Japanese
EMPiRE
Skream! マガジン 2021年12月号掲載
2021.11.23 @幕張メッセイベントホール
Writer 宮﨑 大樹 Photo by sotobayashi kenta
"EMPiREには大きいステージが似合う"。そう言い続けてきたが、この日彼女たちはそれを見事に証明してくれた。
"EMPiRE'S SUPER ULTRA SPECTACULAR SHOW"と題した本公演。幕張メッセイベントホールはグループ史上最大規模の会場にもかかわらず、チケットは即日ソールド・アウトした。この日は、節目ではすっかりお馴染み(?)になった某雨女メンバーのパワーによる降雨もなく、逆にエージェント(※EMPiREファン)の表情は、開演前から実に晴れ晴れとしていたように感じる。
センター・ステージ上部のモニターに映し出された謎の生命体から注意事項が伝えられ、カウントダウンが表示。舞台の中心から純白の衣装をその身に纏った6人がせり上がると、ライヴは「EMPiRE originals」で開幕した。大舞台且つ円形ステージというイレギュラーな条件下では、多少の心の乱れがあっても仕方ないかなと開演前には思っていたが、冷静に、ゆったりと構える6人の姿に驚かされる。壮大なサウンドスケープに乗せて堂々たるパフォーマンスをする彼女たちからは、むしろアリーナ・クラスのアーティストが醸し出すオーラのようなものが感じ取れた。
これまではMAYU EMPiRE、MAHO EMPiREのふたりが歌の部分で引っ張っていたイメージがあったが、YU-Ki EMPiRE、MiDORiKO EMPiRE、MiKiNA EMPiRE、NOW EMPiREの4人も、各々が声の個性を生かすことで、全員が主役として6色の光を放つ。クールなダンス・サウンドの「This is EMPiRE SOUNDS」ではイントロからキレのあるダンスで魅せ、MiDORiKOが狂気を孕んだシャウトで幕張を切り裂くと、"幕張行くぞ!"(MAYU)の声でアッパーなエレクトロ・チューン「SUCCESS STORY」、爽やかなロック・ナンバー「S.O.S」を投下。エージェントと共に腕を振り回して会場の熱量をグッと高めていった。NOWは満面の笑みで、MiKiNAは自信に溢れた表情、MAYUはエージェントひとりひとりの顔を見て、コミュニケーションを取りながらパフォーマンスをしている姿が印象的だ。EMPiREメンバーが、どれだけこの日を楽しみにして、どれだけの練習を積み重ねてきたか伝わってきた。
"私たちEMPiREは、すごくすごくすごく楽しみにしてきました。私たちは踊る準備も楽しむ準備も万端でございますけれども、エージェントのみなさんは楽しむ準備できてますか!?"(YU-Ki)と煽り、「IZA!!」、「WE ARE THE WORLD」とダンス・チューンを連打する。レーザーやVJ、ど派手な演出に飲まれることなく、この大箱を掌握しているあたりは、クラブ・ツアー"EMPiRE'S GREAT PARTY CARAVANS"を回ってきた経験が生きているのかもしれない。煌びやかではあるが決して奇をてらっていない演出で、歌唱とダンス、サウンドで勝負をしていく姿はとても潔く、なんとも頼もしいではないか。「WE ARE THE WORLD」でNOWが歌う"この時間だけは無敵になるから/安心していいよ 飛び込んできて"の言葉は真実味を帯びていたし、MAHOが続ける"誰にも邪魔させないよ"という意志表示も心強くてグッと来た。続いて、ニュー・アルバム『BRiGHT FUTURE』から披露したのは「Happy with you」。強弱をつけた歌唱表現でエージェントを魅了すると、MiKiNAが"今日はいつものステージと違って、360°どの角度で見てもみんなの顔が見えて、とても幸せです。EMPiRE始まって以来、最大のステージ、最大規模のワンマン・ライヴとなります。ここに今立たせてもらっているのはエージェントのみんなのおかげです。上手くいかないことが多い私たちですが、今日はエージェントのみんなにいつまでもいつまでも思い出してもらえる、そんなライヴにしたいと思っています"と静かに闘志を燃やした。
