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LIVE REPORT

Japanese

FIVE NEW OLD

Skream! マガジン 2019年07月号掲載

2019.05.25 @マイナビBLITZ赤坂

Writer 山口 智男

"無事ソールド・アウトしました!"と早速HIROSHI(Vo/Gt)が報告したとおり、ツアー・ファイナルとなる東京公演は、FIVE NEW OLDにとって最大キャパとなるマイナビBLITZ赤坂が2階席までいっぱいに! 彼らは初の"ASIA TOUR"を、見事有終の美で終えたのだった。もちろんそれも話題のひとつには違いないが、ツアーを開催するたび、確実に高まってきたバンドの人気および注目度が、ちゃんとバンド自身のスケールアップを伴っているところに本当の意味がある。1曲目の「Better Man」を始め、セットリストの要所要所に置いた4曲を収録したメジャー3rd EP『WHAT'S GONNA BE?』について、HIROSHIはインタビューで、"僕たちが初期に持っていた熱量が、この段階でもう1周して今自分たちの中に湧いてきた"と語っていたが、この日バンドが印象づけたのは、そういう意味でのスケールアップ。日本とは環境が違うアジアの国々を回ることで、改めてライヴ・バンドとして鍛えられたことも大きかったと思うが、会場は大きくなっているのに観客とバンドの距離がぐっと縮まったと感じられたところが、この日一番の成果だったかもしれない。それはバンド自身が求め、自分たちから観客の気持ちに訴え掛けるというか、心の中に飛び込むようなライヴをしたからだろう。"踊りましょう!"とHIROSHIが呼び掛けた「Stay (Want You Mine)」、ファンキーな演奏に合わせ、"ステキな腰使いを見せてちょうだい!"とHIROSHI自らダンスしてみせた「Gold Plate」から身体を動かし始めた観客は、"みなさんの心と身体と声を使って、1曲仕上げたいと思います。力を貸してもらえますか?"と言うHIROSHIに応え、「What's Gonna Be?」でシンガロング。それは観客の気持ちが解き放たれた瞬間だった。演奏の生々しさが鮮烈だった「Lisle's Neon」、そこから一転、レーザービームとミラーボールが煌びやかな空間を作り出した未来派ファンクのインストから後半戦に突入。熱度の高い演奏を畳み掛け、観客を圧倒したバンドが最後の最後に用意していたのは、彼らなりにゴスペルを消化した「By Your Side」を始め、シンガロング必至のアンセムの数々だ。すでに気持ちを解放していた観客が歌わないわけがない。観客のシンガロングに"最高! みんな大好きだ!"とHIROSHIが叫んだ。

ギターを持たない曲が増え、ダンスも含めたエネルギッシュなパフォーマンスで観客に訴え掛けるHIROSHI、バリバリと鳴らしたリフやソロでファンキーな演奏にアクセントを加えるWATARU(Gt/Key/Cho)、タイトなビートで支えながら、絶妙なフィルインで演奏を加速させるHAYATO(Dr/Cho)、そして一歩退きながらも気持ちいいところでベースを鳴らしているSHUN(Ba/Cho)――4人それぞれの存在感もこれまで以上に立ってきた。

そして、秋に新しい作品をリリースして、さらなるスケールアップに挑むツアーを行うことを発表したアンコールでは、さらに大きなサプライズが! 真摯なメッセージを込めながら、最後の最後に披露した「Don't Try To Be Perfect」が、壮大という表現が相応しいアンセムに化けたことも驚きだったが、渾身の演奏を繰り広げていた4人の姿を包み隠したスモークが晴れると、轟音がまだ鳴っているにもかかわらず、4人が消えているという展開はまさに想定外。あっと驚かされると同時に、バンドの演奏を主軸にしながら、彼らがショーとしても楽しんでもらうことを考えながらライヴに取り組んでいることがわかった。そんな取り組みは、今度のツアーでさらに大きな成果を生み出すに違いない。

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