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INTERVIEW

Japanese

ab initio

2018年12月号掲載

ab initio

Member:宮崎 優人(Vo/Gt) 乃村Nolan(Gt/Key) ナガハタショウタ(Ba) 中村 勇介(Dr)

Interviewer:秦 理絵

アマチュア・バンドを対象にした新しいオーディション"BANDWARS"の初代グランプリを獲得したab initio。彼らが、新ドラマーに中村勇介を迎え、11月28日に配信限定シングル「歓喜」でLINE RECORDSからデビューを果たした。2年前に2ndミニ・アルバム『ユーラブユー』をリリースしてから、メンバーの脱退もあり、より"歌"が届くかたちへと音楽性も変化させてきたab initioは、その過程で何度か解散が頭をよぎったという。だが起死回生を賭けて臨んだオーディションでチャンスを掴んだのだ。今新しいフィールドへと足を踏み込もうとするメンバーに話を訊いた。

-新しいドラマーとして中村さんが加わりましたけど、どういう経緯で加入することになったんですか?

宮崎:去年の6月にドラムが抜けて、まずはサポートで入ってもらったんですけど。

中村:もともと対バンをしたこともあって、お互いに知り合いだったんです。

宮崎:結構喋ったりもしていたので、新しいドラマーを探すなかで、"あ、勇介さんがいいな"と思ったんです。

-"ぜひ一緒にやりたい!"と思った、一番のポイントはなんでしたか?

宮崎:ドラムと人柄ですね。

ナガハタ:初めてスタジオに入ったときには、もう一緒にやりたいと思ったんですよね。その日、何人か他のドラマーの方とも一緒にスタジオに入ってたんですよ。で、ちょっと休憩しようかって外に行ったときに、"もう俺は勇介さんとやりたいわ"みたいな感じで言ってましたね。

乃村:言葉では説明できない感覚なんですけどね。

-中村さんはab initioに対して、どういうイメージを抱いてましたか?

中村:ロックなバンドのイメージでしたね。でも、僕がサポートしていくなかで変化していく感じがあったんですよ。前のドラムが抜けてから、3人(宮崎、乃村、ナガハタ)の中では、ロックではなくJ-POPの方向性でいきたいっていうのはある程度決まってたみたいで。

-"J-POPの方向性でいきたい"というのは?

宮崎:前のドラムがやめたときに一瞬解散も頭をよぎったんですよ。高校のときからやってきたメンバーだから、"誰かが抜けたら解散だよね"っていう話をしてたこともあったので。でも、まだ何も残してないし、(バンドを)やめるには今じゃないっていうところで一致して、"じゃあ、続けよう"っていうことになったんです。で、続ける決意をしたあとに、今までロックでかっこいい音楽を目指して、ライヴを大切にした現場主義だったんですけど、そこも見つめなおして。もともと僕がJ-POPが好きだから、そういう音楽の方がしっくりくるんじゃないかと思ったんです。

-高橋 優さんを尊敬してるっていう話もありましたね。。(※2016年7月号掲載)

宮崎:そうですね。あと、僕の中ではコブクロがルーツになっていて。そういう話を3人で延々としていくなかで、よりポップな音楽性というか、聴く人に寄り添うように、聴きやすいようにすることを意識するようになったんですよね。

-それが作品として反映されているのが、昨年末から会場限定で出した『あなたへ』(2017年12月リリースのトリプルA面シングル)とか『ありがとう』(2018年3月リリースのトリプルA面シングル)ですね。

乃村:そうですね。僕も宮崎の意見に全面的に賛成でした。今までは僕も曲を作ってたんですけど、前のドラムが抜けてからは、ほとんど作らなくなったんですよ。ちゃんと宮崎の個性を生かしていきたいなって思うようになったんです。

ナガハタ:ただ、音楽性を変えていくなかで、僕らとしてはいい方向に向かってる確信はあったんですけど、数字として結果が出なかったり、お客さんが離れてしまったりしたんですよね。そこで落ち込んで、つらい時期が続いてたというか。

宮崎:一緒にライヴをやってた仲間からも"前の方がいいよ"って言われたりするのは結構キツかったんですけど、そういうなかで"BANDWARS"に応募したんです。

ナガハタ:音楽性を変えて進んでいくにあたって、結果がついてこなかったときに、また"解散した方がいいんじゃないか"っていう思いが頭をよぎったんですよ。"変化した方向が間違ってたのかな?"とか。だから、今までは現場主義っていうのもあったから、そもそもオーディションには一切参加してこなかったんですけど、新しいオーディションで、審査方法もSNSを使った斬新なものだったりしたから、これに賭けてみようかなって。これでダメだったら解散しようぐらいの気持ちで臨んだんですよね。

乃村:本当にすがりつくような感じでしたね。