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INTERVIEW

Japanese

Nothing's Carved In Stone

2016年12月号掲載

Nothing's Carved In Stone

Member:村松 拓(Vo/Gt) 生形 真一(Gt)

Interviewer:荒金 良介

-意外な反応があった曲はどれですか?

生形:「Good-bye」はみんなやりたいだろうと思ったら、最後まで時間がかかりました。「Like a Shooting Star」(Track.2)はこういうのやり飽きてるのかなと思ってたけど、みんなこれが一番いいと言ってくれて、この曲はいい意味で聴き流せる曲にしようと。これはAメロ、Bメロが同じメロディで、コードだけが変わるという。サビもそこまで抜け切らないサビだけど高揚感はある、繰り返しずっと聴ける曲にしたくて。「Brotherhood」(2014年リリースの6thアルバム『Strangers In Heaven』収録曲)をもう少しハードにした感じです。Stingの『Brand New Day』(1999年リリースの6thアルバム)に入ってる「Desert Rose」はメロディがひとつしかなくて、インド人の呪文みたいな言葉は入っているんですけど(笑)。ひとつのメロディをコード展開で聴かせるから、"あっ、アレンジでこんなに曲が変わるんだ"という発見もあって。

-なぜ、繰り返し聴ける曲を作りたかったんですか?

生形:ここ数年はTHE CHEMICAL BROTHERSとか、ループする音楽が大好きになっちゃって、その気持ち良さをなんとかバンドで出したくて。みんな電子音楽が好きだし、そこは共通項ですね。BATTLESも好きだし、最近はロックとエレクトロのミクスチャーが好きで。それをロックで表現したら、新しいものができるんじゃないかと。KING CRIMSONとかもNothing's Carved In Stoneに取り入れてるつもりです。ALABAMA SHAKESも好きだけど、それはこのバンドでやる音楽じゃないから(笑)。このバンドの音楽性は、「Spirit Inspiration」が入ってる『Silver Sun』(2012年リリースの4thアルバム)でだいぶ完成してきた感じがあったんですよ。

-今はそれが自然にやれていると?

生形:そうですね。「Our Morn」(Track.3)ぐらいシンセが入っていると、入れたなって感じはしますけどね。

-「Our Morn」は今作の中でも大好きな曲です。

生形:あれはひなっち(日向秀和/Ba)が持ってきた曲で、マニピュレーターに来てもらったんですよ。曲作りから完成形に近いシンセを入れて、それにバンド・アンサンブルを乗せる新しいやり方でした。

-この曲はすごくキャッチーですね。

生形:相当キャッチーな部類に入ると思います。俺らが歌って演奏すればNothing's Carved In Stoneになるんだなと。それも最近気づきました。

-今作は王道感のある楽曲が多い印象を受けました。

生形:あぁ、ポップにすることも以前より拒まなくなったというか。ベタなものでも、自分たちらしい曲になるから。

-ヴォーカルに関してはどうですか?

村松:楽曲に言葉が乗る意味ってあると思うから。"歌で気持ちを伝える"、それだけだと思うんですよ。「華やぐ街に向かう君」(Track.5)は僕がリフを持っていきました。

生形:もともと弾き語りでもやってたんだよね?

村松:そうそう。

生形:隙間のあるアレンジですけどね。特にドラムは「Adventures」(Track.10)もそうだけど、こんなにシンプルでいいのって感じで。

-「華やぐ街に向かう君」は、Nothing's Carved In Stone流バラードと言える仕上がりです。

村松:歌モノですよね。シティ・ポップっぽい、街の匂いがする曲を作りたくて。若者たちの夢だったり、よくわからない焦りだったり......そういうものが匂い立つ曲にしたかったから、生っぽい方がいいなと。僕自身がこの曲を歌って、若返りたい気持ちがあるんですよ。抱かれたいけど、抱かれたくないみたいな少女の気持ちになりたくて。

-なんですか、それは(笑)。

村松:男にも女にもそれはあって、この歳になってもフッと顔を出すことがあるから(笑)。渋谷、下北沢にもそういう匂いを感じますね。