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DISC REVIEW

Next Chapter EP

ストレイテナー

Next Chapter EP

たゆまぬ挑戦と進化を続ける者だけが拓ける次章。秋風を纏った退廃的で美しい世界観の1曲目「メタセコイアと月」は、スケール感溢れるシューゲイザーで早速新鮮な音像を聴かせる。またMY BLOODY VALENTINEを思わせるタイトルの全編英語詞曲「My Rainy Valentine」でも空間系のギターが炸裂。そこから雨雲がすっと消え晴れるような「Next Chapter」は、眩い未来感のある洗練されたサウンドに。音楽の力を信じ世界平和を願う希望の歌が、繰り返される過ちから抜け出し、争いのない次なる時代へと導く。そして最後は、インディーズ時代の名曲「走る岩」を4人編成で拡張させた。結成27年を経てもなお、まだまだ新たな面を見せバンドの今を鳴らす全4曲。(中尾 佳奈)

Braver

ストレイテナー

Braver

昨年10月より、バンド結成20周年/メジャー・デビュー15周年のアニバーサリー・イヤーとして、リリースやツアーなど様々な形で精力的に発信してきたストレイテナー。そんな彼らが、7月より放送開始したTVアニメ"アンゴルモア元寇合戦記"のOPテーマを書き下ろした。その名も"Braver"。大陸の覇者であるモンゴル帝国の襲来に立ち向かう、対馬の兵士を描いた物語に相応しく、前向きで力強いナンバーだ。エモーショナルなピアノの旋律からは、根底にある悲哀や乗り越えてきた涙が見えるし、ズシリとくるリズム・パートは歩みを止めない勇気、あるいは命の音か。ホリエアツシ(Vo/Gt/Pf)が長崎出身ということもあり、同作と自身のバンドとしての闘いを重ね合わせた、その絶妙な化学反応が深い世界観を示している。(山本 真由)

Future Soundtrack

ストレイテナー

Future Soundtrack

結成20周年、メジャー・デビュー15周年、現在の4人になって10年。閉塞感や同調圧力に押しつぶされそうな現在に、ニヒリズムの欠片もなく、人間の心根にある愛を呼び覚ますような作品を完成させたことに感謝したい。序盤、スローなBPMと選び抜かれた少ない音数の「Future Dance」、歌詞の符割りやビートにダブステップからのリファレンスを感じる「タイムリープ」などで新鮮なリズムへのアプローチを実感。暖かくて身近な恋愛や、他者への感情が瑞々しい「Boy Friend」、秦 基博との共作「灯り」や「もうすぐきみの名前を呼ぶ」の心洗われる響きも、今の彼らだからリラックスして表現できる内容なのかもしれない。キャリアを重ねるほど音楽的な自由を獲得し柔軟になる。日本のバンドが切り拓く新境地。(石角 友香)

PAUSE~STRAIGHTENER Tribute Album~

V.A.

PAUSE~STRAIGHTENER Tribute Album~

すでにiTunesチャート1位を獲得するなど、各所で高い評価を得ている本作。ASIANKUNG-FU GENERATION、ACIDMAN、THE BACK HORN、MONOEYESら、同世代で約20年をともに戦い抜いてきたバンドはオリジナルに近いアレンジで消化。また後輩であるgo!go!vanillasは定番曲「KILLER TUNE」をカントリー&ロカなニュアンスでガラッと変貌させ、原曲の持つ色気をヴォーカルの牧 達弥が表現しているのが頼もしいし、My Hair is Badもこれまた定番曲「REMINDER」のBPMを高速化し、Aメロの歌詞に椎木知仁(Gt/Vo)お得意の吐き出すような言葉の弾丸を歌詞として追加し、成立させているのも見事。テナーのファンであるほど、参加者の愛情を感じられる素晴らしい解釈の集合体だ。(石角 友香)

COLD DISC

ストレイテナー

COLD DISC

結成18年目を迎えるストレイテナー、シングル4曲を含めた9枚目。アコースティック・アルバム、ベスト盤を経た前作『Behind The Scene』を踏まえ、辿り着いた今作は、"どんなアプローチでも自分の音楽になる"という自負を携えた、闇や悩みのない快活な曲が揃った。「原色」、「シーグラス」の冒頭2曲に代表される"ホリエ印"とも言える地底から突き上げるようなメロディには、現体制になって初のアルバムである『NEXUS』(2009年リリース)を思わせる全方位に向けた強度がある。一方で現代ディスコ・サウンドのフォーマットに則った「Alternative Dancer」や、ラストの「覚星」ではチルウェイヴ/ドリーム・ポップへの視座を見せるなど、新たな一面も十分だが、すべて日本のロック・バンドとして耐久性のあるサウンドへ帰着させている点が頼もしい。(峯 大貴)

Behind The Scene

ストレイテナー

Behind The Scene

幕開きから新たなフェイズに思いっきり覚醒させられる。"悲しくも美しい世界"から"クソったれ新世界"(「Asshole New World」)の中をタフに生きる今のストレイテナーの狼煙が上がる。そして高いスキルとアンサンブルを高め、研ぎ澄ませながらも難解さを纏わないのはこのバンドの意志とも受け取れる。パッと聴き90年代から続くオルタナティヴ・バンドのベーシックなコード感やアレンジでありながら、そこここに未来を感じさせる高等戦術こそがストレイテナーの本懐なのだろう。「The World Record」など序盤で疾走し、架空の都市にワープするような曲群を経て、ホリエアツシのメロディのイマジネーションが際立つ「翌る日のピエロ」など聴き手の深いところへ降りてゆく楽曲まで。豊富になった語彙が紡ぐSF的な世界観にも注目。(石角 友香)

NANO-MUGEN COMPILATION 2014

V.A.