スモークが焚かれたステージに光が差し込み、幻想的な光景を生み出した「ORDiNARY」で慈愛に満ちた歌を歌い、「きっと君と」では和の世界感でエモーショナルに歌い上げ、さらに「ピアス」を届ける。すると、ここからキラーチューンのラッシュへ。大量に上がった火柱に負けないくらいの熱量で届けた「RiGHT NOW」から「SO i YA」、特大のミラーボールが幕張を照らし、YU-Kiが"もっともっとバカになろうぜぇー!"とぶち上げた「Buttocks beat! beat!」の流れは、今夜のハイライトのひとつだったと言える。灼熱のパフォーマンスから一転して「SUPER FEELiNG GOOD」でクールなモードに切り替えると、ライヴはあっという間にラスト・スパートへ突入。終盤の定番曲「I have a chance!!」を経て、本編ラストに披露したのは「Have it my way」だ。イントロをループさせ、クラップとジャンプを煽りに煽って最高潮に達してから、EMPiREとエージェントは一体になり、踊りまくって締めくくった。16曲を全力で歌って踊った彼女たちの体力と気力には、もはや脱帽するしかない。
アンコール1発目に「EMPiRE is COMiNG」を披露したEMPiREは、メンバーひとりずつからの言葉を送った。NOWは、"私はEMPiREとエージェントに出会えてから、初めて誰かのためになりたいって思えて、それが自分の幸せになりました。だから、私はこれからもこの5人と、エージェントと、いつまでも歌って踊り続けたいです!"と話し、YU-Kiは"こうやってライヴをしていて、何度も「あぁ終わってほしくない」って思っちゃいました。私は今日のこのライヴは絶対に忘れないし、エージェントのみんなと過ごした今日のライヴは、私にとってすごくすごく大事な宝物です。これからもエージェントのみんなと宝物を増やし続けていきたいです"と語る。MiKiNAが、"子供のときにひとりで家で留守番してたときも、中学生のときにあんまりうまくいかなくて部活でハブられたときも、今は一番大事な友達になったバンド・メンバーと出会えたときも、音楽は隣にいてくれました。音楽が大好きだったおかげで、今こうしてここに、EMPiREのMiKiNA EMPiREとして立てています。音楽を通じてエージェントに会えて、こんな素敵な景色を見ることができて、今、エージェントのおかげで間違いなく私は音楽に救われたと言えます。音楽に、EMPiREに、エージェントに救われています"と想いを明かし、MAHOは、"幕張、やっぱ広かったです。でも、こうやってエージェントに囲まれて、今日はみんなで輪になって、そうしたらあの幕張メッセも一瞬で私たちのものになって。今日この一瞬だけはいつもの私たちの場所でした。今日ここにいるエージェントとEMPiREには、そういう特別な力があるんだと思います。EMPiRE、まだまだやります"と続ける。そして、MAYUは"EMPiREになってから、嬉しいや楽しいだけじゃないとわかっていたけど、想像以上に苦しいこととかつらいこともあって。でも、その中で「エージェントのみんなとのライヴがこの先にあるから」ってずっと思い続けてやってきたら、今日幕張でみんなと一緒にライヴできる日が来ました。今日みたいにみんなとライヴができる日がこの先もあるんだったら、私はどんな日々でも肯定したいし、生き抜いていこうと思っています"と話し、最後にMiDORiKOが"今日、実は私が学校の教室に入れなくて、よく逃げ込んでいた保健室の先生にも来てもらっているんです。今年の春くらいかな? 先生に久しぶりに挨拶しに行って、そのときに「顔がすっごい明るくなったね、お仕事楽しいんでしょ?」って言われて。あぁそうか、今までとんでもない顔をして逃げ込んできた私の顔しか見せていなかったんだなって、そこで気づいたんです。私はEMPiREのメンバーとして、こうしてみんなとライヴする時間が、たまらなく楽しくて大好きです。だから先生にも、そんなたまらなく楽しんでる私を観てもらいたくて、今日は呼びました。先生! 私、お仕事楽しんでるよ~!"と嬉しそうに語る。
そうして「アカルイミライ」に続けて披露した「MAD LOVE」では、EMPiREからの狂おしいほどの愛が届けられ、エージェントはその想いを受け取ってグループ最大規模のライヴはフィナーレを迎えた。
本当に、まだまだ観ていたいと思わせてくれた時間だった。来年も再来年も、もっともっと高みに登っていく6人の姿に期待したい。
[Setlist]
