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INTERVIEW

Japanese

HOWL BE QUIET

2014年11月号掲載

HOWL BE QUIET

Member:竹縄 航太 (Vo/Gt/Pt)

Interviewer:沖 さやこ

−"BIRDCAGE"という言葉が出てきたのはどういうタイミングだったのでしょう?

3曲目の「ライブオアライブ」という曲が今年の3、4月くらいにできた曲だったんですけど、完成したときにこの曲のイメージを話してたんです。どういうライヴをやろうか、どういうふうに歌おうか......と話してたときに"すごく抽象的なんですけど自分の中で虹の鳥たちが飛び立っていくようなイメージがあるんですよね"と話をしたら"なるほどなるほど。じゃあ虹色の鳥がジャケットなんてどう?"と言ってもらって今回のジャケットのイメージもできて。そんな話がとんとん拍子で進んで、家に帰ったときにふと"なんで虹色の鳥が飛び立っていくイメージなんだろうな"と思って。"なんで飛び立っていくんだろう?"と考えたときに"あ、そうか。ひとつの場所にいたからたくさんの鳥がばーっと飛び立っていくんだな"と思って。"じゃあなんでひとつの場所にいたんだろう?""あ、きっとこいつらは閉じ込められてたんだな""どこに?""鳥かご(=BIRDCAGE)だ"みたいな......。初めのイメージの過去を辿っていくようになって。だから「ライブオアライブ」から教えてもらったような感じなんです。パッと勝手に浮かんだものに対して、その理由を説いていくような。

−「ライブオアライブ」は"め組の大吾"などでも知られる曽田正人さんが現在連載中のファンタジー漫画"テンプリズム"のコラボ曲でもあるとのことで。

もともとテンプリズムの編集担当のかたがHOWL BE QUIETを好きでいてくれて、それがきっかけであちらから話を頂いて。それで「ライブオアライブ」を聴いてもらったら"これがいい!"と言ってもらえて、これがコラボ曲になりました。よくある冒険物の主人公は自分が選んだ目標に対して足を前に進めていくじゃないですか。でもテンプリズムの主人公のツナシは生まれながらにして運命を突きつけられて背負っていく。その境遇がすごく面白いなと思って。だからテンプリズムに感化されて出てきた言葉もあったんですよね。

−もともと曲はあったけれど、テンプリズムから受けたインスピレーションで言葉が変わっていった。

もともと俺は常に刺激を欲してて――芸術や作品、それは音楽や漫画、映画、小説、絵......いろいろあるじゃないですか。そういうものに触れてないと、自分が枯れちゃうというか、何も生まれてこない感じがすごくあって。何かがあるからこそ自分の中の喜怒哀楽が反応するから、好きなものだけでなく嫌いなものも含めて"感情が反応する"というのは自分にとってすごく刺激的な経験なので。なのでいろんなものに触れてインスピレーションが湧く、というのがすごくありますね。「ライブオアライブ」もコラボの話を頂く前から歌いたいことは決まってたんです。"ライブオアライブ"という言葉が出てきたのも"DEAD OR ALIVE"という"生か死か"という言葉が引っかかったことが発端で。"生きるか死ぬかと言われたら、死ぬという選択は今の自分にはないな""自分には生き続けるという選択しかない""そしたら生きるうえでどんな生きかたをしていくか選ぶしかない"と思って。文法的には間違ってるかもしれないですけど、"DEAD OR ALIVE"を文字って歌詞に"LIVE OR ALIVE"って入れて。テンプリズムは"生きるうえでどんな生きかたをしていくか"というテーマにおいて、自分の中のぼんやりしていた部分を明確にしてくれた感覚はありましたね。

−Track.2「千年孤独の賜物」もテンプリズムとのコラボ曲第2弾だそうですね。こちらは音像や歌詞も含めて「ライブオアライブ」とは一転、シリアスな印象のある楽曲です。

これは音楽的な部分から始まった曲でもあって、ピアノのリフがループしてる面白さが欲しいなと思ったんです。歌詞ができてない状態でなんとなくの語感で歌ったものがあって。それを入れた曲を電車でイヤホンでぼんやり聴いてて、その雰囲気や熱量から"千年孤独の賜物"というタイトルがポンと降ってきて。なのでそのタイトルに引っ張られて歌詞ができていったという、自分にとっても面白い順序だったんですよね。

−"君と僕"の関係性を歌っていたHOWL BE QUIETには新しい、自分自身との対話や戦いのような楽曲です。

ああ、前作は君がいて僕がいるという関係値がすごく強かったんですけど、今回はそうかもしれないですね。でもあんまり"孤独を歌おう"とか意識はしてないんですよ、意外に。ただ、孤独がゆえに知れることもあるじゃないですか。そういうテーマはあったので、タイトルに導かれるままに書いていったというか。

−それは引き出されていく感覚なのでしょうか。それとも吐き出したいという想いなのでしょうか?

この曲は......吐き出す方かもしれないですね。タイトルにもあるように、すごく自分に向き合った曲でもあるので、自分に対しての怒りや、不甲斐ないと思うところが出てきて。やっぱり喜怒哀楽がある以上、自分に対するネガな感情は生きていく限りあるじゃないですか。この曲の1番には"わかってないよ 何にも/僕のこと わかった気になって 言わないで"と書いてるけど、2番には"わかってるんだ 本当は"と言っていて。他者に"お前はなんもわかってねーよ"と言う強がりも含めて、自分に対するディスというか。そういう自分の中のネガな感情に向き合った曲でもありますね。だから"ああ、俺、こんなふうに思ってたんだ"と作ったあとに客観的に思って。

−コラボレーションをするのは初めてとのことですが、HOWL BE QUIETは曲の持つ世界がしっかりしているので、コラボするお相手との相性がばっちりなら尚更楽曲が大きく広がると思います。HOWL BE QUIETの音楽はイマジネーションに呼びかけるので、映像が浮かぶんですよね。

ああ、そう言っていただけると嬉しいですね。そういう音楽をしたいと思っているので。......"新しい音楽"をやりたいとすごく思ってるんですよ。