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INTERVIEW

Japanese

Half time Old

2016年12月号掲載

Half time Old

Member:鬼頭 大晴(Vo/Gt) 小鹿 雄一朗(Gt) 阪西 暢(Dr)

Interviewer:秦 理絵

ようやく見つけたと思ったら、ふとしたことで簡単に揺らいでしまう自分自身の在り処。人生とはその繰り返しだ。2011年に名古屋で結成された3人組ロック・バンド、Half time Old。全国流通盤となる初のフル・アルバム『人生の使い方』で描き出したのは、そんな自分探しの旅そのものだ。これまでにミニ・アルバムを3枚リリース、今年9月にはシングル『A-Z』をリリースしたばかりのHalf time Oldは、"イナズマゲート 2013""RO69JACK 14/15"など、激戦のオーディションで優勝を果たした実力の持ち主でもある。アレンジャーに175RのISAKICKを迎えて完成させたアルバム『人生の使い方』。今作で見せる豊かなアンサンブルには、この先に広がるバンドの無限の可能性が詰まっている。

-Half time Oldはオーディションの優勝から注目度も上がってるバンドですね。

鬼頭:単純に嬉しいんですけど、それがプレッシャーに感じる部分もあるんですよね。見てくれるお客さんに"あのオーディションで優勝したバンドだ"っていう認識があるので。

阪西:そんなにオーディションにガツガツしてるわけじゃないんですよ。"イナズマゲート"と"RO69JACK"も、"受けてみたら?"って勧められて応募したので。

-じゃあ自分たちでも、こんなにいい結果になるとは思わなかったですか?

鬼頭:全然思ってなかったですね。

小鹿:でも、どちらも優勝するとフェスに出演できるっていうオーディションだったから、大きなステージで演奏することができたのは良い経験になったのかなと思います。

阪西:ライヴってスポーツと違って勝ち負けがないじゃないですか。でも、オーディションではそれがあるので。その一発勝負な感じのおかげで経験値が上がったところはありますね。たまたま勝ち上がれたから良かったけど、落ちてたら相当へこんでたと思います(笑)。

-そうですね。そのオーディションのころのHalf time Oldは4人編成でしたけど(※2015年5月にベースの鬼頭 築が脱退)、今は3人組になって。このメンバーはどういう繋がりなんですか?

小鹿:僕と鬼頭が小学校から一緒だったんです。で、高校のときにバンドを始めたんですけど、当時学校は別だったんです。そのころはがっつりバンドをやるというより、アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)とかELLEGARDENのコピーが中心でした。大学に入学するタイミングで前にいたベースが入って、そいつががっつりバンドをやる子だった影響もあって、みんなが少しずつ真剣にやり始めるようになったんです。

阪西:僕もそのベースと大学が一緒だったので誘われた感じですね。

世代とかジャンルを超えて、"いいね"って言われるバンドになりたい

-Half time Oldの曲は、まず鬼頭さんのヴォーカルが印象的じゃないですか。やはりメンバーもそこに惹かれた部分はあるんですか?

阪西:最初は(鬼頭と小鹿の)どっちがヴォーカルをやるか、みたいな感じだったんですよ。お互い譲り合ってたよね?

小鹿:そう。もしかしたら僕がやってたかもしれないんです(笑)。でも、バンドを組むときは普通に音楽が好きってだけだったんですよ。

阪西:それなのにここまで続いてるってことは、きっとお互いに声の魅力とか、歌詞に良いところを感じてるんだと思います。

-もともと鬼頭さんは自分で曲を書いて歌うタイプではなかったんですか?

鬼頭:昔から歌を歌うのは好きでしたよ。すげぇ恥ずかしい記憶があるんですけど、友達の誕生日に曲を作ったんですよ。

小鹿:マジか!? それは知らんかった。

鬼頭:たぶんそれが最初に作った曲ですね。お父さんのギターを借りて、全然弾けなかったんですけど、ラジカセでカセットに歌を録音したんです。

-そうなんですね(笑)。今のHalf time Oldの音楽性――まず歌が真ん中にある、普遍的なポップ・ミュージックであるっていうのは初期からなんですか?

阪西:何かを目指そうと具体的に決めたわけではないけど、色褪せないものを作りたいっていうのはありますよね。今の音楽シーンには、一瞬で音楽が消費されて消えていくっていうイメージがあるので。そういう時代に合わせるというより、僕らが好きだったアジカンとかELLEGARDENもそうですけど、世代とかジャンルを超えて、"いいね"って言われるバンドになりたいっていうのは全員共通の意識だと思います。

鬼頭:どんなジャンルでも、僕が歌ってて、阪西が叩いてて、小鹿が弾いてれば、Half time Oldとして成り立つみたいな、そこまでいければいいと思ってるんです。

-ちなみにメンバーはどんな音楽に影響を受けてきたんですか?

小鹿:僕は残響(レコード)系。

鬼頭:cinema staffとかmudy on the 昨晩とか好きだもんね。

小鹿:あとはUKロックも好きですね。

阪西:OASISは全員好きだと思います。

-小鹿さんがギタリストとして影響を受けた人はいますか?

小鹿:昔からバンドとして好きになることが多かったので、この人がっていう特定のギタリストはいないんですけど。最近はブルースが好きで、John Mayerをよく聴いてます。自分のプレイに影響しているかどうかは謎なんですけど。

-今回のアルバムだと、Track.1の「シューティングスター」とかでかなりギターを弾き倒してるから、ハード・ロックが好きなのかなと思ったんですが。

小鹿:あ、わりと聴いてますね。Jimi Hendrixとかも。歌の邪魔をしないようにって曲ごとにフレーズを考えてるつもりなんですけど、もしかしたら邪魔してるかも......?

鬼頭:大丈夫(笑)。