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INTERVIEW

Japanese

This is LAST

2023年04月号掲載

This is LAST

Member:菊池 陽報(Vo/Gt) 鹿又 輝直(Dr)

Interviewer:山口 哲生

-アレンジし直すにあたって、今の時代という点で考えた部分というと?

陽報:例えばイントロのフレーズも、シンプルなものをループさせるとか。そういうもののほうがキャッチーに入っていけると思うので、そこはすごく考えましたね。

輝直:再生ボタンを押してから5秒で引き込まないとダメだという話をしていて。そこはしっかりクリアできたんじゃないかなって思います。

-たしかに引き込まれましたし、ループしているギターの音の質感もこれまでと少し違う印象がありました。

陽報:いろいろ弾き比べて、ES-335というギターが種類的に合うなってところから、335(ES-335)だけでも4本ぐらい弾き比べたりしていて。曲的には枯れた感じと寂しい感じがありつつも、その中にウェットな感じがすごく欲しかったので、ギター単体でそういう音が出るものを探しましたね。

-なるほど。

陽報:あとは、音数が詰まっているというよりはキャッチーなフレーズが1個あって、そこに対してのカウンター・メロディもシンプルにすることを意識して。その中でも、後半につれて盛り上がっていく部分だったり、最後のサビのひと回しでコード進行を変えることで、一気に明るい雰囲気にしてメジャーな感じで終わるところだったり。今のSNS世代って、どちらかというとわかりやすく明るい曲が聴かれていたりもするし、ある程度ノリが一定なほうが今の時代に合っているというか。今の時代のロック・バンドの戦いとしては、そこの部分をいかに自分たちの色と混ぜていくかっていうところだと思っているので、そういったところをメンバーみんなで相談しながら決めていきました。

-ベースに関して意識した点というと? ちなみに弾かれているのは?

陽報:今回は(菊池)竜静が弾いてます。コード・ワークを少し変えたのでそこと合わせたのと、2年前のものと比べて、ストリングスもバンド・アンサンブルの内側にもっと入れたアレンジにしたんですよ。特にベースとストリングスのリズムがめちゃくちゃ気持ちいいので、そこを聴いてもらえると新しい発見があるんじゃないかなと思います。

-歌詞についてですが、どういったところから出てきたんですか?

陽報:歌詞は2年前に書いていて、ここに書いたことが起きたのはそれよりももう少し前なんですけど、自分の元カノが結婚して、幸せそうなところを見ちゃったんですよ。

-歌詞の中では直接結婚したことを告げられていますけど、実際はその状況を見かけた感じだったんですね。とはいえ、実体験がもとになっていると。

陽報:そうですね。幸せなところを見て、なるほど......と思いながら、そのときのことを思い出して書いた感じでした。

-元カノが幸せそうにしている現場を見たときって、どんな感じでした?

陽報:幸せそうで良かったなって思ったところと、別に未練があるわけじゃないけど寂しくなる自分と......という感じでしたね(笑)。

-なるほど。でも、すごくわかります(笑)。決して未練があるわけじゃないけど、なんだか妙に寂しくなる気持ち。

陽報:なんなんですかね、あの感覚って(笑)。

-ほんとですよね(笑)。おっしゃった通り、幸せでいてくれたら嬉しいんですけど、なぜか少しだけ引っ掛かるという。

陽報:その光景を見たときは、そのことが曲になるとは思っていなくて、そこで終わっていたんですけど、あとあとくるというか。僕としては、普段何気なく感じていたこととかが、あとになって自分の中で変わってきた瞬間に歌詞が降ってくるというか。僕、いつも歌詞が先なので、それが詞として一節降りてくるような感じなんですけど......だからまぁ、あのなんとも言えない感情が曲になっているかと思います(笑)。

-(笑)降りてきたときは、ご自身の中でその感情を少し整理できたからなのか、もやもやしたものがそのまま出てくるのか、どんな感じなんです?

陽報:こればっかりは"降ってくる"っていう感じなんですよね。本当になんにも関係ないときに出てくるので。電車乗ってるときにいきなり降ってきたりもしますし。

-そこで降ってきたものを書いたときに、自分はそうやって考えていたんだなって認識するところも?

陽報:そうですね。降りてきた瞬間に書き始めると、自分の中に溢れてくるものがあるというか、その当時にちょっと立ち戻ったような気持ちになって、そのときよりも深く考えられるというか。そういうゾーンみたいなものに入る感じですかね。

-今回も素敵な曲になりましたが、冒頭にもお話しした通り、現在開催中の[This is LAST one man live tour "OVER"]のツアー・ファイナルを、3月30日にZepp DiverCity(TOKYO) で行われます。今日のお話を聞いていた感じですと、かなりいい形でライヴに取り組めていると。

陽報:そうですね。一本一本、本当にトライアンドエラーというか。一度試してみて、違ったらそれは違った、良かったものは良かったっていう選択を短いスパンの中でできているので、感覚としては鋭くできるんじゃないかなと思います。

-今回のツアーで試したトライアンドエラーというと?

陽報:本当にたくさんあるんですけど......めちゃくちゃたくさんあるな(笑)。

輝直:うん、ありすぎる(笑)。

陽報:歌だけで言うとボリューム感、耳中のモニターの音量、力の抜き方、声の重心の置き方、歌うときの姿勢、マイクの高さとか。ギターだけでもブリッジ側で弾くか、リア側で弾くか、ピックは何にしようかとかがありますね。あと、この(今やっている)ツアー中にギターをちょっと改造して、自分の出したい音にどんどん近づけてきているんですけど......まぁ、今ちょっと言っただけでもこれだけあって。すべてにおいてすごく細かいところまで気を配って、その中でベストなものを見つけて変化してきてます。

-ドラムに関してはいかがです? 今回のツアーのトライアンドエラーというと。

輝直:ドラムのセッティングもそうですしスティックの長さや太さ、叩き方、鳴らし方、シンバル・スタンドの高さとかも調整したり......どんどん溢れてくる(笑)。

陽報:やっぱライヴのテンションでやってみないとわからないので、実際にやってみたものを聴いて、今日はぶっ叩いてるねっていう日もあれば、もうちょっと鳴らしてもいいかもねっていう日もあって。

-そういう作業って楽しかったりしますか?

陽報:結果的には楽しいです。

輝直:あぁ(笑)。

陽報:やってるときはもう本当につらいですけど(笑)。

輝直:そうそうそう(笑)。

陽報:もう嫌だ! っていう瞬間がほとんどなんですよ。でも、苦しみながらも成功を掴み取る瞬間って自分の中で快感だし、そうやってひとつの目標に向かって頑張っていく人間ってかっこいいと思うので、そういう人間でいられていることに対しても誇りがあるというか。そういう心持ちで、なんとかモチベーションとかメンタルを保っている感じですね(笑)。"大丈夫! 俺はかっこいい! これで間違ってない!"って、自分に言い聞かせてます。

-自分自身をしっかり鼓舞していくという。

陽報:今回のツアーでそれができるようになったんですよ。前はそれができなくて、11時ぐらいにホテルに戻って、マネージャーを呼んで、深夜1~2時ぐらいまでホテルの外のベンチみたいなところに座って、"俺って生きてる価値あんのかな......"みたいな感じで話していて(笑)。

輝直:めちゃめちゃ重いな(笑)。

陽報:"歌えない俺に価値ないよね"みたいな話をしてて。そういう意味でも、人間として成長できているんじゃないかなって思います(笑)。

This is LAST
RELEASE INFORMATION

デジタル・シングル
「#情とは」
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