NANO-MUGEN COMPILATION 2014

このコンピの充実度は毎年計り知れないが、今回はASIANKUNG-FU GENERATIONの新曲「スタンダード」を聴くだけでも相当、価値ある1枚。ゴッチ自身が"これは先の都知事選についての歌"と明言しているが、何も変わらないと諦めたら非難の対象と同化してしまう。愚直なまでに続けること、そしてバンドのイメージを引き受けるとはどういうことか?まで応えた1曲だ。文字数の半分をAKG新曲に費やしてしまったが、今年はユニコーンやスカパラなどベテランから、KANA-BOON、グッドモーニングアメリカら新鋭、くるりやストレイテナーらAKG同世代まで縦横無尽な出演者が揃うわけで、このコンピも自ずとその厚みや充実感を体感できる。お得感で言えばくるりの未音源化楽曲や、ストレイテナーの新曲収録も嬉しい。(石角 友香)

ETERNAL ROCK BAND -21st CENTURY ROCK BAND TOUR 2013-

ストレイテナー

ETERNAL ROCK BAND -21st CENTURY ROCK BAND TOUR 2013-

2013年にメジャー・デビュー10周年を記念して開催された47都道府県ツアー"21st CENTURY ROCK BAND TOUR"のライヴ&ドキュメンタリーDVD。メンバーが撮影した映像も多く含まれ、約7ヶ月に渡る全52公演の様子が2枚のディスクで堪能できる。ライヴ映像だけでなく楽屋やその土地土地での観光の様子、ツアーの合間に行われたMV撮影の様子なども収録しており、見ている側もバンドのクルーになり共に旅をしているような感覚だ。セミ・ファイナル新木場STUDIO COASTでの選りすぐりのライヴ映像は、熟練した硬派なパフォーマンスに魅了される。日本全国どの箇所でも4人を迎えたのは、満面の笑みのファンたち。バンドが強く愛され続けていることを再確認した。(沖 さやこ)

Resplendent

ストレイテナー

Resplendent

デビュー10周年の全都道府県ツアーを折り返したストレイテナーから届いた新しい作品には、タイトルが意味する"輝き、まばゆさ"を、2013年の今、解釈した音像やテーマが溢れている。ギター・リフとベース・ラインがチェイスするイントロが、旅の最中にいるような「シンデレラソング」。未だ真夏の季節にあって厳冬の風に向かうような音像が彼ららしい。他にもテナー節炸裂なアンサンブルに、間接的な表現だが、まだ何も解決していない3.11以降の現実をなきものにしようとする風潮への怒りが滲む「SCARLET STARLET」、ホリエのトーキング・スタイルのヴォーカルや日向のスラップも新しい骨組みで構築され、架空の民族のトライヴァル・ミュージックを想起させる「BLACK DYED」など全5曲。タフに目を開けて空想するテナーの新境地。 (石角 友香)

SOFT

ストレイテナー

SOFT

ストレイテナー初となるアコースティック・アルバム。2012年3月に行ったライヴ・レコーディング楽曲に加え、スタジオ録音の楽曲を収録している。テナーをずっと聴き続けてきたコアなファンはもちろん、そうではないライトなリスナーにも聴きやすいシンプルなアレンジに仕上がっている。アコースティックになって更に際立つのはやはり透き通って伸びやかなホリエアツシの歌声だ。わざわざ素晴らしい彼の声については特記しなくてもとも思うのだが、やっぱり聴いてしまったら書かずにはいられない。リリース順に並べられた楽曲。最前線で活動し続けてきたバンドだからこそのライヴ・レコーディングとは思えないほどのクオリティ。デビュー10周年を目前にして築き上げられた、もう1つのテナーの歴史を楽しんでほしい。(石井 理紗子)

とげまる

スピッツ

とげまる

これこそまさにオールA のポップ・ソング集。3 年ぶりに届けられた13 枚目となる今作は、今までの彼らの作品の中でも特に色彩豊かなものとなった。青いメロディと卓越したバンド・アンサンブルが魅力な「ビギナー」、スピッツ的シューゲイザーで美しいサイケデリアを展開する「新月」、小刻みなギターが心地よいハネ感を生んでいるカントリー調の「花の写真」などと様々な曲が並ぶが、草野正宗の伸びのあるヴォーカルが全曲に芯を通してアルバム全体に統一感をだしている。またひとつひとつの曲がその曲独自の音像を作り上げる彼らの裁量には脱帽。本当に、スピッツはぶれない。来年で20 周年を迎えるが、時流に翻弄されることなく、才能とスタンスの絶妙なバランスで彼らはいまだに誰の手も届かないところにいる。(永田 隆利)

