WRITERS' COLUMN
ライター 天野 史彬の『ベッドルームひとりぼっち』
2015年02月号掲載
1月14日、SEBASTIAN Xが活動休止を発表した。
発表があってから2週間ほど経って、今、この原稿を書いている。本音を言えば、今の自分の気持ちはあまり文章にしたくない。だって僕はまだ、この件について彼らに直接話を聞いていないのだ。バンドが発表したコメントや永原真夏がTumblrに寄せたコメントは読んだものの、彼らの本意を直接確かめない以上、何を書いても空を切るような感覚しか残らないような気がする。
しかしながら、こうやって書こうと思った理由は2つ。ひとつは、直接話を聞く前に、最近のSEBASTIAN Xとはどういうものだったのか?ということを、あくまで外部から見た感覚として記しておくことが、この数年間、彼らを見続けてきたライターとしてやるべきことだと思ったから。もうひとつは、今の自分の頭の中のモヤモヤを吐き出したいという自分勝手な理由から。
去年10月のメジャー・デビューをきっかけに、SEBASTIAN Xは抜本的な変化を要する過渡期に突入したと僕は思っていた。しかし過渡期といえども、永原真夏の頭の中では、やりたいことはかなり明確化していたんじゃないかと思う。それはメジャー・デビュー作『イェーイ』リリース時のインタビューで彼女に話を聞いて実感したことだった。言葉じゃない、他の何でもない、"音楽"でしか描けない景色を描くこと。色も匂いも感情も、そのすべてが滲み伝わってくるような音楽を鳴らすこと。つまり、音楽の可能性を追い求めること――あの時彼女が語ったくれたこれらの事柄はきっと、この先のSEBASTIAN Xの指針であり命題となるのだろうと思った。そして、そうやって永原の口から目的意識がはっきり出てきたからこそ、次はSEBASTIAN Xというバンド総体として、どう舵取りをしていくのかがポイントになるのだろうとも考えていた。
音楽に説得力を持たせられるのは、最終的には音楽だ。だからこの先、彼らは、これまで以上に細やかに、綿密に、音に向き合っていくべきだと思った。リズムもメロディも和音も、そこに存在する1音にどこまで神経を張り巡らせることができるのか――それが何よりのポイントだと思った。そのためにバンドは今まで以上の思考と対話と鍛錬を必要とするだろうと思った。課題は明白だったし、だからこそ、この先が楽しみだった。でもなぁ......やっぱり、バンドは人と人とが作り上げる生き物だった。僕が考える以上に複雑な何かを彼らは抱えていたのだろう。僕の言葉は、やっぱり空を切ってしまう。この業界に入る前、大学生のころに渋谷のLUSHというライヴハウスで初めて観たときから、不思議で、掴めなくて、だから惹かれたバンドだった。いつも目の前にいるのにいないような感じがした。その姿を捕えたくて、言葉を重ねてきた。でも彼らは光みたいに速くて、追いつけなかった。やっと、もうちょっとだと思ったら、止まってしまった。追いかけられないじゃん。ずるいよなぁ。
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