Japanese
HOWL BE QUIET
2014.11.22 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 沖 さやこ
2014年10月、バンドの中心人物である竹縄 航太にインタビューをした際、彼はこう語った。
"新しい音楽"をやりたいとすごく思ってるんです。いい意味でなんですけど、HOWL BE QUIETには"これが流行ってるからやろう"みたいな、今の音楽シーンに対する意識は全然なくて。だから自分らなりのやりたい音楽、自分らなりの新しいものを今の音楽シーンや自分自身に提示し続けたい。
その言葉が立証するように、HOWL BE QUIETの楽曲は揺らぎがないし、浮足立ってもいない。どんな嵐に巻き込まれてもびくともしない、太い樹の幹のような強さを持っているのだ。時を重ねるごとにその枝は天へと高く伸び、根は地を掌握していく。このライヴの最中にも、彼らはその枝葉と根を伸ばし続けていた。
SEが鳴り、フロアからはクラップが起こる。ラフな様子で登場したメンバーだったが、竹縄が上手にあるキーボードに向かい合い、立ったまま前傾で鬼気迫る態勢で鍵盤を鳴らした瞬間に空気が変わった。1曲目は新作『BIRDCAGE.EP』から「千年孤独の賜物」。緊張感漂うしなやかなリズムを作る橋本 佳紀のベースと岩野 亨のドラムは竹縄の歌とピアノをしっかりと支え、黒木 健志はピアノの音と剣を交えるように効果的なギターを鳴らし、ジェスチャーでフロアにシンガロングを求める。鳴らす音、そして射抜くような鋭い眼光――アグレッシヴなプレイをするわけではないが、黒木の挙動や音はこちらの意識を引きつけるムードや匂いがあり、彼の存在がまたこのバンドをより異質にさせている気がした。
そしてドラムで巧みにスピード感のある「ステレオライダー」へ。竹縄はギターを肩にかけ鍵盤を奏で、ピアノとギターを巧みに使い分ける。続いて切なく壮大なバラード曲の「GOOD BYE」。HOWL BE QUIETの音楽はどの曲も感傷を美しく描く。ゆえにこちらも頭や体が反応する前に心の中がざわめき、動揺にも近い感動が溢れだし、手も足も出ないような状態になってしまう。感受性そのものでありつつもスマートで洗練されたその音楽を、最上の状態で届ける4人の美意識の高さは見事だ。間髪入れずにドラムが情景を変えて、ミディアム・テンポと弾んだビートが心地よい「有言不実行」へとドラマティックにステージを展開。竹縄もそのリズムに身を任せ、ハンドマイクで軽やかに歌を乗せる。彼のピアノ弾き語りに岩野の叩くドラム・パッドが鼓動のように響き、手を優しく取るようにベースとギターが重なる「バトルナイフ」は、そのアンサンブルに彼らの音に向かい合う高い意識が生々しく感じられた。その空気を崩さぬまま「命のコトワリ」へ。ひとりひとりの表現力が、ピアノ・ロック・バンドという枠に収まらない音楽性をピアノ・ロックという言葉に集約させていく。
竹縄がセンターでギターを抱えたストレートな8ビートのギター・ロック「孤独の発明」に続き演奏された新曲は繊細でありながらも、どんなものでもかかってこいと言わんばかりの強い希望の光に満ちる。それはまるでCOLDPLAYが作り出すような多幸感で、どんなにつらい現実も、煌びやかな世界へと塗り替えるようだった。"もっともっとすげえの見たいんだよ、力貸してくれるかQUATTRO!"と「ライブオアライブ」へ。この瞬間、このバンドは間違いなく鳥かごを飛び立った。突風が吹きつけるような新鮮な空気が場内を巻き込み、それを確かなものにしていく姿は勇者のようだった。
"高校のころにバンドを組んで、あいつらは夢に溺れてると後ろ指さされたこともあったけど、それをうっせー見返してやる!と突っ走ってきて、こうやって満員のQUATTROに立てました"と感慨深く語る竹縄。「A.I.」の序盤の竹縄の弾き語りのパートでは、岩野と橋本がその音に合わせて自然と体を動かしていたのも印象的だった。竹縄の生み出す曲を、4人で作り上げた音を、本当に愛しているのだと。やはりこのバンドは言葉の通りピアノ・ロック・バンドなのだと。4人はラストの「救難戦争」まで、聴き手の気持ちを離さず、美しい空間を作り続けた。
アンコール・ラストの「From Birdcage」の直前に彼は"またひとつ夢が叶った。もっとでかいところでやろうと思うから、そのときにまた一緒に遊ぼう"と言った。もっともっと多くの人と繋がりたい、その欲求がまた、彼らの音楽をひと回りもふた回りも大きくする。鳴り止まぬダブル・アンコールを求める拍手もまた、彼らの未来への祝福のようだった。
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