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INTERVIEW

Japanese

0.8 秒と衝撃。

0.8 秒と衝撃。

メンバー:塔山 忠臣(唄とソングライター) J.M.(唄とモデル)

インタビュアー:天野 史彬

誇りに満ちたアルバムである。どれだけ社会がクソだろうと、どれだけロックがアイドル・ポップによって隅に追いやられようと、楽しむことだけは忘れない。バカにされようが何しようが、ロックを聴いている時の、このサイコーの気分は誰にも邪魔させない。0.8秒と衝撃。の3rdアルバム『電子音楽の守護神』は、そんな僕らの決して譲れない誇りを真っ直ぐに突きつける最高傑作だ。異形のダンス・グルーヴはよりヘヴィになったが、同時に、よりポップにもなった。このビートは怒りを撒き散らすためのものではなく、ただ、あなたと笑顔をわかち合うためにある。

-アルバム、素晴らしいです!

塔山:ありがとうございます!

-0.8秒と衝撃。のバンドとしてのアイデンティティが明確に刻み込まれた、最初の決定打的作品だと思うんですけど、自分たちではどういう作品になったと思いますか?

塔山:製作期間が今までより短くて、結構カツカツだったんですよね。だから、今までは細かいところまで決めてから制作に入ってたんですけど、今回は大体の土台を作ったら、その先は自分でジャムっていく感じで作っていったんです。なので、製作期間はタイトだったけど、逆に自由にやれたというか。今、自分たちはこういう音を鳴らしたいんだなっていうのを、その時その時で確認しながら作れましたね。今までライヴの現場でバンド・メンバーと一緒にやってきたことと、音源でカチッとやりたいことがいい感じにブレンドできたんじゃないですかね。

-じゃあ、今までの作品みたいに明確なテーマ設定とか、コンセプト的なものがあったわけではなかったんですか?

塔山:いや、全体的にやりたいことは決めてたんです。最初にタイトルを決めてるぐらいで。だから、はじめに決めたテーマを形にするために、自分に対して自分でジャムっていく感じですね。

-なるほど。最初に土台としてあった、このアルバムのテーマ設定っていうのはどういうものだったんですか? レーベルの資料には“プログレ・ダンス・アルバム”っていう言葉がありますが。

塔山:全曲で1個の詩になっているような、物語性のあるアルバムを作りたかったんですよね。聴く人によって、いろんな形に取れるようなアルバムを作りたかった。僕はプログレが好きなんですけど、ちょっと前にPINK FLOYDの『狂気』の制作ドキュメントを見たんですよ。彼らが『狂気』を作る時に試みたのは、THE BEATLESみたいに、アンサンブルでは凄いことをやってるんだけど、大衆に向けてのアピールもちゃんとしようっていうことなんです。難しいことをやるのも大事なんですけど、伝わるか伝わらないかも大事じゃないですか。そのコンセプトを凄く綿密に決めたらしいんですよね。それを見た時に、うちもライヴでのお客さんとの繋がり方、コール&レスポンスをやってる時のあの快感を、もっともっと音源でも出せたらいいなと思ったんです。

-確かに、今までのハチゲキの作品って、塔山さんの脳内世界がそのまま形になったような密室的な作品が多かったけど、本作はもっと外に広がっていくような開放感がありますよね。

塔山:そうなんですよね。自分の脳内世界だけじゃなくて、せっかく周りに声を挙げてくれる人が出てきてるんで、そういう人たちともっと繋がれるような、遊べるようなアルバムにしたかったんです。だから、“プログレ・ダンス・アルバム”っていうのも、プログレの音楽性というよりも精神を継承しつつ、大衆性のあるアルバムっていう意味で、ダンスアルバムなんです。ダンスって、言葉としてはチャラく聴こえるんですけど、俺はそのチャラい部分も大事だと思うんですよ。ブルースの人とかもよく言いますけど、音楽っていうのは結局、全部ダンス・ミュージックなんですよね。それって、“踊る”っていう意味だけのダンスじゃなくて、“楽しむ”っていうことだと思うんですよ。どっかの民族の人がみんなで集まって槍持って跳ねてるのもダンス・ミュージックなわけじゃないですか。そういう意味で、みんなで共有できる物質っていう意味でのダンス・ミュージックを意識して作りましたね。