Japanese
FINLANDS
2023年05月号掲載
Member:塩入 冬湖(Vo/Gt)
Interviewer:石角 友香
昨年、10周年を精力的なツアー"FINLANDS TENTH ANNIV.~記念博TOUR~"や新曲リリースと共に過ごしてきたFINLANDSがRe RECアルバム『SHUTTLE』をリリースした。FINLANDSの初期楽曲やオムニバスなどに収録された楽曲、そして前身バンドであるTHE VITRIOL時代の楽曲も現在のメンバーでリアレンジしてレコーディング。音の抜き差しの洗練やアンサンブルの進化が窺える音像であると同時に、塩入冬湖が描いてきた生き方やものの捉え方についての不変と変化も重要なファクターとなっている。11年目に突入した今、FINLANDSにとってこの作品の意味とは何か。過去を振り返ることと無縁に思える表現者、塩入にその経緯を訊く。
-今回Re RECアルバムを制作しようと思われた理由を改めて聞かせていただいていいですか?
『FLASH』(2021年リリースのフル・アルバム)っていう前作を作り終えたぐらいでちょうど10周年っていうのが見えてきて。バンドは最新が一番カッコ良くあるべきだと今でも思いますし、そう思いながらずっとやってきたので、昔の曲を引っ張り出してきてまたこねくり回してっていうのが、過去に執着してるような気がしてカッコいいことだと思ってなかったから、今まで作ってきた曲は作ってきた曲として置いておいたんですけど、10周年が見えてきたときに今まで自分が作った作品だとか活動を振り返って、私は上手ではなかったけど、恥ずかしくはないというか誇らしい今までを過ごしてこられたなっていうところで頷けたので、それがすごい自信になって、今までもっと理想に近づけたいなって思っていた曲だったり、このままではきっともう私自身も忘れてしまうんだろうなっていう前身バンドの曲を引っ張り出してきて、またアレンジしてRe RECするっていう作業に取り掛かってみたいと思えたことが始まりでしたね。
-10年以上前の曲を聴いて感じることで、今と違うことと同じことってなんでしょう。
違うことで言うと全楽曲に対してそうですけど、今まで"こういうふうにしたいな"っていう理想があってもそれを具現化するための方法を知らなかったというか、選択肢がすごい少なかったなと思うんですよね。でも時間が経つことによっていろんな人の力を借りたりとか色んな知識によって選択肢がすごく増えていって。より自分が思うほうに具現化できるようになったというか。それによって"もっとこういうふうにしたい"っていう思いも生まれてきますし。そういうことの積み重ねで、昔よりも自分の理想に近いものが作れるようになったなと思うので、それが一番の違いだなと思いますね。本当に物理的にレコーディングの方法だったり技法だったりそういうものなんですけど、それが一番違うところかなと。変わらないなって思うのは、「ロンリー」っていう曲の最初にベースでノイズが出てるんですけど、19〜20歳ぐらいの頃にレコーディングしたときも物議を醸したというか、別にベースでノイズ出す必要はないんじゃないかっていう(苦笑)。でも今でも興奮するポイントが変わってないっていうか、すごいカッコいいノイズが出たら嬉しくなりますし、テイクとしても下手くそだったとしてもそこがなぜか気持ちが良かったらそのテイクのほうがいいなと思いますし、やっぱ自分が興奮するポイントっていうのは変わってないんだろうなとは感じましたね。
-THE VITRIOL時代の楽曲っていうのも塩入さんにとっては地続きですか?
