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INTERVIEW

Japanese

GANG PARADE

 

GANG PARADE

Member:カミヤサキ ユメノユア テラシマユウカ

Interviewer:宮﨑 大樹

普段はハッピーな感じでライヴをやっているけど、その裏ではみんなが葛藤している


-ライヴでの披露が楽しみですね。そして、2月26日には映像作品『PARADE GOES ON TOUR at 中野サンプラザ』もリリースされます。初回生産限定盤にはドキュメント映像も入っているんですよね。

ユウカ:はい。今までにない感じになっていると思います。

ユア:例えば大阪出身のユユだったら大阪の会場のときに撮るみたいな、メンバーごとのパートがあります。私服でメンバーがお話しをしているのも珍しいし、舞台裏をガッツリ撮った映像もこれまでなかったから、ライヴ前後の雰囲気を観ることができて楽しいと思いますよ。

ユウカ:収録されているかはわからないですけど、今までのインタビューでも私たちが話してこなかったこととか、GANG PARADEに入る前のこととかも話しました。あと、詳しくは言えないんですけど、私推しの人は絶対に観たほうがいいです(笑)。これが世に出るのかと思うとドキドキしながら話してました。

-それは初回生産限定盤を買わないとですね。

ユア:ブックレットもつきますし、写真だけじゃなくて、インタビューも載っているので、ぜひ高いほうを買ってもらって(笑)。

-(笑)本編の見どころとか、こういうところに注目してほしいとかってありますか?

サキ:最初にお話しした通り、課題はあった公演でした。だけど、ライヴ中はちゃんと楽しんでいましたし、お客さんの顔が2階席までしっかり見えていたので、ひとりひとりと会話をしているような気持ちでライヴをできていたんです。なので、メンバーひとりひとりの表情とかはしっかり観ていただきたいなと思います。他には、会場に入ってきたときの温かい空気を感じてほしいですね。まだギャンパレを見たことがない方に、どういう空気感でライヴをしているかとか、お客さんがどういう人たちなのかっていうのを感じ取ってもらえる公演だったのかなと思うんです。まだ出会ったことがない方も、"こんな感じなんだ"と思って遊びに来てくれたら嬉しいですね。あとはアンコールのときに私が"アンコールありがとうございます"って言ったら、どよめきというか、笑いが起きたところ(笑)。

-あぁ、"GANG PARADEの、現在。"の映像が流れた直後だったから、重い雰囲気でアンコールを誰も言ってなかったんでしたっけ?

サキ:"アンコールありがとうございます"って言ったけど、"アンコール起きてないぞ......"って思って(笑)。

ユウカ:ママも言ってました。"アンコールできないやん。あんなもの見せられて......"って(笑)。

-あの映像の中でみなさん泣いてましたし、だいぶ衝撃的でしたもん。ツアー自体もハッピーなコンセプトだったじゃないですか? だから、ギャップが大きかったです。

ユア:ギャンパレ自体がハッピーな感じで普段ライヴをやっているけど、その裏ではメンバー、グループ、みんなが葛藤しながらやっているんだよっていうのが、伝わったらいいなと思いますね。そして、それでもGANG PARADEというものをやりたくて、お客さんと一緒にあの空間を作りたくてやっているというのが伝わったら、より好きになってもらえるのかなと。


GANG PARADEは、さらに怒濤で目まぐるしく変わってくる。でも、根底にあるものは変わらない


-さて、4月から初のホール・ツアー"MY FIRST HALL TOUR"が行われます。中野で課題も見つかったホールでのツアーですし、サキさんのラスト・ライヴ、新体制初ライヴにもなるので、様々な想いを抱えてのツアーになりそうです。

ユウカ:サキちゃんの脱退が決まってからグループの中でもいろんなことを話したんですけど、それでグループの関係性が変化したなっていうのがあります。今までは10人いたことによって責任が分散していた部分が大きかったなと思うんです。でも、責任が10分の1になるんじゃなくて、それぞれが10人分の責任を負わないといけないんだっていうことを自覚できた話し合いがありました。それと、ひとりひとりが違う考え方を持っているのはすごくいいことなんですけど、それが上手く作用しなかったりとか、言いたいことを言えなかったりしたことがあって、今まではケンカとかがなかったんです。でも、今は自分の想いをぶつける場面が増えました。ケンカではあるんですけど、いい意味でグループが変化していってるなと思うので、前よりもちゃんとプロ意識を持つようになって。今は個人的にもライヴに対する意識がめちゃくちゃ高くなってるので、そういう熱い気持ちを全国にぶつけられるようなライヴにしたいと思っています。