Re:RISE -e.p.-

スピラ・スピカ

Re:RISE -e.p.-

"機動戦士ガンダム"放送開始から40周年という節目の2019年に、スピラ・スピカがファンだけでなく、ガンダム・フリークをも唸らせるシングルをリリース。ガンダム最新作のOPテーマ「リライズ」は、バンド名に込められている"誰かの希望になりたい、背中を押したい"という思いが表れた1曲に。アニメにリンクした歌詞と、幹葉(Vo)の明るくも繊細な歌声に注目だ。さらに、ガンダム・シリーズのカバー曲2曲も収録。特に「STAND UP TO THE VICTORY ~トゥ・ザ・ヴィクトリー~」は、原曲の良さを残しつつ、間奏など要所を現代風のサウンドへアップデートさせ、爽やかで青春感溢れる楽曲へと変化。今までもガンダムにゆかりがあった、彼女たちだからこそできた大胆なアレンジだ。(新地 駿平)

恋はミラクル

スピラ・スピカ

恋はミラクル

ピュア・ポップ・ロック・バンド、スピラ・スピカがTVアニメ"みだらな青ちゃんは勉強ができない"のエンディング・テーマを表題に据えた3rdシングルをリリースした。表題曲「恋はミラクル」は、弾けるような清涼感が溢れるギター・ポップ・ナンバー。純愛ラブコメの世界観に寄り添い、甘酸っぱい初恋の気持ちを綴った歌詞もかわいらしい。カップリングの「ハピパピ」は、キラキラとしたシンセのサウンドが効いたまさに"ハッピー"なエレクトロ・チューン。サビの"スピハピラ・スピパピカ"は、つい一緒に歌って踊りたくなってしまうようなフレーズだ。また、元気いっぱいの雰囲気から一転して、大切な人に向けたバラード曲「君に伝えたいことがあるんだ」で見せる優しくまっすぐな幹葉の歌声も魅力的。(三木 あゆみ)

小さな勇気

スピラ・スピカ

小さな勇気

TVアニメ"ガンダムビルドダイバーズ"EDテーマで華々しくメジャー・デビューしたピュア・ポップ・ロック・バンド、スピラ・スピカから2ndシングルが到着した。表題曲はこの季節にぴったりの、新たな世界へ一歩を踏み出す瞬間の希望と寂しさを併せ持つ1曲。アップテンポで爽やかでありながら、実はバンドの危機も乗り越えてきた3人だからこその、確かな説得力を持った応援歌となった。c/wにはインディーズ時代の人気曲をリライトした、パワフルでライヴでも映えそうな「星降る夜に」、自身初のラヴ・ソング「桜が咲く頃」を収録。幹葉の緩急をつけた伸びやかなヴォーカルには揺るぎなさも生まれ、単なるキラキラ・ポップで終わらせない、これまでの道のりで得てきたバンドとしての厚みも見せる1枚だ。(稲垣 遥)

スタートダッシュ

スピラ・スピカ

スタートダッシュ

スピラ・スピカ(ex-スノーマン)のメジャー・デビュー・シングルは、TVアニメ"ガンダムビルドダイバーズ"後期EDテーマである「スタートダッシュ」を皮切りに、色とりどりの3曲が詰め込まれた。表題曲では、幹葉が高橋久美子(ex-チャットモンチー)と共作し、アニメと自分たちを重ね合わせて書き上げた歌詞が矢継ぎ早に飛び出す。これからスピードを上げて走り出す彼らにぴったりな、ポップで強いキラー・チューンだ。さらに、1週間を歌う歌詞を爽やかなピアノが輝かせる「想い描いたら」、老若男女が楽しめるじゃんけんをテーマにしながらも、演奏にはロック魂が光る「じゃんけんキング」も収録。まさにバンド名の如く、聴く人の心に希望の星をきらめかせる存在となる可能性を秘めた1枚だ。(高橋 美穂)

雪と星と僕ら

スピラ・スピカ

雪と星と僕ら

2016年には"MASH A&R"のオーディションでファイナリストに選出され、関西で名を広げていた3ピース・バンド"スノーマン"が今年1月"スピラ・スピカ"に改名。そして今回初の全国流通盤をリリースする。収録曲は、新曲「僕らなら」+自主制作時代からの楽曲という内容になっているが、転調を巧みに用いながら始まりや転機について歌った歌を冒頭に連続させているのは再スタートの意味を込めてのことだろうか。ヴォーカルのまっすぐな声質が生かされている曲も多く、クスリと笑えるユーモアの効いた曲も。フル・アルバムのボリュームを活用しながら様々なジャンルに挑戦しているが、サウンドの厚さが増せばもっと聴き応えが出てきそうな予感。そのあたりは今後の作品に期待したい。(蜂須賀 ちなみ)

トップ・オブ・ザ・ワースト

四星球

トップ・オブ・ザ・ワースト

祝、四星球結成20周年! 彼らのベスト盤が単なるベスト盤であるわけがなく、新曲4曲に、彼らの音源にはお馴染みとも言えるコント4本を収録、というのがトラックリストを見ただけでもわかるが、さらに「薬草」ではコザック前田(ガガガSP/唄い手)がゲスト参加するなど、既存曲も全曲最新バージョンに。おかげで聴き進めると、不意に詰め込まれた遊びに思わず吹き出しそうになったり、涙腺を刺激されてしまったり......。曲という単位ではなくアルバム全体を使い、CDの最大収録時間に差し迫るほどに、サービス精神旺盛な四星球の姿勢をこれでもかと詰め込んだ。1枚通して最後まで聴くと胸が温かくなる、私たちの気持ちを"心の穴の奥そこ"から掬い上げるパワーを閉じ込めた、玉手箱のような作品。(稲垣 遥)

