Japanese
CIVILIAN
2023年05月号掲載
Member:コヤマヒデカズ(Vo/Gt) 純市(Ba) 有田 清幸(Dr)
Interviewer:石角 友香
タイトルはいわゆる家で留守番する子供に言う、"知らない人が来てもドアを開けちゃダメ"という意味です
-例えば「さよなら以外」のサウンドはメロウでノスタルジックな感じなのに、内容は苛烈ですもんね。コヤマさんの中でも特に手応えがある曲はありますか?
コヤマ:歌っていう意味ではどの曲もずっと同じぐらいのテンションで書いてる感じなんですけど、例えばギターの演奏だと、やっぱ「さよなら以外」とかは明確に思ってたことがあって。サビになるといわゆるコード弾きっていうので壁みたいにしてしまって音で埋め尽くす癖をやめたくて、そのアレンジが要するにサビでコードを弾いてないっていう、すごいマニアックなことなんですけど(笑)。それがうまくいったなっていうのが「さよなら以外」ですね。
-淡々と聴こえるからこその怖さがありますね。そして、「人類教ノスゝメ」はSNSの病理のような内容で。
コヤマ:もうずいぶん前から、アーティストとか俳優さんとか芸人さんとかもそうですけど、表に出てる人たちってクリーンであることが求められるというか、そこがどんどん厳しくなっていて。もちろん悪いことはやっちゃいけないし、それは当たり前なんですけど、過剰に人と人との関係においてすごい腫れものを扱ってるように感じるので、"何も言えなくなってくるな"と。てか、何も言わないのが一番得なんじゃないのかなとか思ったりするんですよ。
有田:SNSのおかげで便利になりましたけど、陰口で済んでたものまで活字で残るようになったじゃないですか。しかもそれを表だって誰もが見れる、そのせいもあって上澄みを掬うことで防御するみたいなことが、今スタンダードじゃないですか。もちろんそれにいろんな影響を受けて不幸な結末を迎えてる人もいっぱいいますけど。そういう意味では、最近のSNSの流行りのことを今回アルバム作りながら俺も思ってたんですけど、バンド・サウンドって今の時代に関して言えばなんて不合理が多いんだろうと思ったんです。デジタル・ミュージック全盛ななか、正統なバンド・サウンドでレコーディングしてること自体がたぶんちょっと時代遅れだとかっていうのを思いながら、こんなにアナログのマイクいっぱい立てて時間をかけて作って。だけどそれをあえてちゃんとやることで、どこでどういうふうにしたかを伝えられるサウンドメイクを考えてたんですよ。
-というと?
有田:やっぱこのバンド組んだ当初の目的として、コヤマヒデカズの曲をやりたいからというのはもうずっと昔から言ってることで。TikTokだったりが冒頭15秒で勝負とか言ってるこの世の中に、一番盛り上がってるところはラスサビまで持ってこないとか(笑)、わざわざそういう展開の構図を目指して描いてくる。そういうこと自体、逆にめちゃくちゃいいなと思ったんですよ。それはパンク精神かもしれないですけど、ちゃんと曲を聴くという行為をしてもらうためにはいいAメロがあってBメロがあってテーマがあって、もっと知りたいと思ってもらうきっかけが必要で。そこを突き詰めるには、結局単純にいい音でいい音楽を流すっていうことにしかならないんですよ。俺はあんまり歌詞の内容について本人に聞かないんですけど、結構今の音楽に対してアンチテーゼっぽいところがあるので、勝手にそれを自分の中に混ぜてレコーディングに挑んだかもしれないですね。
-ミュージシャンとしての意思の表し方ですね。これは歌詞ですけど、「覚えていようと思ったよ」も、"ちょっと自分が言っとかないとな"という意思を感じたんです。
コヤマ:そうですね。「覚えていようと思ったよ」は歌詞の通りなんですけど、進んで矢面に立ってるような人とかってやっぱりいるよなっていう感じがあって。そういう人って本人がどう思ってるかなんて結局わからないんですけど、自分もずるさみたいなところがあるので、できれば矢面に立ちたくないと思って生きてるわけですよ。でも先頭に立ってる人だったりとか、進んで傷つくような場所に立ってる人だったりとか、そういう人って単純にヒーローみたいなふうに見えるんだけれども、同じ人間だから当然傷ついてるはずで、そういうことを忘れないようにしなきゃなみたいな、歌詞の通りなんですけど、そういう感じの歌ですね。
-なるほど。ラストの「遠征録」は自分から深海に潜っている状況をイメージしましたが、いかがでしょう。
コヤマ:やっぱり歌詞を書いて歌を作るって、自分のパーソナルな部分へどんどん潜っていくような行為だと思ってるんですよね。で、そのときに思い出したくない過去を掘り下げたりとか、それこそ怒りとかいろんなネガティヴな感情と向き合わないといけないときがあるわけです。でもそうやって向き合って作ってもできあがった歌を聴くと、やっぱりこれも完全じゃないと思うんですよね。なんかまだ自分っていうものを100パーセント表せていないみたいな感じがずっとあって。で、どうしたらもっと自分の深いところまで行けるのかな? みたいなのを毎回思いながら書くのが作詞って行為だったりするという思いがあって、それに片道切符で海に潜っていくようなイメージを感じていたので、自分の中での音楽を作る行為のイメージを歌詞に書いたらそうなった感じでした。
-すごくフックが多いですし、非常にギザギザしたアルバムだなと。
有田:そうですね。俺、今回の曲には辛辣すぎてちょっと苦手な曲とかもあって。だけどめちゃくちゃ好きな曲もあるですよ。それってちゃんと極振りしてる、感情自体をちゃんとコントロールしてるというか、それってめちゃくちゃ作品にとって大事なことだと思って。大好きな人がいるぶんだけ大嫌いな人もいるのが当然な作品だと思うんですね。そういう意味でも今まで以上に鋭利なところは鋭利だし、丸いところは丸いというか。
-ちなみに一番好きな曲はどれですか?
