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INTERVIEW

Japanese

フラワーカンパニーズ

2015年01月号掲載

フラワーカンパニーズ

フラワーカンパニーズ

Official Site

メンバー:鈴木 圭介 (Vo) グレートマエカワ (Ba)

インタビュアー:天野 史彬

-そうやってひと言では言えなくなるっていうのは、この『Stayin' Alive』というアルバムの性質が特にそういうものだから、という部分もあると思いますか?

鈴木:うん......やっぱり、今回は特にみんないろんなことに挑戦したし、"このアルバムは"生きる"っていうことがテーマで、生きるっていうことは死ぬっていうことで......"っていうことを自分から先に言ってしまうと、そうすることでこぼれ落ちるものがいっぱいあるでしょ? そうじゃないと思って聴く人もいるのに、そういうのを落としてしまうのが嫌で。断定した段階でいろんなものがこぼれ落ちてしまう。だから今回は取材にもちょっと戸惑ってて。本当はバンッと断定してしまった方が話は早いし、紙面にもなりやすいし、太字にもなりやすいでしょ?

-まぁ、そうですね(笑)。

鈴木:でも、政治のスローガンみたいにひと言で言えるんだったら、こんな10曲も必要ないし。そのひと言だけをブログに上げちゃえばいいじゃんっていう話になるから(笑)。だから全体的には、"生きるとか死ぬっていうことを全体に据えた、今の自分たちの感じ"っていうのがこのアルバムで。それ以上は、聴く人に判断して欲しいなって思う。聴きかたを限定したくないっていうのはあった。たくさん言いたいことはあるし。

グレート:実際、どっちに響くかわからんもんな。"生きたい"っていう思いもあれば、"死ぬな"っていう怖さもあって。だから、このアルバムはどっちにも言い切れないアルバムなんだよね。

-生きるっていうことは、それだけ複雑にいろんな側面を内包しているっていうことですよね。

鈴木:そうそうそう......ひと言では言えないよ、45年生きててさ。生きることは素晴らしいと思ってる半面、すぐ死んじゃってもいいとも思ってるし。そうやって、グツグツ煮え切らない感じというか。絶えず答えが出てない感じなんだよ。特にこの間のアルバム以降はそう思ってんだけど、原発の問題に関しても、結局、誰ひとりとして明確な答えは出せてなくて。出してたとしても、世の中はそうは動いてないし。なんとなく続いてる感じが強くある。それが生きるってことなんだなって......でも、そうやって答えを出してしまうのも、そうなの? って感じがするし......。そういう意味では、言葉になりづらいかも。今まではそれを安易にまとめられてたんだよ。自然と切り捨ててたんだと思う。"このアルバムはこういうアルバムだ"って切り捨てていたものが、今回のアルバムはいろんな思いが入りすぎてるから、切り捨てれられないんだよね。だから、このタイトルがよかったんだよね。わかりやすかった。

-たしかに、このアルバムはサウンドも曲それぞれ違うし、それぞれがポジティヴであったりネガティヴであったりどっちでもなかったり、感情の起伏が激しいんですよね。でも、僕はこのアルバムを聴いていて、8曲目の「感じてくれ」っていうタイトルとか、10曲目の「マイ・スウィート・ソウル」の歌詞にある"お前を感じてる"っていう歌詞とか、とにかく"感じる"っていう言葉が、ただひとつ確かなものとして提示されてるなって思ったんです。生きるっていうこと自体が答えの出ないことだけど、でも"感じる"っていうことだけは確かなものとして存在する。そこに辿り着くアルバムなのかなって思って。

鈴木:うんうんうん......そうかも。

グレート:じゃあ、自分で言えよ(笑)。

鈴木:そうだねぇ......。音楽って、聴くのは聴覚だけでしょ? でも、こっちとしては五感を使って欲しいじゃない? ライヴなんかは五感を使うでしょ。特に視覚と聴覚は強いけど、他にもその日の暑さとか、匂いとか、そういうのも全部総動員して欲しい。それが感じるってことだから。でも、それが難しくなってる感じはするよね。剥き出しに感じるっていう方向に持っていくと、ちょっとキツい。

-それは、時代感として、ということですか?

鈴木:いや、年齢的なものなのか、俺だけなのか、ちょっとキツいなって思うことが多かったから。だからなるべくオフにするというか、感じない方に持っていくというか。特に東京みたいな場所にずっといると、鈍感にならないとやってけないと思う。敏感なままだと、爪はがして生きてるみたいな感じで、痛いでしょ? だから、聞こえるものも聞こえないようにして、あえて鈍感になっていくというか。でも、人間ってそういうものだと思うから。生きるってことはね。あるところを敏感にして、あるところを鈍感にしていく。全部敏感にしては生きていけないから。この間のアルバム以降、そういうのは感じるようになってるんじゃないかなぁ。全部オンにしてるとキツい。だから、このアルバムにおいて"感じる"っていうことがひとつのキーワードとして受け取ってくれるんだとしたら、嬉しいね。