Japanese
0.8秒と衝撃。
2010年08月号掲載
Member:塔山 忠臣(Vo)
Interviewer:佐々木 健治
『エスノファンキードフトエフスキーカムカムクラブEP』。この舌を噛みそうなタイトルに象徴されるような、こんがらがっているようで、確信犯的なセンス。雑食性が高く、一見ジャンクに見せかけながらも、計算されたアレンジと独特なメロディ。皮肉屋というよりも、言いたい言葉を真っ向から放つ歌詞。そこには当然のように矛盾も内包されている。だが、そもそも人間なんてそういうものだ。その矛盾も含めて、0.8秒と衝撃。の掻き鳴らす音は、とても面白い。
-まずは、0.8秒と衝撃。はいつどのように結成されたのか、教えて下さい。
2009年の8月12日に、新宿LOFTのステージ上で結成しました。
-また、デビューまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか?
demo tapeを作り、それを今のレーベルに、板橋区ハッピーロード郵便局から送付したところ、本当にハッピーになりました。
-お二人は、0.8秒と衝撃。結成までどのような活動をされてきたのでしょうか?
塔山忠臣は年間レコードを365枚買い漁り、J.M.は一枚も買いませんでした。
-21世紀のモリッシー&マーと自称されているそうですが、スミスの影響は大きいですか?また、どういうところに影響を受けていますか?
ひとつの大きな指標です。彼らのように、古き良き3分間のポップソングのときめきを取り返したい。日本の音楽界に巣くう、プロという名のカスどもを、根こそぎドツキまわしたい。もちろん、音でね。
-この音楽性に辿り着く上で、大きな影響を受けたアーティストを挙げるとすると、誰になりますか?
岡本太郎「今日の芸術」の中に出てくる、ゴッホや、セザンヌ。
-アルバム『ZOO & LENNON』を聴かせて頂いた時から、雑食性、食い散らかしているような折衷感が面白いと思ったんですが、この音楽性は0.8秒と衝撃。を始める前からあったものですか?それとも、このバンドを始めるにあたってのコンセプトのようなものなのでしょうか?
メンバーのJ.M.に聞いたら、僕の中にあるもの、だそうです。生きてきた感情表現みたいなもの。
-また、この折衷というのは、純粋に音楽的嗜好からだけくるものですか?それとも、何か他の意味を持っていると思いますか?
よく聞かれますが、意外に音楽的な趣向はシンプルです。ただし、どんな音楽を聴いても、それが本物なのかニセモノなのかは一目で分かります。とにかく自分が気持ちいい方向へと舵を向ける。そのケツは自分で作曲というカタチで拭く。それだけの事です。
-聴かせていただいて思うのは、この折衷の仕方が凄く昭和歌謡的だなと。『ZOO & LENNON』では昭和歌謡のメロディがもろに出ていた部分もあったけれど。昭和歌謡は凄く自由に何でも取り入れていたし、その方法論自体が凄く日本的でもあったと思うんです。昭和歌謡からは直接の影響を受けていますか?また、そういう要素が0.8秒と衝撃。にあると思いますか?
僕が育った街では悲しいメロディがよく流れていました。歌謡曲やフォークのようなもの。THE CLASHが育った環境にレゲエがあったのと同じく。だから自分ではあまり深くは考えていません。それはこれから変わるかも知れないし、もっと深くなるのかも知れないです。
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