1. EMPiRE originals
2. This is EMPiRE SOUNDS
3. SUCCESS STORY
4. S.O.S
5. IZA!!
6. WE ARE THE WORLD
7. Happy with you
8. ORDiNARY
9. きっと君と
10. ピアス11. RiGHT NOW
12. SO i YA
13. Buttocks beat! beat!
14. SUPER FEELiNG GOOD
15. I have a chance!!
16. Have it my way
En1. EMPiRE is COMiNG
En2. アカルイミライ
En3. MAD LOVE
- 1
LIVE INFO
- 2025.06.17
-
KALMA
Nothing's Carved In Stone
Creepy Nuts
にしな
sumika
大原櫻子
Saucy Dog
清 竜人25
YONA YONA WEEKENDERS
NELKE × SHE'S
- 2025.06.18
-
BLUE ENCOUNT
星野源
Hump Back
Creepy Nuts
銀杏BOYZ
sumika
Saucy Dog
YONA YONA WEEKENDERS
Amber's × シズクノメ
ネクライトーキー
Mr.ふぉるて
東京スカパラダイスオーケストラ
Mrs. GREEN APPLE
- 2025.06.19
-
星野源
古墳シスターズ
KALMA
WANIMA
四星球
にしな
Hump Back
TenTwenty
フラワーカンパニーズ
斉藤和義
MAN WITH A MISSION
YONA YONA WEEKENDERS
reGretGirl
meiyo / 侍文化
- 2025.06.20
-
BLUE ENCOUNT
ポルカドットスティングレイ
古墳シスターズ
SHE'S
SAKANAMON
緑黄色社会
大原櫻子
女王蜂
おいしくるメロンパン
ヤングスキニー
サイダーガール
chilldspot
東京スカパラダイスオーケストラ
WtB
あれくん
斉藤和義
Organic Call
Absolute area
YONA YONA WEEKENDERS
the dadadadys
石野卓球×鎮座DOPENESS
藤巻亮太 × POOLS
小林私
THEラブ人間×ニッポンの社長
ReN
SUPER BEAVER
indigo la End
otona ni nattemo / ミノヒカル(Homesick Humming) / THE LAST MEAL ほか
- 2025.06.21
-
a flood of circle
BLUE ENCOUNT
SHE'S
HY
コレサワ
Nothing's Carved In Stone
ASP
Laughing Hick
the shes gone
ドレスコーズ
YUTORI-SEDAI
オレンジスパイニクラブ
FIVE NEW OLD
四星球
ヤングスキニー
GRAPEVINE
People In The Box
東京スカパラダイスオーケストラ
浅井健一
サカナクション
鶴
竹内アンナ
Organic Call
Novelbright
怒髪天
ACIDMAN
[Alexandros]
Chimothy→
SIS×タテタカコ
THEラブ人間×ニッポンの社長
阿部真央
"YATSUI FESTIVAL! 2025"
ねぐせ。
SUPER BEAVER
indigo la End
岩田栄秀(The Songbards)
RAY
Suchmos
"LIVEHOLIC &ROCKAHOLIC 10th Anniversary series~ VRide×Virtual Sounds Borderless"
- 2025.06.22
-
Laughing Hick
HY
the shes gone
ドレスコーズ
ASP
サイダーガール
Nothing's Carved In Stone
コレサワ
荒谷翔大
androp
ブランデー戦記
緑黄色社会
四星球
UNCHAIN
SAKANAMON
寺口宣明(Ivy to Fraudulent Game)
神はサイコロを振らない
LOCAL CONNECT
ADAM at
サカナクション
鶴
竹内アンナ
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
GRAPEVINE
Amber's × シズクノメ
おいしくるメロンパン
斉藤和義
浅井健一
[Alexandros]
the dadadadys
NOMELON NOLEMON
"YATSUI FESTIVAL! 2025"
FIVE NEW OLD
reGretGirl
ヒトリエ
Suchmos
- 2025.06.23
-
MAN WITH A MISSION
PIGGS×ガガガSP
パピプペポは難しい
アカシック
- 2025.06.24
-
にしな
星野源
ビッケブランカ
キノコホテル
きのホ。×POLYSICS
ExWHYZ
リュックと添い寝ごはん
Devil ANTHEM.
