Japanese
HEADLAMP
2016年09月号掲載
Member:平井 一雅(Vo/Gt) 生松 圭悟(Gt) 白石 浩輝(Ba) 武村 奏(Dr)
Interviewer:松井 恵梨菜
その強い思いを乗せた歌、全力のパフォーマンスを目の当たりにしたら、誰だって否が応でも熱い気持ちが芽生えるだろう。大阪を拠点に活動中のHEADLAMPは、そう太鼓判を押したいくらいひたむきにメッセージを叫び、ありのままをぶつけてくるバンドだ。そんな彼らが、9月14日に初の全国流通盤『NEW ORDER』を放つ。結成から7年、これまでの活動の中で確立してきた自分たちらしさ、バンドとして熟し始めてきた今だからこそ鳴らせる攻めの音、そして背中を押してくれる友人のような温度感が詰まったこの1枚。HEADLAMP史上初のインタビューを行い、彼らの基盤にある思いや今作の制作秘話に迫った。
-HEADLAMPにとって初インタビューということで、バンドのことからうかがいたいと思います。もともと、どういった音楽をやるイメージで結成されたバンドなんでしょうか?
平井:最初はそういう音楽的なイメージがまったくなくて。生松と白石と俺は高校が一緒で、軽音部に入って3人でコピバンを組んだんですけど、当時は"とにかく元気があればよし!"みたいな。今もあんまり変わってないですけど(笑)。
-どんなバンドをコピーされていたんですか?
平井:ELLEGARDENとかASIAN KUNG-FU GENERATION、ストレイテナーとかですね。
生松:あとはthe pillows、RADWIMPSとか。
-オリジナルの楽曲はいつごろからやるようになったんですか?
平井:高校2年生のときに初めて発表して。「誰もが幸せである唄」っていう曲で、一番簡単なコード、一番簡単なフレーズでほんまめっちゃダサかったんですけど、それが案外もてはやされて(笑)。"お、いけるんちゃう!?"と思って、それからオリジナルの曲を作るようになりました。
-みなさんが楽器を始めるきっかけになったのはどんな音楽だったんでしょうか?
平井:僕はもともとR&Bとか、RIP SLYME、Def Techとかが好きやって、そういう感じの歌を歌うヴォーカルになるんかなって思ってたんです。それが中学2年生のころにELLEGARDENを聴いてから、バンドがやりたいなと思うようになって今に至ります。
白石:中学のころはGReeeeNとかORANGE RANGEを聴いてたんですけど、高校に入ってからはふたり(平井、生松)が好きやったELLEGARDENとかthe pillowsをめっちゃ聴いて、かっこいいなと思ってたらバンドに誘われたという感じですね。
生松:僕は、白石とは中学も一緒でお互いバレー部だったんですよ。だから毎日バレー漬けで音楽に触れる機会もなく。ただ、部活を引退して、高校に行ったら何しようかなって考えてたときに、ラジオから流れてきたthe pillowsの「Ladybird Girl」(2007年リリースの26thシングル表題曲)を聴いて、こんな音楽があんねやって衝撃を受けて。次の週にはギターを買って、弾いてるうちにバンドをやってみたいなと思うようになったのがきっかけでバンドを始めました。
武村:僕はもともと父親がバンドでベースをやってて、母親はエレクトーンの先生で。小さいころ、Jaco PastoriusとかSANTANAとかがよく車の中で流れてて、そのときは意味がわからないままずっと聴いてたんです。幼稚園の年中からはピアノを習ってたんですけど、ピアノが嫌いになりすぎて"もう弾くのをやめたい"って1回親に言ったんですよ。そしたら、"楽器ひとつやっとかなうちの子ちゃう"ってめちゃくちゃ怒られて(笑)。
一同:(笑)
武村:そんなときに、たまたま家にドラムがあったので叩いてみたら"あ、これでいいやん"ってなって、ピアノをやめてドラムを始めました。それで高校で軽音部に入って、みんなが聴いてるようなORANGE RANGEとかを初めて聴いてから、バンドかっこいいやんと思ってロックを聴くようになりました。
-では、ルーツはみなさんバラバラなんですね。作詞作曲はどなたがメインで?
平井:全部僕ですね。
-他のメンバーが作曲する予定はないのでしょうか?
武村:作ってみたいですけどね。
平井:一応、白石には「僕はスーパーヒーロー」っていう持ち曲があるんですよ。
白石:3分で作った曲なんですけど......。
-お披露目しないんですか?
白石:1回だけ、ワンマン・ライヴのときに弾き語りでやらされたことがあります(笑)。
平井:すごく盛り上がってたよな(笑)。
-今後もそういうの、楽しみにしています(笑)。近況としては、KAKASHI、ハルカミライとのスプリットCD『BOYSBOYSBOYS』を今年6月にリリースし、そのリリース・ツアーを回られていましたが、これはどういった経緯でやることになったのでしょうか?
生松:もともとKAKASHI、ハルカミライとは仲が良かったのもありつつ、すごく近いものを感じる2バンドなんですよ。自分たちには高槻っていう地元があって、他の2バンドにも大切にしている地元があって、それを守りながらバンドをやっていくっていう考え方が似てるんです。それで、そんな3バンドが集まったら何か面白いことができるんちゃうかなって思って、"ライヴハウスから革命を"というテーマでやってきました。
-やっぱり、単独でリリースしてツアーを回るのとはまた違ったバンド間での高め合いがあるのではないかと思うのですが、いかがでしたか?
白石:いろんな面での高め合いがありましたね。一線を越えそうなグルーヴができました(笑)。
-バンドの関係性以外に、ご自身で成長できたなと思う部分はありますか?
生松:個人的には、お互いのライヴを観て、あの日はここができてへんかったから悔しいなとか、今日は俺らの方ができとったなとか、バンド同士の勝負が毎回できていたので、それが成長に繋がったかなと思います。
平井:ヴォーカルとしては、全国稀に見る"ライヴがうるさい3バンド"やと思うんですよ。ステージで言葉をワーッてぶつける3バンドで、その中で自分に何ができんのやろってめっちゃ考えながらライヴをやるようになっていったんですけど、結局"歌で勝つしかないな"って思うようになって。それからは一度も負けた気がしないですね。自分が一番上手いと思って歌ってます(笑)。できへんことをやるんじゃなくて、自分にあるものを武器にしてやろうって思うようになりました。
-そして今回リリースする『NEW ORDER』についてですが、これまでは会場限定、店舗限定での音源発表のみで、今作が初の全国流通盤となります。その記念すべき1枚目はどんな作品にしようと考えていたのでしょうか?
平井:曲単位で言えば、もっと聴く人の耳に、心に近づけてみようかなと思って、生活感のようなものを意識して4曲書いてみました。今までやったら、歌詞の中に"空が見える"とか広いものを書いてたんですけど、今回は普段身につけてるものとか、部屋の中にあるものについて書いてみました。その方が聴きやすいやろうし、触れやすい曲になったと思います。あとは広く言えば、"元気になる"っていうのがテーマですかね(笑)。難しいこともなく、シンプルに元気になれるCDやなと思います。
-4曲とも今作のために新たに書かれたんですね。
平井:そうですね。最近書いてた曲をグッとそっちのイメージに寄せていって。リード曲の「NEW ORDER」(Track.1)は、仲間との励まし合いや仲間と触れ合っている自分がイメージの曲なんですけど、今までもそういうのを根本にしてやってきたので、変わらない部分を書いた曲をリードにしようっていう考えはありました。
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