Japanese
FIVE NEW OLD
2017年06月号掲載
Member:HIROSHI NAKAHARA(Vo/Gt) WATARU OMORI(Gt/Key) YOSHIAKI NAKAI(Ba) HAYATO MAEDA(Dr)
Interviewer:山口 智男
大きなステージに立って、多くの人をひとつにできる曲を作りたいと思っていました
-「By Your Side」を作るにあたって、何を悩んでいたんですか?
HIROSHI:スケール感のある曲を書きたいというテーマがひとつあったんですよ。やっぱり大きなステージに立ちたいし、多くの人をひとつにできる曲を作りたいと思っていたので、ざっくり言うとアンセムって言葉になると思うんですけど、ビートが速くなくてもしっかりとフロアを揺らすことできて、お客さんとひとつになれる。それが1,000人、2,000人、3,000人、1万人になっても通用するものを書いてみたい。そういうテーマを掲げたんです。でも、自分の経験が伴っていないぶん、これは嘘臭いだけなんじゃないか。そこに手を伸ばしていくことで自分たちは大きくなれるんじゃないか。けど、その経験はないという堂々巡りと、一緒に歌ってもらうためにわかりやすくしなければと、変な歩み寄りをしているうちに何がいいのかわからなくなってしまったんです。そこにShun君が入ってくれて、客観的に見られるようになって、やっと自分でいいと思えるようになったんですけど。あのままやっていたら、たぶん完成していなかったと思います(笑)。
HAYATO:ぶっちゃけめっちゃ良くなった。コロッと変わったんですよ。HIROSHIがああでもないこうでもないってやっていたところに、Shun君がアイディアをポーンと入れただけで、なんかポーンって(笑)。そこからHIROSHIも生き生きし始めましたね。
-今回、歌詞はどんなテーマで書いたんですか?
HIROSHI:タイムリーに挫折したことや、自分が落ち込んでいるときに自分を励ます言葉が多いです。"BY YOUR SIDE EP"ってタイトルで、そばにいるってことをテーマにしているんですけど、僕たちの音楽は聴いてくれる人のそばで、結構近い距離間で鳴っていてほしいというのもあるし、メジャー・デビューすることで自分たちが音楽をやる環境にも変化があって、新たに自分が見つけたもの、失ったものを見つめ直している歌詞が多いですね。
-そもそも、なぜ、そんなに落ち込んでいたんですか?
HIROSHI:曲が書けなかったんですよ。というか、何を伝えたいのかわからなかった。わからないから書けなかったんです。いい曲を書くことに何よりも快感を覚えるので、その快感に辿り着けないことと、できるまでやろうとするので、どんどんドツボにハマる。当然、生活がグチャグチャになる。人間らしい生活を捨てて、2日ぐらい何も食べずに没頭するんで、精神もおかしくなる(笑)。そんなふうにのめり込みすぎたことが一番大きかった。友達や家族とも疎遠になるし、メンバーに対しても、自分ができないことが多すぎて、この場所に存在していいんだろうかみたいな気持ちにもなった。あとからみんなに聞いたら、"このままHIROSHIは飛んでいなくなるんじゃないかって思ってた"と(笑)。ただ、自分が落ち込んでいながら、どこかでまだやれるだろうって思っている、その小さい光を言葉にしていったところはありますね。自分のそばにまだ光がある感じを。
YOSHIAKI:WATARUと僕は"1回飛んで、ひと回り大きくなって帰ってくるかな"とは言ってましたけどね(笑)。ただ、曲の作り方は一度リセットしました。夜中遅くまでやっても、結局、翌日のスタートが遅れて、時間が不規則になるだけだから、それは良くないと思って。それなら朝の9時に始めて、曲ができてもできなくても夜の8時にはいったんやめて、みんなでビールでも飲みながら軽く喋って帰ろうと。そんなに悠長に構えてる時間はなかったんですけど、その日できなくても1回帰って、翌日またトライしたらできるんじゃないか。そのやり方でいいかどうかわからないですけど、とにかくWATARUとHIROSHIを見てると、ワンフレーズにギターがいるとかいらないとかってことに時間を使っていることが多かったんですよ。だから、僕が客観的に見て"今日はやめよう。明日になったらええもん出てくるから1回忘れよう"って。それ、結構言ったよね?
WATARU:HIROSHIも僕ものめり込むタイプなんですよ。傍から見て"まだやっているの!?"ってところが僕らには見えてなかった。
YOSHIAKI:"ここのBメロどうする?"って話をしていたのに、いつの間にか"ギターの付け方が悪いのかな"ってギターの話に変わって、ギターを弾きながら、ああでもない、こうでもないと言ってるから、メロディはどこにいったんだって(笑)。
WATARU:それ結構あるんですよねぇ。
YOSHIAKI:悩みすぎて、何が悪いのかわからなくなってるんですよ。最終的にはリズムが悪いことになって、曲の根本が崩れていくみたいなこともありましたね。
-でも、まぁ、そんなふうに苦労した話を笑いながら聞けるような、いい作品になってよかったですよね。
HAYATO:ホント、そのひと言に救われますよ(笑)。
YOSHIAKI:昔話のように話してますけど、つい最近のことですからね(笑)。
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