Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

fhána

2016年08月号掲載

fhána

Member:佐藤 純一(Key/Cho) yuxuki waga(Gt) kevin mitsunaga(PC/Sampler) towana(Vo)

Interviewer:吉羽 さおり

2ndアルバム『What a Wonderful World Line』のリリースから4ヶ月、fhánaがニュー・シングル『calling』をリリースする。TVアニメ"テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス"のエンディング・テーマ曲にもなっている「calling」は、シングル表題曲としては初めてのミディアムな曲。重厚なストリングスでクラシックのような壮大感があり、またバンド・サウンドとしてはモダンなビート使いや音遊びがあり、且つtowanaのヴォーカルが映えるメロディで泣きの琴線にも触れるという、カタルシスたっぷりの仕上がりだ。旅の途中を綴った歌詞とともに、fhánaの今とこれからの話を聞いた。

-ニュー・シングル『calling』は、とてもゆったりと聞こえる曲ですが、凝ったアレンジの美しい曲ですね。TVアニメ"テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス"のエンディング・テーマということですが、どんなふうにして作っていった曲ですか。

佐藤:今回の曲は、まだ2ndアルバム『What a Wonderful World Line』を作っている途中の段階で話をいただいたものなんです。まだアルバムのレコーディング中で、そっちのスケジュールもヤバかったので、"もうこの週末にはデモを出さないといけない"という感じで慌ただしく始まりました(笑)。それで最初のデモを作ったんですけど、アニメの制作側から明確に、"今回はバラードで"というオーダーがあったんですよね。なるほど、バラードなのかと(笑)。

-曲の方向性も指定があったんですね。

佐藤:あと、"テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス"では冒険の旅をしているんですけど、その旅の途中の休息のような雰囲気の曲がいいということだったんです。でもバラード調ではあるけれど、普通のバラードではなくて音楽的に面白い要素も入れたいなと思っていたんですよね。それでトリップ・ホップっぽかったり、Jonny Greenwood(RADIOHEAD)のギターみたいな音が入ってきたり、ストイックなリズム・トラックもあって、ギターはエモーショナルな感じで入ってきつつも、メロディは泣けるみたいな。そういう塩梅で作ったのがこの曲ですね。イントロの12弦ギターのアルペジオで、エキゾチックな異国情緒溢れる雰囲気を作ったりもしました。

yuxuki:個人的にはバラードを作ってる感覚がまったくなかったんですよね。リズム的には、実はそんなに遅くないじゃないですか。なので、トリップ・ホップとオルタナティヴの要素を組み合わせた曲を作ってる気持ちでした。

佐藤:リズムは基本的に16分なんですよね。フレーズに関してもその16分に乗るような感じだから、実はゆっくりじゃない。倍のスピードのものをゆっくり聴こえるようにしているという感覚ですね(笑)。

-アレンジは、どのようにしていったんですか。

yuxuki:アレンジはいつもどおり、ピアノとメロディとベースとリズム、印象となるフレーズの入ったデモを佐藤さんからもらって。今回は、基本的にギター・アレンジで、あとBメロに少しシンセのフレーズを。

佐藤:ちょうどギターを録音する前に、RADIOHEADのニュー・アルバム『A Moon Shaped Pool』(2016年6月リリースの9thアルバム)が出たんです。それを聴いて盛り上がってましたね。

yuxuki:そうそう(笑)。ストリングスの音階もそうですし、ミックスの感じもいつもより生々しくしてみたり。

kevin:僕もいつもどおりの作り方で。もらったデモに何種類かの音を入れたものを渡して、佐藤さんがそこから選んでいくようなやり方ですね。

-towanaさんは、ヴォーカルのレコーディングはどうでしたか。

towana:この曲は、ツアーの合間にレコーディングがあったんです。アルバムではバラードもありましたけど、シングルでこういったタイプの曲をやるのは初めてだったので、どういうふうに聞こえるかというのは、考えながらレコーディングしましたね。ツアーをやりながらだったので、ライヴに来てくれるお客さんのことも考えながら録りました。

-ツアー中だと、より声の出方も良かったり?

towana:そうですね。良かったと思いますし、曲が自分の中に入ってくるのも早かったなと思います。