四星球結成20周年を記念して作られた、ベスト盤ではなく"ベスト選曲アルバム"。ライヴでおなじみの楽曲たちはもちろん、4曲の新曲や曲間のコントも収録。ベスト盤として、最新オリジナル・アルバムとして、存分に楽しめるボリューム満点の1枚になっている。アルバムを象徴する曲且つ、四星球の最新型と言える1曲目「トップ・オブ・ザ・ワースト」でガッツリ心を掴まれたと思ったら、コントで四星球の不思議ワールドに誘われ、そこからは急転直下の80分。アルバム中のたくさんのネタフリが後半で回収される作品の物語性や、新曲「リンネリンネ」で終わる美しいラストはちょっと感動的ですらある。軽くネタバレしちゃったけど、あんまり情報を入れずに一気聴きするのがオススメ!(フジジュン)

ガッツ・エンターテイメント

四星球

ガッツ・エンターテイメント

スマートとは言えない、けど思いやりと信念が表れた作品名。四星球にしかできない術で、疲弊しかけた私たちを笑顔にする1枚が届いた。リード曲「ライブハウス音頭」は彼らの戦友である関係者、アーティスト100名以上がコーラス参加。ライヴハウスあるあるに頷き頬がほころぶと同時に、"ガラガラのライブハウスは いつだって最先端"などグッとくる一節も。また2度目のアルバム収録となった「運動会やりたい」も笑ったし、"段ボーラー"に続き、あるドラマーを描いたナンバーも意外と(?)名曲! シンガー、北島康雄節満載の愛の歌「シンガーソングライダー」はテッパンの温かな仕上がりで、あの曲のアンサー・ソング「早朝高速」にはリアルなバンドの生きる姿が刻まれていていい。やっぱりエンタメって絶対、何にも代えられない。(稲垣 遥)

包

PAN / 四星球

突如台湾進出を発表した、大阪の賑やかしバンド PANと、盟友である徳島のコミックバンド 四星球。台湾と日本の両国で開催する"台日爆音 BORDERLESS 2018"に彼らが引っ提げていくのが今作だ。両者共に新曲、代表曲、共作曲の全5曲を中国語で歌唱し気合十分。共作の「用小籠包都包起來吧(小籠包で包みましょう)」はPANらしい弾けるメロディック・ポップなサビに四星球お得意の言葉が跳ねるメロと、2組の十八番が融合した印象の、誰もが一発で盛り上がれる曲。中国語に挑戦した影響もあるのだろう、性急な初期衝動が詰まっている。そのうえ終わったかと思えばピアノが流れドラマチック(?)にメンバー全員が語り出し再び歌う展開に、"欲しがるなぁ~"とニヤニヤ。これは前代未聞の何かが起きるかも!?(稲垣 遥)

鋼鉄の段ボーラーまさゆき e.p.

四星球

鋼鉄の段ボーラーまさゆき e.p.

前面に押し出した"段ボール"とまさやん(Gt)。彼らのライヴに欠かせない小道具(もはや大道具の場合も)をすべて彼ひとりが段ボールで制作していることが由来なわけだが、オチやオマケ以外で彼にスポットライトが当てられたことに少し感動。本楽曲はそんな陰の努力者への賛歌であることに加え、リスナーへのメッセージ・ソングにもなっている。続く「発明倶楽部」も"新しい時代"を作ろうとするバンドの本気のロック・ナンバーでニクい。またライヴでは数年前に披露していた「直りかけのCamera」、インディー期の隠れた名ラヴ・ソング「六文役者」の再録版、限定盤DVDには大阪の名物フェス"OTODAMA"の映像も収められているのも嬉しい。シンガー 北島康雄の歌唱力が着実にアップしているところも必聴。(稲垣 遥)

お告げ ~さあ占ってしんぜよう~

四星球

お告げ ~さあ占ってしんぜよう~

四星球が放つメジャー1stシングルは"占い"をテーマとして、1枚に13曲47分43秒収録という、シングルCDの概念を破壊した作品。表題曲が終わると牡羊座から魚座まで、星座順に1曲ずつ歌われているので当然まずは自分の星座から聴きたくなってしまうのだが、「蟹 座『い蟹ひそ蟹したた蟹』」、「天秤座『天秤の座』」等、趣向を凝らした楽曲(とコント)たちを順番に聴いていけば、ニュー・アルバムを聴くくらいの満足感あり。チャットモンチーの橋本絵莉子をフィーチャーしたセルフ・カバー「乙女座『蛍の影 feat.橋本絵莉子』」、八木優樹がKEYTALKをアピールすべく参加(?)の「山羊座『哺乳類星座会議 feat.八木優樹』」等も収録。"自分の星座よりあっちの星座の方がいい!"とか思わないように。完全限定生産盤には、デビュー前夜の2016年秋以降制作されたMVや企画動画を収録。(岡本 貴之)

メジャーデビューというボケ

四星球

メジャーデビューというボケ

四星球、結成15周年にしてビクターのレーベル"Getting Better"からまさかのメジャー・デビュー! 誰もが驚いたその吉報が届いた際の様子は初回限定盤付属DVDに収録された、2016年10月のワンマン・ライヴの映像で観ていただくとして、記念すべきメジャー1stアルバムの内容はというと、ライヴ定番曲+新曲で構成されたベスト・アルバム的な内容。「Mr.Cosmo」(Track.2)でのビクター担当者登場や「四星球十五年史 ~上巻~」(Track.12)でのバンドの歴史紹介、「メジャーデビューできなかった曲たちの逆襲」(Track.14)など、メジャー・デビューをたっぷりネタにしてエンタメ感全開の1枚に仕上げている。「HEY!HEY!HEY!に出たかった」(Track.6)が"HEY!HEY!HEY!"特番で聴ける日もそう遠くないのでは!?(岡本 貴之)

