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LIVE REPORT

Japanese

Nothing's Carved In Stone

Skream! マガジン 2021年04月号掲載

Nothing's Carved In Stone

Official Site

2021.02.27 @USEN STUDIO COAST

Reported by 吉羽 さおり Photo by RYOTARO KAWASHIMA

Nothing's Carved In Stoneが1stアルバム『PARALLEL LIVES』(2009年)に焦点を当てたワンマン・ライヴ[SPECIAL ONE-MAN LIVE "BEGINNING 2021" feat.『PARALLEL LIVES』]をUSEN STUDIO COASTで開催した。本ライヴはもともと昨年の2月27日に予定していた[SPECIAL ONE-MAN LIVE "BEGINNING 2020"]の振替公演となる。単なるリベンジ公演でなく、Nothing's Carved In Stoneが初めてライヴを行なった2009年2月27日にちなんだこの"BEGINNING"シリーズのライヴに、さらに1stアルバムの再現を盛り込んだスペシャルなライヴだ。

SEが流れ暗転したステージにまず登場したのは、大喜多崇規(Dr)。ダイナミックなドラムを響かせると、日向秀和(Ba)、生形真一(Gt)が登場し音を重ねながら会場全体にエンジンをかけていく。最後に登場した村松 拓(Vo/Gt)がスタンドマイクからマイクを取り、「Blow It Up」へと突入。冒頭から重厚なアンサンブルで会場を飲み込むと、「Like a Shooting Star」でスピードを上げ、ダンサブルなビートで観客の身体を揺らせる。まだ感染症対策で声を出すなど制限される動きはあるが、"いこうぜ"という村松の声に観客は拳を上げて、その興奮や熱を全身で開放する。フロアでは、待ちに待ったライヴ、生で浴びる爆音に歓喜がほとばしっているのがわかる。そして続く「Spirit Inspiration」でさらにスピードを増す。今回は、新旧織り交ぜたライヴのキラーチューンで1stアルバム『PARALLEL LIVES』を挟み込む構成。「Spirit Inspiration」が終わり、改めて村松が"Nothing's Carved In Stoneです、よろしく!"と挨拶をすると、ステージのバックドロップが1stアルバム『PARALLEL LIVES』のアートワークに変わる。そしてここからはどっぷりと『PARALLEL LIVES』の世界に突入。ライヴでも演奏され続け、プログレッシヴなサウンドが進化に進化を続ける「Isolation」でスタートし、ジェントルなギターとヴォーカルのハーモニーによる「Silent Shades」、馬力あるサウンドに爽快なメロディ・ラインが会場を駆け抜ける「Same Circle」へと続く。またバンドにとっての記念碑的な曲であり、毎年11月15日にはこの名を冠した恒例のライヴを行っている「November 15th」では背景に過去のライヴ映像が流れる。クロニクル的な映像で、積み重ねてきた10年超のバンドの歴史が凝縮されていて、サウンドをさらにエモーショナルにする。

ギターとベース、そしてドラムのビートがグラフィカルな絡みを聴かせる「Hand In Hand」、「Moving In Slow-Motion」、「Diachronic」と、繊細なアンサンブルを編み上げていく中盤は美しい。爆発力が高く、一息で聴く者を飲み込んでいく歌や音像感も魅力だが、この頃の、テクニカルで構築性の高いサウンドもまた魅力だ。大きく飛躍していくうえでの、綿密に計算がなされた強靭な土台になっているのも改めてわかる。

ひんやりと低温の、鋭いアルペジオとビートの絡みから熱のグラデーションを生み、ラストで村松が大きくシャウトする「Thermograffiti」、ミディアム・テンポのサウンドと叙情的なメロディが眩しい「New Day」とグッと心に潜り込んでいく曲に続き、後半はまた一気に音量もスピードも上げて観客の身体を動かしていく。「Words That Bind Us」、「Sleepless Youth」、インストゥルメンタルの「Tribal Session」から「End」と続き、様々な空間、時空をも旅して途方もない場所へと連れて行かれた感覚でアルバム『PARALLEL LIVES』を完走した。この間、ほぼノンストップでMCもなし。バンドとして洗練を重ねた4人が、かつての作品に最大限のリスペクトを払い、またアップデートした。懐かしくも新しい、『PARALLEL LIVES』の世界となった。なお「End」終了後、バックドロップの『PARALLEL LIVES』のアートワークが、新たに撮り下ろされたものに切り替わった。そこには、オリジナル時には写っていなかった村松の機材も加わっており、忠実な再現に加わったその違いも見比べてみてほしい。

終盤は再びライヴ・キラーチューンを連投。アルバム・アートワークに代わって掲げられたバンド名のもとで、「Gravity」、「Out of Control」、「In Future」と骨太さに輪をかけたアンサンブルが会場に轟く。"もっと"と声を上げる村松に観客の拳が高く突きあがる。また、"今日ここに集まれたことは、最近の中でも一番嬉しい奇跡だ"と村松は語り、さらに"あと2曲、今日だけ何もかも忘れてひとつになりませんか"と加えると「きらめきの花」、「Beginning」で最高に熱く、ポジティヴで恍惚感にあふれたクライマックスを迎えた。

アンコールでは3月17日に新曲「Wonderer」を配信リリースすることを発表し、またそれを携えて"できる限りみんなの街に行きたいと思ってます"(村松)と、全12本のツアー"Wonderer Tour"を行うこともアナウンスされた。そして最後に演奏されたのが、「Dream in the Dark」。必ずまた会うことを誓う曲は、ここからの明るい灯火だ。そんなこれからへの約束となった一夜だった。


[Setlist]
1. Blow It Up
2. Like a Shooting Star
3. Spirit Inspiration
4. Isolation
5. Silent Shades
6. Same Circle
7. November 15th
8. Hand In Hand
9. Moving In Slow-Motion
10. Diachronic
11. Thermograffiti
12. New Day
13. Words That Bind Us
14. Sleepless Youth
15. Tribal Session
16. End
17. Gravity
18. Out of Control
19. In Future
20. きらめきの花
21. Beginning
En1. Dream in the Dark

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