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INTERVIEW

Japanese

HEADLAMP

2016年09月号掲載

HEADLAMP

Member:平井 一雅(Vo/Gt) 生松 圭悟(Gt) 白石 浩輝(Ba) 武村 奏(Dr)

Interviewer:松井 恵梨菜

-そんな作品が"NEW ORDER"と名づけられたわけですが、タイトルにはどんな意味が込められているのでしょうか?

平井:好きなアニメの最終話のタイトルが"ニュー・オーダー"だったんですけど、その言葉が自分の中でめっちゃ響いて。なんかこう、新しい未来に向かう自分が詰まってるひと言なんやろうなと思います。

-たしかに、全国流通の1作目にはぴったりの響きですね。以前ライヴを拝見したときに、「NEW ORDER」について"負けてたときのことについて書いた曲"とおっしゃっていましたが、この曲を書くきっかけとなったエピソードがあるのでしょうか?

平井:去年の3月ごろなんですけど、個人的にだいぶ落ち込んでた時期があって。"どうせこう言ってもこうなるしな"とか考えてしまって、思ってることが全然言えへんかったんですよ。そんなときに白石と、よく一緒に飲む友達と3人で飲んだときに、その友達に"最近お前らしくないよな、大丈夫か?"みたいな話をされて。俺は"頑張ってるだけやで、別に無理してないよ"って言ったんですけど、友達は"いや、無理してる。そういうの言えへん奴やもんな。悪口とか言ったらいいのに。お前はくそったれな人間なんやから、もっと自由になれよ"ってめっちゃ泣きながら言ってくれたんです。それまでの俺は涙も出えへんくらい心が空っぽなんやと思ってたんですけど、たぶん瓶にいっぱい水が入ってる状態で、その瓶を割ってもらえるタイミングを待ってたんやろうなと。それが友達の言葉でパーンと割れて、涙がブワーッと出てきて。そしたら白石もめっちゃ泣いてたんです。

白石:そうそう(笑)。

平井:"わざわざ迎えに行ったのに無言やし暗いし、めっちゃ心配しててん"って。そのとき、あぁ、俺はこんなに心配されとったんやなと。こんな、言うたらクソみたいな奴でも愛してくれてる人がいるんやな、そういう自分のままでよかったんやなって思えたので、曲を書いてみたんです。それが歌詞の最後にある、"もう悔し涙も出なくなった/俺の代わりに君が泣いてくれたから。"っていうところですね。それ以降はもうマジで明るいです(笑)。この曲は瓶がパーンって割れる、自分がプラスに向かう瞬間の曲なんですよ。

-歌詞の内容とエピソードがすごくリンクしました。アコースティック・ギターと歌のみで静かに始まり、そこから一気に幕の開ける感じが印象的だったのですが、そういう展開にした狙いはあったのでしょうか?

平井:最初にアレンジしてたときは全然違う感じやって、2ビート入れたろかとかいろいろ言ってたんですけど、歌い出しの"どうした、らしくないな"っていうもらった言葉から、楽器がインしてパーンって弾けて明るくなるイメージはずっとありました。

-そのお話を聞くと、曲の展開も先ほどのエピソードと重なります。「NEW ORDER」のMVは無人島で撮られたとのことで、みなさんサバイバルしていらっしゃいますね。

平井:まず機材を持っていかなあかんのに、山道を15分くらい下って行くようなところが撮影場所で。撮影スタートが朝6時くらいだったんですけど、準備の間、灯りもなくて怖かったですね(笑)。本当にサバイバルみたいでした。朝は寒いし、昼は暑いし。

武村:トラックが動かんようになるしな。

生松:みんなで押して。

-なぜ島で撮影することになったのでしょうか?

平井:何かに立ち向かってぶち当たってるような、迷い込んでる感じが欲しかったんです。ほかにも、スポーツ選手が壁にぶつかってるMVにしようかとかいろいろ考えたんですけど、自分たちがやってた方が面白いし、伝えたいことがちゃんと伝わるんじゃないかということで島で撮影しました。

-映像の最初の方で泳いでいるのは平井さんでしょうか? 一番気迫が伝わってくるシーンでした。

平井:俺です。もう世界水泳のCMみたいですよね。10テイク以上撮り直してめっちゃ泳がされるし、水は冷たいしで、思い出したくないくらい大変でした(笑)。

-あのシーンのおかげで必死感がより伝わってくる仕上がりになっていると思います(笑)。Track.2「晴々」は、Aメロではリズム隊がグルーヴィに攻めつつ、サビではギターが華やかですし、間奏にはギター・ソロもありますよね。楽器のチームワークの良さを見せつける曲だなと感じました。

白石:この曲はかなり好きなように弾かせてもらいました。ギター・ソロ中も、攻め攻めな感じでベース・ラインがめっちゃ動いてます(笑)。

武村:僕も、Aメロとギター・ソロ前は"俺、これやりたいねん"っていう感じでやらせてもらいました。

白石:みんなの見せ場がちゃんとある曲ですね。

生松:今までは、「晴々」みたいに楽器で遊ぶようなイメージの曲がなかったんです。でも23歳になって、前よりちょっとだけ楽器で遊ぶことができるようになったので、やってみようということでこういうアレンジになりました。

-この曲も「NEW ORDER」のテーマと繋がる、応援ソングだなと思いました。

平井:そうですね。違う部分があるとすれば、「NEW ORDER」は励ましてもらったことを歌ってるんですけど、「晴々」は自分たちから発信してる曲なんやろうなって思います。"「フレー!フレー!」"って歌詞なんて、応援でしかないですからね(笑)。ほんまストレートに、"頑張れよ"とか"生きろよ"とか、"夢を諦めんな"っていう、わかりやすいメッセージだけを込めています。

-ストレートな応援の要素があるTrack.1、2に対して、Track.3「Cheap My Peace」とTrack.4「ターコイズ」は違うアプローチがあるように感じました。まず「Cheap My Peace」はどのように作られた楽曲なのでしょうか?

平井:曲を書いているときに、今までバンドをやってきた背景を全部思い出してみようと思って振り返ってる曲です。それをパズルに置き換えてみたときに、活動していく中で自分のパズルができていくんですけど、完成しない、終わりがないパズルがいいなと思って、そうやってこれからも続いていくんやぞっていうことを書きました。

-"イエスタデイチルドレン"という言葉も響きが素敵ですね。

平井:"イエスタデイチルドレン"という、地元のライヴハウスで12年くらい続いているイベントがあって。出たことも観たこともないんですけど(笑)、そのタイトルがめっちゃ好きなんです。こうやって12年も続いていくイベントがあるんやっていうところも曲のイメージにぴったりやなと思ってつけました。