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series~Miracle PON☆〜"
- 2025.06.25
-
オレンジスパイニクラブ
ザ・シスターズハイ
SHE'S
星野源
TenTwenty
Czecho No Republic
PEDRO×詩羽
People In The Box
斉藤和義
岡崎体育
- 2025.06.26
-
Creepy Nuts
ザ・シスターズハイ
ヤングスキニー
怒髪天
ドミコ
TENDOUJI
the dadadadys
斉藤和義
WANIMA
岡崎体育
にしな
プルスタンス / Navy HERETIC / cherie / ライティライト
- 2025.06.27
-
四星球
Creepy Nuts
GOOD ON THE REEL
Subway Daydream
東京スカパラダイスオーケストラ
ビッケブランカ
the shes gone
The Slumbers
GLIM SPANKY
オレンジスパイニクラブ
女王蜂
ポルカドットスティングレイ
ドミコ
フリージアン
サイダーガール
TENDOUJI
Nothing's Carved In Stone
荒谷翔大
yama × 群馬交響楽団
chilldspot
WHISPER OUT LOUD / Good Grief / CrowsAlive / UNMASK aLIVE
Amber's × シズクノメ
空白ごっこ
WANIMA
岡崎体育
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series~ナニカシラ presents sunriseeee!!!!〜"
- 2025.06.28
-
眉村ちあき
女王蜂
鶴
LOCAL CONNECT
竹内アンナ
GRAPEVINE
怒髪天
[Alexandros]
Lucky Kilimanjaro
Organic Call
浅井健一
"CRAFTLAND"
チリヌルヲワカ
the shes gone
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
w.o.d. / MONO NO AWARE / Laura day romance ほか
いゔどっと
いきものがかり
ASP
コレサワ
ドレスコーズ
神はサイコロを振らない
Laughing Hick
荒谷翔大
福永浩平(雨のパレード)
FINLANDS
the dadadadys
私立恵比寿中学
スカート
ゴキゲン帝国
礼賛
ORCALAND
"World DJ Festival Japan 2025"
ネクライトーキー
FIVE NEW OLD
斉藤和義
sumika
"TAKASAKI CITY ROCK FES.2025"
忘れらんねえよ / BLUE ENCOUNT / ヒトリエ / 打首獄門同好会 ほか
Halo at 四畳半
TGMX(FRONTIER BACKYARD etc.)
岡崎体育
Novelbright
- 2025.06.29
-
眉村ちあき
アルコサイト
ヤングスキニー
ブランデー戦記
鶴
竹内アンナ
GRAPEVINE
[Alexandros]
GLIM SPANKY
怒髪天
FINLANDS
Lucky Kilimanjaro
ネクライトーキー
東京スカパラダイスオーケストラ
浅井健一
Chimothy→
SVEN(fox capture plan)
いゔどっと
大原櫻子
荒谷翔大
reGretGirl
ドレスコーズ
VOI SQUARE CAT
終活クラブ
サイダーガール
ポルカドットスティングレイ
いきものがかり
ASP
コレサワ
清 竜人25
私立恵比寿中学
"World DJ Festival Japan 2025"
おいしくるメロンパン
斉藤和義
sumika
"TAKASAKI CITY ROCK FES.2025"
yutori
岡崎体育
Nothing's Carved In Stone
Novelbright
- 2025.06.30
-
清 竜人TOWN
浜崎容子(アーバンギャルド)
Hump Back
岡崎体育
- 2025.07.01
-
ビレッジマンズストア
Mirror,Mirror
岡崎体育
RELEASE INFO
- 2025.06.18
- 2025.06.20
- 2025.06.22
- 2025.06.25
- 2025.06.28
- 2025.07.02
- 2025.07.03
- 2025.07.04
- 2025.07.05
- 2025.07.06
- 2025.07.07
- 2025.07.08
- 2025.07.09
- 2025.07.11
- 2025.07.13
- 2025.07.15
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
音ノ乃のの
Skream! 2025年06月号