Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

fhána

fhána

Member:佐藤 純一(Key/Cho)

Interviewer:吉羽 さおり

-毎回、音楽的にもいろんなチャレンジもしていますからね。

似たタイプの曲はないという。3rdシングル「divine intervention」(2014年リリース)は初期のfhánaにおいては大事な曲で、この曲でアニソン・シーンの中で存在感を示せたというところがありましたね。バトルものっぽい熱い要素がありつつも、音楽的には複雑みたいな。そういう曲を3枚目のシングルでやれて、その後も"「divine intervention」みたいな曲を作ってください"とかも言われたりするんですけど、「divine intervention」みたいな曲は作ってないという(笑)。

-(笑)それまではメロディの華やかさが立つ曲でしたが、ビートの攻撃性でも持っていく曲になっていました。これは自分たちでも攻めるという想いがあったんですか?

そうですね。それまではこういうバトルに合いそうな曲を作ったことがなかったので。個人的にもなかったですし、グループでも作ったことがなかったから、チャレンジではありました。

-作品が引っ張ってくれたというのもあったんですね。

そこがアニメのタイアップの面白さで。自分たちだけでオリジナル作品を作るのも大事ですけど、それだと自分たちが自分たちの可能性を狭めてしまう面もあるかもしれないので。そこを強制的に──アニメ作品では、他者との共同作用をするわけだから、その掛け合わせで、思ってもみなかった新しいものが生まれるというのが面白さだなと思いますね。

-メンバー4人の関係性については、こうして作品を重ねながら変化してきたことはありますか?

関係性はどうでしょうね。ベンチャー企業みたいな感じかなぁ。

-それぞれに持ち味があって、バラバラの4人ですからね。

fhánaというベンチャー企業があって、僕がオーナー社長。バンドの方針だったり、曲の作り方も、基本は僕が旗を振ってやっていく。だけど、yuxuki君(yuxuki waga/Gt)とかは、"最近こういうバンドがすごく面白くて"とか、"ライヴでこういうのをやったら良くないですか?"とか言ってくれるんですよね。"なるほど面白そう"ってそれを取り入れるみたいな。そんな感じの関係性なんですよね。

-旗振りですが、柔軟性も持ってないといけないところですね。

最終的には自分で決めるけど、そのプロセスではみんなの話を聞いて、内容によって取り入れるという感じですね。

-ヴォーカルのtowanaさんという人はどうですか?

towanaさんという人は謎めいていますね。

-未だにですか(笑)。

未だに何を考えているのかよくわからないですね(笑)。

-いやいや、今回の『STORIES』で重要な曲、「STORIES」の歌詞を書いているじゃないですか。

歌詞はすごくいいですよね。ヴォーカリストとしてもすごくいいんですけど。towanaは最初のころは今よりもさらに喋らなかったし、ミステリアス・ガールでしたね(笑)。今の方が普通に喋ったりとかするようになったなという感じです。

-持っている声もミステリアスだから、全体的にそういう雰囲気はありますね。

そうなんですよね。towanaみたいなヴォーカルって他にいないので。それは声質もそうだし。声が高いだけじゃなくて無色透明な感じだけど、エモーショナルなところもあって。佇まいも、背が小さくて華奢でお人形さんっぽかったりとか、ミステリアスな感じだったりがある。ああいう佇まいとか声質とか、いろいろ含めて近いタイプがいないのは、すごく重要なことだと思うんです。このベスト・アルバムを作っているときに、メンバーについて改めて考えて気づいたのは、fhánaっていうのはだいぶピーキーなバンドだなと思ったんですね。今言ったように、towanaは万能型というよりも特化型で、ある部分ではものすごく研ぎ澄まされたヴォーカリストで。yuxuki君のギターも、なんでも弾けますっていうタイプじゃなくて、すごくピーキーなギタリストなんですよ(笑)。柔軟にバランス良くいろんな音を出しますっていうよりも、自分の音っていうのがまずある。kevin君も、なんでも作れるトラックメイカーというわけじゃなくて、kevin君っぽいものしか作れない、すごく限定的なサウンドメイカーで。kevin君においては、ライヴでのダンスとか他の面ではいろんなことやってますけど。

-そうですね(笑)。

僕自身も全然バランサー・タイプじゃなくて、かなり攻撃的なタイプでもあるので。サッカーで言ったらボランチじゃなくてトップ下。と思うとピーキーな連中が集まったバンドなんですよね。だからこそ、ここまで来れたのかなというのもあると思います。