ユア:ホールに立てることは嬉しいんですけど、このツアーでホールに見合うGANG PARADEになっていきたいなと思います。この前の中野サンプラザは、お客さんが連れてきてくれたなって思う場面がすごくありましたし、"PARADE GOES ON TOUR"全体としてもお客さんに助けられたことが多かったんです。でも、私は助けられるためにGANG PARADEをやっているわけではなくて、誰かの救いになりたくて音楽を始めました。それをもう1回強く意識して、来てくれた人に届くライヴをして、誰かのためになる日を一緒に作りあげたいと思います。

-5月22日の中野サンプラザは、サキさんのラスト・ライヴになりますね。

サキ:11月4日の中野サンプラザのMCで"人生において越えられないものはないと、GANG PARADEの活動をもって証明します"と話したんですけど、脱退をするかしないかっていう個人の壁に関しては、情けないことに越えられませんでした。でも、GANG PARADEとしてその壁を越えるか越えないかについては、まだ道があるというか。自分がそういう選択をした以上、その判断が良くなるも、悪くなるも、全部これから次第だと思っています。だから、決断をしたからには、GANG PARADEを長い目で見て"あそこでカミヤがやめて良かったんじゃない?"と言われるくらいになれる一歩を、やめる身ですけど、ちゃんと作りたいです。それが、"人生において越えられないものはない"と証明することにも繋がっていくんじゃないかなと。それと、自分がこういう決断をしたからこそ、すごくライヴに関しては"単純なこと"だったんだなと気づいて。

-"単純なこと"ですか。

サキ:来てくれたお客さんひとりひとりの表情だったり、空気感だったりに対して、自分もそれに対して嬉しかったり、悲しかったりという気持ちを何倍にもして返しつつ、ぶつけ合いつつ、それを全力でやれば良かったんだなって。本当にシンプルなことに気づきました。それはギャンパレの音楽だったら絶対にできると思うし、お客さんもそういうところが楽しいと思ってライヴに来てくれているはずなので、倍々の気持ちで全部伝えていきたいなと。グループとしては終わりではないし、大きな扉を閉めたほうがより大きい扉を開けられると思うんです。デッカい扉を5月22日にいったん締めつつ、23日の扉を開けていけるようにしたいと思います。

-そういうサキさんの言葉もありつつ、ユアさんはサキさんのラスト・ライヴ、そして、5月23日の新体制初ライヴをどう考えていますか?

ユア:今言えるのは、22日よりも23日をいい日にすることをお客さんに約束するということです。22日の手を抜くとかではないんですけど、22日よりもいいライヴをしないと意味がない23日になってしまう。GANG PARADEとしてのこれからを考えたら、23日までサキちゃんがGANG PARADEにいるっていう選択肢があったなか、このツアーでサキちゃんがいるものと、いないものとを最後に見せるっていうところにも意味があると思います。その意味をしっかり考えて、サキちゃんがいなくなったあとの GANG PARADEをしっかり23日に提示して、やり切ることを考えていきたいし、そういう日を作ろうと考えています。

ユウカ:サキちゃんがいなくなることで、この先のGANG PARADEを見続けていけるかわからない人ももちろんいると思うんですよ。でも5月22日、23日で"9人になってもまだ見続けたい"って強く感じてもらいたいです。"今までいろんなことがあったな"って振り返っていたんですけど、2020年5月22日以降は、さらに怒濤で、目まぐるしく変わってくると思います。でも、やっぱり根底にあるものは変わらないし、形は変われど、私たちは何よりもお客さんを幸せにしたいって思い続けているんです。悲しいことはあるんですけど、絶対にみんなを笑顔にさせたい。そういうシンプルな気持ちが一番大事なのかなって。これまでは難しく考えすぎて、難しいことを伝えようとしすぎて、伝わらなくてもどかしい気持ちになったりもしたんです。なので、シンプルにいこうと思って。頑張っていきます。