WRITERS' COLUMN
ライター 天野 史彬の『ベッドルームひとりぼっち』
2013年12月号掲載
Skream!をご覧の皆さん、こんにちは。ライターの天野です。ちょっと今興奮状態で原稿を書いています。凄い。ちょっとこれはとんでもなく凄い傑作と出会ってしまいました――住所不定無職の新作アルバム『GOLD FUTURE BASIC,』。これは凄いです。凄い凄い書きすぎですね。すんません。でも、本当に凄いんですよ。一気に僕の2013年ベスト・チャート1位に躍り出てきました。これは傑作です。
そもそも、僕とこのバンドとの出会いは2010年の1stフル・アルバム『ベイビー! キミのビートルズはボク!!!』でした。"2007年春、職安で出会ったユリナ(ギターとか)、ザ・ゾンビーズ子(ギターとか)、ヨーコ(ギターとか)によって結成"というなんとも言えない(笑)エピソード。その担当パートからもわかるように、メンバーそれぞれが入れ替わりで楽器を演奏するというライヴ・パフォーマンス。ゾンビーズ子は女装した男性で、しかもバンドの音楽的ブレーン......しかし何より、こんな謎な謎を呼ぶ存在のキワモノ感を一気に吹き飛ばすほどの普遍性を持った素晴らしい曲の数々。衝撃でした。特に、彼女たちの代表曲である「あの娘のaiko」。ひとりの男の子がひとりの女の子に向ける複雑な心理を、逆説的な物言いと簡潔な言葉、そしてラヴ・ソングの達人である"aiko"というキーワードに集約させて表現した見事な歌詞に一気に心を奪われたのを今でも覚えています。
そして今回の『GOLD FUTURE BASIC,』。断言します、これは音楽の未来です。このアルバムにはロックンロール、ソウル、パンク、ポップス、ダンス・ミュージック――様々な音楽の歴史の蓄積によって作られた豊潤なサウンドがあり、そして、そこにある"過去"をすべて"今、この瞬間"に変えてしまう魔法のようなポップネスがあります。"この曲って、○○っぽいよね~"みたいに、音楽オタク的に語ろうと思えばいくらでも語れるぐらいの情報量を持ちながら、それを野暮だと思わせるほどの普遍的な輝きがあるのです。そしてこの輝きは、このアルバムを手にした人を街へと駆り立てるでしょう。このアルバムは人と人との出会いを、人と音楽の出会いを、そして恋に落ちる瞬間をすべて祝福するようなメロウネスとロマンチシズムに溢れています。90年代の半ば、この国には音楽の力で(刹那的であれど)世の中に魔法をかけることに成功した、カローラ2にのってやってきた王子様がいたのですが、『GOLD FUTURE BASIC,』は彼の存在を想起させます。"喜びを他の誰かと分かりあう! それだけがこの世の中を熱くする!"。その王子様の名フレーズが、今再び必要な時代になっているのではないでしょうか。僕は『GOLD FUTURE BASIC,』というアルバムを聴いた喜びを、誰かと分かりあいたくて仕方がないです。本当に素晴らしいアルバムです。是非聴いてみてください!
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