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LIVE REPORT

Japanese

HOWL BE QUIET

Skream! マガジン 2018年12月号掲載

2018.10.17 @下北沢CLUB251

Reported by 沖 さやこ

あんなに楽しそうに演奏する彼らを観たのは初めてだった。それだけ彼らは新メンバーと自分たちのホームであるCLUB251に帰ってくる日を、この4人で観客たちと会える日を、待ちわびて仕方なかったのだろう。とめどなく喜びが溢れ続ける1時間のプレワンマン・ライヴ。HOWL BE QUIETが、凄腕ベーシストを迎え入れ、物語の新章プロローグを飾った。

アコギを背中に抱えた竹縄航太(Vo/Gt/Pf)がピアノを弾き始め、旅立ちを歌った「From Birdcage」でこの日の幕を開ける。彼が"アンコールなし1時間1本勝負、新生HOWL BE QUIET始めます!"と高らかに宣言すると、アコギを前に構えて「レジスタンス」へ。HOWL BE QUIETのライヴは音源と異なるアレンジもお楽しみのひとつだが、去年のツアーからは同期を使わないサウンド・アプローチを展開している。同曲もバンドの地力を十二分に感じさせるアレンジだ。

"久しぶりなのでメンバー紹介をしようと思います"と竹縄が言うと、彼が岩野 亨(Dr)、黒木健志(Gt)、自分自身の名前をひとりずつ叫び、それぞれが順々に音を重ねていく。"そしてお待ちかね!"と紹介されたのが、新メンバーである松本拓郎(Ba)。高校在学中よりスタジオ・ミュージシャンとして活動し、ロック、ポップス、ジャズ、ハード・ロックなど様々なプロジェクトやバンドに参加している、かなりの実力者だ。オリジナル・メンバー3人の演奏力も以前よりパワーアップしているし、竹縄のピアノのコード・ワークもさらに磨かれている。松本はバンドの成長の起爆剤になっているのだろう。

エネルギッシュに「ギブアンドテイク」を届け、「PERFECT LOSER」は、ジャズをポップにアレンジしたピアノとドラムによる導入部分もお見事。少しずつ加速しながらスケールを増していくサウンドスケープも、リスタートを切るバンドの姿と重なった。センチメンタルなバラード「GOOD BYE」は、"99のごめんねと一つのありがとう"という歌詞のうちの、"一つのありがとう"の気持ちが丁寧に綴られた、温かい優しさに溢れる演奏だった。

竹縄は気の置けない友人を前にしたように観客へ話し掛ける。"心配かけたな。不安にさせたな。待っててくれて本当にどうもありがとう。そんなことを想っていたらできた曲があるから、それを歌います"と言うとアコギへ手を落とし、新曲を披露した。歌詞はリスナーへの手紙のような内容。彼の想いを受け取るように観客もじっくりと聴き入った。

黒木が松本の加入の経緯を語ると、その途中、松本が自らそこに補足を入れる。その自然さや松本の堂々とした語り口、物怖じしない様子にも感心した。バンドの歯車はかなりいい具合に回っているようだ。"俺ら最っ高に楽しいのよ。音楽が"と喜びを語る黒木。彼らはそのあともバンドが充実していることを言葉と音で伝えた。「MONSTER WORLD」も新体制が整った彼らにはお誂え向きの曲で、人間味が溢れた竹縄のヴォーカルも少年漫画の主人公のように力強く響く。"HOWL BE QUIET、もう止まらない! ここからただただ駆け抜けていきます、どうかついてきてください!"と竹縄が言うと、ラストは「にたものどうし」。歌詞の内容に合わせて松本が竹縄の横でプレイをする見せ方も小粋だった。"にたものどうし"のリスタート。結成9年を迎えるHOWL BE QUIETに吹いた新しい風は、ここからさらに勢いを増していくだろう。


[Setlist]
1. From Birdcage
2. レジスタンス
3. ファーストレディー
4. ギブアンドテイク
5. PERFECT LOSER
6. GOOD BYE
7. 新曲
8. Dousite
9. MONSTER WORLD
10. にたものどうし