出世作

四星球

出世作

自ら"出世作"と名づけた通算5枚目となるフル・アルバム。"四季折々/12ヶ月のうた"をコンセプトにそれぞれの曲に"○月のうた"とつけ、生々しく現在のバンドの心境を歌い上げる表題曲から始まり、盛りだくさんの14曲+ボーナス・トラック「桃源郷をやってみた」が収録される。新たな挑戦を彼らなりの表現で示唆したTrack.2「鍋奉行パエリアに挑戦」などユーモア溢れる楽曲がある一方、訥々と歌い上げるメロディアスなTrack.7「蛍の影ではセンチメンタルな一面も。そんなムードをTrack.8「今作ここまでのダメ出し」で自らを戒めて(?)後半戦では怒涛のネタをぶっこんでくるあたりに、コミック・バンドとしての"バカ真面目さ"を感じることができるアルバム。祈!出世!(岡本 貴之)

MOONSTAR daSH

四星球

MOONSTAR daSH

四星球は、去年、地元・四国最大のフェス"MONSTERbaSH"のオオトリを務めた。本作の表題曲は、その経験から生まれた曲だという。"今日のための今日までが 明日のための今日に変わる"というラインは、フェス参加者だけじゃない、毎日を必死に生き抜くあらゆる人々に捧げたい言葉だ。Track.2「武器を捨てよ 太鼓を持て」では、バンドの本質を歌う。不毛な争いをして誰かを傷つけるくらいなら、笑かしてやろうと。たとえ、それで馬鹿にされようが、笑かしたもん勝ちだと。自分に尊厳と誇りを持てなければ歌えない歌だ。彼らが地元で、そして地元から遠く離れた場所でも愛される理由が良くわかる。本当に大事なものなど数えるほどしかないが、本当に大事なものが何かわかっていれば、人もバンドも、大いに笑えるのだ。(天野 史彬)

Gakkari.

好芻

Gakkari.

中嶋イッキュウ(tricot/ジェニーハイ etc.)と、くるりのサポートなどでもお馴染みの山本幹宗(The Cigavettes/sunsite etc.)からなる音楽プロジェクトの1stミニ・アルバム。中嶋のあどけなさを残した甘く儚いVo、シンセや打ち込みのビートを軸にしたドリーム・ポップ、サイケ・ポップの味わいが恋愛の渦中の危うさや夢見心地をグッと立体化。90年代の香港ヌーベル・ヴァーグ映画のようなロマンチックな世界がイメージできる。ドリーミーなアジアのインディー・ミュージックやシティ・ポップにも近いサウンドだが、山本のルーティなスライド・ギターや素のギター・サウンドに彼ららしさも。ラストの"Night Market"=夜市で迷子になるような儚く切ないラヴ・ソング集でもある。(石角 友香)

Fly Away Fly Girl

ズクナシ

Fly Away Fly Girl

2002年の結成後、精力的なライヴ活動を続けてきた女性4人組によるソウル・バンド、ズクナシ。ブラック・ミュージックを土台にした、熱を帯びたヴォーカルと、賑やかなバンド・アンサンブルが印象的。そして、その熱っぽいソウル・ミュージックを、都会的なフィーリングを持ったポップへと昇華させているところも彼女達の特徴と言えるだろう。そういう意味では、鍵盤も一つのポイントと言えるだろう。表題曲「FLY AWAY FLY GIRL」とは、ホーンを加え、軽快にとばすアップ・テンポなポップ・ソング。「まあるい物語」の流麗なグルーヴとポジティブな歌詞も彼女達の個性が出ている一曲。THE ISLEY BROTHERS「Work To Do」のカヴァーも収録。(佐々木 健治)

ハートフルレボリューション

音×AiR

ハートフルレボリューション

笑いの中心地=大阪のアイデンティティを武器に、音楽で笑いと感動を巻き起こすことを目指す3人組ロック・バンド"音×AiR"、初の全国流通盤。高校時代に結成したメンバーがシングルやライヴ会場限定でリリースしてきた楽曲を中心に収録した全12曲で、これまでの音×AiRのすべてが詰まった1枚になった。フラれてもへこたれない不屈のオトコの生き様を関西弁で歌う「オトコボンバー」を始め、メンバー全員が好きだというウルフルズのエッセンスを引き継いだ楽曲たちは、明るくて、元気で、おバカだけど憎めない愛嬌がいっぱいに溢れている。ハメを外したチャラ男風の「抱きしめたいハグトゥナイ」から、一途なラヴ・バラード「バンソウコ」へと、次々に表情を変える楓(Vo)の歌に惹き込まれた。(秦 理絵)

Where we are

セカイイチ

Where we are

歌モノのロック・バンドがブラック・ミュージックのグルーヴを獲得していった到達点は、もはや国内外とかジャンルを飛び越えたオリジナルだ。ソウル/ファンクだけでなくアメリカン・ロックのドライでスモーキーな質感もある「Go」で歌われることは、まさに今のバンドのスタンスを表す、ノー・ボーダーな内容。そのファットなムードを「I'll Be There」に繋げて、先の見えない現実をもタフに生きていけそうな手応えを残し、洒脱なギター・リフやジャズテイストのコード・ワークで、まさに"新しい自分"を体感させる「You make me feel brand new」、AORもリズム・アンド・ブルースも昇華した「Blur」、トランペットの温かな空気感とコーラスに心身ともに解放されるタイトル・チューンと続く。シンプルにFeelin' goodな快作。(石角 友香)

