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LIVE REPORT

Japanese

Half time Old / ab initio / HEADLAMP / TEDDY

Skream! マガジン 2017年08月号掲載

2017.06.21 @下北沢LIVEHOLIC

Writer 秦 理絵

LIVEHOLIC周年イベントVol.12はTEDDY、HEADLAMP、ab initio、Half time Oldというメロディと言葉を大切にした4組の若手バンドが出演した。それぞれまったく異なる音楽性を持ちながらも、彼らは自分たちだけの信念のメッセージで私たちの心に忘れられない景色を描き出してくれた。




トップバッターは神奈川発の4人組ギター・ロック・バンド、TEDDY。今年メンバー全員が大学を卒業したばかりの彼らは1曲目の「ハローグッバイ」から、その素朴な佇まいで発展途上のバンドのいまをステージに刻みつけた。MCでは"今日はこんなすごいバンドが集まってたのかと、いつか言われるような日です。あなたはその目撃者です"と強い口調で語り掛けた長部 峻(Vo/Gt)。最後に披露したバラード曲「ため息をついた少女の唄」は、自分の存在を認めることのできない愛すべきできそこないたちに寄り添う言葉を詰め込んだ、とてもTEDDYらしい歌だった。




続いて登場した大阪発のHEADLAMPは、フロントマン 平井一雅(Vo/Gt)のまっすぐな熱いパフォーマンスでお客さんの心を一気に鷲掴みにした。タイトなビートに乗せた青春ソング「アオハルロンド」を始め、4人が汗だくになって繰り出す演奏に説得力がある。"人が本気で何かを起こそうとするときに風が起こる。後ろから背中を押すか、前から妨げるか。ただひとつ言えるのは、歩き出さんかったら風は吹かないということです"。そんなふうに語り掛けて届けた「ON THE GROUND」には、しっかりと地面に足をつけて、是が非でも前に進むのだという強い決意が込められていた。




初っ端から「サーチライト」のキャッチーなサビで心を躍らせたab initioは、この日がサポート・ドラムを迎えた新体制による初ライヴだった。ギターの乃村Nolanがシンセも担当しながら次々と曲の表情を変えるポップな楽曲がab initioの持ち味。故郷への想いを綴った新曲「耳をすませば」などを届けたあと、"体制は変わったけど、伝えることは変わらない。大事な人を大事にする。これからもわりと女々しめに歩いていきたいと思います"と宮崎優人(Gt/Vo)が言うと、ピアノの伴奏で届けたラストの「月のような人」まで1曲1曲の世界観を大切に届けてくれた。





トリを飾った名古屋の3ピース・バンド、Half time Oldは"今日は星が見えないけど、星の歌です"と前置きをして「シューティングスター」で幕を開けた。一聴して口ずさみたくなるようなあたたかいメロディの上を鬼頭大晴(Vo/Gt)の少年のような歌声が軽やかに駆け抜ける。MCでは、"どんな障害があろうが選択して決めて進んでいくのは全部自分で。選んできた道が合っていようが間違っていようが、その先を諦めんなよ。負けんじゃねぇぞ!"と叫んだ鬼頭。その想いを全力の演奏に込めた「嵐の中で貴方に向けた歌」では、バンドの意思に共鳴するようにフロアから一斉に手が上がった。
"ハローハロー"のシンガロングを巻き起こしたアンコールの「ハウスダスト」でイベントを締めくくったHalf time Old。そのステージは音楽の力、言葉の力、歌の力を信じて奮闘するバンドが集結したイベントの最後に相応しいものだった。
気がつけば日常生活で疲弊しきった気分が軽やかになっていた。この先、彼らの長い音楽人生でそういう瞬間が数限りなく生み出され続けることを願っている。

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