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INTERVIEW

Japanese

FIVE NEW OLD

2017年06月号掲載

FIVE NEW OLD

Member:HIROSHI NAKAHARA(Vo/Gt) WATARU OMORI(Gt/Key) YOSHIAKI NAKAI(Ba) HAYATO MAEDA(Dr)

Interviewer:山口 智男

自分たちにとってのオルタナ・ロック・サウンドをアップデートするというテーマがあった前作『WIDE AWAKE EP』から一転、今回の『BY YOUR SIDE EP』はこれまで以上にアーバンなサウンドを打ち出した意欲作となった。さらなる挑戦が前々作、前作に負けない劇的な進化を印象づける一方で、メンバーたちが語ったところによると、その裏では、様々な葛藤もあったそうだ。ゴスペルの影響を取り入れた表題曲を含む4曲を聴きながら、それを乗り越え、FIVE NEW OLDが辿り着いた新境地をじっくりと味わってほしい。

-『BY YOUR SIDE EP』は、前回、お話を聞いたときおっしゃっていた"2017年は自分たちのキャパをさらに超える"という想いがしっかりと反映された作品になりましたね。

YOSHIAKI:4人で話し合ったとき、いろいろなアイディアが出てきたんですけど、まずはメジャー・デビューするんだから、『LISLE'S NEON』(2015年リリースの1stフル・アルバム)から前作の『WIDE AWAKE EP』(2017年1月リリースの3rd EP)まで、自分たちが広げてきた幅の中でひとつ上のグレードアップしたところを見せようというテーマがありました。その中で1曲ずつ作っていって、最終的に全曲聴いたときに、さらに新しい境地に行けたと思えました。前作以上に夜っぽい曲もあるし、ダンサブルな曲もあるし、ゴスペル調の曲もあるし。でも、それがわざとらしくない感じでできている。メジャー・デビューをきっかけにFIVE NEW OLDを知ってもらうにはぴったりの作品になったと思います。

-今回、特に新しいと感じている部分ってどんなところですか?

HAYATO:前作、前々作よりもグルーヴが上がったところかな。BPMにとらわれず、人をもっと踊らせるにはというところは、これまで以上に心掛けました。それに関しては全曲、グルーヴのあるものになったと思います。逆に言うと、僕らそういうところがちょっと追いついていないところがあったので、今回、かなり意識したんですよ。例えばテンポを上げたからって、いいノリが出るってわけではないじゃないですか。だから、そこはどんなBPMの曲でも気持ちよくノれるようなものに挑戦をしました。

-それも含め、今回の4曲ってバンド・アンサンブルが結構変わったんじゃないですか? ウワモノとして、ギターよりも鍵盤楽器が前に出てきた印象があって、ギターもソロは別として、リフよりもカッティングやオブリを聴かせるようになってきましたよね。

HIROSHI:それはステージに鍵盤を置き始めた延長上で、自分たちの基本編成のひとつとして鍵盤を、積極的に出していったからだと思います。

WATARU:ギターの数と同じぐらいのキーボードというか、4曲ともルート感がキーボードで構成されていることも大きいと思います。ライヴの話になりますけど、ギターもキーボードも弾いてという場面が1曲の中に何度かある。そういう新しさもあると思います。

HAYATO:忙しそうだもんな。

WATARU:僕自身、結構マルチにやりたいと思い始めたんですよ。

YOSHIAKI:サックスも練習しているしね。今回、4曲目の「Too Good To Be True」では、今までは曲中や間奏に入れることが多かったサックスを、インパクトという意味で曲の頭に入れてみたんです。ライヴでどうするかはこれから考えなきゃいけないんですけど。

WATARU:できれば吹きたいけど、今の段階だと、"あ、この人、初心者だな"ってわかってしまうレベルなんで、ちょっと厳しいかなぁ(笑)。でも、いずれはしっかり吹けるようにしたいと思っています。

-バンドの基本編成に鍵盤を加えたのは、そもそもなぜだったんですか?

HIROSHI:曲作りの段階で鍵盤で始めることが増えたからなんですけど、自然にというか、自分たちにとって、それが一番ナチュラルになってきたんです。その反動で若干、今またギターから作り始めようと思っているんですけど、今回に関しては作り始めるとき、鍵盤からスッと入っていけたんですよ。

-鍵盤で作り始めると、曲の感じって変わりますか?

HIROSHI:変わりますね。結構優しくなりがちというか、しっとりとしがちなんで、それをバンドとして、どう骨のあるものにしていくか。ギターで作り始めるよりも歌のメロディに集中できるという印象はあります。ただ、飽きてくるから、たぶんまたギターに戻ったり、また違うことをやったり、そのときベストだと思えるやり方で、いいと思えるものを作っていけたらとは思うんですけど。