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INTERVIEW

Japanese

ab initio

2018年12月号掲載

ab initio

メンバー:宮崎 優人(Vo/Gt) 乃村Nolan(Gt/Key) ナガハタショウタ(Ba) 中村 勇介(Dr)

インタビュアー:秦 理絵

-1次審査、2次審査というかたちで、次々に勝ち上がっていきましたけど、他のオーディションにはあまりないような斬新な審査テーマでしたね。

ナガハタ:そうですね。最初はSNS審査から始まって、簡単な動画をTwitterにアップして、リツイート数を競うとか。あとは歌詞審査もあって。メロディは関係なく、歌詞だけで審査をしてもらったりするんですよ。

乃村:そこで選ばれて新聞に載ったんです。そのあたりから"いけるんじゃない?"って思うようになって。

宮崎:歌詞審査は自信に繋がったと思いますね。それとは別で、テーマに沿って作詞作曲をする審査もありました。"ラストソング~もし人生であと1曲しか作れないとしたら~"とか、"僕たちだけのTOKYOソング"、"オラオラアゲアゲ僕たちの夏パーティーソング"っていうお題の中で、僕らは東京ソングを選んだんですよ。それで「東京花火」っていう曲を歌ったりして。

-審査の方法も、審査員によるクローズドな選定じゃなくて、リスナーからのダイレクトな意見で合否が決まるもので。勝ち上がっていくときはどう感じていましたか?

宮崎:びっくりしてましたね。"そんなに俺らのこと好きな人がいたの!?"みたいな(笑)。

ナガハタ:毎週、LINE LIVEの審査もあったんですけど、それが今まで以上にお客さんに届いてる感覚があったんですよね。それまでは毎月ライヴハウスでライヴをやっても、正直そこまでお客さんを呼べなかったりとか、1回ライヴをやってもCDが何十枚も売れるわけではなかったんですけど、LINE LIVEをやってると、ダイレクトに反応が見られたり、コメントが届いたりするんです。それが思ってた以上だったので、嬉しかったです。

-中村さんは、そのときはまだサポート・メンバーだったと思いますけど、オーディション中にはどんなことを考えていましたか?

中村:サポ―トだけど、そんなに客観的なわけでもなくて、"よし、次!"みたいな感じで受け止めていたと思います。今思うと、メンバーよりも目の前のことに対してひとつずつ向き合ってた感じだったなと。これで、もしグランプリが獲れたら、そろそろ正式メンバーになるかな? とか、自分の中でもいろいろと整理しておいた方がいいかなと思ってました。

ナガハタ:僕らは崖っぷちのところで考えてたので、"もしグランプリを獲ったら"っていうところまでは全然考えられてなかったですけどね(笑)。

-それが、まさに一発大逆転でチャンスを掴んだわけですけど。バンドをやめたいと思ったときに、踏ん張れた理由というか、やめずにいられた原動力ってなんでしたか?

宮崎:音楽性を変化させて、自分たちが本当にやりたいことをやろうとして作った楽曲に関しては、手応えがあったんですよね。ちゃんと聴き手に寄り添う音楽をやれてるなっていう。バンドの資料にも、"後ろ向きな「こころ」に寄り添って少しだけでも前向きにさせてくれる音楽"とか書いてるんですけど、これは、最初に流通盤を出す前に考えた言葉だったんですよ。だから、確かに表現方法は変わってきたし、歪みの音が少なくなったりもしているけど、バンドの芯の部分は一貫して変わらないんですよね。ずっと音楽でやりたかったことを、真っ直ぐに音に乗せられるようになった、研ぎ澄ましていったっていう感じだったから、これをちゃんと届けるためにバンドを続けようと思ってたんです。


聴いた人の中でドラマが作られていく感じが、僕が一番聴かせたい音楽像です


-なるほど。で、いよいよLINE RECORDSからリリースされるのが「歓喜」になります。まさに変化を遂げたab initioのやりたいことが詰まった曲だなと。

宮崎:この曲は、まず歌詞から書き始めましたね。デビュー作っていうところで、ネガティヴな曲じゃなくて、ポジティヴな曲にしたかったから、「歓喜」をテーマにしたんですよ。それで、最初は"BANDWARS"の体験が、僕にとっては一番新しい喜びだったから、その幸せを歌おうとしたんです。でも、できれば僕の想いよりも、これを聴いた人が自分の中にある喜びの瞬間と重ねられたらいいなと思うんですよね。聴いた人の中でドラマが作られていく感じが、僕が一番聴かせたい音楽像なので。

-ab initioって"君と僕"の歌を大切に紡いできたバンドだと思うんです。だから、このデビュー・タイミングでもそういうテーマを選んでるのが"らしいな"って。

宮崎:喜びの瞬間を感じるのって、例えば、家族とか仲間とか、今まで連絡をとってこなかった友達から"おめでとう"って言われるときだったりするんですよね。誰かの存在が、その出来事を喜びに変えてくれることがあるんですよ。そういう人と人の温度感が好きだから、それが、僕が"僕と君"を歌いたい理由だと思いますね。