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LIVE REPORT

Japanese

ExWHYZ

Skream! マガジン 2022年11月号掲載

2022.10.03 @代官山UNIT

Writer 宮﨑 大樹 Photo by Tetsuya Yamakawa

元EMPiREメンバーにより結成されたExWHYZ。彼女たちが、11月2日にリリースする1stアルバム『xYZ』の最速試聴会"xYZ Listening Party #俺とお前で音源チェック"を代官山UNITにて開催した。アルバムは前日にマスタリング作業を終えたばかりで、マスタリング済み音源を聴くのはメンバーもこれが初めて。できあがったばかりのアルバムをメンバーと一緒にライヴハウスの音響で試聴するという、前代未聞のイベントになった。

ステージに現れたExWHYZメンバー(療養中のmidorikoは残念ながら欠席)は、"初めまして! 私たちExWHYZです!"と挨拶し、EMPiREポーズに代わるExWHYZポーズを不意打ちで披露。いわゆるアロハ・ポーズ(ハング・ルース)を思い浮かべてもらうとわかりやすいだろうか。手を握って親指と小指を伸ばしたこのExWHYZポーズは、いつでも笑顔で明るい彼女たちの取り柄を表しつつ、EMPiREではやらなかったことに挑戦しようということで、EMPiREポーズでは使わなかった指を使用していたり、カクテルの"X・Y・Z"をイメージしていたりと、様々な意味が込められているという。深く考えこまれていたポーズの由来に、代官山UNITに集まったファンも"おぉー"と感心していた。

続いて、マスタリングの一歩手前の状態であるファイナル・ミックスを聴いているメンバーから、それぞれの好きな曲が発表される。mayuは"ライヴできっと楽しいんじゃないかなと思うし、すごく明るい曲だけどじーんとなる曲"だという「STAY WITH Me」を挙げる。mahoは"イケイケなExWHYZ"が見られる「Obsession」を、nowは"「あいしてる」って言葉はとても素敵なもの。でも、さらに「あいしてる」って言葉が好きになった1曲"だと「あいしてる」について語った。"この曲を聴きながら、(曲の)世界に入って夜道を歩いている"と「D.Y.D」についてmikinaが話し、最後はyu-kiが"本当に妄想が捗る考察ソング。もしかしたら刺さる人がいるんじゃないか、刺さらないでほしいけど、刺さってもほしい"と、意味深な言葉と共に「4:00 am」を好きな曲としてセレクトした。アルバムの制作については、mahoが"短期間でたくさん作詞があったので大変でした"と話すと、nowは"より大人な私を見せたいという目標があったので、レコーディングではみんなが見たことないような私を見せられたらと思って、そんな私を出しました"、mikinaは"歌詞に英語が入っている曲が多かった。だから英語の発音に苦労した"と振り返る。そして注目してほしい点として、mikinaは「Obsession」の"見逃さないで"というフレーズ、yu-kiは特にこだわったという「4:00 am」の2Aについて話した。

ここで今回のアルバム収録曲全11曲のうち、midorikoが参加しているのは2曲であることが明らかになる。決して明るい発表ではなかったが、"midorikoが帰ってきたら必ず6人の『xYZ』音源もお届けしたい"と所属レーベルであるEMI Recordsの篠崎氏が話したことで、安堵と共に大きな拍手が沸き起こった。

そうして、アルバム『xYZ』の試聴がいよいよスタート。ExWHYZチームの気合が入りまくった、錚々たる作家陣と共に楽曲の全貌が明らかになる。

まずはオープニング・トラックの「xYZ」だ。無機質で近未来的なサウンドと響く重低音。EMPiREのその先で、また新たな世界が始まっていくのだと、高揚感と共にゾクゾクしてくる。この曲はライヴのオーバーチュアに使われるのかも? と予想していたら、本トラックのプロデュースを務めたのはyahyelのMiru ShinodaとKento Yamadaであることが、試聴会と同時並行で投稿されたExWHYZ のSNSアカウントから発表される。贅沢すぎる序曲の誕生に心底驚かされていたのも束の間、この2名が手掛けた「D.Y.D」へシームレスに繋がっていく。こちらは、ExWHYZとして生まれ変わった覚悟を、静かな闘志と共にスタイリッシュに歌う1曲。低音のリフと四つ打ちのビートで無意識に身体が揺れていくのを感じる楽曲であり、聞き取れた歌詞からはExWHYZのカラーである"蒼"との関連性もありそうに思えた。

続く「STAY WITH Me」は、世界的DJであるFEDDE LE GRANDのアンセム「Cinematic」のソングライティングと歌唱を手掛けたDenny Whiteが、作曲と楽曲プロデュースを手掛けたというEDMのキラーチューン。しれっと海外アーティストからの楽曲提供が発表され、再び度肝を抜かれてしまった。本楽曲にはmidorikoがレコーディングに参加しており、彼女の個性的な声が躍動している様がはっきりと感じられた。四つ打ちでアガれるドロップ部分での"Oh~"というパートでは、飛び跳ねながら全力で叫びたい衝動に駆られる(声出し解禁後が楽しみ!)。前向きで、絆を歌う歌詞(作詞クレジットは"MiCKiE J"ということで、もしや?)からは、今後のライヴにおいて重要な立ち位置になっていく未来を想像させた。なお、今回の試聴イベントの終了後には、本楽曲のミュージック・ビデオ制作のクラウドファンディングも発表されており、映像作品としても期待が高まるばかりだ。

そして4曲目の「Obsession」。これがまた「STAY WITH Me」に引けを取らないライヴ映え間違いなしの1曲なのだ。作詞はBTS、嵐、安室奈美恵といった世界的、国民的アーティストへ楽曲提供をしているKanata Okajima、作曲は80KIDZとMaika Loubtéの共作という豪華っぷり。アグレッシヴさではアルバム随一のアシッド・ハウス・チューンに乗せるラップのカッコ良さだけでなく、サビメロではキャッチーさを持ち、聴きどころ満載。インストでもアカペラでも聴きたいと思わせてくれる珠玉の1曲だ。注目してほしい点として挙げられていたmikinaの"見逃さないで"はクールビューティな魅力がたっぷり。