Japanese
ExWHYZ
Skream! マガジン 2025年11月号掲載
2025.08.02 @LINE CUBE SHIBUYA
Writer : 宮﨑 大樹 Photographer:外林 健太
この日のExWHYZを観ていると、まるで羽化をする蝶のようだった。これから彼女たちはさらなる高みへ羽ばたいていく、そう予感させたのだ。2025年8月2日、ExWHYZがLINE CUBE SHIBUYAで3周年ライヴを開催した。そもそもLINE CUBE SHIBUYAという会場は、ExWHYZの歴史を語る上で聖地のような場所である。2022年6月2日、この場所で前身グループであるEMPiREが解散し、そしてライヴ内のサプライズとしてExWHYZが誕生した。当時は"もう二度と彼女たちのライヴを観ることはできないかもしれない"――そんなふうに思っていたファンは多かっただろうから、解散ライヴのチケットはソールド・アウトをしていたのだけれど、今回の3周年ライヴは堂々たる即完である。この勢いは本物だ。なぜExWHYZはこれだけ支持されているのか。これは自分なりの解釈ではあるけれど、彼女たちは楽曲、パフォーマンス、演出、ヴィジュアル、愛されるキャラクター性、活動への姿勢等その全てが高水準だからこそ、幅広くファンを掴めているのだと思う。グループ名の由来の1つであるカクテルの"X・Y・Z"に、"これ以上のものはない究極のカクテル"という意味が込められているように、彼女たちは、"これ以上のものはない究極のグループ"へと着実に近付いているのではないだろうか。
そんなExWHYZの3周年ライヴは"Our Step→Future"というタイトル通りに、彼女たちのこれまでの歩みを振り返り、そして未来へと歩き出していく構成になっていた。前半の彼女たちの衣装は、左半身がEMPiREをモチーフにしたかのように黒を基調としたスポーティな仕上がりで、それとは対照的に右半身には白いフリルが施されていた。左半身は過去、右半身は未来という認知に由来しているのだろうか。こういうところでも "Our Step→Future"へのこだわりを感じ取れたし、1曲目に「イマジン」をパフォーマンスしたことにも意図があるように思える。楽曲への解釈は人それぞれ違っていいだろうし、これは制作者の意図と違うのかもしれないけれど、「イマジン」で描かれたものについて、筆者はこう捉えている。"上手くいかなかった過去はあるけれど、それを嘆いても過去に戻ることはできない。だったら楽な未来に逃げず、True Endを目指して走り出していこう"。これこそが、今のExWHYZのモードなのではないだろうか。
「イマジン」の披露が終わると、スクリーン上では日付が2022年に戻る演出が投影され、同年にリリースされた1stアルバム『xYZ』収録曲のブロックへ突入。インストを含め、同作から6曲連続パフォーマンスを行ったのだが、この日はメンバーの目が良かった。細かいところまで突き詰められている自信、そこから来るライヴを楽しむ余裕が感じられたし、何よりメンバーが目でも表現しているように見えたのだ。"まさに「目は口ほどに物を言う」だな"と思わせるパフォーマンスには驚かされた。
続いて、スクリーンの時計が2023年を示すと、今度は2ndアルバム『xANADU』収録曲のブロックへ。こちらも7曲連続で披露していったのだが、最後の「Everything」は、yahyelの篠田ミルによるストリングス・アレンジが施された、特別バージョンでのパフォーマンスだった。会場がえも言われぬ幸福感で満たされるなか、夜明けの映像が映し出される。ここまでノンストップのパフォーマンスを続けてきた彼女たちが一度ステージから捌け、前半パートは終了した。
前半が過去を振り返るパートだったとしたら、後半は未来へ駆け出していくパートだと言えるだろう。再びステージに姿を現した彼女たちは衣装をチェンジしていた。それはお揃いだったり色違いだったりする、アイドルらしいものではなく、一人一人の個性を意識して制作したかのようにそれぞれ別々の衣装だった。ライヴの内容としても、本編は前後半含めてMCを入れない構成になっており、アイドルのライヴにありがちな要素を意図的に抑えていたように見える。"アーティストとして魅せる"ことを重視している意識が窺えた。
新たな衣装で臨んだ後半パートは、メンバーとマスター(※ExWHYZファンの総称)の熱量と迸る感情が際立っていた。バンド・サウンドだったり、ダンス・ミュージックだったり、音楽的なジャンルは違えど、ExWHYZの音楽は観る者の感情を高ぶらせたり、心の奥のほうをギュッと掴んだりしてくれる。そんな後半パートのハイライトの1つになったのは「Our Song」だろう。LINE CUBE SHIBUYAを埋め尽くしたマスターが大合唱する様は壮観の一言だ。これまでの悲喜こもごもを共有してきたメンバーとマスターの、強固な絆を感じさせた一幕だった。そしてExWHYZは本編ラストに「Wanna Dance」をマスターへ届ける。彼女たちの始まりの曲を披露することで、ここがまた新たな始まりになることを思わせてくれる、最高のラストだった。
そしてアンコール。メンバーはこの日初めてのMCで想いを語っていく。mikinaは"みんなの「Our Song」最高だったな。みんながこうして集まってくれて、みんなの人生と私たちの人生が奇跡的に重なる時間になったわけなんだけど、私たちは他のどこよりも濃い重なりを過ごしていると思います。それぞれうちらと重なるタイミングはバラバラだけど、何日も何日も重ねていって、いつまでも続いていきたい"と話す。続いてyu-kiは"この3年間、本当にいろんなことがあったんですけど、みんなが会いに来てくれて、一緒に歌ってくれて、一緒に楽しい時間を過ごしてくれているから、私たちはステージに立ち続けられています"、mayuは"私は、向き合った分だけ私を受け入れてくれるライヴという時間が一番大好きです。今日も一番大好きな場所で、みんなのすごくいい顔を見られて嬉しかったです"と感謝を伝えた。最後にmahoが"みんなとまた集まれるかな? また集まりたいって思っちゃいました。それが3年間やってきた意味だなと思いました。だから、また必ず会いましょう!"と声を上げ、リリースされたばかりの1stシングル表題曲「iD」を披露。スタイリッシュ、且つグルーヴィなサウンドの上で静かに闘志を燃やしていった。
いよいよグランド・フィナーレ。3周年ライヴを締めくくった楽曲は「STAY WITH Me」だった。感謝、希望、愛、そんなポジティヴな空気で満ちた会場に銀テープが舞う。その光景は、ExWHYZが高く上昇していくことを暗示するようだった。彼女たちの未来には何が待ち受けているのだろうか。
[Setlist]
1. イマジン
2. xYZ
3. D.Y.D
4. Obsession
5. You & Me
6. WEEKEND
7. Universe
8. xANADU
9. BLAZE
10. ANSWER
11. Des Speeching
12. メトロノーム
13. FIRST STEP
14. Everything[Strings Ver by Miru Shinoda(yahyel)]
15. NOT SORRY
16. Unknown Sense
17. フラチナサマー
18. Fleeting
19. Sweet & Sour
20. 教えない
21. Shall We
22. ドラマ
23. Our Song
24. Wanna Dance
En1. iD
En2. STAY WITH Me
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