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LIVE REPORT

Japanese

Nothing's Carved In Stone

Skream! マガジン 2018年11月号掲載

2018.10.07 @日本武道館

Writer 吉羽 さおり

結成10周年を迎えたNothing's Carved In Stoneが、キャリア初となる日本武道館公演を行った。この数日前には台風が発生し、関東を直撃かと心配されたが、当日は快晴。ステージ上のカウントダウン時計が刻一刻と開演までの時を刻んでいく高揚感を会場一体となって味わい、ラストの10カウントは大合唱となった満員の武道館。ライヴ・タイトルである"10th Anniversary Live at BUDOKAN"と"Are You Ready?"の文字が浮かび上がると大きな歓声が沸き上がり、メンバー4人が登場。大喜多崇規(Dr)によるダイナミックなカウントから、「Isolation」で武道館公演の幕を開けた。

オープニングの映像や派手な演出なども特になく、前半は4人のアンサンブルの力だけで魅せていくステージ。その音の強度や華やかさは頭から圧巻で、「Spirit Inspiration」、「Like a Shooting Star」とグイグイ馬力を上げて瞬く間に会場を掌握する。特効の炎が上がった「You're in Motion」では、観客の興奮も最高潮に上がっていった。ドラム、ベース、ギターとヴォーカルというスタンダードな形だが、このバンドが生み出していくのは骨太で、且つスペクタクルなサウンド。その目眩のするような音世界が、中盤からよりディープに、ドープに展開していく。"早いもので、バンドを始めて10年になります"と村松 拓(Vo/Gt)。そして"この10年の間変わらず、真摯に曲を作り活動を続け、今日ここに立っている"と続け、バンドの今を証明してくれるのはここにいるみんなだと語った。この言葉からの「The Poison Bloom」、「In Future」、そして「Directions We Know」へと展開していく流れは最高で、生形真一(Gt)の美しくもトリッキーなフレーズと、そのタペストリー的に編まれていくギターに高いテンションで絡み、曲に鮮やかな生命力を注ぎ込んでいく日向秀和のベースと大喜多のドラムによるアンサンブルが大きく会場を飲み込む。アンセム感の高い村松のエモーショナルなヴォーカルが観客の拳を上げさせ、身体を揺らしていく。「Midnight Train」から「村雨の中で」へと瑞々しい歌心を響かせていく、その爽快感も最高だ。

"なんだろうね、この気持ちは"と、改めて武道館に立った感慨を口にする村松。"長く喋るつもりはなかったけど嬉しくて"と笑顔を見せ、ここに同じ感覚を持った仲間が集まってくれたことに愛を感じると続ける。そして"愛を込めて歌います"と「Red Light」を歌い上げた。そこから一転、ギターのノイズから、ベース、ドラムとスリリングに絡んでいくヒリヒリとした緊張感も凄まじい「Damage」、エフェクティヴな日向のベースが冴えプログレッシヴに展開していく「Gravity」、グッド・メロディで、"歌"の良さをフィーチャーした「青の雫」へというブロックは、観客がその圧倒的な音に興奮のメーターを壊されて、感情が追いつかないような感じだ。

「Mirror Ocean」で後半戦へと突入し、「Bog」、「Milestone」へとさらなる迷宮のサウンドを紡ぎ出し、"オニィ(大喜多)!"というコールから、キレのいいビートを生むロックンロール「Rendaman」、「白昼」、そしてダンサブルな「Out of Control」ではステージ背景に初めてメンバーの映像が映り、歓声が一段と大きくなる。一気にダンス・フロアと化した会場を村松がさらに焚きつけ、「きらめきの花」、そしてラストは"10周年に相応しい始まりの曲を"と、「November 15th」をプレイ。映像に映るメンバーの表情も、フロアの観客の表情も最高で、最後まで高揚感に溢れるステージとなった。

「シナプスの砂浜」、「Shimmer Song」、「Around the Clock」と3曲を披露したアンコールでは、メンバーそれぞれから観客へと感謝の気持ちを伝えるなどグッとフレンドリーな面も見せたNothing's Carved In Stone初の武道館公演。大きな会場が似合うバンド、大きなスケール感のあるバンドだということを改めて証明した一夜となった。

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