Round Table

セカイイチ

Round Table

洋楽好きからも支持の厚いセカイイチが2016年にソウル/ファンクのグルーヴに舵を切った今作。20代前半のバンドの無邪気で実験的なアプローチに比べ、格段に血肉になったサウンドとして鳴らされている印象だ。素の乾いたギターが刻む16ビートに乗る岩崎慧のハスキーなヴォーカルの相性の良さ。だが、パーティー・ピープルじゃないロック・バンドのメンタリティを通したグルーヴ・ミュージックは腰は揺れてもどこか切ない。今の日本に生きているやるせなさや、ブルージーな部分が滲むTrack.4「ダイナシ」や、親から受けた愛情と自分が子どもたちに注ぐ愛情が描かれたTrack.9「2つの眼差し」、全編英語詞によるラストのタイトル・チューンに集約されたジャンルレスな輝きが踊れるファンク・ロックの一語で括れない深みを与えている。(石角 友香)

Anaheim Apart

セカイイチ

Anaheim Apart

穏やかで、洗練されていて、強いメッセージ性もあって、それでいて躍動している。音楽と戯れる喜びに満ちている。今年結成11年目を迎え、自主レーベル[Anaheim Records]を立ち上げたセカイイチの、オリジナル作品としては2年7ヶ月ぶりとなる3rdミニ・アルバムである。甘くメロウなアーバン・ソウルに、ダークなポエトリー・リーディング、静謐で美しいアシッド・フォークに、切なくも軽快なレゲエ―― そんな、雑食的に様々な音楽性を租借した冒険心満載の高純度ポップ・サウンドの上を漂う岩崎慧の歌は、時にプロテスト・シンガーのように社会を鋭く見据え、時に無垢な少年のように、ただ目の前にある喜びと悲しみを抱きしめる。"熟練"と"瑞々しさ"とは、こうも高次元で同居できるのかと聴き手の舌を巻かせる1枚だ。(天野 史彬)


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folklore

セカイイチ

folklore

セカイイチの音を聴いていると、心の中が幸せでいっぱいになって無性に泣きたくなる。凍えそうなときにホットココアを笑顔で差し出されるみたいに、じんわりあたたまってほっとする感じ。名盤『セカイイチ』から約2年、移籍後初のオリジナル・アルバム。新たな場所でスタートを切ったことも影響しているのだろうか、スマートでありながら非常に情熱的だ。岩崎 慧(Vo&Gt)のふんわりとした声と息遣いは、大きくて優しい包容力に溢れている。HIP HOPユニット・SUIKAのATOMとタカツキをフィーチャーしたラップ・チューン「Daylight」や、OASIS「Married With Children」のカヴァーなど、ジャンルに囚われないカラフルな音楽性。空を見上げながら聴きたい、希望に満ちた全14曲。(沖 さやこ)

言えなかったことばっかりだった。

セカンドバッカー

言えなかったことばっかりだった。

SNS発セカンドバッカーによる、初の全国流通盤『言えなかったことばっかりだった。』。"明日こそはちゃんと伝えよう"(「告白」)、"もっとちゃんと考えてあげたかった"(「犬とバカ猫」)、"そばにいさせて"(「嵐の夜に」)等素直になれないもどかしさや、募る後悔──そんな言葉にして届けられずに心に残ってしまった不器用な思いを、こうへい(Gt/Vo)がまっすぐにかき鳴らす。また、共に歩む意思表示をストレートな歌詞で綴る「夜露死苦」で本作を締めるのも、"あなたを支えるバンド"セカンドバッカーらしい。今年、東名阪QUATTROワンマン・ツアーも大成功に納め、8月からはバンド史上初となる全国ツアーも控えており、その勢いはさらに加速中だ。(中島 希実)

バンド名変えたい

セックスマシーン

バンド名変えたい

結成20周年を迎えるセックスマシーンのほぼ新録ベスト・アルバム。70年代UKロック、パンク・ロックをベースとした痛快で疾走感あるサウンドに乗せて歌う、森田剛史(Vo/Key)の歌詞やメロディはとにかく明快。"シンプルであること"を追求した楽曲たちは一度聴いたら口ずさみたくなるキャッチーさと親しみやすさを持ち、恋愛ソングから日々のぼやき、かすかな希望と、半径5mの出来事を多分なユーモアを含んで歌った歌詞は笑いと共感の嵐! 20年の想いを込めたアルバム・タイトル曲のTrack.1「バンド名変えたい」、シンプルさを極めた彼らの代表曲でもあるTrack.2「サルでもわかるラブソング」は、ある意味このバンドを象徴している。騙されたと思って、まずはこの2曲だけ聴いて!(フジジュン)