うーん、そう言われると地続きじゃないなと思いますね。実家の引き出しのものすごい奥の奥のほうから引っ張り出してきたという感覚があります。
-当時のインタビューを発見したんですよ。そこでは塩入さんが"10年経ったらこういうことは書かないかもしれない"と話してて。でも実は表現方法が違うだけでは? と思ったんですよ。
救いを求めてないとか、無責任に人の背中を押したりとかしたくないのは絶対変わってないなと思うので、根本的な部分は変わってないのかなと思いますね。
-よりヴィヴィッドですよね。なんか恋が愛に変わっていくみたいな、愛の手前みたいな、まだ自分で飲み込んで消化できない感じはあったと思いますが。
うん、そうですね。なんか生き物の成長する過程みたいな(笑)。
-1曲目の「あそぶ」には若さゆえの残酷さを感じて。
そうですね。「あそぶ」ってすごいFINLANDSっぽいなって思うんですよね。わけがわかんないみたいなことが私は生きてて多くて、自分に対しても誰かに対しても、状況に対しても。「あそぶ」って、本人もわけがわかってないというか、でも何かその状況に対してもがいてるというか、脱却したいと思ってるところとか、でもそうやってもがいてるくせに結構客観視しているところとか、すごいFINLANDSのコンセプト、FINLANDSっていうバンドじゃなければ作れない歌だよなっていうのは感じていて。それはもう何年経っても変わらないんだなってところは自分でも感心しました。
-自分が渦中にいて苦しい苦しいっていう曲はあんまりないっていうか、ほぼないのかなと。
苦しみに慣れたあとのほうが楽だったとわかってるので、最初に全部苦しみを終えておきたいって日々の生活でも思うんですけど、でもやっぱりどっかで達観しておきたいっていう気持ちも若いときはすごいあって。でもそんなことできるわけもなくて、「あそぶ」を作った頃はちょうど達観したかったんだろうなって思いますね。苦しみとか救いのなさとか自分がもがいていることに関して。だからできた曲なんだろうなと。
-それをこう言葉にして曲にすることによって引いて見れる?
引いて見れてもいなかったんじゃないですかね。今になってやっと少し"あ、そうだったんだろうな"っていう気持ちがわかったりはして。
-今の演奏で聴くときれいだとすら思います。
美しさと暴力性みたいなものが共存すればいいなっていう、サウンド面の願いはあって。なので結構いろんな仕掛けというか、カラクリ、こだわりを詰め込みましたね。
-「ロンリー」もある種、わかりやすいです。今聴くとなんか"人生"っていうか。
「ロンリー」に関しては昔漫画を読んで書いた曲だったので、自分を投影している部分がないなと思うんですけど、だからこそずっとフラットに歌い続けられる歌かなと思ってて。
-"僕等がいた"に着想を得たんでしたっけ。
そうですそうです。高校生のときに"ONE PIECE"を教室で読んでて、自分自身は主人公側の気持ちにしかなれないというか、主人公側の気持ちとして敵側に対する"こいつ本当嫌なやつだな"みたいなことを仲のいい友達に言ってたんですけど、でもそっち側にだって正義もあるし、そっち側にだって言い分もあるし、守らなきゃいけないものはあると思うんだよね、みたいなことを友達が言ってて。それがすごい目から鱗だったというか、"そういう考え方もあるんだ"っていうので私は物語に対する見方がそのときからすごく変わったなと思うんです。"僕等がいた"って漫画を読んだときもまさしくそれで。1度読んだことがあったんですけど、2回目に読んだときにまったく違う物語に思えて、こんなに物語って視点ひとつで変わるんだなっていうのをすごく感じていた時期だったんですね。だからこういう思いを持って曲を作ってみたいなっていう始まりで作った楽曲だったので、作ったときのこともすごい覚えてますし、どういう経緯だったかっていうのも――あんまりそういうことないんですけど、「ロンリー」の歌詞はすごい覚えていて。だからこそずっと、この曲だけはコードも忘れなかったですし、ずっと大切にしていられるし、昔作った曲だから歌詞ちょっと恥ずかしいな、とかも思わず歌い切れた曲かなと思います。
-「ゴードン」はロックの名曲ですね。
(笑)ありがとうございます。
-"これは私でもある"と思う人が結構多いのかもしれない。
ほぉ。「ゴードン」に関してはどうやって作ったか記憶が定かじゃないので、お褒めいただくというかそうやって今みたいに言っていただいても、なんかピンと来ないんですよね。"ありがとうございます"っていう。自分の曲っていう認識が未だに薄いというか(笑)。
-今歌うとどういう曲ですか?
どういう曲なんでしょう。「ゴードン」に関しては本当に大切な曲であることは確かなんですよね。FINLANDSの状況が変わってから初めて作ったミュージック・ビデオが「ゴードン」だったので。なので今もライヴでもよく歌う昔の楽曲の代表例ではありますし、すごい大切な楽曲なんですけど、でも自分でピンと来てないというか、"自分の曲なんだ?"っていう、自分が作りそうにもないような曲で。今回録り直したのも、唯一「ゴードン」だけサポート・ギターの澤井(良太)さんがレコーディングしてなくて、今回「ゴードン」が録りたいっていうことで再度向き合ったんですけど、やっと自分の曲だと思うようになったというか、やっと「ゴードン」とわかり合えたような気がするんですよね(笑)。
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