Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

POLYSICS

2017年12月号掲載

POLYSICS

Member:ハヤシ(Gt/Vo/Syn/Prog)

Interviewer:吉羽 さおり

3人のころは、コンピューターもメンバーのひとりみたいな音作りをしていたけど、バンド感みたいなものは今作で出したかった


-データでのやりとりから始まった曲で、例えばサンプリングがあったり、いろんなリズムや遊びやシンセも入ったりした曲が並びますが、逆に今回はバンドっぽいなと感じていたんですよね。ツイン・ギターのあり方もそうだし、生っぽさ、人力感を重視して作ってる感じがあったので、そういうことでは肉体的なアルバムだなと思います。

バンド感みたいなものは出したかったですね。3人のころは、生バンドプラス電子音で、コンピューターもメンバーのひとりみたいな音作りをしていたんですけど、今はナカムラ君が入って、電子音で音を厚くするよりは、曲の核となる部分だけを残してあとはバンドで固める音作りに変わりました。だから、電子音は削って削って、これっていう核となる太いものをバシッと出すというあり方にはなりましたね。今、既存曲でもアレンジし直してる曲もあります。

-またライヴが楽しみになりますね。他の曲についてもお訊きしていきますが、「Sea Foo」も面白い曲ですね。コーラスなどシアトリカルな雰囲気もあり、ポップで、テンションも高く展開していく曲で。なんとも例えようのない曲なんですが、どんなふうにできあがった曲ですか。

変わった曲ですね、自分で言うのもなんですけど(笑)。これはね、暇なときに、"Yahoo!知恵袋"を見ていたんです。あれ見るのすごい好きで、ほんとどうでもいい質問とかもあるじゃないですか。そのひとつで、"シーフードドリアの、シーフーってなんですか"っていう質問があって。電流が走ったんですよね。

-シーフードの"ド"はどこに(笑)。

すげぇ! と思って。これを曲にしなきゃいけないと思ってできた曲なんです(笑)。初期衝動がきっかけで。パンクですよね。アレンジは凝りましたけど。

-まさかネタ元が"Yahoo!知恵袋"だったとは。

音楽とかApple Musicを使ったり、ニュースを見たり、そういうのは便利だなと思うんですけど、それ以外では、俗に言うネット・サーフィンとかそんなにしないんですよね。YouTubeもDEVOとか"空耳アワー"(※バラエティ番組"タモリ倶楽部"の人気コーナー)の動画とかは観ますけど、あまり多用しないんです。

-ひとつ動画を観て、そこから派生していくっていうことはあまりないと。

あまりないんですよね。あとは、ちょっとした調べものくらいに使うんですけど。ネット・カルチャーの部分での影響というのは、あまり受けないので。"リア充"とか、昔読めなかったですからね。"リアミツル"って読んでたくらい疎くて(笑)。でも「Sea Foo」は、あぁ、こういうこともあるんだなと思いましたね。

-次の曲「Pretty UMA」も早くにできた曲ですね、こちらはどうですか。

これも「Tune Up!」時期に作った曲ですね。UMAって俺、すごく苦手で。歌詞を書くときも、ものすごい怖くて。画像検索とかすると、すごいおっかないやつがいっぱい出てくるじゃないですか。

-怪獣とかが好きだからUMAも好きそうだけど、そうでもないんですね。

ダメなんですよ。ひえ~って言いながら、歌詞書いてましたね。逆『HEN 愛 LET'S GO!』(2015年リリースの4thミニ・アルバム)みたいな感じで(笑)。そのなかでも、かわいいUMAっているのかなっていうところから始まって作った曲でした。

-この曲はギターがポイントで、リフモノじゃないギターの面白さやクセになるフレーズがあって新鮮でした。

ソロも一応UMAっぽくっていうのがイメージでしたね(笑)。怪獣は好きなんですけどね、UMAはダメなんですよね。

-その怪獣とか趣味的な部分での、ナカムラさんとの共通項ってどうなんですか。

彼わりと好きなんですよ、特撮系が。

-ナカムラさんはたしか、そういうバンドもやってましたよね?

科楽特奏隊っていうバンドで。もともと科楽特奏隊というバンドは知っていたんですけど、ナカムラ君がギター弾いているのは知らなかったんです。しかも、去年再会したっていうのが、"ウルトラマンフェスティバル"だったんです(笑)。

-なるほど、ぴったりな場所で出会ってましたか(笑)。

でも、現場ではそういう話は一応、禁止になってます。まぁ、実際そんなこと言ってられないくらい、いっぱいいっぱいですからね。曲作りもリハも、ライヴも、そんなこと話してる場合じゃない! っていうくらい。

-ちょうど19周年、20周年という周年イベントが目白押しのなかでやっていたということですもんね。

それで夏フェスの合間を縫ってレコーディングもして。4人でレコーディングをして、でもライヴではまだ3人っていう時期がしばらく続いていて。4人のリハもやって、3人のライヴをやるみたいな。