はじまっている。

セックスマシーン

はじまっている。

傷つき、打ちひしがれた男が顔を上げ、再び歩き始める姿を歌った5作目のアルバム。森田剛史(Vo/Key)の手痛い失恋が制作のきっかけになったという。彼ららしいけれんみ溢れる作品と思いきや、ひとりでも多くの人に伝えたいという思いが、いい歌とまっすぐなバンド・サウンドで勝負する潔さに結実。けれんみが薄れたことで、芸風としての暑苦しさではなく、楽曲やバンドそのものが持っている熱さを改めて印象づける、ある意味、赤裸々な作品になっている。それに加え、バンドが新境地に挑んだことで、このバンドが持っている豊かな音楽性もこれまで以上に際立ってきた。彼ららしいユーモアも交えながら、合唱曲に真正面から挑んだ「唱歌「凪」」を始め、聴けば聴くほど、味わいが増す曲ばかりだ。(山口 智男)

新世界へ

セックスマシーン

新世界へ

持ち前のユーモアをぐっと抑え、奇をてらわずにストレート且つシリアスに"旅立ち"という春に相応しいテーマを歌い上げた3曲を収録した5thシングルは、ライヴDVDをカップリングした2枚組。ノスタルジックなオルガンの音色をフィーチャーした表題曲を始め、3曲とも70年代のロックを思わせる演奏がライヴならシンガロング必至のメロディの魅力を際立たせている。Track.2「眠るまちから」は切ないメロディをアピールしながら、マーチ風のドラムやアンセミックなコーラスが聴く者の気持ちを高揚させる不思議な味わいが印象に残る。Track.3「地平の向こう」は3曲中、最もセクマシらしいと言える疾走感溢れるロック・ナンバー。アートワークは新進気鋭の漫画家、西村ツチカによる描き下ろしだ。(山口 智男)

響けよ我が声、と俺は言った

セックスマシーン

響けよ我が声、と俺は言った

シンガロング必至の熱い曲の数々と、ちょっとずっこけたところもあるひたむきさが歓迎され、日本各地のライヴ・シーンを賑わせている神戸の4人組、セックスマシーン。3年ぶりにリリースする4作目のフル・アルバムもユーモアとペーソスを交えながらポジティヴなメッセージを訴えかけるアンセミックなセクマシ節は健在だ。聴きながら、とりあえず大きな声で叫びたい衝動に駆られたあとは、ぜひ曲作りや演奏の妙味にも耳を傾けていただきたい。シンガロング必至の青春パンクに加え、R&B調のバラード、アコギを鳴らすフォーク、ドカドカと突っ走るハードコアと曲は思いの外、幅広いうえにライヴのうわーっとしたイメージとは裏腹に荘厳なコーラス、華麗なギター・ソロなど、演奏も聴きどころが多い。(山口 智男)

春への扉

セックスマシーン

春への扉

青春パンクを装いながら、諧謔と反骨の精神、そして意外に奥が深い音楽性がセックスマシーンの存在をユニークなものにしている。その意味では半年ぶりのリリースとなるこの4thシングルも彼ららしさは何も変わらない。その延長上で、キーボーディストの脱退をメンバー全員がキーボードを兼任することで補いながら、それぞれに趣きの違う3曲に挑み、前進をアピール。新たなスタートを自ら祝うようにキーボードの音色を高らかに鳴らしながらウェットすぎる世の中に活を入れる表題曲、アンセミックなロック賛歌の「いいよね」に加え、ピアノの音色が印象的なバラード「なくしもの」も収録。さらにボーナス・トラックとしてライヴ音源を3曲追加したことで音楽性の深さとともにライヴの熱さも伝える聴き応え満点の1枚に。(山口 智男)

夜が明る過ぎる

石鹸屋

夜が明る過ぎる

同人シーンでは東方Projectのアレンジ楽曲の新作をリリースしていた石鹸屋が、全国流通盤としては約11ヶ月ぶりの音源をTOWER RECORDS限定でリリース。表題曲「夜が明る過ぎる」は、子供の頃に思い描いていた自分になれているかどうかを自問自答する曲。ひとつひとつ重く突き刺さる言葉を力強く刻む厚志のヴォーカルと、秀三の分厚いコーラスが華やかに響く。メジャー以降の石鹸屋のオリジナル楽曲は音が滑らか、あるいは直球でぶち抜くロックンロールが目立ったが、今回は手数の多いドラムに、速いギターのストロークが歌詞の持つ焦燥感を引き立てるなど、テクニカルな部分が顕著に。よりバンドの持つ音楽センスを堪能できる楽曲とも言えるだろう。聴く観点によって印象が変わるので、隅々にまで着目して楽しめる。(沖 さやこ)

青い雲

石鹸屋

青い雲

石鹸屋2013年第2弾となるシングルは、想いを伝えたくても伝えられない、切なくもどかしい恋模様を描いたミディアム・ロック・ナンバー。優しいメロディを力強く丁寧に歌い上げる厚志のヴォーカルは高く伸び、秀三のギターも様々な色を曲の中に落としてゆく。ヴォーカルに寄り添うコーラスも美しく、石鹸屋の持つ繊細さが抽出された美しい楽曲になっている。厚志が作詞作曲を務めたc/wの「アニー」は「青い雲」から一転、初期の石鹸屋を彷彿させる非常に男臭くて熱いロック・ナンバー。コール&レスポンスが出来そうな掛け合いや各パートのキメなども織り込まれているので、ライヴで盛り上がること必至だ。Track.3には1月4日に開催されたワンマン・イベントでの「スピアソング」のライヴ・テイクを収録。(沖 さやこ)

