? "ここでくるって知ってる"とか、"イントロがきたらもうこれを言う"みたいな。そういうワクワク感のある曲ができるまで時間がかかりましたね。