Japanese
FINLANDS
Skream! マガジン 2019年05月号掲載
2019.04.10 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 沖 さやこ
冷たい雨の降る寒い日だった。FINLANDS初のEP『UTOPIA』リリース・ツアーのファイナルであり、コシミズカヨ(Ba/Cho)の脱退ライヴ。ゲストにはindigo la Endが登場した。川谷絵音(Vo/Gt)は、2015年2月にFINLANDSの塩入冬湖(Vo/Gt)の声を絶賛するツイートをしており、その約半年後にはゲスの極み乙女。のファンクラブ限定企画ライヴ"エノンのやりたい放題 vol.2"へFINLANDSを招いている。
indigo la Endは1時間のステージで近年の楽曲を中心に11曲を演奏。メンバーの技巧を生かした精密な楽曲のクオリティも目覚ましいが、「瞳に映らない」や「夜汽車は走る」といったメジャー・デビュー直後のシンプルながらにギミックを効かせたサウンドスケープもまた、現在の彼らの力量があってこそ趣深く響く。理想的な美しい音の均衡を保ちながらダイナミックで、屈強な芯を繊細に表現する川谷のヴォーカルもそのなかでたゆたうよう。音で聴き手を心酔させる、まさに音楽家でしか成し得ない豊潤な空間だった。
FINLANDSはセッティングからBGMをフェードアウトさせ、「UTOPIA」でライヴをスタート。クールで媚びないステージを繰り広げる。塩入の丁寧なのにぶっきらぼうなMC、ビー玉のような瞳から発せられる鋭い視線、強さと痛みを感じさせる歌声は隅々まで凛としており、コシミズのメロディアスなベース・フレーズはそれを軽やかに支えていた。
歪んだベースから入る「JAM」はポップ・ソングでありながらどこか危ういサウンドスケープで、その緊張感もまた白黒はっきりしない感情を細やかに落とし込んだFINLANDSの音楽のムードと合致する。誰も寄せつけないような気高い演奏。フロアをくまなく見渡しながらギターを鳴らす塩入は、聖域を守る番人のようにすら映った。
コシミズの発言に塩入が歯に衣着せぬコメントをするというエッジの効いた漫才のようなMCのあとは、塩入がギターを爪弾きながら"ユートピア"という言葉に対する自身の考えを語り、そのまま『UTOPIA』収録のバラード「天涯」を届ける。MCを挟んだことで空気がほぐれたのか、はたまた曲調も影響しているのか、この曲を境に音の響きや空気感が柔らかみを帯びてきた。
コシミズの物販紹介もといセクシー・ショッピングを経て、塩入が彼女の脱退に関して"寂しい気持ちはもちろんあるが、お互いが変わっていくこと、新しくなって面白くなることにわくわくしている"、"今選んだことが私たちの最善だと思う"と前向きな気持ちを話す。コシミズもバンド以外の未来が見えてきた旨を語り、自分たちの音楽活動を支えてきたすべての人に感謝を告げた。
そのあと塩入は"未来には勝算があります。今がどんなに楽しくても、それを繰り返しているだけでは前に進めないと思います"と語った。それは彼女が冒頭で言っていた"ユートピアにいるだけでは作ってはいけないものがある"という概念と通ずる気がした。「リピート」に溢れていた情熱性は、最後を噛みしめているがゆえなのか、それともこれまでの人生を反芻しているゆえか、はたまたこの先の未来を見ているのだろうか、この3つすべてなのだろうか。定かではないが、これまで彼女たちが歩んできた人生が今の彼女たちを突き動かしていることは間違いなかった。
「ウィークエンド」を祝祭感たっぷりに届けてこの日を締めくくる。最後に塩入が"カヨちゃんお疲れさまでした"と言うと、コシミズは笑顔でベースを高く掲げた。不確かな未来に胸をときめかせるふたりは、花を散らせて新たな緑を芽吹かせる、4月の桜のように逞しかった。

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