シャボン

石鹸屋

シャボン

石鹸屋がメジャー・デビューすると知ったときは笑いが止まらなかった。メジャー・シーンにおいて、彼らの存在がいい意味で爆弾になる確証があったからだ。ゲーム音楽にアレンジを施し、歌詞をつけて歌う"二次創作"活動を05 年に始動させ、コミック・マーケットで配布&販売。アレンジ曲だけでなくオリジナル曲のクオリティも高かったことも影響し、ライヴ活動やニコニコ動画にて急激に知名度を上げた。そんな石鹸屋のメジャー・シーンへの第1 球は、自身のバンド名の意味を掲げたタイトルを持つ、まさしく"石鹸屋のテーマ・ソング" と言っても良いだろう。ライヴ感が溢れる力強いバンド・サウンドが巻き起こす、聴く者の悩みも全部洗い流すような爽快感。身を削って音を鳴らす4 人の結束と、新たなスタートを切る覚悟を十二分に堪能する。(沖 さやこ)

リリー

世武裕子

リリー

くるり主宰のNOISE McCARTNEY RECORDSに所属する世武裕子のセカンド・アルバム。くるりの『くるり鶏びゅ~と』では「東京」をカヴァーしていた彼女。ゴダールなどのフランス映画が好きという理由でフランスの音楽学校に行き、主席で卒業したという彼女。クラシックやジャズ、映画音楽から民族音楽までの影響を昇華したスウィングするメロディ・ライン、凛とした鍵盤をメインとしたアレンジやヴォーカル・スタイルの幅広さまで、曲全体が持つ表現力に圧倒される。日常の一場面からまるで絵本や童話のようなストーリーまでを描き出す豊かな歌詞世界も素晴らしい。こういう世界観はともすれば「懐かしくも、新しい」なんて言われそうだが、懐かしいもクソもない世代の新鮮な「感性」が産み落とした新たなポップ・スタンダード。(佐々木 健治)

Godspeed you!

セプテンバーミー

Godspeed you!

フロントマンの土肥大人(Vo/Gt)が"自分の好きな音楽をやる"というポリシーのもと制作された5曲入りミニ・アルバム。シンセが全面に出たダンサブルかつ幻想的なTrack.1、8bit的なキーボードの中毒性も高く疾走感のあるTrack.2、47都道府県ツアーを回る中で生まれた心情を素直に綴った軽やかなポップ・ナンバーのTrack.3、バンドの一体感が強固に突き抜けるアッパーなTrack.4、ストリングスも印象的なミディアム・ナンバーTrack.5と、色とりどりの楽曲が揃う。鍵盤等を効果的に取り入れたことで持ち前のポップ・センスは拡張。すべてに共通しているちょっぴり切ないドラマティックな世界観と、素直でキャッチーなメロディが非常に純粋で眩しい。バンドの充実が音楽になった快作である。(沖 さやこ)

YES!YES!YES!

セプテンバーミー

YES!YES!YES!

"東京都立川発、最高に情けない次世代ポップバンド"と自らを称し、アグレッシヴなライヴ・パフォーマンスとハイクオリティな楽曲で話題を呼んでいるセプテンバーミーの2ndミニ・アルバム。チャットモンチーや空想委員会らを手掛けるレコーディング・エンジニア、古賀健一を迎えて録り下ろされた今作には、甘酸っぱい青春時代の恋を歌った「君と宇宙でスリーアウトチェンジ」や、フックの効いたワードを歌詞に織り込んだ「妖怪ダンス」、紅一点メンバーの岸波 藍(Dr)をリード・ヴォーカルに迎えた「ハローグッディ」、古谷実の名作漫画"ヒミズ"の主人公をもとに書かれた「オマケ」などキャッチーかつ個性豊かな6曲を収録。独特すぎる感性と極上のポップ・センスを兼ね備えた彼らならではの力作だ。 (奥村 小雪)

Vesta

セレンダイン

Vesta

名古屋を中心に活動をしている新星ギター・ロック・バンドの1stミニ・アルバム。10代特有の甘酸っぱさや叙情的な世界観を詰め込んだ全8曲。2003年に同級生と共に結成された彼らは、2006年のTEENS’ MUSIC FESTIVALで見事グランプリを受賞。しかしその後、メンバー脱退などの紆余曲折を経て現メンバーに落ち着く。3枚のシングルを経ての今回のミニ・アルバムはまさに彼らの今までの集大成と言ってもいいだろう。疾走感溢れる「銀河ドライブ」や繊細で切ないバラット「22世紀の約束」などバラエティにとんだ今の彼らの魅力がこのアルバムには溢れている。その中でもヴォーカル岡本知也の柔らかい歌声は僕らを照らす灯火の様に暖かく響く。(遠藤 孝行)

他撮り

絶景クジラ

他撮り

"RO69JACK 2015"で優勝を果たし、"MINAMI WHEEL"などの大型イベントでも入場規制となるなど、確実にその名を全国区へ広げている関西出身のガールズ・バンド、絶景クジラ。バンド初の全国流通盤となる今作は、幻想的なキーボードや浮遊感あるコーラス、一度聴いたら忘れられないキャッチ―なサビが印象的な「マイリトルパラレルドリーマーズ」や、世の中に対して中指を立てるロックンロールのアティチュードを感じさせるキラー・チューン「papapa」、単調なリズムにふわりと乗っかるナツコ・ポラリス(Vo/Key)の声がエモーショナルに展開してゆく「メルシー伯」など全5曲を収録。どこか怪しくも切ないサウンドには彼女たちの狂気とまっすぐさが凝縮されており、今作はその少しひん曲がった魅了を存分に味わうことができる。(増田 思織)