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INTERVIEW

Japanese

フラワーカンパニーズ

2015年01月号掲載

フラワーカンパニーズ

フラワーカンパニーズ

Official Site

メンバー:鈴木 圭介 (Vo) グレートマエカワ (Ba)

インタビュアー:天野 史彬

-やっぱり2年3ヶ月経ってるとはいえ、『ハッピーエンド』の次のオリジナル・アルバムであることは重要なポイントだなって思うんですよ。『ハッピーエンド』は震災の影響が如実に表れた、いわば苦悩のアルバムで。で、その後シングル『ビューティフルドリーマー』と『夜空の太陽』、それにベスト盤がありましたけど、シングルはあくまでタイアップ主導だったし、ベスト盤はベスト盤だし、今回の『Stayin' Alive』は、『ハッピーエンド』というアルバムに対して落とし前をつけるというか、あの苦悩の果てにフラカンは何を鳴らすのか、そこをちゃんと提示しなきゃいけないっていう側面もあったのかなって思うんです。

鈴木:うん、それはあった。あったんだけど、『ハッピーエンド』自体もすごく決め込んで作ったアルバムで。あれは制作の途中に震災があったから、それ以前に作った曲は全部やめて、それ以後に作った曲で固めたアルバムだったんです。だから曲が震災のことに触れていようといまいと、通低音としてずっとそれがあって。かといって、震災が終わったからといって、原発の問題が解決したわけでもないし、あれ以降も地震は何回も起こっているし......1個の出来事が終わって、簡単に次の景色にいけるものではなくて。だから、『ハッピーエンド』は『ハッピーエンド』で、自分の中で落とし前はつけたんだけど、だからといって"さぁ次へ"っていう感じでもなかったよね。気持ちは変わらなかったというか、世の中が変わったわけでもなんでもないし、まったくリセットされてないだろっていう感じがあるから......だからこのアルバムは、それが続いているっていうのを出してる。ああいうことがあったけど、それはそれで次へっていう感じでもなく、いろんなことを引きずったまんま、なんとなく過ぎてる......過ぎてるって言うとなんだけど。だから、このアルバムがどう捉えられるのか、聴いてもらわないとわからないんだよね。すげー暗いアルバムだなって言う人もいるかもしれないし、そうじゃないって言う人もいるかもしれないし...それはちょっとわからない。少なくとも、パキッとした感じではなかった。25周年だからお祝いみたいな感じでっていうことにはならなかったね。

グレート:そうだね。25周年25周年って言ってるけど、俺らの中では続いてることだし、パキッとはしてないんだよね。

-僕は今作を聴いたとき、とにかく"生きる"っていうことに向き合ったアルバムだなって思ったんです。で、"生きる"ということを歌うことは、"死ぬ"ということを歌うことでもあって。だから明るいとか暗いとか、ひと言では言い表せないアルバムだなって思ったんですね。もちろん、フラカンは"生きる"っていうことをずっと主題として歌い続けてきたけど、今回はとにかくその1点に向き合ってるなって思って。

鈴木:うんうんうん......まさに、こっちはそれの逆のやってて。"生きる"っていうことを歌うには、まず"死ぬ"っていうことを歌わなきゃっていうところから始まってるんだよね。だから、そういう曲ばっかり。ただ、"新しいアルバムのテーマは"死"です"とか言うと、ヴィジュアル系のバンドとかだったらいいのかもしれないけど、それを俺がやるとどうなるのかな? っていうところもあって......。

グレート:「祭壇」っていう曲名があったり、"骨"っていう言葉が歌詞に出てきたりな。でも、"死"があるってことは"生きる"っていうことがあるってことで。でも、そうじゃなく「祭壇」とか「死に際のメロディー」っていう曲名だけを見て"暗いなぁ"って思われたりすると困るなっていう部分があったり。まぁ、別に困りはしないんだけど(笑)。でも、死があるってことは生きるってことだから、だからこのアルバム・タイトルはすごくいいと思うんだよね。

-『Stayin' Alive』っていうタイトルは、具体的にどういうきっかけでつけられたんですか?

鈴木:これをつけたのは最後の最後。とにかく俺はタイトルがつけられない人で、曲タイトルにしても、ずっと"(仮)"ってついてるような感じで。だからアルバム・タイトルなんて最も苦手なんだけど、そこはこのバンドの民主的なところで、俺が何個か案を持っていっても、みんなが"う~ん"ってなったら、じゃあもう1回考えようってなるんだよね。過去、無理に突き通したのは『吐きたくなるほど愛されたい』っていうアルバム・タイトルだけ。"どれだけ大反対されても、俺はこれにする!"って言って。周りの人に訊いて、"それはキツいよ"って言われても、なんとか説得してあのタイトルにしたんだけど、それ以降は民主的に、みんなの意見を聞いて決まっていって。で、今回はギリギリまで決まらなかったんだけど、レコード会社にアルバム・タイトルを決めるのがすごくうまくて、且つすごく好きな人がいて(笑)、ギリギリでその人からこれが出てきたの。俺らの世代にとって"Stayin' Alive"っていうと、もうBee Geesで、Travoltaのイメージなんだけど(※John Travoltaが主演の映画『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977年)において、Bee Geesの「Stayin' Alive」という曲が使われていた)。

-そもそも、最初に鈴木さんはどんなタイトルを出していたんですか?

鈴木:俺はもう、"死を歌うってことは生きるってことだ"なんて口では言いながらも、やっぱり暗いタイトルばっかり候補に出してたの。で、みんなも"う~ん"ってなってたんだけど、ギリギリでそのレコード会社の人がこのタイトルを出してくれて。そのころはもう、メンバーみんなタイトルをつけることに疲れ果ててて(笑)。そういうときに『Stayin' Alive』っていう明るめのタイトルが来たから、"あ、いいかも"って、バーンって気分がそっちに振ったっていうか(笑)。でも、そういうのってすごい重要で。同じメンバーだけで同じ方向の話を続けていても、なかなか答えが出ないんだけど、レコーディングにそこまで携わってない人が客観的に音だけ聴いて"こういうのどう?"ってポーンと振ってくれたことの方が、全体をスパーンと射抜いてくれることがあるんだよね。俺らはレコーディングから一緒にいるから、細かく細かく見ちゃうんだよ。だから、なかなかひと言で言えなくなってくるんだよね。