有田:俺は「覚えていようと思ったよ」が一番好きです。勝手に俺が言われてると思って聴いてる(笑)。
-いいじゃないですか(笑)。
有田:"頑張ってる、俺"と思いながら歌詞を聴いて、"よし、頑張るか。覚えててくれる人がいるなら頑張るか"という気持ちになる(笑)。俺みたいにあっけらかんとしてる人間がその曲聴いて元気出るんだったら、もっと真剣に生きてる人はもっと響くだろうと(笑)勝手に思ってます。
-純市さんは好き嫌いみたいなものはありますか?
純市:「完璧な人間」がアルバムの中で一番、"あぁ、俺も過去こういうときあったな"という感じっていうか。頑張りたいとか、もっと頑張ろうって思ってやってたんですけど、たぶん一時期それでパーン! って弾けちゃったときがあって、承認欲求とかそういうものがなくなったらもっと自分の好きなことに正直になれたり、楽に過ごせるようになったなっていうときがあったんですね。なのでこの曲は"だよね"とか思って聴いてて(笑)。
-歌詞への共感が大きいんですね。
有田:そうですね。"何も考えてないんじゃないの?"って言われるかもしれないけど、以前は彼が書いてきた曲はなんでもいいって思ってたんです。別に今も苦手な曲、対個人として"これは俺言われたらマジでキツいな"みたいな(笑)、 そういうところはありますけど、今回はそういう意味でも今まであったようでなかった感じで新鮮でした。
-それは演奏にも反映されますね。
有田:「せめて綺麗に」は普通のドラムの録り方を全然してなかったり。ギターのアンプをマイク代わりにして、わざとゴリゴリに歪ませて録ったり、あえてモノラル1本だけで入ってたりとか、昔のやり方だけど逆に今やる、今知らない人が多いだろうなっていうやり方をやった結果面白いサウンドになってましたね。曲のイメージに対してすごい忠実なことができたかなとは思います。
-面白いです。アルバム・タイトルの"Never Open Door For Strangers"にはどんな意味を込めたんですか?
コヤマ:曲を作るときに、どういうふうに届くのかとか、J-POPとして安心できるかどうかっていうのはいったん一切気にせずに、作りたいものを作ろうっていうふうに思い立って作ったので――今後はわからないですけど、少なくともこのアルバムを作ってるときはもう1回、音楽家の自分自身を代弁するようなものを作らないと、本当に自分が死んでしまうみたいな感じだったんですよね。なのでもう全員閉め出して、とりあえず出て行ってくれ、みたいな感じで、そういうふうにして音楽を1回作らないとダメだなって思ったんですよ。そういう思いからいったんこのタイトルを付けました。それからアルバムを作っていくなかで、曲数が多かったんで一曲一曲作ってレコーディングしてるうちに気持ち的にもちょっとずつ変わっていったようなところもあったんですが、このアルバムを作ろうと思ったときの出発点としての自分の感情みたいなものに1回ドン! と旗を立てておくみたいな感じで、そのタイトルにしたところがあります。
有田:俺は単純に閉め出しただけじゃないんだろうなと勝手に思ってましたけどね。この言い回しって海外で子供に言う言葉なんだっけ?
コヤマ:子供だけじゃないけど、いわゆる家で留守番する子供に言う、"知らない人が来てもドアを開けちゃダメ"みたいな。
-なるほど。
有田:訓告っていうか訓戒っていうか、そういうところも含んでるタイトルだなと。誰しもある、"あのとき聞かなくて良かったな"とか、"従わなくて良かったのに"みたいな"ブレずに突き通す"のが難しいことって、別に音楽だけじゃなくていっぱいあるじゃないですか。そういうときにそのタイトルの内容を聞いたときに、個人的にはそんな感じに受け取れるなぁと思っていました。
-そしてツアー([CIVILIAN 3rd Album Release Tour "WHO LEFT THE DOOR OPEN?"])があります。
コヤマ:最後に『灯命』ってアルバムをリリースしたのが2021年の6月なんですけど、だから丸2年ぶりくらいですかね。やっと新しい曲をいっぱいやれるなっていう感じですね。もちろん過去に作った曲も好きなんですけど、ただやっぱり新しい曲を演奏するっていうのがバンドを更新していく一番の推進剤になると思うので、それをようやくこれからガンガンやっていけるっていうのは単純にすごく楽しみです。
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